大麻に関連する薬物統制の新しいアプローチには言及されず。 第62会期国連麻薬委員会の閣僚宣言についての和訳を公表。
[20/05/29]
提供元:DreamNews
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2009年3月に行われた第52会期国連麻薬委員会ハイレベル・セグメントにおいて採択された政治宣言の更新が、2019年3月の第62会期国連麻薬委員会「世界薬物問題に対処する共同コミットメントの実施加速化のための国内的,地域的,国際的あらゆるレベルでの活動強化にかかる」閣僚宣言で行われました。
日本臨床カンナビノイド学会(新垣実理事長)では、この閣僚宣言の和訳を2020年4月30日にWEBサイトにて公表しました。
国際的な薬物政策は、次の3つの国際条約がベースとなっています。
・1961年麻薬に関する単一条約(1971年麻薬単一条約改正議定書)
・1971年向精神薬に関する条約
・1988年麻薬及び向精神薬の不正取引条約
これらの条約のフォローアップは、国連経済社会理事会の下部機関である国連麻薬委員会(CND)が担っています。国連組織内における薬物政策決定の中核的機関です。
2009年から2019年の間に、
(1)2015年の持続可能な開発のための2030年アジェンダ
(2)2016年の世界薬物特別総会(UNGASS2016)の成果文書
(3)2018年の国連人権理事会決議37/42の投票結果
(4)2018年の国連の31機関が参加した国連システム共通の立場を表明
によって、2009年からの従来の需要削減、供給削減、国際協力の3本柱に、新しく健康(ハーム・リダクションと規制薬物へのアクセスを含む)、開発、人権、新たな脅威の4本柱が追加されました。
その結果、2019年3月国連麻薬委員会の閣僚宣言では、表現の差異が多少ありますが、下記の項目が反映されています。
・個人使用のための薬物使用及び所持に対する有罪判決又は刑罰に代わるもの (非犯罪化を含む) の促進
・ハーム・リダクション(健康被害軽減)介入へのアクセス改善
・科学的根拠(エビデンス)に基づく薬物依存治療へのアクセス改善
・スティグマ(汚名)の軽減、医療現場における差別の防止
・管理された医薬品へのアクセスと入手可能性の改善
・ジェンダーに配慮した政策の策定
・栽培と密売への関与の根本的問題/社会経済的原因への対処
・薬物統制と開発努力の連携
・薬物統制と人権へのコミットメントとの連携
・より良いデータの収集、分析、作成
・薬物政策に関する意思決定プロセスへの市民社会の関与
(2)と(4)の国連文書に見られたが、下記のテーマは2019年3月国連麻薬委員会の閣僚宣言に反映されていません。
・刑務所における予防、治療、ケア、支援サービスへのアクセス改善
・刑事司法制度における法的保障及び適正手続保障の確保 (法的支援への時宜を得たアクセス及び公正な裁判を受ける権利を含む。)
また、(4)の国連文書に見られたが、下記のテーマは2019年3月国連麻薬委員会の閣僚宣言に反映されていません。
・大麻に関連する薬物統制の新しいアプローチ
2019年の次は、10年後の2029年にこの閣僚宣言のフォローアップと行動計画の見直しが予定されています。また、2024年に中間評価の実施が予定されています。本サイトでは、2019年の閣僚宣言を和訳しましたので、下記サイトのPDFファイルでご確認ください。
http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=103110
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000216154&id=bodyimage1】
本学会は、大麻草およびカンナビノイドに関する専門学会ですが、国際的な薬物政策の影響が大きいテーマであるため、今後もこのような世界情勢についての有益な資料の和訳および紹介に努めていきます。
参考サイト
国連広報センター「人権」について
https://00m.in/uEroS
第52会期国連麻薬委員会の政治宣言 2009年3月(外務省訳)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mayaku/52nd_mi_ss.html
2016年の世界薬物特別総会(UNGASS2016)の成果文書
https://00m.in/BoJ8L
2018年の国連の31機関が参加した国連システム共通の立場を表明
https://00m.in/4KUVN
医療用大麻:
カンナビス(大麻草)に含まれるカンナビノイドなどの有効成分を利用した生薬(ハーブ)療法の一種。2018年4月現在、28か国で合法化している。カンナビスに含まれる成分を利用した製薬会社がつくるカンナビノイド医薬品とは区別されている。
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2019年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。http://cannabis.kenkyuukai.jp/
