没20年・生誕88年記念「黛敏郎メモリアルシリーズ Vol.3」(10月4日豊洲)。 天地創造や映画音楽、大谷康子と岩見玲奈を迎えた協奏曲も上演。
[17/09/15]
提供元:DreamNews
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映像音楽コンサートを展開するスリーシェルズは、没20年・生誕88年記念として行っている黛敏郎メモリアルの第3回の内容を9月15日に公開した。第1部が協奏曲を含む作品集、第2部が映画音楽特集となっている。
没20年・生誕88年記念
「黛敏郎メモリアルシリーズVol.3」ついにラスト!
黛敏郎(まゆずみ・としろう/1929-1997)は戦後音楽界のトップを走った作曲家です。
斬新な発想とダイナミックなサウンドは、世界で評価され、数々の芸術家に影響を与えました。
天才にしか為し得ない音楽に、誰もが憧れ注目したのです。
三島由紀夫とはオペラや電子音楽を作り、安部公房とはミュージカルを、モーリス・ベジャールとはバレエを作りました。黛とのコラボレーションから生まれた傑作は少なくありません。
美空ひばりや石原裕次郎のために映画の主題歌も作りました。
アカデミー賞映画「天地創造」や市川崑監督の映画「東京オリンピック」の音楽も作曲しました。
ミュージカルやオペラも書きました。
野球やプロレスのテーマ音楽として使われた「スポーツ行進曲」など誰もが知る曲も書きました。
現在も続くテレビ番組「題名のない音楽会」の初代司会者でもありました。
2017年4月で、黛敏郎が亡くなって20年を迎えました。
4月5日「黛敏郎メモリアルvol.1」、7月21日「黛敏郎メモリアルvol.2」を行い、ついに10月4日ラストのVol.3となります。
3回のシリーズ全てに出演するオーケストラ・トリプティークの演奏によるVol.3は、黛敏郎との交流が深かった大谷康子を迎えたヴァイオリン協奏曲、気鋭のソリスト岩見玲奈を迎えた打楽器協奏曲、さらには、日本の映画黄金期を彩った映画音楽の数々をオーケストラ・トリプティークの常任指揮者である水戸博之の指揮でお届けします。
第1部は、コンサート用に書かれた作品を集めている。
雅楽や、東洋の時間の流れ、響きを意図した「エッセイ」。世界中の打楽器奏者が好んで取り上げる「シロフォン小協奏曲」、江藤俊哉のために作曲され、アラブやラテンの音楽の影響も聴き取れる「カプリチオ」。
第2部は清道養一の編曲・復元による映画、バレエ、TVのための音楽を弦楽オーケストラでお送りする。
一番の聴きどころは14分に及ぶ映画「天地創造」(1965)組曲である。
1.テーマ 2.ノアの方舟 3.アララト 4.アブラハム
として、世界中で愛される大作映画を弦楽オーケストラのゴージャスな響きで味わう。
「スポーツ行進曲」(1953・日本テレビ)は、日本テレビのスポーツ番組のテーマとして人気の高い作品。
バレエ「ザ・カブキ」(1986)より「討ち入りの場」は、モーリス・ベジャールの振り付けによって、東京バレエ団のレパートリーとして世界中で上演されているもの。
交響詩「立山」(1971・中日映画:松山善三)は、レコード化もされ、ファンには馴染みの深い作品。
立山の大自然を思わせる、厳しさと、すべてを受け入れる大らかな旋律を聴ける。
コンサートを締めくくるのは、女性が主役の4つの作品。
「カルメン故郷に帰る」主題歌(1951・松竹:木下恵介監督)は、日本初の総天然色映画として話題になった。高峰秀子の演じるリリィ・カルメンの鮮烈な魅力を音楽にした。
「女であること」主題歌(1958・東宝:川島雄三監督)は、丸山明宏(美輪明宏)が歌ったオープニングの歌より。
「女であること、それは育ちすぎた子羊・・・。エレガントな豚。帽子の好きなキツネ。・・・女、それは・・・悪魔、神様。女、それは、限りなくわからない・・・」と歌われるゴージャスで悩ましい、黛らしい音楽である。
「月曜日のユカ」(1964・日活:中平康監督)は、加賀まりこの主演で、今も根強い人気を誇る作品である。
加賀まりこのスキャットとともに演奏された、スウィングジャズ音楽を弦楽による舞曲として演奏する。
「執炎」(1964・日活:蔵原惟繕監督)は、浅丘ルリ子の主演で女の一途な思いを描いた。この映画より、いくつかのシーンの音楽を構成して約8分に及ぶ交響詩ふうに仕立てている。叙情あふれ、伸びやか。美しく、そして哀しみ滲む愛の歌。黛節とはこのことであろう。
