外国人旅行者の消費税免税拡大から1年 その効果と課題とは〜免税店登録済み企業・店舗に向けたアンケート調査結果発表〜
[15/10/07]
提供元:DreamNews
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日本最大のインバウンド(訪日外国人観光)業界向けB to Bポータルサイト「やまとごころ.jp」を運営する株式会社やまとごころ (代表取締役:村山 慶輔、本社:東京都新宿区)は、一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会(会長:田川 博己、本部:東京都港区/以下略称「JSTO」)が2015年8月に実施したアンケート調査を軸に、免税枠拡大したこの1年を振り返り、その効果と課題を抽出し、自社サイトにて10月7日付で結果を発表いたしました。
2015年10月で、昨年の消費税免税拡大から1年がたちました。この間、「インバウンド消費」というキーワードがメディアを賑わし、インバウンド業界以外からも注目となりました。商業施設の担当者からは、消費税免税拡大がターニングポイントだった、との声を多く聞きます。こうした動きに対し、下記の概要にて、免税店登録済み施設・店舗に向けに、「免税に関する質問」、「インバウンド対応に関する質問」に分け、アンケート調査を実施いたしました。
【調査概要】
◆調査対象:
免税店向け情報サイト「免税店.jp」の登録会員
JSF(ジャパンショッピングフェスティバル)参加企業・店舗、
やまとごこjpのメルマガ会員で免税登録の商業施設
免税店登録済みの35件からその効果と課題に関する回答を得ました。
◆調査期間:
免税に関するアンケートを実施いたしました。
(8月の夏の訪日旅行ピーク後の8月9日より18日までWebによりアンケートを回収)
◆有効回答数は35社/店舗
<回答企業/店舗の内訳>
業種:百貨店、スーパーマーケット、専門店(家電量販、アパレル等)、総合免税店、土産物屋等
【質問項目】
2014年10月1日に運用をスタートした新しい免税制度に関して、「免税に関する質問」を7項目、「インバウンド対応に関する質問」を9項目、合計16項目を調査。
1.前提としての「免税店の登録数」と「売り上げデータ」
観光庁の発表(2015年5月20日)によると、2014年10月1日時点で9.361店だった全国の免税店数は、外国人旅行者の消費税免税拡大から半年間で9,418店増加し、2015年4月1日現在合計で18,779店となった。
訪日外国人の買物消費の中でも、免税売上の伸びは特に顕著となっており、昨年10月の制度改訂が特に大きな影響を与えている。制度改定以降、免税店は増加しているが、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5大都市に集中しており、地方への訪日外国人の分散を図る上でも今後は地方での免税対応の充実が不可欠となっている。
表1:訪日外国人観光客とショッピング
出所:※観光庁「訪日外国人消費動向調査」、日本百貨店協会資料よりJSTO推計
表2:免税店数の増加と課題
出所:観光庁
2. 集計結果
今回の調査結果では、2014年10月以前に認可を受けた免税店と10月以降に認可を受けた免税店比率は50:50となっている。2014年10月の新しい免税制度の運用開始後に全体の35%が新たに認可を取得し、4月以降の認可店舗も増加傾向となっている。
グラフ1:回答小売店の免税店認可時期
※各項目に関する詳細は、サイト内で公開
【注目ポイント】
・免税店登録店舗数は増大傾向、特に地方での登録数が増加傾向
・免税登録により、売上以上に客数が増加
・免税販売実績の多い国のトップ5は中国、台湾、韓国、香港、タイ
・免税店の7割が「Japan.Tax-Free shop」ロゴを店頭掲出しPR
・免税費目の拡大後、免税販売では「化粧品、お菓子、医薬品」などの消耗品が人気
・「日本製」や「日本らしさ」をキーワードとする商材も人気。
【課題】
・訪日外国人FIT旅行者の地方分散に伴う地方における免税店舗の増加促進
・一般物品における最低購入金額の引き下げを通した消費拡大促進
・免税手続きの簡素化と店舗支援策
・クレジットカード対応店舗の増加促進
・顧客サービスの増強(デリバリーサービス、インフォメーションカウンターなど)
3.リサーチ総括
