「RISC-V Day Tokyo 2019」9月30日(月):日立、トヨタ後援。内外RISC-V企業13社スポンサ。「RISC-V版ヘネパタ定量的アプローチ6版邦訳」新刊50冊を8,000円で即売。
[19/09/20]
提供元:DreamNews
提供元:DreamNews
3回目「RISC-V Day Tokyo 2019」を以下の要領で開催します。
日時:2019年9月30日(月)8:30~18:00カンファレンス 18:00~20:00レセプション
場所:中央線国分寺徒歩15分、日立製作所 中央研究所 馬場記念ホール(350人まで収容可能)
幹事企業:SHコンサルティング株式会社(RISC-V Foundation企業メンバ有志RISC-V協会幹事)
主トピック:RISC-Vプロセッサ、RISC-V半導体IP、フリーアンドオープンソースソフトウエア(FOSS)、フリーアンドオープンソースシリコン(FOSSi)
イベント情報:http://riscv-association.jp/riscv-day-tokyo-2019/
参加登録:https://peatix.com/sales/event/1301661/tickets
フェースブック:https://www.facebook.com/Risc-V-Association-102528267773380/
RISC-V版ヘネパタ定量的アプローチ6版日本語訳情報:http://riscv-association.jp/quantitative-6ej/
後援:日立製作所(日本)、トヨタ自動車(日本)
スポンサ:アンデステクノロジー(台湾)、コーダシップ(チェコ)、富士ソフト(日本)、シンタコア(ロシア)、NSITEXE(日本)、ラムバス(米国)、SiFive社(米国)、ユビキタス(日本)、ウルトラSoC(英国)、SHコンサルティング(日本)
各位、
日立製作所、トヨタ自動車の支援を受け、3回目を迎えた令和元年のRISC-V Day Tokyo 2019は、AdaCore(フランス)、Andes Technology(台湾)、Codasip(チェコ共和国)、富士ソフト(日本)、IARシステム(スエーデン)、京都マイクロコンピュータ(日本)、NSITEXE(日本、デンソー関連企業)、Rambus(米国)、SiFive(米国)、Syntacore(ロシア)、ユビキタスAIコーポレーション(日本)、ultraSoC(英国)、SHコンサルティング(日本)の総計15社のスポンサシップの元、RISC-V FoundationのCEOであるCalista Redmond氏を招いて9月30日に、東京国分寺で日立製作所が4月に新設した馬場記念ホールにて開催します。
特長:
アマゾン販売に先駆け、会場特別価格8000円(税込)にて、できたての新刊「RISC-V版ヘネパタ6版日本語訳」を50部のみ会場で販売します。「RISC-V版ヘネパタ6版日本語訳」は、2018年にチューリング賞を受賞した、スタンフォード大学学長のヘネシー、カリフオルニア大学バークレー校のパターソンが書き下ろした著作です。「ヘネパタ1版英文版」は1992年に出版され、日本の半導体業界、研究界に大きな影響を残しました。国立私立大学、高等専門学校の図書館では「ヘネパタ6版英文版」、「ヘネパタ5版日本語版」を、それぞれ1冊から数冊所蔵しておりますが、現在でも常に貸出中で待ち行列が続く人気学術図書でもあります。
会場販売されるのは6版1刷という特別版です。ヘネシーとパターソンは、この6版を最終版とすると公言しています。稀少価値の高いものです。ご興味のある方は現金を用意して参加願います。新しい半導体の時代が始まる令和元年の暑い夏を心に刻み、元年年末までを意味ある時間にするためにも、この機会に「RISC-V版ヘネパタ6版日本語訳」を購入されると良いと思います。多大な苦労をされ翻訳を完成させられた訳者と出版社にも会場に来訪していただき、サイン会を企画します。