黛敏郎メモリアルVol.3 2017年10月4日19時開演
豊洲文化センター シビックセンターホール(5F)
【黛敏郎メモリアルVol.3】没20年・生誕88年シリーズ
「黛敏郎弦楽オーケストラ個展:オーケストラ・トリプティークによる」
指揮:水戸博之
演奏:オーケストラ・トリプティーク
ヴァイオリンソロ:大谷康子
マリンバ:岩見玲奈
編曲:清道洋一
ライブラリアン:青島佳祐
企画構成:西耕一
主催:オーケストラ・トリプティーク
詳細・チケット販売はこちらから
https://www.3s-cd.net/concert/mm/vol-3/
黛敏郎メモリアルVOL.3
オーケストラ・トリプティークメンバー一覧
コンサートマスター:三宅政弘
ヴァイオリン:荒井智子、池田梨枝子、小川理和子、柿沼麗子、加藤美菜子、唐澤菜美子、迫田圭、田口雅人、知見寺武、能澤摩耶、野村祥子、広川優香、藤代優意、三瀬俊吾、吉井友里、和久空飛亜、渡来さやか
ヴィオラ:伊藤美香、扇慎也、神山和歌子、小堀まやか、?橋奨、星光
チェロ:任キョンア、竹本聖子、渋井妙、布施公崇
コントラバス:佐藤洋嗣、志水祐亮、八尋清史
黛敏郎 Toshiro MAYUZUMI
1929年(昭和4年)2月20日、横浜生まれ。
東京音楽学校(東京藝術大学)へ入学、池内友次郎、伊福部昭等に師事。1948年(昭和23年)に作曲した「十個の独奏楽器の為のディヴェルティメント」により、才能を認められる。1950年(昭和25年)作曲の「スフェノグラム」は、翌年の国際現代音楽祭に入選、その名が内外に知られる。1951年(昭和26年)パリ・コンセルヴァトワールへ留学、トニー・オーバン等に学ぶ。フランスから帰国後、我が国で初めての電子音楽を手がけると共に「ミュージック・コンクレートの為の作品X・Y・Z」等を発表。1953年(昭和28年)芥川也寸志、團伊玖磨等と「3人の会」を結成。また、吉田秀和等と「二十世紀音楽研究所」を設立。雅楽・声明をはじめ、日本の伝統音楽にも造詣を深める一方、バレエ、オペラ、映画音楽とシンフォニックな大作を多数作曲。1964年(昭和39年)より、テレビ番組「題名のない音楽会」の企画、出演。東京藝術大学講師、茶道「裏千家淡交会」顧問、評議員。「日本作曲家協議会」会長、「日本著作権協会」会長などを歴任した。
1997年(平成9年)4月10日逝去。
ソリストプロフィール
大谷康子 (ヴァイオリン)Yasuko Ohtani
「題名のない音楽会」(テレビ朝日)で司会を務めていた黛敏郎氏に薫陶を受け、大変尊敬し、氏の作品を多数演奏してきた。
2015年、デビュー40周年を迎えた人気・実力ともに日本を代表するヴァイオリニスト。
1708年製ピエトロ・グァルネリを使用。華のあるステージ、深く温かい演奏で聴衆に感動と喜びを届けており「歌うヴァイオリン」と評される。
東京芸術大学、同大学院博士課程修了。
全日本学生音楽コンクール第1位。シェリング来日記念コンクール第2位。
在学中よりソロ活動を始め、ウィーン、ローマ、ケルン、ベルリンなどでのリサイタルも絶賛を博す。トロント音楽祭、ザルツブルグ市などに招待されてコンサートを開き好評を得る。
国内外のオーケストラとも共演を重ね、スロヴァキア・フィル、シュトゥットガルト室内楽団、キエフ国立フィルとの日本ツアーも大成功した。
2017年5月にはキエフ国立フィルより招聘され、“キエフの春音楽祭”のオープニングコンサートに出演する。また6〜7月にはモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:シモノフ)と日本ツアーを予定。
クラシック以外でも意欲的な活動が続き、ジャズピアニスト山下洋輔氏とのコンサートでは新境地を開いた。
長年、病院や施設での訪問演奏にも力を注ぎ、被災地に演奏を届ける活動も精力的に続けている。
また、2016年12月から大谷康子の10年プロジェクト「ヴァイオリン賛歌」をHakuju Hallでスタートさせ、2017年11月は第2回目を迎える。
CDは「R.シュトラウス・ソナタ/ベートーヴェン・ソナタNo.5」(ピアノ:イタマール・ゴラン/SONY)をはじめ、ヴァイオリン協奏曲は東京交響楽団との共演でメンデルズゾーン、ラロ、ブルッフ、サン=サーンス(指揮:大友直人、広上淳一/KING)、「大谷康子のお菓子な名曲サロン」(KING)等、多数リリースされている。
