LINEスタンプに「触覚刺激」付与研究、87%が「感情が豊かに伝わる」と回答 名古屋工業大学、神戸デジタル・ラボが「触覚スタンプ」の研究を開始
[17/04/20]
提供元:DreamNews
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名古屋工業大学(所在地:愛知県名古屋市昭和区)大学院工学研究科の坂口正道准教授と株式会社神戸デジタル・ラボ(本社:兵庫県神戸市中央区、代表取締役社長:永吉一郎)先端技術開発部長の山口和泰が、触覚コミュニケーションに関する研究を開始したことを4月20日に発表いたします。この研究は公益財団法人 科学技術交流財団が支援する研究会事業「触知覚原理に基づく触覚技術の産業・医療応用研究会※1」での議論を契機としています。
LINEのスタンプに近年話題となっている触覚刺激を付与することで感情がより伝わるかどうかを検証する実験では、参加したグループが課題のスタンプに対して触覚刺激を実装し、そのスタンプの触感※2が感情の伝達に有効かどうかを評価した結果、87%が「感情が豊かに伝わる」と回答しました。
■今回の研究テーマおよび実験の目的
日常的なコミュニケーションで利用されている触覚をSNSのような「顔が見えない」「距離が離れている」など、直接会えない時に適用することで豊かなコミュニケーションを実現することをテーマとして、日常的なコミュニケーションで利用される触覚の調査などを進めました。
今回の実験は、「視覚に触覚を加える事で、より豊かな触感が表現できるか」の基礎知見を得るために実施しました。LINEスタンプの見た目の印象から触刺激をデザインし、振動によってその触刺激を実装することで、より高い感情を伝達できるかどうかを検証しました。
■実験の内容
実験には名古屋工業大学の学生らによる8グループが参加し、14スタンプを使用。「8ビートドラムを素材に作成」「鼓動に近い音を再現する」など創意工夫を凝らして実装した触覚刺激を発表しました。
2016年には国内の月間アクティブユーザ数が6,800万人を超えたといわれるコミュニケーションツール・LINEですが、その楽しさは単にコミュニケーションが取れることだけではありません。多くの方が使われた経験がある「スタンプ」からは、文字だけでは表せない相手の表情や気持ちを汲み取ることができます。
この研究では、LINEスタンプに触覚刺激(バイブレーション機能)を付与することで、表現力をより豊かにする実験を行いました。実験には共通課題と独自課題を設定し、各スタンプからイメージされる触覚刺激をデザインし、実装には波形編集ソフトウェア「Audacity」(http://www.audacityteam.org/)と振動体「バイブロトランスデューサ」(http://www.acouve.co.jp/)を用いました。
我々は、ほとんどの人が同じ印象を受ける触刺激があると仮説を立て、その検証のために共通課題を設定しました。共通課題にはプリインストールで、無料、だれでも使えることから「ムーンジェームズ」を選びました。
■結果
参加した8グループのうち「触感が有効である」と答えたのは7チームで、結果87.5%が「触感がLINEスタンプの表現力を豊かにする効果がありそう」だと答えました。参加した学生からは「受け手が感じる印象を強められそう」「スタンプを利用する楽しみが増える」などの意見もありました。
一方、発表後のアンケート調査では大半の学生が「実際購入はしない」と答えていることや、従来のスタンプよりもデータ容量が大きくなることなど、ビジネス化に向けて乗り越えるべき課題も複数得られました。
■今後の展望
「LINEスタンプ」という非常に小さなコンテンツであっても、触感が印象へ影響することが確認できました。今回の成果より、触感はコンテンツの大小に捉われない、UXデザインにおいても極めて重要なツールであるという仮説を立てました。今後、我々は様々なコンテンツに対して触刺激をデザインし、その触感を検証し、有効であることが確認された触刺激をアーカイブし、様々なプロダクト開発で参照される触感データベースの研究を進めてまいります。
※1 公益財団法人 科学技術交流財団の研究会事業に採択された、触覚技術の応用と価値創造を討議する研究会。平成27年から29年まで活動。座長は国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科田中由浩准教授。
※2 触感(しょっかん)とは、触覚をはじめとするさまざまな感覚によって成り立つ、主観的な質感の総称を指す言葉として近年話題になっています。中でも触覚は新領域として研究が注目され、技の支援や感性的な付加価値に応用が期待されています。2015年には、医師の知識や経験に左右されやすい「触診」を客観的に把握するためデータ化する技術が開発され注目を集めました。
また、多様なデバイスの普及による触感への注目も高まっており、今年3月3日には、「HD振動」機能が搭載された「Nintendo Switch」が発売されました。この機能は、開発者がジョイコンの振動をプログラミングで制御することができ、ゲームやキャラクターに合わせてジョイコンに与える振動を変えることができます。
※記載されている会社名、製品・サービス名は、登録商標または商標です。
※プレスリリースに記載されたサービスの価格、仕様、内容、お問合せ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
【発表者概要】
氏名 : 坂口 正道
所属 : 名古屋工業大学大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 准教授
電話 : 052-735-7144
E-mail : saka@nitech.ac.jp
URL :http://vrmech.web.nitech.ac.jp/
社名 : 株式会社 神戸デジタル・ラボ
代表者 : 代表取締役社長 永吉一郎
所在地 : (本 社)〒650-0034 兵庫県神戸市中央区京町72番地 新クレセントビル
(東京オフィス)〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-1-1 ヒューマックス恵比寿ビル
設立 : 1995年10月
資本金 : 2億995万円
従業員数 : 167名(2017年3月現在)
URL :http://www.kdl.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
