MCA、国内基地局市場におけるファーウェイ採用状況を取りまとめて公表
[18/12/18]
提供元:DreamNews
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移動体通信・IT分野専門の調査会社である株式会社MCA(所在地:東京都千代田区飯田橋1-8-8、代表者:天野浩徳、TEL:03-6261-2571)は、国内基地局市場におけるファーウェイ排除の影響を推定すべく、各社の採用状況についての情報を取りまとめ、12月18日に公表した。
【取りまとめを実施した背景】
MCAでは、市場調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測」を2012年から毎年刊行するなど、国内基地局市場の状況を定常的に調査している。
来年3月に予定されている5G周波数割当における総務省の開設指針案に「(悪意ある機器の調達を回避すべきという、今年12月10日の)政府調達方針に留意する」旨が盛り込まれた。このため通信キャリア各社は中国系ベンダの採用が困難な状況と見込まれ、市場にどのような影響が生じるのか把握すべく、現状を取りまとめた。
【調査結果】
■国内系から海外系へシフトする国内通信キャリア
【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000186864&id=bodyimage1】
出典:MCA「第5世代移動通信 技術・設備投資動向・関連産業サービス開発動向 2018年度版」
http://www.mca.co.jp/itforecastreport/itforecastreport5g-report-2018/
上図は、3Gから4Gそして5Gへと約10年おきに通信技術の世代交代が起こるなか、通信キャリア別にインフラベンダの関係がどのように変化してきたかを簡単にマップ化したものである。
5Gに関しては、一連の中国系ベンダ排除の動きが表面化する前の時点で想定されていた、MCA推定の内容である。
通信キャリア各社は、世代交代するごとに国内系から海外のインフラベンダへスイッチする傾向にあった。
その背景には、3GからLTE(4G)、5Gへと技術規格が世界で一本化していくなか、コスト競争力や標準化でリードする海外ベンダの前に国内ベンダの牙城が侵食されてきたということが挙げられる。
特に5Gでは、NTTドコモは従前通り国内系を採用する一方、KDDIとソフトバンクは海外系中心へとシフトする見込みであった。特に、ファーウェイやZTEを主軸に据えていたソフトバンクは採用計画の変更を余儀なくされる恐れが強い。
■国内ではソフトバンクがファーウェイの無線機を採用
ファーウェイが携帯基地局の中核装置である無線機の供給を開始したのは、イー・アクセスが最初であった。その後、イー・アクセスがソフトバンクに買収されるとソフトバンクとの取引となり、現在は主に1.7GHz、700MHz、3.5GHz帯でファーウェイの無線機が導入されている。
一方、ソフトバンク向け無線機の供給ベンダでは、エリクソンとノキアが中心で、ファーウェイはいわば新参者の立場であった。ファーウェイがソフトバンクのなかで一定の存在感を発揮したのが、2017年度である。
新規で割り当てられた3.5GHzや追加発注が多かった700MHz帯で確実に受注を重ねていった結果、同年のソフトバンクの新規基地局の6割弱をファーウェイが獲得するまで成長した。
【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000186864&id=bodyimage2】
出典:MCA「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2018年版」
http://www.mca.co.jp/itforecastreport/mobile-basement-2018/
ファーウェイの持つ技術力やコスト競争力は世界的に定評があり、5G時代のトップランナーとして注目されている。5G向け周波数の割り当ては、ファーウェイがさらに飛躍を遂げるチャンスだったが、目下の状況では形勢は厳しいと言えるだろう。
今後は、ファーウェイの抜けた穴を誰が埋めるのかが焦点だ。富士通やNECといった国内ベンダの採用は、技術的にもコスト的にも難しく、選択肢は北欧系と韓国系に事実上限られそうだ。北欧系が有利とみられるが、そのうちの1社であるエリクソンは、12月の大規模通信障害を引き起こした当事者という課題を抱えている。今後のファーウェイやZTEの巻き返しの可能性も含め、弊社では状況はまだ流動的と見ている。
■株式会社 MCA(MCA Inc.)の会社概要
設立時期:1993年12月1日
代表者:代表取締役 天野浩徳
資本金:1,000万円
