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川口スプリング製作所、「mcframe SIGNAL CHAIN」を組み込んだ自動塗装設備ラインを提供し、製造メーカーの品質歩留まりを向上 〜ユーザーとITベンダーの垣根を超えた「共創ビジネス」〜

株式会社川口スプリング製作所(埼玉県川口市、代表取締役社長:鬼塚 博幸、以下「川口スプリング」)とビジネスエンジニアリング株式会社(東京都千代田区、取締役社長:羽田 雅一、以下「B-EN-G」)は、「mcframe SIGNAL CHAIN」(以下SIGNAL CHAIN)を組込んだ塗装自動設備ライン「Kawaguchi Spring Manufacturing Internet of Coating System」(以下KS-MICS)を2021年6月1日より販売開始することを発表します。両社の取り組みはユーザーとITベンダーの垣根を超えた「共創ビジネス」モデルであり、最終的には納入先のデジタル・トランスフォーメーション(DX)にも寄与するものです。

■背景
新型コロナウイルスは甚大な経済的打撃とともに、新たな社会像や社会的価値観を生み出しました。製造業界においては、現場作業の自動化(無人化・リモート化)への要請が強さを増し、その要件に応えることが自社のサービスを差異化することであり、ひいてはニューノーマルの時代を生き抜くための競争力になります。

現場作業における人間の役割は、業種の違いや、技術の違い、あるいは製品に求められる価値の違いにより変わります。作業者に指示を出す、手作業を機械化する、機械加工を数値制御する、製造の進捗をデータ管理する、トラブルに対応するなど多岐にわたり、そのステージによっても自動化のポイントや対応方法が異なります。

川口スプリングの主力製品の一つである自動塗装機の最新型では、塗装部と搬送ラインを切り分け、ロボットによる自動化(製品移載)並びに投入・取出部にて汎用・協働ロボットを用いて、成型から一貫した全自動ラインを実現し、歩留まり率の改善を行っています。歩留まり率を高めていく過程において大きく影響する温度/湿度/風速/パーティクル/吐出流量などの数十にも上るパラメーターを取得し、それを加味しながらPLC(Programmable Logic Controller:制御装置)を用いた精密な数値制御が行われています。従来の設備では工程別にDXが進んでいますが、各工程の制御は、メーター類を作業者が目視確認してパネルに設定を打ち込んでいるのが現状で、システム全体での自動化は実現されていませんでした。

これらの問題を解決し、塗装システム全体の更なる効率化を図るため、川口スプリングはSIGNAL CHAINをベースとして、B-EN-Gと共同でKS-MICSを構築しました。これにより、設備稼働率の向上、設備の予防保全、品質歩留まりの向上、機器の設定変更作業の正確性・効率性の向上を実現しました。製造メーカーが自ら複数のグローバルに跨る工場をデジタル化するには、ノウハウや技術、リソースなど課題が多く、着手することが難しいところ、このように自動塗装設備ラインにIoTの仕組みが最初から組み込まれていると、短期間でのDX化が可能となります。また、複数の塗装設備ラインで本システムが構築されれば、設備環境の最適化を統一することも可能です。

■Kawaguchi Spring Manufacturing Internet of Coating System (KS-MICS)とは
川口スプリングが提供する自動塗装ラインに組み込まれたSIGNAL CHAINは、設備の保有する、稼働/製造/品質の各データを収集・蓄積しリアルタイムに監視し、またヒストリカルに分析を行うことが可能です。このSIGNAL CHAIN上に川口スプリングのこれまでの品質管理のノウハウをシステム化し、これを活用することで、納入先企業では塗装の各工程における設備の持つ発生データ(温湿度/差圧/風速/電流値/水量/パーティクル/吐出量など)をリアルタイムに監視し、蓄積するとともに、「設備への設定値」・「蓄積した発生データ」・「結果としての製品品質」の相関関係をヒストリカルにかつ可視的に捉えることが可能になります。これにより、従来職人に頼っていた塗装品質歩留改善活動を組織的に推進することが可能になります。