国立大学法人名古屋工業大学
担当 :企画広報課広報室 村上侑(むらかみゆき)
TEL :052-735-5316
E-mail :pr@adm.nitech.ac.jp
URL :http://www.nitech.ac.jp
株式会社 神戸デジタル・ラボ
担当 :先端技術開発部 山口和泰(やまぐちかずひろ)
TEL :078-327-2280(代表)
E-mail :info@kdl.co.jp
LINEのスタンプに近年話題となっている触覚刺激を付与することで感情がより伝わるかどうかを検証する実験では、参加したグループが課題のスタンプに対して触覚刺激を実装し、そのスタンプの触感※2が感情の伝達に有効かどうかを評価した結果、87%が「感情が豊かに伝わる」と回答しました。
■今回の研究テーマおよび実験の目的
日常的なコミュニケーションで利用されている触覚をSNSのような「顔が見えない」「距離が離れている」など、直接会えない時に適用することで豊かなコミュニケーションを実現することをテーマとして、日常的なコミュニケーションで利用される触覚の調査などを進めました。
今回の実験は、「視覚に触覚を加える事で、より豊かな触感が表現できるか」の基礎知見を得るために実施しました。LINEスタンプの見た目の印象から触刺激をデザインし、振動によってその触刺激を実装することで、より高い感情を伝達できるかどうかを検証しました。
■実験の内容
実験には名古屋工業大学の学生らによる8グループが参加し、14スタンプを使用。「8ビートドラムを素材に作成」「鼓動に近い音を再現する」など創意工夫を凝らして実装した触覚刺激を発表しました。
2016年には国内の月間アクティブユーザ数が6,800万人を超えたといわれるコミュニケーションツール・LINEですが、その楽しさは単にコミュニケーションが取れることだけではありません。多くの方が使われた経験がある「スタンプ」からは、文字だけでは表せない相手の表情や気持ちを汲み取ることができます。
この研究では、LINEスタンプに触覚刺激(バイブレーション機能)を付与することで、表現力をより豊かにする実験を行いました。実験には共通課題と独自課題を設定し、各スタンプからイメージされる触覚刺激をデザインし、実装には波形編集ソフトウェア「Audacity」(http://www.audacityteam.org/)と振動体「バイブロトランスデューサ」(http://www.acouve.co.jp/)を用いました。
我々は、ほとんどの人が同じ印象を受ける触刺激があると仮説を立て、その検証のために共通課題を設定しました。共通課題にはプリインストールで、無料、だれでも使えることから「ムーンジェームズ」を選びました。
■結果
参加した8グループのうち「触感が有効である」と答えたのは7チームで、結果87.5%が「触感がLINEスタンプの表現力を豊かにする効果がありそう」だと答えました。参加した学生からは「受け手が感じる印象を強められそう」「スタンプを利用する楽しみが増える」などの意見もありました。
一方、発表後のアンケート調査では大半の学生が「実際購入はしない」と答えていることや、従来のスタンプよりもデータ容量が大きくなることなど、ビジネス化に向けて乗り越えるべき課題も複数得られました。
■今後の展望
「LINEスタンプ」という非常に小さなコンテンツであっても、触感が印象へ影響することが確認できました。今回の成果より、触感はコンテンツの大小に捉われない、UXデザインにおいても極めて重要なツールであるという仮説を立てました。今後、我々は様々なコンテンツに対して触刺激をデザインし、その触感を検証し、有効であることが確認された触刺激をアーカイブし、様々なプロダクト開発で参照される触感データベースの研究を進めてまいります。
※1 公益財団法人 科学技術交流財団の研究会事業に採択された、触覚技術の応用と価値創造を討議する研究会。平成27年から29年まで活動。座長は国立大学法人名古屋工業大学大学院工学研究科田中由浩准教授。
※2 触感(しょっかん)とは、触覚をはじめとするさまざまな感覚によって成り立つ、主観的な質感の総称を指す言葉として近年話題になっています。中でも触覚は新領域として研究が注目され、技の支援や感性的な付加価値に応用が期待されています。2015年には、医師の知識や経験に左右されやすい「触診」を客観的に把握するためデータ化する技術が開発され注目を集めました。
また、多様なデバイスの普及による触感への注目も高まっており、今年3月3日には、「HD振動」機能が搭載された「Nintendo Switch」が発売されました。この機能は、開発者がジョイコンの振動をプログラミングで制御することができ、ゲームやキャラクターに合わせてジョイコンに与える振動を変えることができます。
※記載されている会社名、製品・サービス名は、登録商標または商標です。
※プレスリリースに記載されたサービスの価格、仕様、内容、お問合せ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
【発表者概要】
氏名 : 坂口 正道
所属 : 名古屋工業大学大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 准教授
電話 : 052-735-7144
E-mail : saka@nitech.ac.jp
URL :http://vrmech.web.nitech.ac.jp/
社名 : 株式会社 神戸デジタル・ラボ
代表者 : 代表取締役社長 永吉一郎
所在地 : (本 社)〒650-0034 兵庫県神戸市中央区京町72番地 新クレセントビル
(東京オフィス)〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-1-1 ヒューマックス恵比寿ビル
設立 : 1995年10月
資本金 : 2億995万円
従業員数 : 167名(2017年3月現在)
URL :http://www.kdl.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
国立大学法人名古屋工業大学
担当 :企画広報課広報室 村上侑(むらかみゆき)
TEL :052-735-5316
E-mail :pr@adm.nitech.ac.jp
URL :http://www.nitech.ac.jp
株式会社 神戸デジタル・ラボ
担当 :先端技術開発部 山口和泰(やまぐちかずひろ)
TEL :078-327-2280(代表)
E-mail :info@kdl.co.jp