【矢野経済研究所プレスリリース】産直ビジネスに関する調査を実施(2020年)〜生産者と消費者を直接つなぐオンラインマルシェで活気づく「産直ビジネス」〜
[20/09/28]
提供元:DreamNews
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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の産直ビジネス市場を調査し、市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
本調査における産直ビジネスとは、従来の卸売市場を経由せず、直接、産地から小売事業者や消費者等に流通させる事業をさし、産直農産品は、こうして流通した国産の青果物を対象とする。近年は、インターネット通販で生産者から消費者に野菜を届けるオンラインマルシェが活況を呈する一方、道の駅に併設された直売所、加工食品メーカーが提携する契約農場等も好調である。
国内では高齢化や担い手不足により離農が進む中、こうした状況を食い止めるため、2009年に実施された農地法の改正では、農業への参入規制が緩和された。現在は、農業生産法人や一般法人の農業参入が離農による生産減を補うことで現状を維持しており、2019年の農産品市場規模全体は、前年比100.6%の9兆2,250億円(事業者による流通総額ベース)であった。このうち、産直農産品市場規模は、全体の伸びを上回る前年比104.2%の2兆9,424億円(事業者による流通総額ベース)と推計した。
2.注目トピック〜コロナ禍で急増するオーガニック野菜需要
共働き世帯や単身世帯の増加に伴う食の外部化(外食や中食の利用等)の進展により、家庭での生鮮野菜の消費は減少傾向にある。しかし、現下、コロナ禍による外出自粛ほか、環境や健康に配慮したエシカル消費の高まりから、農薬や化学肥料を使用しないオーガニック野菜に対する需要が高まっている。
外食頻度の高い消費者の間では、外出自粛により浮いた外食費を食材の購入に充てるようになり、自宅で調理時間の余裕ができたことと併せ、高単価であっても健康的なオーガニ ック野菜を選択する傾向にあるとみられる。オーガニック野菜の消費は、一般消費者を中心とする一方、小売店舗や加工食品メーカー等の業務用需要も高まりつつある。
小売店舗ではオーガニック野菜のさらなる普及拡大を目指した低価格化が進められている状況にあり、今後も需要は高まるとみられることから、生産体制の底上げが必要であると考える。
3.将来展望
国内人口の減少や食の外部化(外食や中食の利用等)が進む中で、生鮮野菜の消費は減少傾向にある。今後は、限られた需要に対し、誰がどのように流通させるかという局面を迎えつつあり、卸売市場流通と産直農産品による競争が始まっている。
産直農産品は流通事業者(商社等)や実需者(小売や外食チェーン、加工食品メーカー等)により取決めた価格となるため、相場の影響を受けず仕入れ価格を安定化させるメリットがある。また鮮度の高さや市場に流通しない珍しい食材の提供に加え、販売事業者による食材の特色を活かした食べ方提案等の普及活動がみられる。
こうした取組みにより産直農産品が存在感を高める中、卸売市場は2020年6月、改正卸売市場法を施行し、卸売市場での取引や民間企業による参入規制を緩和することで応戦している。今回の改正では、「直荷引き禁止」、「商物一致の原則」、「第三者販売の禁止」等が見直され、例えば、卸売業者を経由せず、直接、仲卸業者は産地から仕入れを行えるようになった。また、卸売市場への集荷をなくし、産地から実需者への直送が可能になった。加えて、卸売業者は同市場内の仲卸業者や売買参加者(小売・量販店等)以外にも販売が可能となる等、市場外流通との垣根を低くすることで、卸売市場は活性化と物流の効率化を図っている。
仕入れ原価を安定化させたい実需者や食材にこだわる消費者、収入増に取組む農家の需要を捉えて産直農産品市場規模は拡大しており、2024年には、2019年比120.6%の3兆5,489億円(事業者による流通総額ベース)になると予測する。また、卸売市場を含む農産品市場規模全体は2019年比102.5%の9兆4,533億円(事業者による流通総額ベース)を予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2537
調査要綱
1.調査期間: 2020年6月〜8月
2.調査対象: 農業生産法人(自社・契約型農場、CSA)、農産品流通事業者(オーガニック農産品流通、農産品市場外流通)、農産品販売事業者(農産品直売所、フードロス関連ビジネス、体験型農業テーマパーク、農産品宅配ビジネス、需給マッチングビジネス)等
3.調査方法: 当社専門研究員による面談取材、電話、質問紙等による間接ヒアリング、及び文献調査併用
