カナダ・オンタリオ州に 「マイク&オフィーリア・ラザリディス 量子ナノ・センター」が開設 〜 量子計算とナノテクノロジーの先端研究が同じ施設内で可能に 〜
カナダ・オンタリオ州では、リサーチ・イン・モーション社の共同創業者マイク・ラザリディス(Mike Lazaridis)氏らの寄付により、「マイク & オフィーリア・ラザリディス 量子ナノ・センター:QNC」が同州ウォータールー大学にこのほど開設されました。
カナダ・オンタリオ州では、リサーチ・イン・モーション社(Research In Motion、本社:同州ウォータールー)の共同創業者マイク・ラザリディス(Mike Lazaridis)氏らの寄付により、「Mike & Ophelia Lazaridis Quantum-Nano Centre(マイク & オフィーリア・ラザリディス 量子ナノ・センター:QNC」※1がこのほど開設されました。QNCは同州のウォータールー大学(University of Waterloo)のメインキャンパスという好立地条件に建てられました。
総工費1億6,000万カナダドル(約132億8,000万円)が投じられた最先端のQNCは、ラザリディス氏からの寄付金1億カナダドル(約83億円)とカナダ連邦政府及びオンタリオ州政府の資金援助で実現しました。先端科学の研究とイノベーションの中心地であるオンタリオ州は、国際レベルの研究施設の建設を望む起業家や業界にとって、今や最適な投資先となっています。
総敷地面積、26,010平方メートル、5階建てのQNCにはInstitute for Quantum Computing(量子計算研究所:IQC)、Waterloo Institute for Nanotechnology(ウォータールー・ナノテクノロジー研究所)、ウォータールー大学のナノ工学の学部課程プログラムが入居する予定です。
QNCでは、厳密な科学的基準を満たすように振動、温度変動、電磁放射の制御装置が配備されています。そして、量子計算とナノテクノロジーの二つの領域の研究を同じ建物の中で一緒に行えるように、量子計算とナノテクノロジーの専有スペースがそれぞれ一棟ずつ割り当てられ、6階建てのセントラルアトリウムと私的な集会場もあります。このような施設は世界で他に類を見ないものです。また、科学者同士で協力関係を築き、アイデアの交流を図ることができるように、ラウンジ、オフィス、会議室がアトリウムを取り囲むように配置されています。どちらも微細な物質研究という二つの領域を組み合わせることで、エネルギーから医療にいたる産業に応用できる画期的な発見を行うことを目的としています。
量子計算、論理物理学、ナノテクノロジー分野の先端研究によって、私たちの宇宙と物質に対する根本的な考え方は大きく進歩し、材料科学も発展しました。このような進歩には、高度生産システム、ライフサイエンス、情報技術など、あらゆるハイテク産業を変革する可能性が秘められています。それらを実用化するには、以下の4つの要素が大変に重要となります。
1.重要かつ意欲的な科学
2.世界屈指の研究設備
3.熟練労働者
4.協力的な政府
QNC創設者で、今では世界中で知られるスマートフォンBlackBerryのメーカー、リサーチ・イン・モーション社の共同創設者ラザリディス氏は、「現在、科学は、原子と素粒子レベルの量子物理学によって、急速に飛躍的な進歩を遂げています。同時に、ナノテクノロジーでも、100ナノメートル以下の材料、デバイス、システムなどの製造に関する研究が急速に進められています。量子計算とナノテクノロジーが結びつくことで、人類が、これまで想像もしなかった解決策や見識への糸口をつかむことができます」と、述べています。
この施設の特徴として、クリーンルームエリアが挙げられます。研究者が原子を一つずつ操作して、非常に精密な材料をつくることができるように空気や皮膚の粒子が入らないように設計されています。標準的な部屋には約20億個の粒子が存在しますが、クリーンルームの粒子は100個未満です。また、QNCの施設内には科学者と学生が量子ナノデバイスをつくることのできる製造設備があります。施設内で製造できるため、他の研究施設よりも早く開発と修正を進めることができます。
実際、QNCは、イノベーションを促進する研究センターに向けた数ある大型投資の中でも、最新の施設です。2011年に、ウォータールーのペリメーター論理物理学研究所(Perimeter Institute for Theoretical Physics)に、スティーブン・ホーキングセンター(Stephen Hawking Centre)が新設され、トロントでは、MaRS ディスカバリー地区(MaRS Discovery District:イノベーションと新発見の事業化を促進するための集約的拠点)が、大規模な拡張段階に入り、2倍以上の広さになります。
このユニークな研究施設により、オンタリオ州では新しい領域の研究とイノベーションが始まろうとしています。
関連情報
・ QNCでは量子計算とナノテクノロジーの総勢400名の科学者を受け入れます。
・ 六角形のハニカム格子の構造用鋼が、この建造物の外観を際立たせています。この様式は、ナノチューブの安定した六角形のカーボン構造に着想を得たものです。
■ Canada’s Technology Triangle Inc(カナダズ・テクノロジー・トライアングル・インク)
・ ウォータールー地区のCanada’s Technology Triangle(カナダズ・テクノロジー・トライアングル・インク:CTT)は、在来の企業が長年にわたって築いたイノベーション地域としての名声に因んだ社名です。カナダズ・テクノロジー・トライアングルの呼称は、1980年代に使われるようになりました。1990年代には、ハイテク企業の集積地として世界中に知られるようになり、その名の通りであることが実証されました。
・ 同地域には、リサーチ・イン・モーション社、OpenText社、DALSA社、COM DEV社、クリスティ社(デジタル・プロジェクターのメーカー)などの企業やトヨタ初の高級車の海外生産拠点があります。
