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住宅空間における照明の効果実験を実施!“暗めの照明”で読み書き、団らん、リラックスに問題がないことを実証!〜照明にかかるランニングコストが“少”エネに〜

株式会社LIXIL住宅研究所は、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授指導のもと実施した『住宅空間における照明の効果実験』で、“一般的な照明の明るさよりも暗めの照明で読み書き、団らん、リラックスに問題がない”ことを実証しました。

 豊かでかけがえのない地球環境を次世代へ継承していくため、新しい住生活文化の創造に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて「アイフルホーム」「フィアスホーム」「GLホーム」の3つの住宅フランチャイズチェーンを全国に展開している株式会社LIXIL住宅研究所(住所:東京都江東区亀戸1-5-7/代表取締役社長:今 城幸)は、東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授指導のもと実施した『住宅空間における照明の効果実験』で、“一般的な照明の明るさよりも暗めの照明で読み書き、団らん、リラックスに問題がない”ことを実証しました。

 LIXIL住宅研究所の社内シンクタンクであるキッズデザイン研究所では、全ての人にやさしく、楽しく、地球環境に配慮した住まいを追求し、住まいに関する調査・研究を実施しています。今回の実験は、日本の住宅における照明の明るさは明るすぎるのではないか?との疑問から、生活シーンにあわせた最適な照明空間を追究し、もっと心と体にやさしい照明、もっと電気代のかからないエコな照明の提案を検討するため、照明の効果実験を行いました。

 今回の実証実験では、JIS(日本工業規格)で「読書・勉強」に必要とされている500〜1000lx(ルクス)より暗い250lx〜350lxの明るさで、人の「作業効率」「気分の変化」「自律神経系の指標」を調査しました。その結果、照明の明るさを抑えても、それらに影響がないことが実証されました。住宅空間における照明の明るさの効果が実証されたことは、エコな照明計画やライフスタイルを提案する上で重要な実証結果といえます。

 この結果より、昨今の電気料金値上げの流れも踏まえ、従来の照明計画提案を見直し、お客様のライフスタイルにあった心と体にやさしいエコな暮らしを実現できる照明提案の確立を目指します。


『住宅空間における照明の効果実験』概要

 弊社実験住宅「次世代スマートハウス“GURU GURU”」で行った本実験は、明るさの違う4つの空間で被験者に計算問題、認知テスト、アンケート、心電図の計測を行うことで、それぞれの明るさにおける「作業効率」「気分の変化」「自律神経系への指標(緊張・精神的ストレス・リラックス状態を反映)」を把握する。
 照明については大きめのダイニングテーブル上部照明の照度を調光して実施。窓からの光も考慮し夜間に実施することによりほぼ同一条件で検証している。

<実験場所>
 次世代スマートハウス「GURU GURU」(東京都葛飾区柴又)のリビングダイニング
<被験者>
 大人(35〜46歳)40名、子ども(10〜12歳)39名
<実験期間>
 2012年2月14日〜24日、6月26日〜7月6日
<実験空間>
 すべて電球色(3000K) 4つの明るさを設定 [1]250lx、[2]350lx、[3]500lx、[4]600lx
<測定項目>
 ・計算問題(クレペリンテスト)、認知テスト →作業効率
 ・アンケート(VAS法) →気分の変化
 ・心電図計測(HR,LF/HF,CVRR)
  →自律神経系(緊張・精神的ストレス・リラックス状態)への影響

■実験結果
【作業効率】 クレペリンテスト(一桁の計算問題)、認知テスト(記憶問題など3種類)より
 大人・子どもとも明るさの違いにより作業効率が変化することはない。
→4種類の明るさで作業量の違いは見られませんでした。

【気分の変化】 アンケート(VAS法)より
 大人は明るい方が計算問題がやりやすく、字が読みやすいと感じているが大きな差はない。
→大人は250lxの明るさのみ少し差が出ましたが、子どもには差が見られませんでした。

【自律神経系への影響】 心電図の計測より
 大人・子どもとも明るさの違いによる自律神経系(緊張・精神的ストレス・リラックス状態を反映する指標)への有意な影響は見られない。
→どの作業をしているときも通常値内で明るさの違いによる有意差は見られませんでした。


※詳細なグラフ等は別途ファイルをご確認下さい。


 ■今回の実験結果に対する指導教授のご見解

◆川島 隆太教授 東北大学 加齢医学研究所 〜実験全体についてのご指導〜
「生活環境が人間の脳の働きにどのような影響を与えるのか?これは科学的にきちんと解明されてはいない新しい研究領域のテーマでした。今回、脳の働きを反映する認知機能検査を用いて明るさの影響の計測を行ってみました。予想通り「感性」の領域、すなわち気分は明るさの影響を受けていましたが、「知性」の領域、すなわち認知機能や、「身体」の領域、すなわち自律神経機能には、全く影響を与えていないことは新しい発見です。今回は短期的な影響を見る実験でしたが、長期間の影響を見る実験も将来は行う価値があると思います。」

◆吉澤 誠教授 東北大学 サイバーサイエンスセンター先端情報技術研究部
杉田 典大准教授 東北大学大学院 工学研究科技術社会システム専攻〜自律神経系についてのご指導〜
「今回、緊張・精神的ストレス・リラックス状態などを反映するとされる自律神経系の指標には,少し暗い照明下の作業時でも有意な差が見られないという実験結果が得られました。暗闇が睡眠を誘発するように、照明が暗いほど生理的な活動性が抑制されるようになるか、あるいは、暗い状態での作業が逆にストレスとなるかによって、自律神経系の働きに違いが出るのではないかと予想されました。しかし、今回のような条件下では影響がないことがわかりました。今後は,明るすぎる照明や暗すぎる照明のときのデータと比較してみたいと思います。」


※本件に関する報道関係者各位からのお問合わせは下記までお願いします。
株式会社LIXIL住宅研究所
広報・宣伝部 広報担当 千明
電話:03-5626-8251
メール:chigirak3@lixil-jk.co.jp
LIXIL住宅研究所 ホームページ:http://www.lixil-jk.co.jp/
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