また日立製作所が東京国分寺に4月に新設した馬場記念ホールは圧巻です。ホールと周辺施設が合体した「共創」を目的とする森の中に作られた大規模施設です。単なる箱物でなく日立の「誠」が込められたシュールな施設です。この機会にご一見ください。創業者の1人馬場 粂雄氏にちなんでいます。日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山の修理工場を、モータ製品外販のためスピンアウトさせたのが発祥の原点になっています。今で言えば、久原 房之助氏が創業VCで、小平 浪平氏が創業CEO、創業SVP of Engineeringが馬場 粂雄氏となります。
6月に封切られた新田次郎の小説を元にした「ある町の高い煙突」という映画で、吉川晃司が、高さ511フィートの煙突を自前で建設し煙害問題を軽減する青年実業家 久原房之助を演じています。戦前、久原氏は若い頃の昭和天皇の言動が気にならないと公然と批判し、報道機関を操って天皇の邪魔するため昭和天皇が歯軋りして悔しがったという逸話を聞いたことがあります。久原氏の反骨精神、バランス感覚を背景に、日立製作所も業務拡大に集中できたのではないかと推測します。
馬場 粂雄氏は、外に向かって会社の顔となり受注研究開発を行い、研究組織の構成も任され、かつHands-Onだったらしいです。大変人と呼ばれていたためオタク(Nerd)だったことは間違いないが、広い見識と卓越した先見性を持っていたと思います。
本会議を準備するにあたり、RISC-V FoundationのTwitterを1つずつ吟味し、令和元年のRISC-V10大ニュースをまとめてみました。
1。RISC-Vサーバの5年戦略が進行中:
6月に、120億円の資金を調達したRISC-V企業、カリフォルニア大学スピンアウトのSiFive社が、5年以内に商用RISC-Vサーバ運用にこぎつけると宣言しました。こうした宣言が行われると、周囲が放っておかないのがアメリカです。ステークホールダのオープンソースコミュニティが一斉に立ち上がり作業を始めています。RISC-Vは、2019年にデビアン移植アーキテクチャ(Debian-ports architectures)に認定済。サーバ仮想化、コンテナ技術、マイクロサービス技術などで、信頼度、運用率、スケーラビリティを向上させるためサーバシステム技術革新が現在進行中で、技術が変わる時に、RISC-Vにもサーバ分野で活躍できる場ができています。システム運用インフラストラクチャサービス(IaaS)、アプリケーション実行環境サービス(PaaS)、マイクロ機能サービス(FaaS)などが続々と出現し、OpenFaaSの全機能版サーバーレスRISC-V実装のプルリクエストがアップストリームにマージ中です。Googleが開発したGo言語で書かれた、システム管理や検出を容易化し、サービスのスケーラビリティを向上するKubernetesシステムのRISC-Vへの移植作業も進行中です。
2。RISC-Vへの言語サポート
命令セット(ISA)システムの大きな基盤は言語サポートです。5月に、C、C++、Ada、Go、Rust言語をサポートするGNU Debugger(GDB)「GDB 8.3」がRISC-Vのサポートを実装。Google社が開発した(サーバ)システム言語Goも移植されつつあります。去る9月3日にVersion 1.13がリリースされる際に、1.14でサポートリストにRISC-Vを正式追加すると公表。大きな話題となりました。1月からRISC-V用新コンパイラのLLVM/ClangのDARPAファンディングが始まり、Clang、OpenCL、Rustに渡る広範な言語サポートの基盤構築がスタートします。今回訪日する、チェコ共和国のCodasipは、LLVMソリューションを改善するために、CoreMarkベンチマークで使用されるジャンプスレッドの独自の革新的実装を開発しています。
3。中国スマホ応用でのRISC-V躍進
中国スマホ分野では、世界で最も強力なAIプロセサとして、Huawei Ascend 910を7nmプロセスでARMで開発したことを発表しましたが、同様なチップをRISC-Vでも設計しているという2CPU戦略を表明しています。通商ブロック化を背景にスマホシステムでもRISC-VにもARM(現在世界シェア99%)と並ぶことが地域によっては可能になるかもしれません。
4。フラッシュマイコン分野でRISC-Vが躍進
