スローカロリー研究会主催セミナー「日本のスポーツ栄養界が注目する“スローカロリー理論”とは」を開催〜パフォーマンスの質を上げる“糖”の重要性を解説!〜
一般社団法人スローカロリー研究会(事務局:東京都港区、理事長:宮崎 滋)は、6月26日(金)に東京JPタワーにて「日本のスポーツ栄養界が注目する“スローカロリー理論”とは」と題して、セミナーを開催致しました。
一般社団法人スローカロリー研究会(事務局:東京都港区、理事長:宮崎 滋)は、6月26日(金)に東京JPタワーにて「日本のスポーツ栄養界が注目する“スローカロリー理論”とは」と題して、セミナーを開催致しました。
今回のセミナーでは、スポーツ栄養界の第一人者が、“スローカロリー”の意義とその実践について解説。どんな運動にも欠かせないエネルギー源である“糖”の質やバランス、そして摂り方の工夫などを、国内外の研究データとともに、指導現場の現状に即して紹介、熱い講義が繰り広げられました。
冒頭では、当会理事である勝川史憲氏(慶応義塾大学スポーツ医学研究センター教授)が、「スローカロリーと身体活動」と題し講演。食後血糖値の上昇度を示す指標であるGI(グリセミックスインデックス)値でみた食事と運動の相関性について、様々な研究事例を示しながら“スローカロリー”に着目した食事による健康運動対象者(生活習慣病予備群)やアスリートへの活用意義をお話いただきました。
さらに、当会理事でNPO法人日本スポーツ栄養学会会長の鈴木志保子氏(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授)が「スポーツ栄養の観点からみるスローカロリーの活用について」をテーマに登壇、競技・選手個々に合わせた栄養管理の重要性を説明いただきました。世界と闘うには日本人にとって“食”という高いハードルが存在し、エネルギー切れによる記録の伸び悩みも課題であることを指摘。そのためには専門知識をもつ公認スポーツ栄養士による “糖”の供給指導がカギになるとして、具体的な事例を挙げ解説。中でも、スローカロリーの活用方法がアスリートへの大きなインパクトとなる可能性があり、積極的に現場で活用、研究も進めていきたいと語りました。
フィットネスライフコーディネーターとして活躍するShieca氏と、前出・鈴木氏によるトークセッションでは、健康づくりや美容を目的とした一般生活者が行う運動の中で、どのような食事が望ましいか、逆効果になる食事方法はどのようなことか、失敗例やよくある質門を披露しながら盛り上がりました。
最後に産業側の代表として宮坂清昭氏(三井製糖株式会社商品開発部)が「糖質摂取の意義と体内メカニズム」と題し、日本の食事摂取基準で推奨されている栄養比率では糖質が5〜6割とされているが、糖質の上手な摂取方法があまり認知されていない現状を説明。人間のエネルギーを支える糖質には多くの役割があり、目的に応じた活用が望まれることを強調しました。ほぼ満席となった会場の聴講者は熱心にメモをとり、会終了後は各講師への個別質門に長い列ができました。
【慶応義塾 大学スポーツ医学研究センター教授 勝川 史憲先生のコメント】
スローカロリーとは、体内でゆっくり消化・吸収されるエネルギーと定義します。同じエネルギー量の糖を摂取しても、食後の血糖値上昇の程度は食品によって大きく異なり、その程度をGI値で表します。健康運動の対象となる生活習慣病予備群の方では、GI値の低い食品が食後の血糖上昇の抑制を介して心血管病リスクの低減や、内臓脂肪の減少などの効果をもたらすことが期待されます。一方、アスリートの運動耐容能は、運動開始時点での骨格筋内のグリコーゲン貯蔵をいかに増やし、また、運動開始後はその減少をいかに抑えるかが重要なポイントです。運動後の筋グリコーゲンの再合成にはGI値の高い食品、運動前の糖質摂取でグリコーゲンの減少を抑えるには低GIの食品が有利とする研究成績が多いようですが、明らかにしなければならない課題も多いのが現状です。
【神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部栄養学科 教授 鈴木 志保子先生のコメント】