外国人旅行者の消費税免税拡大を受け、免税店登録店舗数は増大傾向で、特に、地方における登録店舗数に増加傾向がみられつつある。
免税登録により来店客数の増加はみられる一方で、客単価や売上額の伸びへの効果はあまり顕著ではない。また、来店客数や売り上げなど大きな効果が感じられている業態は、百貨店や大手GMSなど一部に限定されている。
免税販売実績のトップは中国、そして、台湾、韓国、香港、タイと続くが、今後は、中国人の消費の勢い頼るだけではなく、市場ごとのマーケティングに基づいた販売施策などの取り組みが必要であることも示唆される。
免税販売では、「化粧品、お菓子、医薬品」などの消耗品が人気の一方で、「日本製」や「日本らしさ」をキーワードとする商材の人気も高くなっている。そうした商材は、一般商品に分類され、免税対象額も1万円以上と単品で、特に地方の対象額に届かないケースも見受けられるため、対象金額の引き下げの検討も必要であろう。
顧客サービスの一環として、FITの増加に伴い、地方分散化が一層進むことが予測されるため、地方における免税や決済対応、情報提供サービスなどの受け入れ整備の強化が求められる。免税店であることのPRは重要であり、「Japan.Tax-Free shop」などのロゴを店頭掲出の有無は訪日外国人の店舗利用時の安心感を左右する。
同様に、店舗でのクレジットカード対応も、消費金額に影響を与える要因となっていることもクレジットカード会社の調査からも示唆されている。免税店の登録と共に、そうした顧客サービスの充実が、消費促進を拡大させるひとつの要因ともなろう。
当レポートの詳細はこちら▼
http://www.yamatogokoro.jp/research/2015/10/1.html
「日本のインバウンドを熱くする」をミッションに、2007 年より日本最大のインバウンド業界向け B to B ポータルサイト「やまとごころ.jp」を企画・運営。インバウンド観光に携わる企業・自治体の皆さまを対象に、インバウンドに関する情報発信、研修・セミナー、講師派遣サービス、コンサルティングサービスなどを展開。現在、法人会員 11000 名以上を保有。主催セミナーには通算 5000 名以上を動員。
URL: http://www.yamatogokoro.jp/
【本件の問い合わせ】
▼株式会社やまとごころ
E-mail: support@yamatogokoro.jp /TEL:03-5312-8314
▼一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会
E-mail: info@jsto.or.jp /TEL:03-6435-9116
2015年10月で、昨年の消費税免税拡大から1年がたちました。この間、「インバウンド消費」というキーワードがメディアを賑わし、インバウンド業界以外からも注目となりました。商業施設の担当者からは、消費税免税拡大がターニングポイントだった、との声を多く聞きます。こうした動きに対し、下記の概要にて、免税店登録済み施設・店舗に向けに、「免税に関する質問」、「インバウンド対応に関する質問」に分け、アンケート調査を実施いたしました。
【調査概要】
◆調査対象:
免税店向け情報サイト「免税店.jp」の登録会員
JSF(ジャパンショッピングフェスティバル)参加企業・店舗、
やまとごこjpのメルマガ会員で免税登録の商業施設
免税店登録済みの35件からその効果と課題に関する回答を得ました。
◆調査期間:
免税に関するアンケートを実施いたしました。
(8月の夏の訪日旅行ピーク後の8月9日より18日までWebによりアンケートを回収)
◆有効回答数は35社/店舗
<回答企業/店舗の内訳>
業種:百貨店、スーパーマーケット、専門店(家電量販、アパレル等)、総合免税店、土産物屋等
【質問項目】
2014年10月1日に運用をスタートした新しい免税制度に関して、「免税に関する質問」を7項目、「インバウンド対応に関する質問」を9項目、合計16項目を調査。
1.前提としての「免税店の登録数」と「売り上げデータ」
観光庁の発表(2015年5月20日)によると、2014年10月1日時点で9.361店だった全国の免税店数は、外国人旅行者の消費税免税拡大から半年間で9,418店増加し、2015年4月1日現在合計で18,779店となった。
