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車いすユーザーの65%が点字ブロック上を通行しづらい〜「点字ブロック」と「誘導ソフトマット」の併用に関する調査と提言を行いました〜

ユニバーサルデザインの総合コンサルティングを手がける株式会社ミライロ(本社:大阪府大阪市 代表取締役社長:垣内俊哉)は、「誰もが快適に移動できるユニバーサルデザインな環境の実現」を目指した取組みを実施しています。オリンピック・パラリンピックにおいては、スロープ、触地図や案内サインなど、障害のある方々に配慮した設備の敷設が求められます。先月開催されたリオ大会では敷設のルールや品質にばらつきがあると報道されました。そこで誰もが安心して移動できる室内用誘導路について、障害者モニターによる調査を実施しました。

 ユニバーサルデザインの総合コンサルティングを手がける株式会社ミライロ(本社:大阪府大阪市 代表取締役社長:垣内俊哉)は、「誰もが快適に移動できるユニバーサルデザインな環境の実現」を目指した取組みを実施しています。
 オリンピック・パラリンピックにおいては、スロープ、触地図や案内サインなど、障害のある方々に配慮した設備の敷設が求められます。先月開催されたリオ大会では敷設のルールや品質にばらつきがあると報道されました。そこで誰もが安心して移動できる室内用誘導路について、障害者モニターによる調査を実施しました。

■調査実施の背景
 1965年日本で「点字ブロック」が考案されてから、日本での室外用誘導路の普及率は諸外国の中でもトップクラスです。その一方で、商業施設や屋内施設では誘導路が受付までに留まるケースがほとんどです。その理由として、人々の行き交う動線が複雑に入り混じる場合バリアになる可能性があるという理由や、工事コストや景観上の課題がある等が挙げられます。
 「点字ブロック」は、靴を履いた状態でも足裏の感触で確認ができるよう突起の高さが5mmに規定されています。凹凸が生じるため、杖を利用する高齢者や車いすユーザー、ベビーカーを押す方などにとって快適な移動の妨げとなる場合があります。
 2020年オリンピック・パラリンピックでは、屋内を使用する競技も多く存在します。そこで、誰もが快適に移動できるユニバーサルデザインな環境の実現に向け、41人の視覚障害者と車いすユーザーにご協力頂き、屋内における誘導路の利便性を調査しました。

■調査概要
【日程】2016年7月27日(水)・31日(日)・8月3日(水)・8日(月)・27日(土)
【場所】株式会社ミライロ 東京オフィス、大阪オフィス
【参加者】ミライロ・リサーチ(※1)に登録している障害者モニター合計41名(※2)
 ※1:ミライロが運営するモニター調査事業(障害者モニターは全国に5,000名以上)
 ※2:内訳:視覚障害者21名(全盲9名・弱視12名) 車いすユーザー20名
【調査内容】「誘導ソフトマット」と「点字ブロック」を両方試してもらい評価を聴取

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfamxDcXVKalBHay5wbmc.png ]
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfbFBwS0hsSGxkRy5wbmc.png ]

【点字ブロック】
 調査に際し、点字ブロックは貼り付けのシートタイプを使用しました。(塩ビ製:幅30cm 底厚2mm 突起部高さ5mm JIS規格品)50年前に開発され、歩道や駅のホームなどに視覚障害者を安全に誘導するために広く設置されています。材質はコンクリートや磁器、塩ビ、ステンレスなど多種にわたります。ステンレス製の点字鋲が、デザイン的な面により設計採用されやすい一方で、近年、弱視の視覚障害者や高齢者が認識しづらいことが問題になっています。

【視覚障害者用誘導ソフトマット】
 調査に際し、視覚障害者歩行誘導ソフトマットは錦城護謨株式会社製の「歩導くんGuideway(ガイドウェイ)」を使用しました。誘導ブロックの代替品として視覚障害者が考案し、視覚障害者団体協力のもと開発された製品です。全ての人の利便性に配慮した「ユニバーサルデザイン」の考えをベースにしています。
 白杖で叩いた時の音の違いや、足裏に伝わる質感の違いによって誘導路の位置、向きを認識することができるゴム製の屋内専用マットです。幅は30?で、段差がほとんど生じないように端部分の厚みは約1mmであり、厚み約7mmの中央部に向かって緩やかな傾斜となっています。高齢者や幼児がつまずいたり、ベビーカーや車いすの車輪が引っかかることを防ぎます。そのため、空港、銀行ATM、ホテルなどでの導入も進んでいます。
 床や路面への設置は両面テープを使用するため、大掛かりな設置工事は不要です。取り外しも容易なので、催事などで一時的に設置することもできます。
 これらの点が評価され、2016年2月に、ドイツ「iFデザインアワード」の金賞を受賞。同アワードは全世界から優れたデザインを選定するもので、「プロダクト部門・公共デザインカテゴリー」の金賞は日本では初めてです。

