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公立認可保育園に入れた人は…わずか30%?最新「保活」事情【家計の時間調べ】

【調査概要】
・アンケート期間:2016年9月15日〜26日  
・調査方法:インターネットログイン式アンケート
・有効回答数:20代以上の既婚女性833名


<アンケート結果まとめ>

・保活経験者は約36%。これから予定している人も約30%と保育園ニーズは高い傾向に
・約4割が、プレママ期から保活を開始。保育園を見学した人はおよそ7割
・公立認可保育園に入れた人は、全体の約30%。約2割の家庭が保育料に5万円以上払っていることも判明



3人に2人が「保活経験あり」または「これから予定」。いまどきママの「保活」のリアル





Q:子どもの預け先を探す活動、いわゆる「保活」の経験はありますか?(単回答)

秋口から、各自治体では保育園の申し込みがスタートします。
少子化にもかかわらずゼロにならない待機児童、保育園や保育士の不足など、保育園にまつわる話題に事欠かない昨今。実際、世のママやプレママはどのように行動し、なにを感じているのか、最新の保活事情を探るべくアンケートを実施しました。

833名の既婚女性に「保活経験の有無」をリサーチしたところ、「ある」、「現在保活中」と答えた人が36.3%。「これから保活予定」が29.7%と回答しています。

今回のリサーチでは、既婚女性の3人に2人は、保活経験がある、もしくはこれから予定していることがわかりました。



約4割がプレママ期から保活スタート。どんな行動を起こしている?

Q:保活の経験がある方は、いつから保活を始めましたか?(単回答)

次に、「保活経験がある」、「現在保活中」と答えた方に、保活を始めた時期を教えていただいたところ、最も多かったのが「産後5〜6ヶ月頃(14.9%)でした。次に、「妊娠9〜10ヶ月頃(14.2%)」、「妊娠7〜8ヶ月頃(13.6%)」と続きます。

妊娠中、産後〜1歳までで区切ると、妊娠中から保活を始めた人は40.4%、産後〜子どもが1歳までが45.3%と、産後から保活をスタートした人のほうがやや多い結果に。

コメントでは、「妊娠中から保活を始めないと入れないと聞いて」との声や「妊娠中は仕事で時間が取れず、育休に入って慌てて保活をスタートした」との理由が挙がっていました。

また、子どもが1歳を過ぎてから保活を始めた人の割合をみると、14.2%と減少します。
このことから、0歳児、1歳児クラスへの入所を希望している人が大半であると言えるでしょう。



Q:保活の経験がある方は、具体的にどのような行動をした、あるいはしていますか?(複数回答)

<保活の内容>

役所へ問い合わせ(80.1%)
見学(70.2%)
ネットで情報集め(63.9%)


では、具体的にどんな行動を起こしているかというと、「役所への問い合わせ」が80.1%でトップに。また、保育施設へ直接足を運んでいる人も70.2%と、高い割合となりました。

「ネットで情報集め」は3番目に多い項目に入ったものの、数字をみると63.9%。ネットがこれだけ普及している時代であることを考えると、意外と少ない印象です。
こと保活に関しては、情報を得るだけではなく、役所に問い合わせたり、保育園へ見学に行ったりするなどの能動的なアクションを起こしている女性が多いことがわかりました。

そのほかでは、
「子育て支援センターに行き、相談している」
「保活のセミナーに参加して情報を集めている」
といった声や
「民間の託児所に預け、点数を稼いでいる」
「一時保育を利用している」
など、すでになんらかの保育施設に子どもを預け、認可保育園に入るための点数クリアを目指している人もいました。


さまざまな保活を経て現在保育施設に子どもを預けている先輩ママから、これから保活をする人へ、以下のアドバイスが挙がっています。

「子どもが産まれてからの保活は大変だったので、妊娠中にできるだけ情報を集め、たくさんの保育施設を見学したほうがいい」
「役所には電話だけでなく、直接出向いたほうが良い情報をもらえる」
「認証・無認可でもよい施設はたくさんあるので、認可だけにしぼらず幅広い選択肢をもつのがおすすめ」



「公立認可保育園」に入れたのは約30%。保育料に「5万円以上」払っている家庭も…



Q:現在、お子さんを保育施設に預けている方は、どんな施設を利用していますか?(単回答)