文化庁「芸術祭大賞」、川崎市文化賞受賞。 東京音楽大学教授。東京芸術大学講師。(公財)練馬区文化振興協会理事長、川崎市市民文化大使。高知県観光特使。(公財)日本交響楽振興財団理事。
2016年4月からBSジャパン(テレビ東京系列)にて放映中の「おんがく交差点」(毎週水曜日 夜23時30分から30分番組)で春風亭小朝と司会、演奏を務め、多彩なゲストとの共演も注目されている。大谷康子オフィシャル・ホームページ http://www.yasukoohtani.com/
(写真は(C)Masashige Ogata)
岩見玲奈(打楽器) Reina Iwami
2009年ザルツブルクにて行われた国際マリンバコンクールにて第1位受賞をはじめとし、2008年第25回日本管打楽器コンクール第1位、2007年ベルギー国際マリンバコンクールソロ部門第2位、2010年現代音楽演奏コンクール“競楽XI”第3位・聴衆賞を受賞など国内外の多くのコンクールで優秀な成績を収め、早くから注目を集める。 兵庫県高砂市出身。8歳よりマリンバを、16歳より打楽器を始める。 日ノ本学園高校音楽科から東京音楽大学器楽専攻管打楽器(打楽器)に進み卒業後、同大大学院の管打楽器研究領域を特別特待奨学生として修了。2010・2011年度(財)ロームミュージックファンデーション奨学生。リサイタル開催の他、関西フィルハーモニー管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、ソフィアフィルハーモニー管弦楽団、航空自衛隊西部航空音楽隊をはじめとする、さまざまなオーケストラや吹奏楽団とマリンバ協奏曲を共演。 これまでに松本真理子、前川典子、菅原淳、有賀誠門、岡田眞理子、村瀬秀美、藤本隆文、久保昌一の各氏に師事。「パーカッション・ギャラリー」メンバー。 ・CD「ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス」土気シビックウインドオーケストラVol.14にソリストとして参加し真島俊夫のマリンバ協奏曲「睡蓮の花」を共演、デビューソロアルバムCD「The WAVE」を、共にCAFUAレコードよりリリース。
オーケストラ・トリプティーク
2012年、旧奏楽堂にて日本の弦楽オーケストラ曲を集めて第1回コンサートを開催して評価を受ける。
第2回、第3回演奏会は、朝日新聞文化財団の助成を受け浜離宮朝日ホー ル(朝日新聞社内)で開催し、いずれもCD化され新聞、音楽誌他で好評を得る。
2014年は伊福部昭百年紀の公式オーケストラとして、NHKや新聞の取材 も受け、3回の公演を成功に導く。
2015年は、生誕90年の作曲家特集として、芥川也寸志と渡辺宙明の個展を開催して好評を得る。
フルオーケストラ、弦楽オーケストラ、アンサンブル、小編成まで様々な形態で日本の作曲家の音楽をアーカイヴすべく活動している。
リリースされたCDは6枚。タワー・レコード やamazonのチャートで1位も記録している。
トリプティーク(三連画)とは、前衛、近現代音楽、映像音楽という三本の柱を持ち活動する意思の表明でもある。
http://3s-ca.jimdo.com/
水戸博之 MITO Hiroyuki 指揮
1988年、江別市出身。北海道立大麻高等学校を経て東京音楽大学、 及び同大学大学院作曲指揮科(指揮)を卒業。在学中の6年間、給費特待奨学生に選ばれる。これまでに指揮を広上淳一、汐澤安彦、田代俊文、加納明洋、三河正典、ピアノを奥山優香、北島公彦、米田栄子、野田清隆、音楽理論を伊左治直の各氏に師事。2010年、サントリーホール主催レインボウ21デビューコンサート出演。 2012年、東総文化会館「東総の第九」にて東京音楽大学シンフォニーオーケストラを指揮。井上道義、及び下野竜也両氏によるマスタークラスを受講し、いずれも優秀者に選出され、オーケストラアンサンブル金沢、金沢大学フィルハーモニー管弦楽団、上野学園大学管弦楽団を指揮する。
