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【2021年度】全国の高等学校におけるICT※1活用実態調査――9割以上が「以前よりICTの必要性を認識」と回答、休校措置によるオンライン・リモート対応で需要が急拡大

教育出版の株式会社旺文社(本社:東京都新宿区、代表取締役:生駒大壱)は、高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態について、アンケート調査を実施いたしました。今年で5回目となる本調査では、2020年春に全国で実施された休校措置等の影響で対応に追われた学校現場の実情を踏まえ、新たに「ICT利用の必要性に対する意識の変化」にも注目しました。全国1,313校からの回答を基に、ICTの教育利用に関する近年の傾向と課題について、過去の調査データとの比較を交えた分析結果を公開いたします。
この調査結果を受け、旺文社では、各高等学校の実情に則した教育ICTサービスの提供と、活用のためのサポートに取り組んでまいります。
※1 ICT:Information and Communication Technologyの略語。情報処理や通信に関する技術、設備の総称。


【調査結果サマリ】
生徒用のモバイルICT端末を導入している高等学校は62.1%、校内の無線ネットワーク環境整備も急進
生徒用のモバイルICT端末を校内に1台以上導入している高等学校の割合は、全体の6割超(62.1%)に。特に「タブレット型」端末の割合は昨年度調査から4.4ポイント増の52.4%となり、調査開始から初めて半数を超えました。モバイル端末利用のための環境整備も進み、校内のいずれかの場所で無線ネットワーク環境を利用できる高等学校の割合は全体の72.3%に達しました。
「BYOD」※2の利用校が29.7%に拡大、高等学校でスマートフォン等の私物端末を学習目的に使用する動きが加速
スマートフォン等の生徒の私物端末を教育利用する「BYOD」を施行する高等学校は、昨年度調査からさらに増え、全体の3割弱に広がりました。休校措置等でリモートでの教務・校務の必要性が急激に高まった中、十分な台数の端末が配備されていない状況でも、ICT活用のメリットを享受できる方策として存在感を強めています。
休校措置を経て92.7%の高等学校が以前よりICTの必要性を認識、今後のモバイル端末導入傾向も急拡大
新型コロナ感染拡大防止のために実施された休校措置等への対応が求められた2020年度を振り返り、「以前よりICTの必要性を認識するようになった」と回答した高等学校は、全体の9割超(92.7%)に上りました。オンラインでの授業実施や生徒にリモートで課題を配信するといった、休校状況下でも教育の質を保障するための取り組みには、特にICT活用の必要性が求められています。今後、生徒用モバイルICT端末の導入予定がある高等学校のうち、「生徒1人1台配備」の割合は68.5%に上っています。
※2 BYOD:Bring Your Own Deviceの略語。元々は企業などの団体組織において個人所有のモバイル端末を職場に持ち込み、それを業務目的の情報端末として運用するといった取り組み。

■高等学校で進むタブレット端末の利用と無線ネットワークの整備
全国の高等学校で導入・使用されているICT機器についての調査では、「大型提示装置(電子黒板・プロジェクター等)」が、本年度さらに増え81.2%となりました。一方、生徒自身が使用する端末の導入率は、「生徒用のPC端末(タブレット型)」(52.4%)が昨年調査からさらに増え、過去5年間の調査を通して初めて半数を超えました〈図1〉。 「生徒用のPC端末(ノート型)」(24.0%)と合わせた、モバイル使用が可能なICT端末の導入率は62.1%となっています(両者回答の重複を除く)。
また、モバイル端末の利用に必要な無線ネットワークの整備状況については、対象を校内のいずれかのエリアとした場合、全体の72.3%が「使用できる」と答えています。昨年まで回答数トップだった「有線でのみネットワークを使用できる」(19.0%)の割合が減る一方、「校内のどこでも無線のネットワークを使用できる」(22.0%)・「校内の通常教室で無線でのネットワークを使用できる」(23.9%)の割合は、2年前の2019年度調査からいずれも倍増という結果になりました〈図2〉。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000231617&id=bodyimage1

■休校措置で加速した生徒の私物端末利用(「BYOD」)とその課題
高等学校において、生徒の私物端末を教育利用する「BYOD」の取り組みも広がっています。ICT機器の導入・使用状況に関する調査では、「生徒の私物端末(スマートフォン・PC等)」(29.7%)の回答率が昨年からさらに伸び、全体の3割に迫る勢いです〈図1〉。 生徒の私物端末を使用することは、学校として十分な台数の端末を配備していない状況でも、ICTの利便性を創出する方策として有効です。特に2020年は全国的な休校措置による影響で、生徒に対してリモートでの指導等が必要とされる機会が急増し、連絡手段を確保するために生徒の私物端末を利用するケースに至った学校も多かったようです。
また、校内における生徒の私物端末(スマートフォン等)の使用制限状況について調べたところ、「持参を禁止」(3.1%)・「持参の場合は教員側が預かる」(8.6%)・「使用を強く禁止」(32.4%)の割合は軒並み昨年調査時から下がり、「学習などの目的であれば校内で自由に使用できる」(27.2%)の回答割合は2年連続で急増しています〈図3〉。 校内外で生徒の私物端末の教育利用が進む中、回答校からは「学習用としては画面が小さく不便」「充電の面で支援が必要」といった課題を上げる意見も寄せられました。