スポーツ栄養学とは、「運動やスポーツによって身体活動量が多い人に対して必要な栄養学的理論・知識・スキルを体系化したもの」と定義し、その対象者はアスリートだけではなく健康の維持増進のために運動をしている人も含まれます。活動中に糖質の供給が低下するとパフォーマンスの質の低下、そしてそれが長時間に及ぶと糖新生という現象が起こり、筋肉が失われてしまいます。この状態を避けるためには、2つのポイントがあります。1つ目は、活動前に筋や肝グリコーゲンを十分に補充すること。そのためには急激に血糖値を上昇させる食品を摂取するよりも、マイルドに血糖値を上げて、その後、血糖値を正常範囲内でゆっくりと維持して補充を進めていくことを考えなくてはなりません。2つ目は、活動時間が長い場合、運動中に糖質を効率よく補給すること。実は、この2つのポイントを充たすのにスローカロリーが有用です。スローカロリーは、アスリートが行う高強度の身体活動だけではなく、健康の維持増進のための身体活動にも応用できます。スローカロリーの概念が広く認知され、上手に取り入れてもらえたら嬉しいです。
※スローカロリーとは、糖質の“質”、“摂り方”に着目した考え方です。狭義ではゆっくりと消化吸収できる糖質(エネルギー)を摂ることで、急激な血糖上昇、過激な脂肪蓄積を抑えることです。そのために、食物繊維の多いものをメニューに取り入れ、たくさん噛み、時間をかけてゆっくり食事を摂る。そして規則正しい食習慣を身につけることで消化しやすい身体をつくる、という広義の考え方にまで及びます。
【一般社団法人スローカロリー研究会】
スローカロリーの有用性について調査・研究を進め、情報の集積・発信を行い、健康づくりのための食生活を指導する医療・保健指導従事者と一般生活者に向け、その知識を普及することを目的に、平成27年2月10日に設立しました。(スローカロリー研究会ホームページ: http://slowcalorie.jp/)
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名:一般社団法人スローカロリー研究会
担当者名:佐藤晴美
TEL:03-5521-2881
一般社団法人スローカロリー研究会(事務局:東京都港区、理事長:宮崎 滋)は、6月26日(金)に東京JPタワーにて「日本のスポーツ栄養界が注目する“スローカロリー理論”とは」と題して、セミナーを開催致しました。
今回のセミナーでは、スポーツ栄養界の第一人者が、“スローカロリー”の意義とその実践について解説。どんな運動にも欠かせないエネルギー源である“糖”の質やバランス、そして摂り方の工夫などを、国内外の研究データとともに、指導現場の現状に即して紹介、熱い講義が繰り広げられました。
冒頭では、当会理事である勝川史憲氏(慶応義塾大学スポーツ医学研究センター教授)が、「スローカロリーと身体活動」と題し講演。食後血糖値の上昇度を示す指標であるGI(グリセミックスインデックス)値でみた食事と運動の相関性について、様々な研究事例を示しながら“スローカロリー”に着目した食事による健康運動対象者(生活習慣病予備群)やアスリートへの活用意義をお話いただきました。
さらに、当会理事でNPO法人日本スポーツ栄養学会会長の鈴木志保子氏(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授)が「スポーツ栄養の観点からみるスローカロリーの活用について」をテーマに登壇、競技・選手個々に合わせた栄養管理の重要性を説明いただきました。世界と闘うには日本人にとって“食”という高いハードルが存在し、エネルギー切れによる記録の伸び悩みも課題であることを指摘。そのためには専門知識をもつ公認スポーツ栄養士による “糖”の供給指導がカギになるとして、具体的な事例を挙げ解説。中でも、スローカロリーの活用方法がアスリートへの大きなインパクトとなる可能性があり、積極的に現場で活用、研究も進めていきたいと語りました。
