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仏重電大手アルストム、フランス電力公社送電系統管理部門との共同実施による高電圧直流回路遮断器技術の研究結果を発表

仏重電大手のアルストム(Alstom S.A、本社・仏パリ)はこの度、高電圧直流遮断器プロトタイプの、高電圧直流送電系統での実際の運用条件を再現した試験運用テストを成功裏に終えたことを発表しました。

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仏重電大手アルストム、フランス電力公社送電系統管理部門との共同実施による高電圧直流回路遮断器技術の研究結果を発表
〜 再生エネルギー利用とエネルギーシフトを視野にした研究成果 〜
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仏重電大手のアルストム(Alstom S.A、本社・仏パリ)はこの度、高電圧直流遮断器プロトタイプの、高電圧直流送電系統での実際の運用条件を再現した試験運用テストを成功裏に終えたことを発表しました。今回のテストは、欧州委員会出資の第7次計画(FP7)プログラム「TWENTIES 」の研究プロジェクトの一環として行われたもので、フランス電力公社 送電系統管理部門(Reseau de transport d’electricite=RTE)が主導する一連の試験の最終段階に位置づけられ、今後、欧州の電力システムにおける再生エネルギー利用の推進に向けた新技術の開発・実現に大きく貢献すると期待されています。

今回の試験運用は、電力の長距離輸送に必要とされる高電圧流を使用し、実系統の運用条件下での機器の動作を検証。昨年3月にアルストム大電力試験場で実施した検証試験の有用性を実証する結果となりました。具体的には、標準的な雷インパルス電圧*1、10kAを超える過渡電流、さらには連続通電電流*2や過負荷電流*3による発熱に対する構造上の耐性確認を行い、開閉過渡電圧160kV、5,200A以上の遮断試験を行った。その結果、5.5ms以下で送電系統間の電流の遮断および系統を切り離し、直流遮断器の最大の難問とされた課題をクリアしました。

遮断器は、回路が短絡した際の送電網保護の要として機能します。交流送電網における交流遮断器の動作は、これまでに十分な研究・検証がなされてきましたが、直流送電網においては、抜本的な新技術の開発が求められてきました。近年、効率的な長距離送電や、年々増加傾向にある再生可能エネルギーなどから得られる電力の安定的な送電確保のため、直流電流を活用する事業者が増えていることから、今回の研究発表を通じて、アルストム・グリッド(Alstom Grid S.A)の高電圧送電網技術における先駆的技術は確実なものとなっています。

アルストム・グリッドの研究開発担当副社長、Stephan Lelaidieは次のようにコメントしています。「当社は毎年、売上高の相当の比率を研究開発に投資し、世界各地に1,200名の開発のための専門技術者と34カ所の研究開発施設を備えており、送電技術のトップリーダーとしての資質を備えています。今回開発されたプロトタイプ直流遮断器は、直流送電網エリアにおける主要な開発であり、今後の再生可能エネルギー利用の拡大において重要な役割を果たすものと自負しています。」

また、RTE研究開発ディレクターのOlivier Grabetteは、「両社の共同研究により得られた今回の結果は、加速する再生可能エネルギー利用とそれに合わせた送電網のさらなる技術開発を大きく前進させるものとなりました。「スーパーグリッド」と呼ばれる次世代送電網の実現には、直流遮断器は必須課題です。今回の成果によって、世界の開発競争においてヨーロッパの送電技術が有利な位置にいることが出来たと確信しています」と述べています。

本プロジェクトで実施されたテストは全て、RTE担当者、およびRTEの委任による独立系試験員立ち会いのもと実施されました。また、今回の直流遮断器の運用試験は、2013年11月29日に、RTE、Red Electrica España(REE)、TenneT、および欧州委員会プロジェクトオフィサー、Matthieu Craye氏の立ち会いのもと実施されました。

*1 IEC 62271-1規定の雷インパルス耐性:稼動状況を低下させることなく、機器が雷インパルス電圧に耐えうるかを試験
*2 連続通電電流による発熱:規格で定めた最大上昇温度を超えることなく規定の送電ができるかを試験
*3 過負荷電流:安定的に電力が供給される状況下で、ある一定時間、過負荷電流を送電しても性能を低下させることがないかを試験

RTEについて
RTE(Réseau de Transport d’Electricité=Power Distribution Network)は、お客様に経済的で安全かつクリーンな電力を供給することを目的としたサービス事業者です。業務の効率化、環境への配慮、エネルギーの安全調達を目指して、最適な電力インフラの提供と、一人一人のニーズに応えたインフラ活用のためのツールおよびサービスの提供に努めています。こうした視点にたち、当社は、高電圧、超高電圧送電網の管理・運営・開発を行うとともに、電力システムの健全な運用を実現します。なお、RTEでは、フランスやヨーロッパ各地の発電所から、配電事業者ならびに事業所に電力を送電しており、直線にして100,000km(63〜400kV)、国境をまたぐ46本の送電線からなるヨーロッパ最大の送電網を有しています。2012年時点の売上高は45億2,900万ユーロ、社員数8,400人。

Alstomについて
アルストムは、革新的で環境に優しい技術で知られる発電、送電、鉄道インフラ分野におけるリーディングカンパニーです。世界最速列車、世界最大規模の自動化された地下鉄のほか、ターンキー機能を備えたパワープラント・ソリューション、水力・原子力・ガス・火力・風力など多様なエネルギー源に関するサービス、スマートグリッドを中心とした様々な送電サービスを提供しています。グループ全体で約100か国に社員92,000人を擁し、2011年の売上高は200億ユーロ、2012年の受注高は約220億ユーロを計上。

一方、アルストム・グリッドは、送配電網事業において130年の歴史を誇り、公共施設や電気集約型産業、電力取引事業などを通じて、お客様に電気を供給します。送電事業では世界のトップ3に位置し、年間売上高は40億ユーロに上ります。世界各地に社員20,000人、90カ所を超える研究開発拠点を有し、発電から送電、配電、大規模事業者への電力供給までエネルギー・バリュー・チェーンの全体にわたって、スマートグリッドの核となるプロダクト、サービス、エネルギー管理ソリューションを提供しています。

TWENTIESについて
風力発電を中心とした再生可能エネルギーへの段階的なシフトを背景に、風力発電エネルギーのヨーロッパの電力システムへの導入を実現するための最新技術の開発および運用を目的に、欧州連合(EU)が2010年4月に立ち上げたプロジェクト。
6つの大規模研究開発プロジェクトを通じて、2020年までに風力エネルギー(陸上および海上)の実用化に伴う諸問題の解決を目指しています。研究開発プロジェクトでは、新技術の有益な実証とともに、管理技術の導入にも取り組んでいます。
「TWENTIES」プロジェクトは、欧州委員会エネルギー総局がこれまでに主導した研究開発プロジェクトの中でも最大規模となっており、本プロジェクトには、Red Electrica España(REE)を幹事会社に、加盟11カ国(うち1カ国は准加盟国)に所在する25の企業・機関が参加しています。

報道関係のお問い合わせは下記までお願いします:

RTE
Thierry Lartigau 
電話: +33 1 41 02 16 78 / 06 23 67 83 93
thierry.lartigau@rte-france.com 

Alstom
Virginie Hourdin, Claire Biau 
電話:+33 1 41 49 21 36 / 39 95
virginie.hourdin-bremond@chq.alstom.com / claire.biau@chq.alstom.com

Nathalie Bourotte(Alstom Grid) 
電話: +33 1 49 01 62 17
nathalie.bourotte@alstom.com
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