フラッシュマイコンの潮目が変わりました。ARM Mシリーズの32-bit MCUにおいてのマーケットシェアは、2011年に15%、2012年に18%、2015年に70%としています。ARM Mシリーズでシェアを急伸している台湾のギガデバイス(GigaDevice)がRISC-Vを全面採用すると宣言しました。GD32VF103シリーズRISC-V MCUは、最高周波数で153 DMIPSのパフォーマンスとCoreMarkベンチマークテストで360ポイントのスコアを持ち、同社ARM Mコアよりも15%高速。消費電力は半分としています。
Andes Technologyが、ARM Mシリーズに対抗して開発されたN8シリーズに続く、RISC-VアーキテクチャのN22「Bumblebee」IPコアは、ARM Mシリーズに比較して、CoreMark/MHz, DMIPS/MHz, CSiBe Code Size, のすべてのベンチマークで凌駕するとしています。
5。DARPA研究開発方針で、セキュリティR&DがRISC-Vに移行
DARPAセキュリティ研究プロジェクトはRISC-Vを使うことを義務付けています。DARPAはハードウェア脆弱性を軽減するSSITHプロトタイプを発表。ハードウェアが攻撃をブロックし、ソフトウェアパッチの必要性を減らすオープンソースチップがRISC-Vで開発されています。
6。RISC-V周辺を集積する「チップス・アライアンス」
3月より、Google等の後援でLinux Foundation内に作られた「チップス・アライアンス」(CHIPS Alliance)、FOSS、FOSSiなど、RISC-Vでシステムを作りやすくするための周辺機能のIPを集積活動が始まりました。8コアの高性能システムを簡単にオープンソースで作れる。従来高付加価値だったチップ製品をオープンソース技術で作れるようになりました。
7。オープンソースEDAツールがRISC-Vをビークルに急伸
RISC-Vをビークルとして、新世代のオープンソースEDAツールがと開発されつつあります。新刊本"Digital Design with Chisel"が正式に発刊され、新設計フローも確立しつつあります。従来から存在していたVerilatorのようなEDAツールが広く使われるようになり、その信頼性と性能と機能が急激に向上しました。オープンソースEDAツールは、過去20年間どんぐりの背比べでしたが、今年になって強いコンテンダが出現しました。コシミュレーションとかのメソドロジもオープンソースで実現できるようになりました。FPGAツールYosys+nexpnrは、その単純さゆえに商用FPGAツールに比較して実行速度がとてつもなく速い。FPGA自動配置配線ツールnextpnrはデバイス依存部と一般処理部からなり、デバイス依存部を書き換えればどんなFPGAにマップできます。現在は、ラティスICE40とECP5、ザイリンクスのFPGAがサポートされています。オープンソースツールは多様なユースケースを可能にします。検証フェーズでテストベクタを高速で試すために「部分コンフィギュレーション機能」を活用することができます。形式的検証の重要性も高まりつつあります。ハードウェアトロイの木馬などの意図しないロジックは、開発プロセスの複数のポイントで挿入される可能性がありますが、これらを形式的検証で検出することができます。
8。RISC-Vが元祖となり、オープンアーキテクチャとオープンソースハードが全面展開
nvidiaは、オープンソース機械学習エコシステムを開発する取り組みNVDLAをリードしています。 NVDLA Deep Learning Inference Compilerも、NVDLAのRTLも公開しました。
サーバ・CPUの世界は確実に変わろうとしています。どこに落ち着くのかは、わからないが。IBMは、Powerアーキテクチャを無償化しました。RISC-Vに慣い、Power CPUの命令セットを無料化しました。RTLをオープンソース化しました。マイクロワット(Microwatt)というOpenPowerのソフトコアも発表されました。VHDL 2008で書かれた小さなOpen POWER ISAソフトコアで、シンプルでわかりやすいことを目指しています。IBMは、OpenPowerをオープン化し中国の次世代チップにPowerを供給。8月のOpenPower Summitでは、プレゼン19件が発表されました。。IBMが「開発者がハードウェアとソフトウェアがPower上で連携して動作することを保証するために使用する定義」、Power Instruction Set Architecture(ISA)をオープンソース化します。Power ISAソフトコア、のみでなくOpenCAPIインターコネクト技術、OMIメモリインタフェース技術の参照実装もオープンソース化しました。