近年では、待機児童問題解消に向けて、保育園と幼稚園両方の機能を持つ「認定こども園」、少人数で保育を行う「小規模保育(地域型保育)」、「家庭的保育(保育ママ)」など、さまざまなタイプの保育施設の整備が進みつつあります。

そこで、すでになんらかの保育施設にお子さんを預けている先輩ママに、どんな施設を利用しているかリサーチしました。

結果はグラフのとおり、「公立認可保育園」が30.2%でトップに。しかし、裏を返せば公立認可保育園には30%しか入れない、と言うこともできます。

次点には「私立認可保育園」が28.9%と僅差で続き、民間が運営する「認可外保育園」を利用している人は8.7%です。

一方、ここ数年増えつつある施設に目を向けると、「認定こども園」は7.8%、「家庭的保育(保育ママ)」利用者は2.9%、「小規模保育(地域型保育)」に至ってはわずか1.7%です。そもそもが少人数制の「家庭的保育」も「小規模保育」ではありますが、今回のリサーチの結果をみるかぎり、広く利用されているとは言えない現状が浮き彫りとなりました。



Q:現在の預け先にかかっている費用を教えてください。(単回答)

<月額の保育料>

1位:2〜3万円(23.4%)
2位:5〜7万円(14.8%)
3位:1万円未満(13.9%)・1〜2万円(13.9%)


家計を考えるうえで、保育料も気になる項目のひとつです。
現在、なんらかの保育施設にお子さんを預けているママに月額の保育料を教えていただくと、「2〜3万円(23.4%)」とした人が最も多く、次点が「5〜7万円(14.8%)」、「1万円未満(13.9%)」「1〜2万円(13.9%)」との結果になりました。

さらに、預け先別でみたところ、民間が運営する「認可外保育園」に預けている家庭では、ほとんどが5万円以上の保育料を払っていることがわかりました。

公立認可保育園などの公的な保育施設の保育料は、親の収入に応じて決まるためばらつきはあるものの、5万円以内とした家庭が多くみられました。

費用面だけみると、一般的には公的な施設のほうが安くなる傾向にあります。
一方で、民間の施設に子どもを預けるママのコメントでは
「英語や食育などの幼児教育を受けられる」
「駅から近くて便利。残業があっても遅くまで預かってくれる」
「おむつの持ち帰りがない」
など、費用は高いが充実したサービスには満足しているとの声が多く挙がっていました。



保育園問題によせる、ママたちの胸のうち

待機児童をはじめ、保育施設の建設反対、保育士不足や低い給与など、保育施設にまつわる問題がニュースなどでよく取り上げられます。

当事者であるママたちに、これらの問題に対しどう考えているか、コメントをいただきました。
その一部を抜粋してご紹介します。

「働いていないと保育園に入れない、保育園に入れないと働けない。この矛盾はやはりおかしい」
「実際、預け先の保育士をみていると、その仕事は本当にハードだと思う。保育施設を増やすと同時に、保育士の待遇をよくし、保育士不足を解消することも急務だと感じる」
「週に2〜3回、午前、午後だけなど小さい単位で区切り、それらを組み合わせて預けられるような制度があるとよいのでは」
「国は保育施設への補助ではなく、各子育て世代への補助を出すほうがよい。家庭によって事情は異なるので、お金の使いどころを家庭にゆだねることで、保育園以外の解決策も増え、ひいては景気もよくなると思う」
「保育施設は増えるに越したことはないが、それ以前に、育休3年、ワークシェアなど、保育園に預けなくても母親が働き続けられる環境を整えてほしい」


政府もさまざまな施策に取り組んではいるものの、それが目に見えた「改善」として実感できているとは言い難いようです。
子どもの預け先への不安、そして育児と仕事の両立への不安。かんたんに解消できる問題ではありませんが、それでも多くの女性が心置きなく働ける環境の整備が望まれます。




▼会社概要
社名:株式会社ほけんの時間
住所:〒112-0012 東京都文京区大塚5-9-2 新大塚プラザ3F
代表取締役 植山 章博

▼取材など問い合わせ先
電話番号:03-6902-2513
URL:https://www.kakeinojikan.com/contact
担当:家計の時間 編集部
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