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「授業参加意識の改善」「理解度向上」に効果、ICT活用教育手法の確立に期待。〜『スマートフォンによる参加型授業の実践と文字発言の効果』研究結果を発表〜

授業中の文字発言を積極的に促す形式での参加型授業を実践した結果、授業への参加意識の高まりや授業内容の理解の深まりに一定の効果があることが明らかとなりました。本研究結果をまとめた『スマートフォンによる参加型授業の実践と文字発言の効果』を公開致します。

1000を超える企業・スクール・学校のeラーニングシステムを立ち上げている『日本で初めてのeラーニング専門ソリューションベンダー』、株式会社デジタル・ナレッジ(本社:東京、代表取締役:はが弘明)の執行役員 小林建太郎は、『スマートフォンによる参加型授業の実践と文字発言の効果』に関する研究結果をまとめ、2013年11月23日に開催された第9回情報教育特別委員会(情報教育合同研究会)で発表致しました。

本研究では、スマートフォン(以下、スマホ)と無料オンラインクリッカーサービス(※)を利用し、授業中の文字発言を積極的に促す形式での参加型授業を実践した結果、授業への参加意識の高まりや授業内容の理解の深まりに一定の効果があることが明らかとなりました。本研究をさらに進めることにより、思考や理解を深めるICT活用教育手法の確立や教員のICT活用指導力の向上などにつながっていくことが期待されます。

本研究結果をまとめた論文『スマートフォンによる参加型授業の実践と文字発言の効果』を以下からダウンロード頂けます。
http://www.digital-knowledge.co.jp/whatsnew/p842.html

(※)無料オンラインクリッカーサービス
本研究では無料のオンラインクリッカーサービス「Clica(クリカ)」を利用。Clicaは、学生の理解度や反応をリアルタイムにグラフ表示して文字発言も共有できる参加型授業、双方向授業に利用可能な無料のクリッカーサービスである。スマホやタブレット端末を使って授業中にアンケートや文字発言が可能で、小学校から大学、社会人教育まで教育関係者は無料で利用できる(2013年10月30日時点、10,097人が利用)。
http://www.digital-knowledge.co.jp/service/it/clica/


1.研究概要
教員からの一方通行の授業ではなく、学生が能動的に参加する授業を行いたいとの要望から、2013年4〜5月にスマホを利用した参加型授業を実践した。学生のスマホと無料オンラインクリッカーサービスを使ったことで費用をかけずに実践できた。その結果、学生は文字で発言することによって授業への参加意識が高まり、教員は各学生の発言を見て理解状況を把握することができた。また、授業中の発言内容の分析から、授業中に学生同士が文字で対話することで授業内容の理解が深まることが分かった。

2.研究内容
・参加型授業を実践するにあたり、一般的なクリッカー活用に見られる択一問題への回答だけでなく、スマホ対応のオンラインクリッカーサービスならではの文字入力による自由記述での発言(文字発言)を重視した。

・文字発言を採用したことで学生達からは「気軽に発言できる」や「当てられるより発言しやすい」、「たくさんの人の本音が聞けた」など、発言のしやすさに関するコメントが多数寄せられ、授業中に自分の意見を発信する機会が得られたことに対する肯定的な反応が見られた。

・学生同士による授業過程に意味のある私的なやり取り(以下、サイド発話)や他者の文字発言の引用も多く見られたことから、文字発言が個人的なつぶやきではなく、授業内の公的な発言として位置付けられたことがわかる。

3.考察
従来の授業は教員からの一方通行であることが多いため双方向性が低く、参加意識も感じにくいものだった。このような課題はICTを活用することで比較的容易に解決できると考えられる。これまでの授業形態をICT活用型に変更する必要はあるが、変更の煩雑さ以上に得られる結果は大きなものである。本研究における参加型授業では「サイド発話」と「他者発言の引用」が多数発生した。授業の進行中に学生同士が文字で会話をしているが、それらは教え合い的な要素も多く「サイド発話」として授業内容の理解や進行にも有効なものが数多く見られた。また、他者の発言を「見て」そこから学んだり、自分の発言を追加・変更したりするなど、「他者発言の引用」からの学び合い現象も自然に発生している。学生の反応からも、発言のしやすさだけでなく参加意識の向上が伺われ、肯定的に受け入れられたと考えられる。

以上のことから、文字発言による参加型授業は学生の参加意識が高まり、授業内容の理解も深まるものと考えられる。

4.今後の展開
今回は、特定の大学における短期間での実践であったため、これらの結果が他の教育機関でも有効であるか、長期間に渡る実践でも持続するか、異なる科目特性でも適用できるかなどの課題が残っている。今後は、他の教育機関や他の教員による実践結果と比較し、今回得られた結果の有効性を継続的に検証していく予定である。

5.論文について
『スマートフォンによる参加型授業の実践と文字発言の効果』
Practice of active learning by a smart phone and Effect of Character utterance

▼以下からダウンロード頂けます。
http://www.digital-knowledge.co.jp/whatsnew/p842.html


■研究発表者
株式会社デジタル・ナレッジ 執行役員 小林建太郎(こばやし けんたろう)
-日本イーラーニングコンソシアム(eLC)執行役員・広報委員会委員長
-eラーニング戦略研究所 所長
-情報コミュニケーション学会 監事
-佛教大学嘱託研究員
-通信教育制度研究会事務局
-日本通信教育学会幹事
-大正大学講師


■会社概要
名 称:株式会社デジタル・ナレッジ
所在地:〒110-0005 東京都台東区上野5丁目3番4号 eラーニング・ラボ 秋葉原
代表者:代表取締役 はが 弘明
URL: http://www.digital-knowledge.co.jp/

【本発表資料に関するお問合せ先】
株式会社デジタル・ナレッジ 
担当:小林建太郎
TEL:03-5846-2131(代表)
E-mail:kobayashi@digital-knowledge.co.jp

【取材に関するお問合せ先】
株式会社デジタル・ナレッジ 
担当:広報 濱田
TEL:03-5846-2131(代表)
E-mail:infoadmin@d-k.jp
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