フィットネスライフコーディネーターとして活躍するShieca氏と、前出・鈴木氏によるトークセッションでは、健康づくりや美容を目的とした一般生活者が行う運動の中で、どのような食事が望ましいか、逆効果になる食事方法はどのようなことか、失敗例やよくある質門を披露しながら盛り上がりました。
最後に産業側の代表として宮坂清昭氏(三井製糖株式会社商品開発部)が「糖質摂取の意義と体内メカニズム」と題し、日本の食事摂取基準で推奨されている栄養比率では糖質が5〜6割とされているが、糖質の上手な摂取方法があまり認知されていない現状を説明。人間のエネルギーを支える糖質には多くの役割があり、目的に応じた活用が望まれることを強調しました。ほぼ満席となった会場の聴講者は熱心にメモをとり、会終了後は各講師への個別質門に長い列ができました。
【慶応義塾 大学スポーツ医学研究センター教授 勝川 史憲先生のコメント】
スローカロリーとは、体内でゆっくり消化・吸収されるエネルギーと定義します。同じエネルギー量の糖を摂取しても、食後の血糖値上昇の程度は食品によって大きく異なり、その程度をGI値で表します。健康運動の対象となる生活習慣病予備群の方では、GI値の低い食品が食後の血糖上昇の抑制を介して心血管病リスクの低減や、内臓脂肪の減少などの効果をもたらすことが期待されます。一方、アスリートの運動耐容能は、運動開始時点での骨格筋内のグリコーゲン貯蔵をいかに増やし、また、運動開始後はその減少をいかに抑えるかが重要なポイントです。運動後の筋グリコーゲンの再合成にはGI値の高い食品、運動前の糖質摂取でグリコーゲンの減少を抑えるには低GIの食品が有利とする研究成績が多いようですが、明らかにしなければならない課題も多いのが現状です。
【神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部栄養学科 教授 鈴木 志保子先生のコメント】
スポーツ栄養学とは、「運動やスポーツによって身体活動量が多い人に対して必要な栄養学的理論・知識・スキルを体系化したもの」と定義し、その対象者はアスリートだけではなく健康の維持増進のために運動をしている人も含まれます。活動中に糖質の供給が低下するとパフォーマンスの質の低下、そしてそれが長時間に及ぶと糖新生という現象が起こり、筋肉が失われてしまいます。この状態を避けるためには、2つのポイントがあります。1つ目は、活動前に筋や肝グリコーゲンを十分に補充すること。そのためには急激に血糖値を上昇させる食品を摂取するよりも、マイルドに血糖値を上げて、その後、血糖値を正常範囲内でゆっくりと維持して補充を進めていくことを考えなくてはなりません。2つ目は、活動時間が長い場合、運動中に糖質を効率よく補給すること。実は、この2つのポイントを充たすのにスローカロリーが有用です。スローカロリーは、アスリートが行う高強度の身体活動だけではなく、健康の維持増進のための身体活動にも応用できます。スローカロリーの概念が広く認知され、上手に取り入れてもらえたら嬉しいです。
※スローカロリーとは、糖質の“質”、“摂り方”に着目した考え方です。狭義ではゆっくりと消化吸収できる糖質(エネルギー)を摂ることで、急激な血糖上昇、過激な脂肪蓄積を抑えることです。そのために、食物繊維の多いものをメニューに取り入れ、たくさん噛み、時間をかけてゆっくり食事を摂る。そして規則正しい食習慣を身につけることで消化しやすい身体をつくる、という広義の考え方にまで及びます。
【一般社団法人スローカロリー研究会】
スローカロリーの有用性について調査・研究を進め、情報の集積・発信を行い、健康づくりのための食生活を指導する医療・保健指導従事者と一般生活者に向け、その知識を普及することを目的に、平成27年2月10日に設立しました。(スローカロリー研究会ホームページ: http://slowcalorie.jp/)
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名:一般社団法人スローカロリー研究会
担当者名:佐藤晴美
TEL:03-5521-2881