18年ぶりに実施した世界薬物特別総会(UNGASS2016)の成果文書の和訳を公表、健康(ハーム・リダクションと規制薬物へのアクセスを含む)、開発、人権、そして新たな課題という4本柱が追加
[20/01/17]
提供元:DreamNews
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世界の薬物政策は、懲罰的アプローチから公衆衛生アプローチへ変化しつつあります。このきっかけとなったのが、18年ぶりに実施した2016年4月の世界薬物特別総会(UNGASS)で採決決議された「世界的な薬物問題への効果的な取組みと対策のための共同コミットメントS-30/1.」です。
これは、UNGASS2016の成果文書と呼ばれ、2016年3月に国連麻薬委員会(CND)が勧告し、国連総会に送付したものです。各国が薬物問題にどのように取り組むべきかを説明し、国連加盟国内および加盟国間の長年の議論した成果であり、国、地域、世界レベルで、市民社会グループに大きな役割が期待されています。
日本臨床カンナビノイド学会(新垣実理事長)は、UNGASS2016の成果文書の全文の和訳結果を2020年1月16日のホームページにて発表しました。
UNGASS2016の成果文書には、次の7つの章で構成されています。
1.予防、治療、処置ならびに保健に関する施策を含む需要削減
2.転用を防止しつつ、専ら医療及び科学上の目的のための規制物質の利用及びアクセスを確保すること
3.効果的な法執行、薬物犯罪対策、マネーロンダリング対策、司法協力の推進の供給削減及びそれに関連にした措置
4.人権、若者、子ども、女性ならびにコミュニティと薬物に関する分野横断的な問題
5.3つの国際薬物統制条約及び関連する国際文書に従い、現状、傾向及び状況の変化、新たな精神作用物質を含む脅威を踏まえた、世界的な薬物問題の分野横断的な課題
6.共通かつ共有された責任原則に基づく国際協力の強化
7.開発志向のバランスのとれた薬物統制政策に関する地域的、地域間及び国際協力、社会経済的な措置などの代替開発
1990年代から2016年までの国際的な薬物政策は、需要削減、供給削減、国際協力が縦割り的な3本柱であったが、UNGASS2016の成果文書では、健康(ハーム・リダクションと規制薬物へのアクセスを含む)、開発、人権、そして新たな課題という4本柱が追加されています。
(a)2015年の包括的な国連持続可能な開発目標(SDSs)
(b)2018年3月の国連人権理事会決議「人権に関する世界の薬物問題に効果的に対処および対抗するための共同コミットメント」A/HRC/37/42
(c)2018年11月、31の国連機関が参画する国連システム事務局長調整委員会(CEB)による「効果的な国連機関間の連携を通じた国際薬物統制政策の実施を支援する国連システムの共通の立場」
UNGASS2016の成果文書は、(a)の持続可能な開発を考慮し、(b)および(c)のように人権、健康の観点から国連全体でフォローアップされています。
原文和訳についてはこちら
http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=99841
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000208573&id=bodyimage1】
2020年3月2日から6日にかけて、第63回国連麻薬委員会(CND)の会合がオーストリアのウィーンで行われます。ここでは、2019年1月にWHO勧告「大麻植物および大麻関連物質の提案されたスケジュール」について議論および53カ国による投票が実施される予定です。本学会は、今後もCNDに関連した世界情勢についての有益な資料の和訳および紹介に努めていきます。
世界薬物特別総会(UNGASS)
薬物関連の国連特別総会は、過去に1990年、1998年、2016年の3回実施されている。
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)
持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)からなる国連の開発目標である。2015年9月の国連総会で採択された。
国連麻薬委員会(CND)
麻薬委員会(Commission on Narcotic Drugs)は、国連経済社会理事会(ECOSOC)の機能委員会の1つで、国際的な薬物統制に関する政府間の主要な政策を決定し、事業活動の調整をはかる。53カ国で構成される。
第63回国連麻薬委員会(CND)の会合
https://www.unodc.org/unodc/en/commissions/CND/session/63_Session_2020/session-63-of-the-commission-on-narcotic-drugs.html
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2019年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。http://cannabis.kenkyuukai.jp/