■KS-MICSがもたらすお客様メリット
1.塗装ラインにおける各設備の稼働率向上、施設全体の安全性向上、予防保全の実現
各施設の各設備の稼働状況はリアルタイムに監視され、異常状態が直ちに通知されるとともに、異常時の
データが蓄積され、分析されます。これにより、稼働率の向上、異常時を事前に察知し、予防保全にも繋
がります。
2.塗装品質歩留の向上
各施設の各設備での温度・湿度・差圧・水位・吐出流量、モータ電流値、パーティクル等はリアルタイムに監視され、設定された閾値(しきいち)により、異常状態がアラートとして通知されます。
また、データが蓄積され、過去に遡ってトレースが可能なため、品質不良発生時に、その時点での設備への設定情報と発生データを照合・分析することにより、品質向上を実現します。
3.PLC設定作業の正確性・効率性の向上および、設定ノウハウの蓄積と再利用の実現
設定情報はDB(データベース)に蓄積され、管理事務所で塗装対象製品に合せての変更・再利用が
可能。これにより、これまで人が保有していた様々な設定ナレッジの蓄積・共有化を実現します。

【KS-MICS全体像】

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000237078&id=bodyimage1


■今後の展開
川口スプリングは、新たなビジネスモデルとして、次のような納入先企業向けサービスを計画しています。
・ 収集されたデータを納入先企業と共有することで遠隔からの塗装品質歩留向上支援サービスを提供
・ 各設備の継続的なリアルタイムモニタリングによるトラブル事前回避、問題発生時の対応策実施および迅速なソリューションの提供
・ 遠隔保守サービスでの予兆探知と事前対応による安定稼働実現サービスを提供
これに対してB-EN-Gは、川口スプリングによる納入先企業向けサービス提供に合わせ、SIGNAL CHAINのチューニングや微調整、アップグレードなどで積極的に協力してまいります。

この取り組みは、上記のようなデータに基づく最適化による稼働率・生産効率の向上並びに、VOC(揮発性有機化合物)の排出量削減、省エネルギー化による環境負荷低減に寄与するものと考えております。また、今回のような「共創ビジネス」モデルによるハード・ソフト一体化により、世界が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)を達成できるものと確信しています。

両社は、2026年までの今後5年間で、世界の製造業30社以上への新規導入を見込んでいます。

■mcframe SIGNAL CHAINとは
mcframe SIGNAL CHAIN は、製造現場の迅速な問題把握と改善を支援するIoTパッケージです。稼働モニタリングと設備メンテナンスはそれぞれ単独でも導入できますが、2つのモジュールを組み合わせることで、効率的に設備の稼働データ、保全データを収集でき、製造設備の生産性と信頼性を高めます。また、IoTプラットフォームを使うことで、さらなる拡張も容易です。2016年販売開始から、80社ほど導入実績があり、約半分が海外での導入です。
mcframe SIGNAL CHAINの詳細は https://www.mcframe.com/product/signalchain をご覧ください。

■株式会社川口スプリング製作所について
昭和31年の創業時から培い続けたスプリング技術と、それを応用した自動塗装機の製造業を軸に、塗装治具、特機、プレス加工品まで、多種多様な製品をグローバルに展開しています。国内および海外に複数設けた開発・製造拠点を連携させることで、お客様からの「品質」「コスト」「納期」の様々なご要望に対応いたします。
川口スプリング製作所の詳細は http://www.kawaguchi-spring.co.jp/company/ をご覧ください。

■ビジネスエンジニアリング株式会社について
ビジネスエンジニアリングは、IT企画、BPR実施のビジネスコンサルティング、IT導入コンサルティングからシステム構築サービス、運用サービスにわたり、ERPを中心に豊富な実績を有するビジネスエンジニアリング企業です。またERPをベースとしたSCM、CRM導入支援ならびにタイや中国をはじめとしたグローバル展開支援での実績を積み重ねています。
ビジネスエンジニアリングは、中国・上海、タイ・バンコク、シンガポール、インドネシア・ジャカルタ、アメリカ・シカゴの5ヶ所に海外現地法人を有しています。
ビジネスエンジニアリングの詳細は https://www.b-en-g.co.jp/ をご覧ください。

*本ニュースリリースに記載されている社名、製品名などは、各社の登録商標または商標です。



配信元企業:ビジネスエンジニアリング株式会社
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