カンナビノイド及び大麻を研究テーマにする研究者の支援に学術論文投稿支援を追加しました
[19/11/08]
提供元:DreamNews
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日本臨床カンナビノイド学会(新垣実理事長)は、今月11月1日からカンナビノイド成分及び大麻植物の医療利用に関する日本在住の研究者への研究支援を拡充しました。
カンナビノイドとは、大麻植物に含まれる100種類以上の特異成分であり、1990年代に内因性カンナビノイド・システムの発見によって神経及び免疫等の体内調節に重要な役割があることが解明されつつあり、この分野での研究が急速に進展しています。例えば、米国立医学図書館(National Library of Medicine)が作成している医学文献データベース「PubMed(パブメド)」では、“カンナビノイド”で検索すると、2008年以降、毎年1000件以上の学術論文が出版されていることがわかります。
しかし、我が国では、1948年の大麻取締法による規制のため、海外で承認された大麻由来の医薬品輸入が禁止されており、ごく一部の薬学部を除いて、該当分野の研究があまり進展していません。また、マリファナ事犯に対するマスコミ報道による影響により、大麻研究に手を出しにくい研究環境下にあります。
一方で、内因性カンナビノイドに関する基礎研究は、大麻由来のカンナビノイドの取り扱うための大麻研究者免許が不要なため、比較的自由に研究ができます。例えば、日本学術振興会が実施している競争的研究資金「科研費」では、“カンナビノイド”で検索すると、2010年以降、259件の研究課題が採択されており、味覚、ストレス、神経科学、疼痛、薬物依存などの領域で基礎研究に取り組まれていることがわかります。
本学会では、このような状況を鑑みて、日本在住の研究者の能力向上及び人材育成のために、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの国家資格を有する医療従事者、医学・薬学系の研究者(大学院生及び学部生を含む)であれば、研究費支援を昨年から実施してきました。今年度からは、関連する国際会議の参加者支援だけでなく、学術論文投稿支援を追加します。よって、研究支援のメニューは、次の3通りになります。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000204997&id=bodyimage1】
募集期間:2019年11月1日から2020年6月30日まで
コース : (1)国際会議発表者、(2)35歳以下の若手参加者、(3)論文投稿者
支援額 : (1)上限20万円、(2)上限10万円、(3)上限5万円
対象費用: (1)(2)渡航費、宿泊費、会議参加費、(3)英語論文の翻訳/校正/投稿料
詳しい応募条件は、日本臨床カンナビノイド学会のサイトを参照してください。
http://cannabis.kenkyuukai.jp/
本支援がユニークなのは、(1)は自ら所属する専門学会の国際会議を認めている点であり、(2)の若手参加者には、国際会議発表を必須とせず、参加するだけでもよいというメニューであること、(3)は他の科研費などの支援金との重複や補完を認めていることです。研究者にとって非常に使い勝手がよい支援制度となっています。本制度に関心のある方、日本のカンナビノイドおよび大麻関連研究の進展に貢献したい方からのご応募をお待ちしています。
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2019年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。
日本の大麻取締法
我が国における大麻は、昭和5年(1930年)に施行された旧麻薬取締規則において、印度大麻草が≪麻薬≫として規制されてきた。第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により印度大麻草と国内の大麻草は同一だと指摘を受け、一旦は、大麻草の栽培等の全面禁止が命じられた。ところが、当時の漁網や縄などの生活資材に必要不可欠であり、国内の農家を保護するために大麻取締法(1948年7月10日制定、法律第124号)を制定した。医師の取り扱う麻薬は、麻薬取締法(1948年7月10日制定、法律第123号)となり、農家が扱う大麻は、大麻取締法の管轄となった。その後、化学繊維の普及と生活様式の変化により、大麻繊維の需要が激減し、1950年代に3万人いた栽培者が1970年代に1000人まで激減した。欧米のヒッピー文化が流入し、マリファナ事犯が1970年代に1000人を超えると、それらを取り締まるための法律へと性格が変わった。つまり、戦後、70年間で農家保護のための法律から、マリファナ規制のための法律へと変貌した。2016年の時点で、全国作付面積7.9ha、大麻栽培者34名、大麻研究者400名。この法律では、大麻植物の花と葉が規制対象であり、茎(繊維)と種子は、取締の対象外である。栽培には、都道府県知事の免許が必要となるが、マリファナ事犯の増加傾向の中、新規の栽培免許はほとんど交付されていない。また、医療用大麻については、法律制定当初から医師が施用することも、患者が交付を受けることも両方で禁止されたままである。