為替レートは1 カナダドル=83 円で計算。
※1 「マイク & オフィーリア・ラザリディス 量子ナノ・センター」
ウェブサイト: https://uwaterloo.ca/mike-ophelia-lazaridis-quantum-nano-centre/
■ オンタリオ州について
オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの38%、人口の39%、カナダの輸出品の39%がオンタリオ州に集中しています。あらゆる規模の事業者に対する財政面や事業面でのサポート体制、イノベーションや研究開発を促進させる資金支援プログラム、G7の中で最も高い教育水準を誇る労働力などをベースにして、オンタリオ州は、カナダ最大の経済圏、かつ、北米でトップ10の経済圏となっています。
約200社の日系企業が、オンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キャノンなどの主要企業が現地法人を置いています。日本はオンタリオ州の5番目の貿易相手国となっており、また、当州への海外資本投資額のうち、日本からの投資額が約9%を占めます。2010年の日本の対オンタリオ州の輸入額は10億6,000万カナダドル、同輸出額は、91億6,000万カナダドルとなっています。
詳細は、「インベスト・イン・オンタリオ」日本語サイトhttp://www.investinontario.com/Japan 、「Ontario Exports」http://www.ontarioexports.com をご覧ください。
オンタリオ州政府サイト: http://www.gov.on.ca/
オンタリオ州政府経済開発革新省(Ministry of Economic Development and Innovation)サイト:
http://www.InvestinOntario.com
■オンタリオ州政府在日事務所について
オンタリオ州政府在日事務所(Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内)は、日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年6月、オンタリオ州政府経済開発革新省(Ministry of Economic Development and Innovation)によって、開設されました。同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。
URL: http://www.sse.gov.on.ca/medt/investinontario/jp/Pages/ontario_and_japan.aspx
【本件に関するお問い合わせ先】
カナダ・オンタリオ州政府経済開発革新省
日本広報窓口
株式会社トークス 森田、中村、工藤
Tel: 03-3261-7715 FAX: 03-3261-7174
E-mail: ontario@pr-tocs.co.jp
東京都千代田区九段南4-8-8 日本YWCA会館5F
カナダ・オンタリオ州では、リサーチ・イン・モーション社(Research In Motion、本社:同州ウォータールー)の共同創業者マイク・ラザリディス(Mike Lazaridis)氏らの寄付により、「Mike & Ophelia Lazaridis Quantum-Nano Centre(マイク & オフィーリア・ラザリディス 量子ナノ・センター:QNC」※1がこのほど開設されました。QNCは同州のウォータールー大学(University of Waterloo)のメインキャンパスという好立地条件に建てられました。
総工費1億6,000万カナダドル(約132億8,000万円)が投じられた最先端のQNCは、ラザリディス氏からの寄付金1億カナダドル(約83億円)とカナダ連邦政府及びオンタリオ州政府の資金援助で実現しました。先端科学の研究とイノベーションの中心地であるオンタリオ州は、国際レベルの研究施設の建設を望む起業家や業界にとって、今や最適な投資先となっています。
総敷地面積、26,010平方メートル、5階建てのQNCにはInstitute for Quantum Computing(量子計算研究所:IQC)、Waterloo Institute for Nanotechnology(ウォータールー・ナノテクノロジー研究所)、ウォータールー大学のナノ工学の学部課程プログラムが入居する予定です。
QNCでは、厳密な科学的基準を満たすように振動、温度変動、電磁放射の制御装置が配備されています。そして、量子計算とナノテクノロジーの二つの領域の研究を同じ建物の中で一緒に行えるように、量子計算とナノテクノロジーの専有スペースがそれぞれ一棟ずつ割り当てられ、6階建てのセントラルアトリウムと私的な集会場もあります。このような施設は世界で他に類を見ないものです。また、科学者同士で協力関係を築き、アイデアの交流を図ることができるように、ラウンジ、オフィス、会議室がアトリウムを取り囲むように配置されています。どちらも微細な物質研究という二つの領域を組み合わせることで、エネルギーから医療にいたる産業に応用できる画期的な発見を行うことを目的としています。
量子計算、論理物理学、ナノテクノロジー分野の先端研究によって、私たちの宇宙と物質に対する根本的な考え方は大きく進歩し、材料科学も発展しました。このような進歩には、高度生産システム、ライフサイエンス、情報技術など、あらゆるハイテク産業を変革する可能性が秘められています。それらを実用化するには、以下の4つの要素が大変に重要となります。
1.重要かつ意欲的な科学
2.世界屈指の研究設備
3.熟練労働者
4.協力的な政府