9。RISC-Vによるデジタル半導体研究開発範囲の拡大
カーボンナノチューブRISC-Vの製造プロセス: MITは先週、標準CMOS製造設備と、市販CMOS製造工場にある材料とプロセスを使用して、カーボンナノチューブ(CNT)MOSFETで作られたRISC-V CPUを発表しました。カーボンナノチューブFETを使ったのRISC-Vプロセッサだと。エネルギー効率が10倍良いとしています。
10。RISC-V組織のグローバル化
3月に、通商のブロック化によりRISC-Vの発展が妨げられないように、RISC-V Foundationは、Linux Foundationとアライアンスを組みました。欧州のFree and Open Source Software(FOSS)、 Free and Open Source Silicon(FOSSi)、他の組織とも連携し、単なる米国の組織からグローバルな組織に変革しつつありました。
RISC-V Day Tokyo 2019主催
RISC-V協会幹事
SHコンサルティング株式会社
河崎 俊平
www.swhwc.com
会社概要: SHコンサルティング株式会社
SHCは、2013年5月に設立されました。サンフランシスコ、東京、ホーチミン市の世界3カ所に事務所を持ち、各拠点でプロダクト、エンジニアリング、サービス業務を行っているグローバルカンパニーです。日本はもとより、北米法人、ベトナム法人のメンバも活躍貢献しています。ベトナム、日本、米国の従業員の多様な考えを活動に反映させ、個々人の判断に基づく迅速な動きが出来る強さを持った組織が形成されました。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000201489&id=bodyimage1】
配信元企業:SHコンサルティング株式会社
プレスリリース詳細へ
ドリームニューストップへ
日時:2019年9月30日(月)8:30~18:00カンファレンス 18:00~20:00レセプション
場所:中央線国分寺徒歩15分、日立製作所 中央研究所 馬場記念ホール(350人まで収容可能)
幹事企業:SHコンサルティング株式会社(RISC-V Foundation企業メンバ有志RISC-V協会幹事)
主トピック:RISC-Vプロセッサ、RISC-V半導体IP、フリーアンドオープンソースソフトウエア(FOSS)、フリーアンドオープンソースシリコン(FOSSi)
イベント情報:http://riscv-association.jp/riscv-day-tokyo-2019/
参加登録:https://peatix.com/sales/event/1301661/tickets
フェースブック:https://www.facebook.com/Risc-V-Association-102528267773380/
RISC-V版ヘネパタ定量的アプローチ6版日本語訳情報:http://riscv-association.jp/quantitative-6ej/
後援:日立製作所(日本)、トヨタ自動車(日本)
スポンサ:アンデステクノロジー(台湾)、コーダシップ(チェコ)、富士ソフト(日本)、シンタコア(ロシア)、NSITEXE(日本)、ラムバス(米国)、SiFive社(米国)、ユビキタス(日本)、ウルトラSoC(英国)、SHコンサルティング(日本)
各位、
