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「大学全入時代」は高校の進路指導をどう変えてしまったか(アンケート調査結果)

「大学全入時代」においては、AO入試や推薦入試のおかげで、大学への入学が以前に比べると容易になっている。そのため、高校の進路指導の現場でも、生徒の学力に不安を抱きながらも、大学への進学をすすめるという、大学偏重の進路指導を生み出してしまっているのである。
<「大学全入時代」における進路指導に関するアンケート調査結果>
    「生徒の学力に不安を感じつつも大学進学を」

■アンケート調査について
[方 法] FAXで質問用紙を送付し、FAXにて回収
[対 象] 東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・愛知県・大阪府の高等学校 1,632校
[回答数] 230校
[送付日] 2008年2月1日

■アンケート調査の目的
 2004年7月23日に開催された中央教育審議会大学分科会は、それまでの予測を早めて、2007年度(平成19年度)には、大学の志願者と入学者数が同じになる、いわゆる「大学全入時代」に突入するという試算を発表したが、実際の2007年度入試では、大学志願者数が増えたため、「大学全入時代」にはならなかった。しかし、いずれ「大学全入時代」を迎えるのは明らかであり、このアンケートは、そうした「全入時代」に、高校ではどのような進路指導が行われているのかを調査することを目的に実施した。

■調査結果概要
 「大学全入時代」を迎え、大学は学生募集のために入試の多様化を図り、特に推薦入試やAO入試に頼る傾向が顕著になってきた。文部科学省によると、2007年度入試では、実に42%以上が推薦やAOで大学に入学している。その結果、半数近くの高校生が学科試験も受けずに大学生になっている。そのため、63.9%の高校で生徒が大学の授業についていけるかどうか不安を感じている。
 また、「大学全入時代」で、一部の上位校をのぞいて、大学への入学が以前に比べると容易になっている。そのため、進路がまだ確定していない生徒に対しても、専門学校や就職よりも大学への進学をすすめるとの回答が39.6%にもなる。さらに、そのうちの半数は、生徒が大学の授業についていけるかどうか不安を感じていると回答しているのである。
 このように「大学全入時代」においては、大学の授業についていけるだけの学力がなくても、AO入試や推薦入試のおかげで、大学に入学することができるようになってきた。その一方で、大学が入りやすくなったため、高校の進路指導の現場でも、生徒の学力に不安を抱きながらも、大学への進学をすすめるという、大学偏重の進路指導を生み出してしまっているのである。


<株式会社さんぽうについて>
 38年にわたり高校生の進路選択のお手伝いを続ける進学サポート企業です。全国の高等学校にて年間のべ3000校以上で進学相談会を実施、多くの高校生の進路をサポートを行い、本年度は厚生労働省主導の就職支援プログラム・パートナー企業として、東日本全域の高校で就職ガイダンスを行なっています。

<本件に関する問い合わせ先>
?さんぽう 総合研究所
〒151-0061
東京都渋谷区初台1-31-16
TEL 03-3378-7977 FAX 03-3378-7992
ホームページ http://www.sanpou-s.net/
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