QNC創設者で、今では世界中で知られるスマートフォンBlackBerryのメーカー、リサーチ・イン・モーション社の共同創設者ラザリディス氏は、「現在、科学は、原子と素粒子レベルの量子物理学によって、急速に飛躍的な進歩を遂げています。同時に、ナノテクノロジーでも、100ナノメートル以下の材料、デバイス、システムなどの製造に関する研究が急速に進められています。量子計算とナノテクノロジーが結びつくことで、人類が、これまで想像もしなかった解決策や見識への糸口をつかむことができます」と、述べています。
この施設の特徴として、クリーンルームエリアが挙げられます。研究者が原子を一つずつ操作して、非常に精密な材料をつくることができるように空気や皮膚の粒子が入らないように設計されています。標準的な部屋には約20億個の粒子が存在しますが、クリーンルームの粒子は100個未満です。また、QNCの施設内には科学者と学生が量子ナノデバイスをつくることのできる製造設備があります。施設内で製造できるため、他の研究施設よりも早く開発と修正を進めることができます。
実際、QNCは、イノベーションを促進する研究センターに向けた数ある大型投資の中でも、最新の施設です。2011年に、ウォータールーのペリメーター論理物理学研究所(Perimeter Institute for Theoretical Physics)に、スティーブン・ホーキングセンター(Stephen Hawking Centre)が新設され、トロントでは、MaRS ディスカバリー地区(MaRS Discovery District:イノベーションと新発見の事業化を促進するための集約的拠点)が、大規模な拡張段階に入り、2倍以上の広さになります。
このユニークな研究施設により、オンタリオ州では新しい領域の研究とイノベーションが始まろうとしています。
関連情報
・ QNCでは量子計算とナノテクノロジーの総勢400名の科学者を受け入れます。
・ 六角形のハニカム格子の構造用鋼が、この建造物の外観を際立たせています。この様式は、ナノチューブの安定した六角形のカーボン構造に着想を得たものです。
■ Canada’s Technology Triangle Inc(カナダズ・テクノロジー・トライアングル・インク)
・ ウォータールー地区のCanada’s Technology Triangle(カナダズ・テクノロジー・トライアングル・インク:CTT)は、在来の企業が長年にわたって築いたイノベーション地域としての名声に因んだ社名です。カナダズ・テクノロジー・トライアングルの呼称は、1980年代に使われるようになりました。1990年代には、ハイテク企業の集積地として世界中に知られるようになり、その名の通りであることが実証されました。
・ 同地域には、リサーチ・イン・モーション社、OpenText社、DALSA社、COM DEV社、クリスティ社(デジタル・プロジェクターのメーカー)などの企業やトヨタ初の高級車の海外生産拠点があります。
為替レートは1 カナダドル=83 円で計算。
※1 「マイク & オフィーリア・ラザリディス 量子ナノ・センター」
ウェブサイト: https://uwaterloo.ca/mike-ophelia-lazaridis-quantum-nano-centre/
■ オンタリオ州について
オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの38%、人口の39%、カナダの輸出品の39%がオンタリオ州に集中しています。あらゆる規模の事業者に対する財政面や事業面でのサポート体制、イノベーションや研究開発を促進させる資金支援プログラム、G7の中で最も高い教育水準を誇る労働力などをベースにして、オンタリオ州は、カナダ最大の経済圏、かつ、北米でトップ10の経済圏となっています。
約200社の日系企業が、オンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キャノンなどの主要企業が現地法人を置いています。日本はオンタリオ州の5番目の貿易相手国となっており、また、当州への海外資本投資額のうち、日本からの投資額が約9%を占めます。2010年の日本の対オンタリオ州の輸入額は10億6,000万カナダドル、同輸出額は、91億6,000万カナダドルとなっています。
詳細は、「インベスト・イン・オンタリオ」日本語サイトhttp://www.investinontario.com/Japan 、「Ontario Exports」http://www.ontarioexports.com をご覧ください。
オンタリオ州政府サイト: http://www.gov.on.ca/
オンタリオ州政府経済開発革新省(Ministry of Economic Development and Innovation)サイト:
http://www.InvestinOntario.com
■オンタリオ州政府在日事務所について
オンタリオ州政府在日事務所(Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内)は、日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年6月、オンタリオ州政府経済開発革新省(Ministry of Economic Development and Innovation)によって、開設されました。同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。
URL: http://www.sse.gov.on.ca/medt/investinontario/jp/Pages/ontario_and_japan.aspx
【本件に関するお問い合わせ先】
カナダ・オンタリオ州政府経済開発革新省
日本広報窓口
株式会社トークス 森田、中村、工藤
Tel: 03-3261-7715 FAX: 03-3261-7174
E-mail: ontario@pr-tocs.co.jp
東京都千代田区九段南4-8-8 日本YWCA会館5F