■高等学校で求められる「生徒1人1台」の端末配備と今後の傾向
生徒用モバイルICT端末の導入校に対して配備状況の内訳を調べたところ、「生徒1人1台配備」と答えた高等学校の割合は29.4%となりました〈図4〉。 回答校を国公立校・私立校に分類して見てみると、「生徒1人1台配備」の割合は、国公立校で14.2%・私立校で53.4%と、現状では配備傾向に差が生じています。
一方、今後に端末の導入予定があるとする高等学校においては、回答校の68.5%が「生徒1人1台配備」を見込んでいると答えていますが、学校種別で分類すると国公立校で60.8%・私立校で85.6%と、今後は公立校での導入も着実にも拡大していく見通しです〈図5〉。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000231617&id=bodyimage2

■休校により変化した高等学校におけるICT活用への意識と実態
今回高等学校に向けて実施した、「休校措置後のICT活用に対する意識の変化」に関する調査では、「以前より大幅に必要性を認識するようになった」(52.3%)、「以前より少しは必要性を認識するようになった」(40.4%)の回答割合が、合わせて全体の9割以上に上りました〈図6〉。
具体的にどのようなことにICTの必要性を感じたかという調査では、「映像授業・動画視聴」(67.4%)が昨年に引き続き最多でしたが、「リモートでの課題配信」(61.3%)、「オンライン遠隔授業」(57.5%)、「生徒や保護者への連絡」(57.4%)といった、休校により需要が生じた項目についても高い回答率となりました〈図7〉。 実際に高等学校からは、「休校中の課題配信によって授業の遅れを防げた」とICT活用の効果を評価する声や、「休校中の運用で教員のICTスキルが向上し、登校が再開された現在でも有効活用されている」と、休校の前後でICT活用の実態が変化したという声も上がっています。
一方、導入した生徒用モバイルICT端末の活用状況についての調査では、「十分活用できている」(12.0%)の割合が昨年から倍増したものの、「あまり活用できていない」(30.3%)・「全く活用できていない」(3.1%)の合計割合は全体の3分の1 を占めています〈図8〉。 活用における課題についての調査では、「教員の活用スキルの引き上げ」(83.0%)が過去に引き続き最多の回答数となり、ICT活用が求められるシーンの急増によって、教員側の課題意識もますます高まったことが裏付けられています〈図9〉。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000231617&id=bodyimage3

■総括:教育ICTの活用効果と価値向上に向けた課題
本調査では、2020年の全国的な休校措置の影響もあり、高等学校におけるICT活用への意識が大幅に高まったことに加え、実際の運用基盤となるハードウェア・設備面での環境整備も急進していることがわかりました。
休校時にリモート指導を実現するためのインフラとしての価値だけでなく、「映像・画像コンテンツを利用した情報の可視化」や「生徒個人に最適化した学習課題の配信」といった、授業内容そのものを改革するためにICTを活用するといった事例も増えています。
一方で、「単純に授業を映像化して置き換えるためだけに活用するだけでは不十分」、「ICTの感覚刺激にも生徒はすぐ飽きてしまうので、本質的な教材研究を深めたい」など、ツールや端末の表面的な運用に囚われないための意識が必要との声も上がりました。
今回の調査結果をもとに、今後、旺文社では、ICTの活用意義を本質的に高められる教育コンテンツ・サービスを提供し、教員向けに活用の実践例を交えたセミナーを開催するなど、高等学校を始めとした教育の場をサポートする取り組みを進めてまいります。

<高等学校アンケート調査実施要領>
※過去年度の調査結果は、旺文社HPよりご覧いただけます。
(2017年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/459
(2018年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/509
(2019年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/548
(2020年度版)https://www.obunsha.co.jp/news/detail/586

調査テーマ 全国の高等学校におけるICT活用状況についての調査
調査目的 高等学校現場におけるICT機器の導入ならびにICT関連サービスの活用状況の実態を調べ、
導入拡大・継続運用のための課題や、今後必要とされるサービス内容を把握する
調査対象 旺文社独自リストに基づく全国の国公私立高等学校 計5,099校
*中等教育学校を含む/高等専門学校・高等専修学校を除く
調査方法 対象校に対してアンケートDMを送付し、FAXおよびWebページにて回答を受け付け
調査規模 全1,313校からのアンケート回答結果を分析
調査時期 2020年12月上旬〜2021年1月上旬
調査発表日 2021年2月24日


■旺文社提供/学校向け教育ICTサービス
<旺文社英単語マスタープログラム「タンゴスタ!for英単語ターゲット」>
「タンゴスタ!for英単語ターゲット」は、英単語学習を支援するために開発された、高等学校向けのICT活用サービスです。多くの高等学校に教材として採用いただいている英単語集「英単語ターゲット」シリーズのコンテンツが搭載されており、学習の効率化と継続サポートによる生徒の英単語習得、ならびに、確認テストや評価管理の自動化による先生の負担軽減を実現します。
学校現場におけるICT環境の整備が進んでいることを受け、全国の高等学校での導入が広がっており、ご利用校の先生方からは、「生徒に学習習慣が定着して実際にテストの成績が向上した」、「休校期間中も課題やテストを配信することで学習進度を保てた」と、好評をいただいております。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000231617&id=bodyimage4

●公式サイトURL:https://www.obunsha.co.jp/pr/tangosta

【会社概要】
社名:株式会社 旺文社
代表者:代表取締役社長 生駒大壱
設立:1931年10月1日
本社:〒162-8680 東京都新宿区横寺町55 / TEL: 03-3266-6400
事業内容:教育・情報をメインとした総合出版と事業
URL: https://www.obunsha.co.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社旺文社 総務グループ 広報担当
TEL:03-3266-6400 FAX:03-3266-6849 E-mail:pr@obunsha.co.jp



配信元企業:株式会社旺文社
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