日立製作所、トヨタ自動車の支援を受け、3回目を迎えた令和元年のRISC-V Day Tokyo 2019は、AdaCore(フランス)、Andes Technology(台湾)、Codasip(チェコ共和国)、富士ソフト(日本)、IARシステム(スエーデン)、京都マイクロコンピュータ(日本)、NSITEXE(日本、デンソー関連企業)、Rambus(米国)、SiFive(米国)、Syntacore(ロシア)、ユビキタスAIコーポレーション(日本)、ultraSoC(英国)、SHコンサルティング(日本)の総計15社のスポンサシップの元、RISC-V FoundationのCEOであるCalista Redmond氏を招いて9月30日に、東京国分寺で日立製作所が4月に新設した馬場記念ホールにて開催します。
特長:
アマゾン販売に先駆け、会場特別価格8000円(税込)にて、できたての新刊「RISC-V版ヘネパタ6版日本語訳」を50部のみ会場で販売します。「RISC-V版ヘネパタ6版日本語訳」は、2018年にチューリング賞を受賞した、スタンフォード大学学長のヘネシー、カリフオルニア大学バークレー校のパターソンが書き下ろした著作です。「ヘネパタ1版英文版」は1992年に出版され、日本の半導体業界、研究界に大きな影響を残しました。国立私立大学、高等専門学校の図書館では「ヘネパタ6版英文版」、「ヘネパタ5版日本語版」を、それぞれ1冊から数冊所蔵しておりますが、現在でも常に貸出中で待ち行列が続く人気学術図書でもあります。
会場販売されるのは6版1刷という特別版です。ヘネシーとパターソンは、この6版を最終版とすると公言しています。稀少価値の高いものです。ご興味のある方は現金を用意して参加願います。新しい半導体の時代が始まる令和元年の暑い夏を心に刻み、元年年末までを意味ある時間にするためにも、この機会に「RISC-V版ヘネパタ6版日本語訳」を購入されると良いと思います。多大な苦労をされ翻訳を完成させられた訳者と出版社にも会場に来訪していただき、サイン会を企画します。
また日立製作所が東京国分寺に4月に新設した馬場記念ホールは圧巻です。ホールと周辺施設が合体した「共創」を目的とする森の中に作られた大規模施設です。単なる箱物でなく日立の「誠」が込められたシュールな施設です。この機会にご一見ください。創業者の1人馬場 粂雄氏にちなんでいます。日立製作所は、久原鉱業所日立鉱山の修理工場を、モータ製品外販のためスピンアウトさせたのが発祥の原点になっています。今で言えば、久原 房之助氏が創業VCで、小平 浪平氏が創業CEO、創業SVP of Engineeringが馬場 粂雄氏となります。
6月に封切られた新田次郎の小説を元にした「ある町の高い煙突」という映画で、吉川晃司が、高さ511フィートの煙突を自前で建設し煙害問題を軽減する青年実業家 久原房之助を演じています。戦前、久原氏は若い頃の昭和天皇の言動が気にならないと公然と批判し、報道機関を操って天皇の邪魔するため昭和天皇が歯軋りして悔しがったという逸話を聞いたことがあります。久原氏の反骨精神、バランス感覚を背景に、日立製作所も業務拡大に集中できたのではないかと推測します。
馬場 粂雄氏は、外に向かって会社の顔となり受注研究開発を行い、研究組織の構成も任され、かつHands-Onだったらしいです。大変人と呼ばれていたためオタク(Nerd)だったことは間違いないが、広い見識と卓越した先見性を持っていたと思います。
本会議を準備するにあたり、RISC-V FoundationのTwitterを1つずつ吟味し、令和元年のRISC-V10大ニュースをまとめてみました。
1。RISC-Vサーバの5年戦略が進行中:
6月に、120億円の資金を調達したRISC-V企業、カリフォルニア大学スピンアウトのSiFive社が、5年以内に商用RISC-Vサーバ運用にこぎつけると宣言しました。こうした宣言が行われると、周囲が放っておかないのがアメリカです。ステークホールダのオープンソースコミュニティが一斉に立ち上がり作業を始めています。RISC-Vは、2019年にデビアン移植アーキテクチャ(Debian-ports architectures)に認定済。サーバ仮想化、コンテナ技術、マイクロサービス技術などで、信頼度、運用率、スケーラビリティを向上させるためサーバシステム技術革新が現在進行中で、技術が変わる時に、RISC-Vにもサーバ分野で活躍できる場ができています。システム運用インフラストラクチャサービス(IaaS)、アプリケーション実行環境サービス(PaaS)、マイクロ機能サービス(FaaS)などが続々と出現し、OpenFaaSの全機能版サーバーレスRISC-V実装のプルリクエストがアップストリームにマージ中です。Googleが開発したGo言語で書かれた、システム管理や検出を容易化し、サービスのスケーラビリティを向上するKubernetesシステムのRISC-Vへの移植作業も進行中です。