配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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日本臨床カンナビノイド学会(新垣実理事長)では、この閣僚宣言の和訳を2020年4月30日にWEBサイトにて公表しました。
国際的な薬物政策は、次の3つの国際条約がベースとなっています。
・1961年麻薬に関する単一条約(1971年麻薬単一条約改正議定書)
・1971年向精神薬に関する条約
・1988年麻薬及び向精神薬の不正取引条約
これらの条約のフォローアップは、国連経済社会理事会の下部機関である国連麻薬委員会(CND)が担っています。国連組織内における薬物政策決定の中核的機関です。
2009年から2019年の間に、
(1)2015年の持続可能な開発のための2030年アジェンダ
(2)2016年の世界薬物特別総会(UNGASS2016)の成果文書
(3)2018年の国連人権理事会決議37/42の投票結果
(4)2018年の国連の31機関が参加した国連システム共通の立場を表明
によって、2009年からの従来の需要削減、供給削減、国際協力の3本柱に、新しく健康(ハーム・リダクションと規制薬物へのアクセスを含む)、開発、人権、新たな脅威の4本柱が追加されました。
その結果、2019年3月国連麻薬委員会の閣僚宣言では、表現の差異が多少ありますが、下記の項目が反映されています。
・個人使用のための薬物使用及び所持に対する有罪判決又は刑罰に代わるもの (非犯罪化を含む) の促進
・ハーム・リダクション(健康被害軽減)介入へのアクセス改善
・科学的根拠(エビデンス)に基づく薬物依存治療へのアクセス改善
・スティグマ(汚名)の軽減、医療現場における差別の防止
・管理された医薬品へのアクセスと入手可能性の改善
・ジェンダーに配慮した政策の策定
・栽培と密売への関与の根本的問題/社会経済的原因への対処
・薬物統制と開発努力の連携
・薬物統制と人権へのコミットメントとの連携
・より良いデータの収集、分析、作成
・薬物政策に関する意思決定プロセスへの市民社会の関与
(2)と(4)の国連文書に見られたが、下記のテーマは2019年3月国連麻薬委員会の閣僚宣言に反映されていません。
・刑務所における予防、治療、ケア、支援サービスへのアクセス改善
・刑事司法制度における法的保障及び適正手続保障の確保 (法的支援への時宜を得たアクセス及び公正な裁判を受ける権利を含む。)
また、(4)の国連文書に見られたが、下記のテーマは2019年3月国連麻薬委員会の閣僚宣言に反映されていません。
・大麻に関連する薬物統制の新しいアプローチ
2019年の次は、10年後の2029年にこの閣僚宣言のフォローアップと行動計画の見直しが予定されています。また、2024年に中間評価の実施が予定されています。本サイトでは、2019年の閣僚宣言を和訳しましたので、下記サイトのPDFファイルでご確認ください。
http://cannabis.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=103110
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000216154&id=bodyimage1】
本学会は、大麻草およびカンナビノイドに関する専門学会ですが、国際的な薬物政策の影響が大きいテーマであるため、今後もこのような世界情勢についての有益な資料の和訳および紹介に努めていきます。
参考サイト
国連広報センター「人権」について
https://00m.in/uEroS
第52会期国連麻薬委員会の政治宣言 2009年3月(外務省訳)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mayaku/52nd_mi_ss.html
2016年の世界薬物特別総会(UNGASS2016)の成果文書
https://00m.in/BoJ8L
2018年の国連の31機関が参加した国連システム共通の立場を表明
https://00m.in/4KUVN
医療用大麻:
カンナビス(大麻草)に含まれるカンナビノイドなどの有効成分を利用した生薬(ハーブ)療法の一種。2018年4月現在、28か国で合法化している。カンナビスに含まれる成分を利用した製薬会社がつくるカンナビノイド医薬品とは区別されている。
日本臨床カンナビノイド学会
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会; International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2019年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員12名、 賛助個人会員23名、合計102名を有する。http://cannabis.kenkyuukai.jp/
配信元企業:一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会
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