4.発刊日:2020年08月31日
お問い合わせ
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
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配信元企業:株式会社矢野経済研究所
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1.市場概況
本調査における産直ビジネスとは、従来の卸売市場を経由せず、直接、産地から小売事業者や消費者等に流通させる事業をさし、産直農産品は、こうして流通した国産の青果物を対象とする。近年は、インターネット通販で生産者から消費者に野菜を届けるオンラインマルシェが活況を呈する一方、道の駅に併設された直売所、加工食品メーカーが提携する契約農場等も好調である。
国内では高齢化や担い手不足により離農が進む中、こうした状況を食い止めるため、2009年に実施された農地法の改正では、農業への参入規制が緩和された。現在は、農業生産法人や一般法人の農業参入が離農による生産減を補うことで現状を維持しており、2019年の農産品市場規模全体は、前年比100.6%の9兆2,250億円(事業者による流通総額ベース)であった。このうち、産直農産品市場規模は、全体の伸びを上回る前年比104.2%の2兆9,424億円(事業者による流通総額ベース)と推計した。
2.注目トピック〜コロナ禍で急増するオーガニック野菜需要
共働き世帯や単身世帯の増加に伴う食の外部化(外食や中食の利用等)の進展により、家庭での生鮮野菜の消費は減少傾向にある。しかし、現下、コロナ禍による外出自粛ほか、環境や健康に配慮したエシカル消費の高まりから、農薬や化学肥料を使用しないオーガニック野菜に対する需要が高まっている。
外食頻度の高い消費者の間では、外出自粛により浮いた外食費を食材の購入に充てるようになり、自宅で調理時間の余裕ができたことと併せ、高単価であっても健康的なオーガニ ック野菜を選択する傾向にあるとみられる。オーガニック野菜の消費は、一般消費者を中心とする一方、小売店舗や加工食品メーカー等の業務用需要も高まりつつある。
小売店舗ではオーガニック野菜のさらなる普及拡大を目指した低価格化が進められている状況にあり、今後も需要は高まるとみられることから、生産体制の底上げが必要であると考える。
3.将来展望
国内人口の減少や食の外部化(外食や中食の利用等)が進む中で、生鮮野菜の消費は減少傾向にある。今後は、限られた需要に対し、誰がどのように流通させるかという局面を迎えつつあり、卸売市場流通と産直農産品による競争が始まっている。
産直農産品は流通事業者(商社等)や実需者(小売や外食チェーン、加工食品メーカー等)により取決めた価格となるため、相場の影響を受けず仕入れ価格を安定化させるメリットがある。また鮮度の高さや市場に流通しない珍しい食材の提供に加え、販売事業者による食材の特色を活かした食べ方提案等の普及活動がみられる。
こうした取組みにより産直農産品が存在感を高める中、卸売市場は2020年6月、改正卸売市場法を施行し、卸売市場での取引や民間企業による参入規制を緩和することで応戦している。今回の改正では、「直荷引き禁止」、「商物一致の原則」、「第三者販売の禁止」等が見直され、例えば、卸売業者を経由せず、直接、仲卸業者は産地から仕入れを行えるようになった。また、卸売市場への集荷をなくし、産地から実需者への直送が可能になった。加えて、卸売業者は同市場内の仲卸業者や売買参加者(小売・量販店等)以外にも販売が可能となる等、市場外流通との垣根を低くすることで、卸売市場は活性化と物流の効率化を図っている。
仕入れ原価を安定化させたい実需者や食材にこだわる消費者、収入増に取組む農家の需要を捉えて産直農産品市場規模は拡大しており、2024年には、2019年比120.6%の3兆5,489億円(事業者による流通総額ベース)になると予測する。また、卸売市場を含む農産品市場規模全体は2019年比102.5%の9兆4,533億円(事業者による流通総額ベース)を予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2537
調査要綱
1.調査期間: 2020年6月〜8月
2.調査対象: 農業生産法人(自社・契約型農場、CSA)、農産品流通事業者(オーガニック農産品流通、農産品市場外流通)、農産品販売事業者(農産品直売所、フードロス関連ビジネス、体験型農業テーマパーク、農産品宅配ビジネス、需給マッチングビジネス)等
3.調査方法: 当社専門研究員による面談取材、電話、質問紙等による間接ヒアリング、及び文献調査併用
4.発刊日:2020年08月31日
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