また、東京混声合唱団の合唱指揮者としてNHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会に出演する他、同合唱団の文化庁主催による巡回公演を指揮。その他、日生劇場、及び藤原歌劇団のオペラ公演に副指揮者として携わる。現在、オーケストラトリプティーク常任指揮者。京都市ジュニアオーケストラ、及び八王子ユース弦楽アンサンブルにてアシスタントコンダクターを務める。2015年4月、東京混声合唱団コンダクター・イン・レジデンスに就任。
三宅政弘 MIYAKE Masahiro コンサートマスター
兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。全日本学生音楽コンクールヴァイオリン部門大阪大会高校の部 第一位。江藤俊哉ヴァイオリンコンクールヤングアーティスト部門第三位。東京音楽大学コンクール第三位。桐朋祭超絶技巧選手権ヴァイオリン部門グランプリ受賞。2009年9月、2011年1月にソロリサイタルを開催し、好評を博す。これまでに、竹本洋、後藤維都江、山本彰、辻井淳、東儀幸、田中千香士、海野義雄、横山俊朗の各氏に師事。
楽譜作成・ライブラリアン:青島佳祐(あおしま けいすけ)
静岡県出身、東京藝術大学作曲科卒業。これまでに渡会美帆、有馬禮子、野平一郎に師事。大学在学時、木曜コンサートに弦楽四重奏が推薦、演奏された。第20回東京国際室内楽作曲コンクールで入選。第12、14回弘前桜の園作曲コンクール一般の部で共に2位。第85回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽)にて入選。軽井沢国際音楽祭ライブラリアン。スリーシェルズ所属。
西耕一 (企画プロデュース)
日本の現代音楽評論と企画を専門とする。2004年より、日本作曲家専門レーベル・スリーシェルズにて、伊福部昭や3人の会(黛敏郎、團伊玖磨、芥川也寸志)を中心に演奏・CD化を行う。これまでにNHK 、東京藝術大学、日本作曲家協議会、日本現代音楽協会等、放送局や研究機関の依頼による企画協力や、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京バレエ団、新国立劇場等のプログラム冊子執筆で評価される。執筆雑誌は『音楽現代』、『音楽の友』、『邦楽ジャーナル』、『バンドジャーナル』、『New Composer』等。
近年の主な仕事として、セントラル愛知交響楽団による日本の管弦楽曲100周年企画選曲や東京フィルハーモニー交響楽団黛敏郎個展における論文のほか、『松村禎三 作曲家の言葉』(春秋社)や『黛敏郎の世界』(ヤマト文庫)の企画・編集、CD『松村禎三作品集』(Naxos Japan)解説などがある。
清道洋一
1966年長野県長野市生まれ。
これまでに、土肥泰、三善晃、眞鍋理一郎、今井重幸の各氏の指導を受ける。
日本作曲家協議会会員、日本音楽舞踊会議会員、作曲家グループ「蒼」同人。第11回弘前桜の園作曲コンクール(下山一二三審査)第1位ほか多くのコンクールで評価され現在に至る。劇団の座付き作曲家、演出助手、構成作家として40本の舞台作品の音楽を手がけている。近年は「先人の仕事は、みんなの財産」という考えのもと、先人の作品の舞台初演や蘇演のための楽譜作成等に積極的にかかわる。
関連URL
黛敏郎サイト
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オーケストラ・トリプティーク http://3s-ca.jimdo.com/
オーケストラ・トリプティーク公式Twitter https://twitter.com/info_TRIPTYQUE
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生誕92年 芥川也寸志Facebook https://www.facebook.com/akutagawa1925
生誕92年 渡辺宙明Facebook https://www.facebook.com/chumeiwatanabe
■本件や所属・関連アーティストに関するお問い合わせは下記までお願い致します。
株式会社スリーシェルズ
〒170-0013 東京都豊島区東池袋5-7-6-604
TEL:070-5464-5060
http://www.3s-cd.net/
メール jcacon@gmail.com
担当 西
没20年・生誕88年記念
「黛敏郎メモリアルシリーズVol.3」ついにラスト!