配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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カンナビノイドとは、大麻植物に含まれる100種類以上の特異成分であり、1990年代に内因性カンナビノイド・システムの発見によって神経及び免疫等の体内調節に重要な役割があることが解明されつつあり、この分野での研究が急速に進展しています。例えば、米国立医学図書館(National Library of Medicine)が作成している医学文献データベース「PubMed(パブメド)」では、“カンナビノイド”で検索すると、2008年以降、毎年1000件以上の学術論文が出版されていることがわかります。
しかし、我が国では、1948年の大麻取締法による規制のため、海外で承認された大麻由来の医薬品輸入が禁止されており、ごく一部の薬学部を除いて、該当分野の研究があまり進展していません。また、マリファナ事犯に対するマスコミ報道による影響により、大麻研究に手を出しにくい研究環境下にあります。
一方で、内因性カンナビノイドに関する基礎研究は、大麻由来のカンナビノイドの取り扱うための大麻研究者免許が不要なため、比較的自由に研究ができます。例えば、日本学術振興会が実施している競争的研究資金「科研費」では、“カンナビノイド”で検索すると、2010年以降、259件の研究課題が採択されており、味覚、ストレス、神経科学、疼痛、薬物依存などの領域で基礎研究に取り組まれていることがわかります。
本学会では、このような状況を鑑みて、日本在住の研究者の能力向上及び人材育成のために、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの国家資格を有する医療従事者、医学・薬学系の研究者(大学院生及び学部生を含む)であれば、研究費支援を昨年から実施してきました。今年度からは、関連する国際会議の参加者支援だけでなく、学術論文投稿支援を追加します。よって、研究支援のメニューは、次の3通りになります。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000204997&id=bodyimage1】
募集期間:2019年11月1日から2020年6月30日まで
コース : (1)国際会議発表者、(2)35歳以下の若手参加者、(3)論文投稿者
支援額 : (1)上限20万円、(2)上限10万円、(3)上限5万円
対象費用: (1)(2)渡航費、宿泊費、会議参加費、(3)英語論文の翻訳/校正/投稿料
詳しい応募条件は、日本臨床カンナビノイド学会のサイトを参照してください。
http://cannabis.kenkyuukai.jp/
本支援がユニークなのは、(1)は自ら所属する専門学会の国際会議を認めている点であり、(2)の若手参加者には、国際会議発表を必須とせず、参加するだけでもよいというメニューであること、(3)は他の科研費などの支援金との重複や補完を認めていることです。研究者にとって非常に使い勝手がよい支援制度となっています。本制度に関心のある方、日本のカンナビノイドおよび大麻関連研究の進展に貢献したい方からのご応募をお待ちしています。
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2019年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。
日本の大麻取締法
我が国における大麻は、昭和5年(1930年)に施行された旧麻薬取締規則において、印度大麻草が≪麻薬≫として規制されてきた。第二次世界大戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)により印度大麻草と国内の大麻草は同一だと指摘を受け、一旦は、大麻草の栽培等の全面禁止が命じられた。ところが、当時の漁網や縄などの生活資材に必要不可欠であり、国内の農家を保護するために大麻取締法(1948年7月10日制定、法律第124号)を制定した。医師の取り扱う麻薬は、麻薬取締法(1948年7月10日制定、法律第123号)となり、農家が扱う大麻は、大麻取締法の管轄となった。その後、化学繊維の普及と生活様式の変化により、大麻繊維の需要が激減し、1950年代に3万人いた栽培者が1970年代に1000人まで激減した。欧米のヒッピー文化が流入し、マリファナ事犯が1970年代に1000人を超えると、それらを取り締まるための法律へと性格が変わった。つまり、戦後、70年間で農家保護のための法律から、マリファナ規制のための法律へと変貌した。2016年の時点で、全国作付面積7.9ha、大麻栽培者34名、大麻研究者400名。この法律では、大麻植物の花と葉が規制対象であり、茎(繊維)と種子は、取締の対象外である。栽培には、都道府県知事の免許が必要となるが、マリファナ事犯の増加傾向の中、新規の栽培免許はほとんど交付されていない。また、医療用大麻については、法律制定当初から医師が施用することも、患者が交付を受けることも両方で禁止されたままである。
配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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