2。RISC-Vへの言語サポート
命令セット(ISA)システムの大きな基盤は言語サポートです。5月に、C、C++、Ada、Go、Rust言語をサポートするGNU Debugger(GDB)「GDB 8.3」がRISC-Vのサポートを実装。Google社が開発した(サーバ)システム言語Goも移植されつつあります。去る9月3日にVersion 1.13がリリースされる際に、1.14でサポートリストにRISC-Vを正式追加すると公表。大きな話題となりました。1月からRISC-V用新コンパイラのLLVM/ClangのDARPAファンディングが始まり、Clang、OpenCL、Rustに渡る広範な言語サポートの基盤構築がスタートします。今回訪日する、チェコ共和国のCodasipは、LLVMソリューションを改善するために、CoreMarkベンチマークで使用されるジャンプスレッドの独自の革新的実装を開発しています。
3。中国スマホ応用でのRISC-V躍進
中国スマホ分野では、世界で最も強力なAIプロセサとして、Huawei Ascend 910を7nmプロセスでARMで開発したことを発表しましたが、同様なチップをRISC-Vでも設計しているという2CPU戦略を表明しています。通商ブロック化を背景にスマホシステムでもRISC-VにもARM(現在世界シェア99%)と並ぶことが地域によっては可能になるかもしれません。
4。フラッシュマイコン分野でRISC-Vが躍進
フラッシュマイコンの潮目が変わりました。ARM Mシリーズの32-bit MCUにおいてのマーケットシェアは、2011年に15%、2012年に18%、2015年に70%としています。ARM Mシリーズでシェアを急伸している台湾のギガデバイス(GigaDevice)がRISC-Vを全面採用すると宣言しました。GD32VF103シリーズRISC-V MCUは、最高周波数で153 DMIPSのパフォーマンスとCoreMarkベンチマークテストで360ポイントのスコアを持ち、同社ARM Mコアよりも15%高速。消費電力は半分としています。
Andes Technologyが、ARM Mシリーズに対抗して開発されたN8シリーズに続く、RISC-VアーキテクチャのN22「Bumblebee」IPコアは、ARM Mシリーズに比較して、CoreMark/MHz, DMIPS/MHz, CSiBe Code Size, のすべてのベンチマークで凌駕するとしています。
5。DARPA研究開発方針で、セキュリティR&DがRISC-Vに移行
DARPAセキュリティ研究プロジェクトはRISC-Vを使うことを義務付けています。DARPAはハードウェア脆弱性を軽減するSSITHプロトタイプを発表。ハードウェアが攻撃をブロックし、ソフトウェアパッチの必要性を減らすオープンソースチップがRISC-Vで開発されています。
6。RISC-V周辺を集積する「チップス・アライアンス」
3月より、Google等の後援でLinux Foundation内に作られた「チップス・アライアンス」(CHIPS Alliance)、FOSS、FOSSiなど、RISC-Vでシステムを作りやすくするための周辺機能のIPを集積活動が始まりました。8コアの高性能システムを簡単にオープンソースで作れる。従来高付加価値だったチップ製品をオープンソース技術で作れるようになりました。
7。オープンソースEDAツールがRISC-Vをビークルに急伸