黛敏郎(まゆずみ・としろう/1929-1997)は戦後音楽界のトップを走った作曲家です。
斬新な発想とダイナミックなサウンドは、世界で評価され、数々の芸術家に影響を与えました。
天才にしか為し得ない音楽に、誰もが憧れ注目したのです。
三島由紀夫とはオペラや電子音楽を作り、安部公房とはミュージカルを、モーリス・ベジャールとはバレエを作りました。黛とのコラボレーションから生まれた傑作は少なくありません。
美空ひばりや石原裕次郎のために映画の主題歌も作りました。
アカデミー賞映画「天地創造」や市川崑監督の映画「東京オリンピック」の音楽も作曲しました。
ミュージカルやオペラも書きました。
野球やプロレスのテーマ音楽として使われた「スポーツ行進曲」など誰もが知る曲も書きました。
現在も続くテレビ番組「題名のない音楽会」の初代司会者でもありました。
2017年4月で、黛敏郎が亡くなって20年を迎えました。
4月5日「黛敏郎メモリアルvol.1」、7月21日「黛敏郎メモリアルvol.2」を行い、ついに10月4日ラストのVol.3となります。
3回のシリーズ全てに出演するオーケストラ・トリプティークの演奏によるVol.3は、黛敏郎との交流が深かった大谷康子を迎えたヴァイオリン協奏曲、気鋭のソリスト岩見玲奈を迎えた打楽器協奏曲、さらには、日本の映画黄金期を彩った映画音楽の数々をオーケストラ・トリプティークの常任指揮者である水戸博之の指揮でお届けします。
第1部は、コンサート用に書かれた作品を集めている。
雅楽や、東洋の時間の流れ、響きを意図した「エッセイ」。世界中の打楽器奏者が好んで取り上げる「シロフォン小協奏曲」、江藤俊哉のために作曲され、アラブやラテンの音楽の影響も聴き取れる「カプリチオ」。
第2部は清道養一の編曲・復元による映画、バレエ、TVのための音楽を弦楽オーケストラでお送りする。
一番の聴きどころは14分に及ぶ映画「天地創造」(1965)組曲である。
1.テーマ 2.ノアの方舟 3.アララト 4.アブラハム
として、世界中で愛される大作映画を弦楽オーケストラのゴージャスな響きで味わう。
「スポーツ行進曲」(1953・日本テレビ)は、日本テレビのスポーツ番組のテーマとして人気の高い作品。
バレエ「ザ・カブキ」(1986)より「討ち入りの場」は、モーリス・ベジャールの振り付けによって、東京バレエ団のレパートリーとして世界中で上演されているもの。
交響詩「立山」(1971・中日映画:松山善三)は、レコード化もされ、ファンには馴染みの深い作品。
立山の大自然を思わせる、厳しさと、すべてを受け入れる大らかな旋律を聴ける。
コンサートを締めくくるのは、女性が主役の4つの作品。
「カルメン故郷に帰る」主題歌(1951・松竹:木下恵介監督)は、日本初の総天然色映画として話題になった。高峰秀子の演じるリリィ・カルメンの鮮烈な魅力を音楽にした。
「女であること」主題歌(1958・東宝:川島雄三監督)は、丸山明宏(美輪明宏)が歌ったオープニングの歌より。
「女であること、それは育ちすぎた子羊・・・。エレガントな豚。帽子の好きなキツネ。・・・女、それは・・・悪魔、神様。女、それは、限りなくわからない・・・」と歌われるゴージャスで悩ましい、黛らしい音楽である。
「月曜日のユカ」(1964・日活:中平康監督)は、加賀まりこの主演で、今も根強い人気を誇る作品である。
加賀まりこのスキャットとともに演奏された、スウィングジャズ音楽を弦楽による舞曲として演奏する。
「執炎」(1964・日活:蔵原惟繕監督)は、浅丘ルリ子の主演で女の一途な思いを描いた。この映画より、いくつかのシーンの音楽を構成して約8分に及ぶ交響詩ふうに仕立てている。叙情あふれ、伸びやか。美しく、そして哀しみ滲む愛の歌。黛節とはこのことであろう。
黛敏郎メモリアルVol.3 2017年10月4日19時開演
豊洲文化センター シビックセンターホール(5F)