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfcldVWnFYdUdZcS5wbmc.png ]

 ※詳細はこちら:http://guideway.jp/

<製品の設置実例>(全国800件の施工実績あり)
横浜銀行、新井病院、ホテル シャロームイン2、出雲縁結び空港など

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfcE5TY3JwY0R1ei5qcGc.jpg ]
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfdVZ6clZBSFR2Yy5qcGc.jpg ]


■調査結果
 「点字ブロック」と「誘導ソフトマット」を実際に通行した上での評価を行った結果です。
より詳しい調査結果は報告書をご覧ください。(
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfcm5IWHRLUFBZbS5wZGY.pdf ]


■「点字ブロック」評価
視覚障害者には評価が高く、車いすユーザーは65%が低評価となりました。

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfZllnU1RMcFB3ZS5wbmc.png ]


評価理由(◯:高評価 ?:低評価)
車いすユーザー
 ?:電動車いすで走行していると、点字ブロックの溝にタイヤを取られてしまう。
 ?:凹凸による振動や段差が負担になる。
 ?:車輪が滑りやすくなり、車いすの操作に影響が出ることがある。
視覚障害者
 〇:よく使っていて、慣れている。安心感がある。
 ?:デッパリがきついため、ハイヒールで歩くときなど、両足はのせず、片足だけで歩くことも。
 ?:キャリーケースなど運びにくいので歩きにくい側面も。

■「誘導ソフトマット」評価
視覚障害者より7割以上の評価を受け
また、車いすユーザーの9割以上から高い評価を得ています。

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfYUxSQVFIYUN1ay5wbmc.png ]


評価理由(◯:高評価 ?:低評価)
車いすユーザー
 〇:凹凸がほとんど無いので、振動がほぼなく走行しやすい。
 〇:直進だけではなく、横切る時も引っかからない。
視覚障害者
 〇:白杖をすべらせて歩くので、スムーズに歩行できるところが良い。
 ?:ハッキリしないので、お店の絨毯などと間違えそう。足裏で方向が分かるような工夫がほしい。
 ?:慣れていないので、初めて行く場所では認識できるかどうか疑問である。

■屋内での「点字ブロック」と「歩導くんGuideway」の設置希望
 視覚障害者でも「点字ブロックのみ」を希望している方は19%に留まり、危険箇所も考慮した「併設」が求められると推察されます。

[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0MTA0OCMxNzE3MjkjNDEwNDhfc1dMVG5DWWhkeC5qcGc.jpg ]


■考察
 「誘導ソフトマット」は、視覚障害者にとっては、「点字ブロック」と比較すると、評価は低いものの、凹凸が少ないため車いすユーザーにとっては移動の障壁が少なく、快適に利用できる評価が高いことが分かりました。
 共通して言えることは、誘導先の情報(どこへ誘導するか)が不足しており、音声ガイドやスタッフの配置など運用面でのカバーも必要であることです。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたり、競技場や周辺において点字ブロックの敷設を含むハード面のユニバーサルデザイン化について、更にきめ細やかな整備が望まれます。多様な方々が安心・安全に移動できる環境づくりには、設置場所の状況と需要に合わせた「点字ブロック」「誘導マット」の併用の可能性が本調査から見出されました。

■調査サービス「ミライロ・リサーチ」とは
 ミライロが運営する、障害者モニター調査事業です。障害を価値に変えるバリアバリューの視点を活用し、障害のある当事者の声や経験をサービス・製品開発に活かします。全国5,000人以上の障害者とその家族がモニター会員です。

■お問合せ
株式会社ミライロ
広報担当:岸田 奈美 06-6195-7853 info@mirairo.co.jp
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