配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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これは、UNGASS2016の成果文書と呼ばれ、2016年3月に国連麻薬委員会(CND)が勧告し、国連総会に送付したものです。各国が薬物問題にどのように取り組むべきかを説明し、国連加盟国内および加盟国間の長年の議論した成果であり、国、地域、世界レベルで、市民社会グループに大きな役割が期待されています。
日本臨床カンナビノイド学会(新垣実理事長)は、UNGASS2016の成果文書の全文の和訳結果を2020年1月16日のホームページにて発表しました。
UNGASS2016の成果文書には、次の7つの章で構成されています。
1.予防、治療、処置ならびに保健に関する施策を含む需要削減
2.転用を防止しつつ、専ら医療及び科学上の目的のための規制物質の利用及びアクセスを確保すること
3.効果的な法執行、薬物犯罪対策、マネーロンダリング対策、司法協力の推進の供給削減及びそれに関連にした措置
4.人権、若者、子ども、女性ならびにコミュニティと薬物に関する分野横断的な問題
5.3つの国際薬物統制条約及び関連する国際文書に従い、現状、傾向及び状況の変化、新たな精神作用物質を含む脅威を踏まえた、世界的な薬物問題の分野横断的な課題
6.共通かつ共有された責任原則に基づく国際協力の強化
7.開発志向のバランスのとれた薬物統制政策に関する地域的、地域間及び国際協力、社会経済的な措置などの代替開発
1990年代から2016年までの国際的な薬物政策は、需要削減、供給削減、国際協力が縦割り的な3本柱であったが、UNGASS2016の成果文書では、健康(ハーム・リダクションと規制薬物へのアクセスを含む)、開発、人権、そして新たな課題という4本柱が追加されています。
(a)2015年の包括的な国連持続可能な開発目標(SDSs)
(b)2018年3月の国連人権理事会決議「人権に関する世界の薬物問題に効果的に対処および対抗するための共同コミットメント」A/HRC/37/42
(c)2018年11月、31の国連機関が参画する国連システム事務局長調整委員会(CEB)による「効果的な国連機関間の連携を通じた国際薬物統制政策の実施を支援する国連システムの共通の立場」
UNGASS2016の成果文書は、(a)の持続可能な開発を考慮し、(b)および(c)のように人権、健康の観点から国連全体でフォローアップされています。
原文和訳についてはこちら
http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=99841
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000208573&id=bodyimage1】
2020年3月2日から6日にかけて、第63回国連麻薬委員会(CND)の会合がオーストリアのウィーンで行われます。ここでは、2019年1月にWHO勧告「大麻植物および大麻関連物質の提案されたスケジュール」について議論および53カ国による投票が実施される予定です。本学会は、今後もCNDに関連した世界情勢についての有益な資料の和訳および紹介に努めていきます。
世界薬物特別総会(UNGASS)
薬物関連の国連特別総会は、過去に1990年、1998年、2016年の3回実施されている。
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)
持続可能な開発のための17のグローバル目標と169のターゲット(達成基準)からなる国連の開発目標である。2015年9月の国連総会で採択された。
国連麻薬委員会(CND)
麻薬委員会(Commission on Narcotic Drugs)は、国連経済社会理事会(ECOSOC)の機能委員会の1つで、国際的な薬物統制に関する政府間の主要な政策を決定し、事業活動の調整をはかる。53カ国で構成される。
第63回国連麻薬委員会(CND)の会合
https://www.unodc.org/unodc/en/commissions/CND/session/63_Session_2020/session-63-of-the-commission-on-narcotic-drugs.html
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2019年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。http://cannabis.kenkyuukai.jp/
配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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