【黛敏郎メモリアルVol.3】没20年・生誕88年シリーズ
「黛敏郎弦楽オーケストラ個展:オーケストラ・トリプティークによる」
指揮:水戸博之
演奏:オーケストラ・トリプティーク
ヴァイオリンソロ:大谷康子
マリンバ:岩見玲奈
編曲:清道洋一
ライブラリアン:青島佳祐
企画構成:西耕一
主催:オーケストラ・トリプティーク
詳細・チケット販売はこちらから
https://www.3s-cd.net/concert/mm/vol-3/
黛敏郎メモリアルVOL.3
オーケストラ・トリプティークメンバー一覧
コンサートマスター:三宅政弘
ヴァイオリン:荒井智子、池田梨枝子、小川理和子、柿沼麗子、加藤美菜子、唐澤菜美子、迫田圭、田口雅人、知見寺武、能澤摩耶、野村祥子、広川優香、藤代優意、三瀬俊吾、吉井友里、和久空飛亜、渡来さやか
ヴィオラ:伊藤美香、扇慎也、神山和歌子、小堀まやか、?橋奨、星光
チェロ:任キョンア、竹本聖子、渋井妙、布施公崇
コントラバス:佐藤洋嗣、志水祐亮、八尋清史
黛敏郎 Toshiro MAYUZUMI
1929年(昭和4年)2月20日、横浜生まれ。
東京音楽学校(東京藝術大学)へ入学、池内友次郎、伊福部昭等に師事。1948年(昭和23年)に作曲した「十個の独奏楽器の為のディヴェルティメント」により、才能を認められる。1950年(昭和25年)作曲の「スフェノグラム」は、翌年の国際現代音楽祭に入選、その名が内外に知られる。1951年(昭和26年)パリ・コンセルヴァトワールへ留学、トニー・オーバン等に学ぶ。フランスから帰国後、我が国で初めての電子音楽を手がけると共に「ミュージック・コンクレートの為の作品X・Y・Z」等を発表。1953年(昭和28年)芥川也寸志、團伊玖磨等と「3人の会」を結成。また、吉田秀和等と「二十世紀音楽研究所」を設立。雅楽・声明をはじめ、日本の伝統音楽にも造詣を深める一方、バレエ、オペラ、映画音楽とシンフォニックな大作を多数作曲。1964年(昭和39年)より、テレビ番組「題名のない音楽会」の企画、出演。東京藝術大学講師、茶道「裏千家淡交会」顧問、評議員。「日本作曲家協議会」会長、「日本著作権協会」会長などを歴任した。
1997年(平成9年)4月10日逝去。
ソリストプロフィール
大谷康子 (ヴァイオリン)Yasuko Ohtani
「題名のない音楽会」(テレビ朝日)で司会を務めていた黛敏郎氏に薫陶を受け、大変尊敬し、氏の作品を多数演奏してきた。
2015年、デビュー40周年を迎えた人気・実力ともに日本を代表するヴァイオリニスト。
1708年製ピエトロ・グァルネリを使用。華のあるステージ、深く温かい演奏で聴衆に感動と喜びを届けており「歌うヴァイオリン」と評される。
東京芸術大学、同大学院博士課程修了。
全日本学生音楽コンクール第1位。シェリング来日記念コンクール第2位。
在学中よりソロ活動を始め、ウィーン、ローマ、ケルン、ベルリンなどでのリサイタルも絶賛を博す。トロント音楽祭、ザルツブルグ市などに招待されてコンサートを開き好評を得る。
国内外のオーケストラとも共演を重ね、スロヴァキア・フィル、シュトゥットガルト室内楽団、キエフ国立フィルとの日本ツアーも大成功した。
2017年5月にはキエフ国立フィルより招聘され、“キエフの春音楽祭”のオープニングコンサートに出演する。また6〜7月にはモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:シモノフ)と日本ツアーを予定。
クラシック以外でも意欲的な活動が続き、ジャズピアニスト山下洋輔氏とのコンサートでは新境地を開いた。
長年、病院や施設での訪問演奏にも力を注ぎ、被災地に演奏を届ける活動も精力的に続けている。
また、2016年12月から大谷康子の10年プロジェクト「ヴァイオリン賛歌」をHakuju Hallでスタートさせ、2017年11月は第2回目を迎える。
