【矢野経済研究所プレスリリース】バイオマスエネルギー市場に関する調査を実施(2021年)〜2021年度のバイオマスエネルギー市場規模は7,261億円の見込〜
[21/10/28]
提供元:DreamNews
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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のバイオマスエネルギー市場を調査し、市場動向や有力プレイヤーの動向、将来展望について明らかにいたしました。
1.市場概況
バイオマスエネルギーは生物由来の有機性資源による再生可能エネルギーであり、食品廃棄物や家畜排泄物等の原燃料、発電電力、熱(蒸気)、バイオ燃料として市場に供給される。
本調査では、バイオマス発電、バイオマス熱(蒸気)供給、バイオ燃料のエネルギー供給量を金額ベースで換算した、2020年度の国内バイオマスエネルギー市場規模を6,707億円と推計する。バイオマス発電市場がけん引役となり、バイオマスエネルギー市場の成長が続いている。
市場の内訳をみると、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)によるバイオマス発電事業において、木質バイオマス発電とメタン発酵バイオガス発電の導入件数が年々増加している。メタン発酵バイオガス発電は、食品廃棄物を原料とする計画が増えている他、固形物を含む有機性廃棄物の処理が可能な乾式メタン発酵の技術開発を行う事業者が現れてきている。
また、バイオ燃料供給市場では、航空業界においてCO2排出量の削減の対策としてバイオジェット燃料のニーズが増えつつある。2020年以降、国内でも輸入バイオ燃料を使用した商用フライトの実績が出てきている。
2.注目トピック〜バイオジェット燃料
バイオジェット燃料とは、バイオマス由来の原料により製造される代替航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)である。主な原料として廃食油や木質バイオマス、都市ごみ、バイオマス糖、微細藻類などが挙げられる。航空業界では、国際線運航に係るCO2排出量の規制が合意され、その対策としてバイオジェット燃料が注目されるようになった。
バイオジェット燃料の市場は欧米が先行している。国際的に商用化段階にある製造プロセスはHEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids)である。他の製造プロセスについては、ガス化 FT 合成及び ATJ製造プロセスが研究開発実証段階であり、商用化一歩手前にある。
日本では、大手航空会社が海外メーカーとバイオジェット燃料の供給契約を締結するなどバイオジェット燃料の確保に向けて動き出している。また、国産バイオジェット燃料の製造から給油までのサプライチェーンを構築するための研究開発プロジェクトも行われている。
3.将来展望
2021年度の国内バイオマスエネルギー市場規模(エネルギー供給量を金額ベースに換算)は、前年度比108.3%の7,261億円の見込みである。また、2023年頃より国内でバイオジェット燃料の本格的な採用(バイオ燃料供給)が始まることにより、2023年度の同市場規模は8,654億円になると予測する。
内訳をみると、バイオマス発電市場ではFIT制度の見直しにより、2023年頃を境に大規模な木質バイオマス発電所の新設件数の増加ペースは鈍化する見通しである。一方で、メタン発酵のように「廃棄物の処理、再資源化」を目的とした事業は、廃棄物が排出される限り需要がなくなることはない。今後も中小規模の発電を中心に、エネルギー源の低炭素化や未利用資源の有効利用、地域産業の復興などに寄与するエネルギーとして活用されていくと考えられる。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2841
調査要綱
1.調査期間: 2021年6月〜9月
2.調査対象: バイオマス原燃料供給事業者、バイオ燃料供給事業者、バイオマス発電事業者、バイオマス設備システムメーカーなど
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年09月30日
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
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1.市場概況
バイオマスエネルギーは生物由来の有機性資源による再生可能エネルギーであり、食品廃棄物や家畜排泄物等の原燃料、発電電力、熱(蒸気)、バイオ燃料として市場に供給される。
本調査では、バイオマス発電、バイオマス熱(蒸気)供給、バイオ燃料のエネルギー供給量を金額ベースで換算した、2020年度の国内バイオマスエネルギー市場規模を6,707億円と推計する。バイオマス発電市場がけん引役となり、バイオマスエネルギー市場の成長が続いている。
市場の内訳をみると、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)によるバイオマス発電事業において、木質バイオマス発電とメタン発酵バイオガス発電の導入件数が年々増加している。メタン発酵バイオガス発電は、食品廃棄物を原料とする計画が増えている他、固形物を含む有機性廃棄物の処理が可能な乾式メタン発酵の技術開発を行う事業者が現れてきている。
また、バイオ燃料供給市場では、航空業界においてCO2排出量の削減の対策としてバイオジェット燃料のニーズが増えつつある。2020年以降、国内でも輸入バイオ燃料を使用した商用フライトの実績が出てきている。
2.注目トピック〜バイオジェット燃料
バイオジェット燃料とは、バイオマス由来の原料により製造される代替航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)である。主な原料として廃食油や木質バイオマス、都市ごみ、バイオマス糖、微細藻類などが挙げられる。航空業界では、国際線運航に係るCO2排出量の規制が合意され、その対策としてバイオジェット燃料が注目されるようになった。
バイオジェット燃料の市場は欧米が先行している。国際的に商用化段階にある製造プロセスはHEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids)である。他の製造プロセスについては、ガス化 FT 合成及び ATJ製造プロセスが研究開発実証段階であり、商用化一歩手前にある。
日本では、大手航空会社が海外メーカーとバイオジェット燃料の供給契約を締結するなどバイオジェット燃料の確保に向けて動き出している。また、国産バイオジェット燃料の製造から給油までのサプライチェーンを構築するための研究開発プロジェクトも行われている。
3.将来展望
2021年度の国内バイオマスエネルギー市場規模(エネルギー供給量を金額ベースに換算)は、前年度比108.3%の7,261億円の見込みである。また、2023年頃より国内でバイオジェット燃料の本格的な採用(バイオ燃料供給)が始まることにより、2023年度の同市場規模は8,654億円になると予測する。
内訳をみると、バイオマス発電市場ではFIT制度の見直しにより、2023年頃を境に大規模な木質バイオマス発電所の新設件数の増加ペースは鈍化する見通しである。一方で、メタン発酵のように「廃棄物の処理、再資源化」を目的とした事業は、廃棄物が排出される限り需要がなくなることはない。今後も中小規模の発電を中心に、エネルギー源の低炭素化や未利用資源の有効利用、地域産業の復興などに寄与するエネルギーとして活用されていくと考えられる。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2841
調査要綱
1.調査期間: 2021年6月〜9月
2.調査対象: バイオマス原燃料供給事業者、バイオ燃料供給事業者、バイオマス発電事業者、バイオマス設備システムメーカーなど
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年09月30日
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