RISC-Vをビークルとして、新世代のオープンソースEDAツールがと開発されつつあります。新刊本"Digital Design with Chisel"が正式に発刊され、新設計フローも確立しつつあります。従来から存在していたVerilatorのようなEDAツールが広く使われるようになり、その信頼性と性能と機能が急激に向上しました。オープンソースEDAツールは、過去20年間どんぐりの背比べでしたが、今年になって強いコンテンダが出現しました。コシミュレーションとかのメソドロジもオープンソースで実現できるようになりました。FPGAツールYosys+nexpnrは、その単純さゆえに商用FPGAツールに比較して実行速度がとてつもなく速い。FPGA自動配置配線ツールnextpnrはデバイス依存部と一般処理部からなり、デバイス依存部を書き換えればどんなFPGAにマップできます。現在は、ラティスICE40とECP5、ザイリンクスのFPGAがサポートされています。オープンソースツールは多様なユースケースを可能にします。検証フェーズでテストベクタを高速で試すために「部分コンフィギュレーション機能」を活用することができます。形式的検証の重要性も高まりつつあります。ハードウェアトロイの木馬などの意図しないロジックは、開発プロセスの複数のポイントで挿入される可能性がありますが、これらを形式的検証で検出することができます。
8。RISC-Vが元祖となり、オープンアーキテクチャとオープンソースハードが全面展開
nvidiaは、オープンソース機械学習エコシステムを開発する取り組みNVDLAをリードしています。 NVDLA Deep Learning Inference Compilerも、NVDLAのRTLも公開しました。
サーバ・CPUの世界は確実に変わろうとしています。どこに落ち着くのかは、わからないが。IBMは、Powerアーキテクチャを無償化しました。RISC-Vに慣い、Power CPUの命令セットを無料化しました。RTLをオープンソース化しました。マイクロワット(Microwatt)というOpenPowerのソフトコアも発表されました。VHDL 2008で書かれた小さなOpen POWER ISAソフトコアで、シンプルでわかりやすいことを目指しています。IBMは、OpenPowerをオープン化し中国の次世代チップにPowerを供給。8月のOpenPower Summitでは、プレゼン19件が発表されました。。IBMが「開発者がハードウェアとソフトウェアがPower上で連携して動作することを保証するために使用する定義」、Power Instruction Set Architecture(ISA)をオープンソース化します。Power ISAソフトコア、のみでなくOpenCAPIインターコネクト技術、OMIメモリインタフェース技術の参照実装もオープンソース化しました。
9。RISC-Vによるデジタル半導体研究開発範囲の拡大
カーボンナノチューブRISC-Vの製造プロセス: MITは先週、標準CMOS製造設備と、市販CMOS製造工場にある材料とプロセスを使用して、カーボンナノチューブ(CNT)MOSFETで作られたRISC-V CPUを発表しました。カーボンナノチューブFETを使ったのRISC-Vプロセッサだと。エネルギー効率が10倍良いとしています。
10。RISC-V組織のグローバル化
3月に、通商のブロック化によりRISC-Vの発展が妨げられないように、RISC-V Foundationは、Linux Foundationとアライアンスを組みました。欧州のFree and Open Source Software(FOSS)、 Free and Open Source Silicon(FOSSi)、他の組織とも連携し、単なる米国の組織からグローバルな組織に変革しつつありました。
RISC-V Day Tokyo 2019主催
RISC-V協会幹事
SHコンサルティング株式会社
河崎 俊平
www.swhwc.com
会社概要: SHコンサルティング株式会社
SHCは、2013年5月に設立されました。サンフランシスコ、東京、ホーチミン市の世界3カ所に事務所を持ち、各拠点でプロダクト、エンジニアリング、サービス業務を行っているグローバルカンパニーです。日本はもとより、北米法人、ベトナム法人のメンバも活躍貢献しています。ベトナム、日本、米国の従業員の多様な考えを活動に反映させ、個々人の判断に基づく迅速な動きが出来る強さを持った組織が形成されました。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000201489&id=bodyimage1】
配信元企業:SHコンサルティング株式会社
プレスリリース詳細へ
ドリームニューストップへ