CDは「R.シュトラウス・ソナタ/ベートーヴェン・ソナタNo.5」(ピアノ:イタマール・ゴラン/SONY)をはじめ、ヴァイオリン協奏曲は東京交響楽団との共演でメンデルズゾーン、ラロ、ブルッフ、サン=サーンス(指揮:大友直人、広上淳一/KING)、「大谷康子のお菓子な名曲サロン」(KING)等、多数リリースされている。
文化庁「芸術祭大賞」、川崎市文化賞受賞。 東京音楽大学教授。東京芸術大学講師。(公財)練馬区文化振興協会理事長、川崎市市民文化大使。高知県観光特使。(公財)日本交響楽振興財団理事。
2016年4月からBSジャパン(テレビ東京系列)にて放映中の「おんがく交差点」(毎週水曜日 夜23時30分から30分番組)で春風亭小朝と司会、演奏を務め、多彩なゲストとの共演も注目されている。大谷康子オフィシャル・ホームページ http://www.yasukoohtani.com/
(写真は(C)Masashige Ogata)
岩見玲奈(打楽器) Reina Iwami
2009年ザルツブルクにて行われた国際マリンバコンクールにて第1位受賞をはじめとし、2008年第25回日本管打楽器コンクール第1位、2007年ベルギー国際マリンバコンクールソロ部門第2位、2010年現代音楽演奏コンクール“競楽XI”第3位・聴衆賞を受賞など国内外の多くのコンクールで優秀な成績を収め、早くから注目を集める。 兵庫県高砂市出身。8歳よりマリンバを、16歳より打楽器を始める。 日ノ本学園高校音楽科から東京音楽大学器楽専攻管打楽器(打楽器)に進み卒業後、同大大学院の管打楽器研究領域を特別特待奨学生として修了。2010・2011年度(財)ロームミュージックファンデーション奨学生。リサイタル開催の他、関西フィルハーモニー管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、ソフィアフィルハーモニー管弦楽団、航空自衛隊西部航空音楽隊をはじめとする、さまざまなオーケストラや吹奏楽団とマリンバ協奏曲を共演。 これまでに松本真理子、前川典子、菅原淳、有賀誠門、岡田眞理子、村瀬秀美、藤本隆文、久保昌一の各氏に師事。「パーカッション・ギャラリー」メンバー。 ・CD「ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス」土気シビックウインドオーケストラVol.14にソリストとして参加し真島俊夫のマリンバ協奏曲「睡蓮の花」を共演、デビューソロアルバムCD「The WAVE」を、共にCAFUAレコードよりリリース。
オーケストラ・トリプティーク
2012年、旧奏楽堂にて日本の弦楽オーケストラ曲を集めて第1回コンサートを開催して評価を受ける。
第2回、第3回演奏会は、朝日新聞文化財団の助成を受け浜離宮朝日ホー ル(朝日新聞社内)で開催し、いずれもCD化され新聞、音楽誌他で好評を得る。
2014年は伊福部昭百年紀の公式オーケストラとして、NHKや新聞の取材 も受け、3回の公演を成功に導く。
2015年は、生誕90年の作曲家特集として、芥川也寸志と渡辺宙明の個展を開催して好評を得る。
フルオーケストラ、弦楽オーケストラ、アンサンブル、小編成まで様々な形態で日本の作曲家の音楽をアーカイヴすべく活動している。
リリースされたCDは6枚。タワー・レコード やamazonのチャートで1位も記録している。
トリプティーク(三連画)とは、前衛、近現代音楽、映像音楽という三本の柱を持ち活動する意思の表明でもある。
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水戸博之 MITO Hiroyuki 指揮