所在地:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-8-8 ASKビル 5F
事業内容:通信分野に関するコンサルティングやマーケティング事業
・カスタムプロジェクト(委託調査)業務
・IT Forecast Report(モバイル/IT調査レポート)の企画/制作/販売業務
【取りまとめを実施した背景】
MCAでは、市場調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測」を2012年から毎年刊行するなど、国内基地局市場の状況を定常的に調査している。
来年3月に予定されている5G周波数割当における総務省の開設指針案に「(悪意ある機器の調達を回避すべきという、今年12月10日の)政府調達方針に留意する」旨が盛り込まれた。このため通信キャリア各社は中国系ベンダの採用が困難な状況と見込まれ、市場にどのような影響が生じるのか把握すべく、現状を取りまとめた。
【調査結果】
■国内系から海外系へシフトする国内通信キャリア
【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000186864&id=bodyimage1】
出典:MCA「第5世代移動通信 技術・設備投資動向・関連産業サービス開発動向 2018年度版」
http://www.mca.co.jp/itforecastreport/itforecastreport5g-report-2018/
上図は、3Gから4Gそして5Gへと約10年おきに通信技術の世代交代が起こるなか、通信キャリア別にインフラベンダの関係がどのように変化してきたかを簡単にマップ化したものである。
5Gに関しては、一連の中国系ベンダ排除の動きが表面化する前の時点で想定されていた、MCA推定の内容である。
通信キャリア各社は、世代交代するごとに国内系から海外のインフラベンダへスイッチする傾向にあった。
その背景には、3GからLTE(4G)、5Gへと技術規格が世界で一本化していくなか、コスト競争力や標準化でリードする海外ベンダの前に国内ベンダの牙城が侵食されてきたということが挙げられる。
特に5Gでは、NTTドコモは従前通り国内系を採用する一方、KDDIとソフトバンクは海外系中心へとシフトする見込みであった。特に、ファーウェイやZTEを主軸に据えていたソフトバンクは採用計画の変更を余儀なくされる恐れが強い。
■国内ではソフトバンクがファーウェイの無線機を採用
ファーウェイが携帯基地局の中核装置である無線機の供給を開始したのは、イー・アクセスが最初であった。その後、イー・アクセスがソフトバンクに買収されるとソフトバンクとの取引となり、現在は主に1.7GHz、700MHz、3.5GHz帯でファーウェイの無線機が導入されている。
一方、ソフトバンク向け無線機の供給ベンダでは、エリクソンとノキアが中心で、ファーウェイはいわば新参者の立場であった。ファーウェイがソフトバンクのなかで一定の存在感を発揮したのが、2017年度である。
新規で割り当てられた3.5GHzや追加発注が多かった700MHz帯で確実に受注を重ねていった結果、同年のソフトバンクの新規基地局の6割弱をファーウェイが獲得するまで成長した。
【画像 http://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000186864&id=bodyimage2】
出典:MCA「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2018年版」
http://www.mca.co.jp/itforecastreport/mobile-basement-2018/
ファーウェイの持つ技術力やコスト競争力は世界的に定評があり、5G時代のトップランナーとして注目されている。5G向け周波数の割り当ては、ファーウェイがさらに飛躍を遂げるチャンスだったが、目下の状況では形勢は厳しいと言えるだろう。
今後は、ファーウェイの抜けた穴を誰が埋めるのかが焦点だ。富士通やNECといった国内ベンダの採用は、技術的にもコスト的にも難しく、選択肢は北欧系と韓国系に事実上限られそうだ。北欧系が有利とみられるが、そのうちの1社であるエリクソンは、12月の大規模通信障害を引き起こした当事者という課題を抱えている。今後のファーウェイやZTEの巻き返しの可能性も含め、弊社では状況はまだ流動的と見ている。
■株式会社 MCA(MCA Inc.)の会社概要
設立時期:1993年12月1日
代表者:代表取締役 天野浩徳
資本金:1,000万円
所在地:〒102-0072 東京都千代田区飯田橋1-8-8 ASKビル 5F
事業内容:通信分野に関するコンサルティングやマーケティング事業
・カスタムプロジェクト(委託調査)業務
・IT Forecast Report(モバイル/IT調査レポート)の企画/制作/販売業務