訪日外国人の買物消費の中でも、免税売上の伸びは特に顕著となっており、昨年10月の制度改訂が特に大きな影響を与えている。制度改定以降、免税店は増加しているが、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5大都市に集中しており、地方への訪日外国人の分散を図る上でも今後は地方での免税対応の充実が不可欠となっている。
表1:訪日外国人観光客とショッピング
出所:※観光庁「訪日外国人消費動向調査」、日本百貨店協会資料よりJSTO推計
表2:免税店数の増加と課題
出所:観光庁
2. 集計結果
今回の調査結果では、2014年10月以前に認可を受けた免税店と10月以降に認可を受けた免税店比率は50:50となっている。2014年10月の新しい免税制度の運用開始後に全体の35%が新たに認可を取得し、4月以降の認可店舗も増加傾向となっている。
グラフ1:回答小売店の免税店認可時期
※各項目に関する詳細は、サイト内で公開
【注目ポイント】
・免税店登録店舗数は増大傾向、特に地方での登録数が増加傾向
・免税登録により、売上以上に客数が増加
・免税販売実績の多い国のトップ5は中国、台湾、韓国、香港、タイ
・免税店の7割が「Japan.Tax-Free shop」ロゴを店頭掲出しPR
・免税費目の拡大後、免税販売では「化粧品、お菓子、医薬品」などの消耗品が人気
・「日本製」や「日本らしさ」をキーワードとする商材も人気。
【課題】
・訪日外国人FIT旅行者の地方分散に伴う地方における免税店舗の増加促進
・一般物品における最低購入金額の引き下げを通した消費拡大促進
・免税手続きの簡素化と店舗支援策
・クレジットカード対応店舗の増加促進
・顧客サービスの増強(デリバリーサービス、インフォメーションカウンターなど)
3.リサーチ総括
外国人旅行者の消費税免税拡大を受け、免税店登録店舗数は増大傾向で、特に、地方における登録店舗数に増加傾向がみられつつある。
免税登録により来店客数の増加はみられる一方で、客単価や売上額の伸びへの効果はあまり顕著ではない。また、来店客数や売り上げなど大きな効果が感じられている業態は、百貨店や大手GMSなど一部に限定されている。
免税販売実績のトップは中国、そして、台湾、韓国、香港、タイと続くが、今後は、中国人の消費の勢い頼るだけではなく、市場ごとのマーケティングに基づいた販売施策などの取り組みが必要であることも示唆される。
免税販売では、「化粧品、お菓子、医薬品」などの消耗品が人気の一方で、「日本製」や「日本らしさ」をキーワードとする商材の人気も高くなっている。そうした商材は、一般商品に分類され、免税対象額も1万円以上と単品で、特に地方の対象額に届かないケースも見受けられるため、対象金額の引き下げの検討も必要であろう。
顧客サービスの一環として、FITの増加に伴い、地方分散化が一層進むことが予測されるため、地方における免税や決済対応、情報提供サービスなどの受け入れ整備の強化が求められる。免税店であることのPRは重要であり、「Japan.Tax-Free shop」などのロゴを店頭掲出の有無は訪日外国人の店舗利用時の安心感を左右する。
同様に、店舗でのクレジットカード対応も、消費金額に影響を与える要因となっていることもクレジットカード会社の調査からも示唆されている。免税店の登録と共に、そうした顧客サービスの充実が、消費促進を拡大させるひとつの要因ともなろう。
当レポートの詳細はこちら▼
http://www.yamatogokoro.jp/research/2015/10/1.html
「日本のインバウンドを熱くする」をミッションに、2007 年より日本最大のインバウンド業界向け B to B ポータルサイト「やまとごころ.jp」を企画・運営。インバウンド観光に携わる企業・自治体の皆さまを対象に、インバウンドに関する情報発信、研修・セミナー、講師派遣サービス、コンサルティングサービスなどを展開。現在、法人会員 11000 名以上を保有。主催セミナーには通算 5000 名以上を動員。
URL: http://www.yamatogokoro.jp/
【本件の問い合わせ】
▼株式会社やまとごころ
E-mail: support@yamatogokoro.jp /TEL:03-5312-8314
▼一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会
E-mail: info@jsto.or.jp /TEL:03-6435-9116