1988年、江別市出身。北海道立大麻高等学校を経て東京音楽大学、 及び同大学大学院作曲指揮科(指揮)を卒業。在学中の6年間、給費特待奨学生に選ばれる。これまでに指揮を広上淳一、汐澤安彦、田代俊文、加納明洋、三河正典、ピアノを奥山優香、北島公彦、米田栄子、野田清隆、音楽理論を伊左治直の各氏に師事。2010年、サントリーホール主催レインボウ21デビューコンサート出演。 2012年、東総文化会館「東総の第九」にて東京音楽大学シンフォニーオーケストラを指揮。井上道義、及び下野竜也両氏によるマスタークラスを受講し、いずれも優秀者に選出され、オーケストラアンサンブル金沢、金沢大学フィルハーモニー管弦楽団、上野学園大学管弦楽団を指揮する。
また、東京混声合唱団の合唱指揮者としてNHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会に出演する他、同合唱団の文化庁主催による巡回公演を指揮。その他、日生劇場、及び藤原歌劇団のオペラ公演に副指揮者として携わる。現在、オーケストラトリプティーク常任指揮者。京都市ジュニアオーケストラ、及び八王子ユース弦楽アンサンブルにてアシスタントコンダクターを務める。2015年4月、東京混声合唱団コンダクター・イン・レジデンスに就任。
三宅政弘 MIYAKE Masahiro コンサートマスター
兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。全日本学生音楽コンクールヴァイオリン部門大阪大会高校の部 第一位。江藤俊哉ヴァイオリンコンクールヤングアーティスト部門第三位。東京音楽大学コンクール第三位。桐朋祭超絶技巧選手権ヴァイオリン部門グランプリ受賞。2009年9月、2011年1月にソロリサイタルを開催し、好評を博す。これまでに、竹本洋、後藤維都江、山本彰、辻井淳、東儀幸、田中千香士、海野義雄、横山俊朗の各氏に師事。
楽譜作成・ライブラリアン:青島佳祐(あおしま けいすけ)
静岡県出身、東京藝術大学作曲科卒業。これまでに渡会美帆、有馬禮子、野平一郎に師事。大学在学時、木曜コンサートに弦楽四重奏が推薦、演奏された。第20回東京国際室内楽作曲コンクールで入選。第12、14回弘前桜の園作曲コンクール一般の部で共に2位。第85回日本音楽コンクール作曲部門(管弦楽)にて入選。軽井沢国際音楽祭ライブラリアン。スリーシェルズ所属。
西耕一 (企画プロデュース)
日本の現代音楽評論と企画を専門とする。2004年より、日本作曲家専門レーベル・スリーシェルズにて、伊福部昭や3人の会(黛敏郎、團伊玖磨、芥川也寸志)を中心に演奏・CD化を行う。これまでにNHK 、東京藝術大学、日本作曲家協議会、日本現代音楽協会等、放送局や研究機関の依頼による企画協力や、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京バレエ団、新国立劇場等のプログラム冊子執筆で評価される。執筆雑誌は『音楽現代』、『音楽の友』、『邦楽ジャーナル』、『バンドジャーナル』、『New Composer』等。
近年の主な仕事として、セントラル愛知交響楽団による日本の管弦楽曲100周年企画選曲や東京フィルハーモニー交響楽団黛敏郎個展における論文のほか、『松村禎三 作曲家の言葉』(春秋社)や『黛敏郎の世界』(ヤマト文庫)の企画・編集、CD『松村禎三作品集』(Naxos Japan)解説などがある。
清道洋一
1966年長野県長野市生まれ。
これまでに、土肥泰、三善晃、眞鍋理一郎、今井重幸の各氏の指導を受ける。
日本作曲家協議会会員、日本音楽舞踊会議会員、作曲家グループ「蒼」同人。第11回弘前桜の園作曲コンクール(下山一二三審査)第1位ほか多くのコンクールで評価され現在に至る。劇団の座付き作曲家、演出助手、構成作家として40本の舞台作品の音楽を手がけている。近年は「先人の仕事は、みんなの財産」という考えのもと、先人の作品の舞台初演や蘇演のための楽譜作成等に積極的にかかわる。
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