ソーシャルスキルを測定する機微力検定がデータドリブンに大きな一歩 【マネジャー職と営業スペシャリスト職に必要な能力の違いをデータで明らかに】
一般社団法人機微力研究所は、人事データとインタビューにより企業独自のコンピテンシーモデルを策定、その結果を機微力検定結果と照らし合わせたところ、大変興味深いデータが検出されました。経験と勘だけではない、データを用いた根拠あるピープルアナリティクスの必要性が叫ばれていますが、100問を1時間で解く機微力検定の受検により、蓄積した人事データがなくとも、効果的なピープルアナリティクスへの一歩を踏み出すことが可能になります。
一般社団法人機微力研究所(東京都千代田区・代表理事森義之)と株式会社KIBI(東京都千代田区・代表山本洋平)は、2020年11月、ある企業(都内人材系営業会社)での機微力検定の実施と現在の人事データを元に、適切な人材配置の検証を実施した。
?モデル人材および受入企業へのインタビューから取得した「定性情報」
?機微力検定受検データ分析によって導き出した「定量情報」
中でも、上記?および?の合致に着目し、分析を実行。今回、スコアの絶対値・大きさではなく、相対的な、機微力検定において取得できる能力領域A〜F(機微力、グローバル人材:知的資本、グローバル人材:心理的資本、グローバル人材:社会的資本、異文化理解領域、多文化共生領域)を、二クラス・ルーマンの提唱する”送り手と受け手が情報をやりとりする相互作用システム”に照らし合わせた。(以後、機微力相互作用モデルと呼ぶ)コミュニケーションにおいて、人は様々な情報をまず認識・知覚し(PERCEPTION)→その知覚した情報に感情を持ち(EMOTION)→次の行動に移す(ACTION)という一連の流れの中で、各段階の能力の数値的順位に着目。PERCEPTION(知覚)が最上位にきている受検者の特性に着目した。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2ODUzMyMyNjAzNzcjNjg1MzNfQlZVSkxEbmNDQS5QTkc.PNG ]
この企業では営業の将来のキャリアプランとしてマネジャー職と営業スペシャリスト職が準備されている。適職を判断する明確な指標がないため、キャリアチェンジは本人の意向と上司であるマネジャーの見極め頼みとなっており、実際にマネジャー職に向かない人材がマネジャー職につき、退職者を増やしてしまうなどの問題が起こっていた。そこで、客観的な指標を持つことを目的に、企業の社長・役員・現場社員へのインタビューを行うと、マネジャー職に必要なのは的確な状況認識能力であるという仮説が導かれた。
機微力検定の結果を見てみると、マネジャー職のコンピテンシーモデルとなる社員(被験者2020_No.1および2020_No.2とおく)は共に、PERCEPTIONの能力がEMOTION・ACTIONよりも高い値が出ていた。
また、営業スペシャリスト職のコンピテンシーモデルである2名の社員(被験者2020_No.3および2020_No.4とおく)は、PERCEPTION値が最も低く出ていた。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2ODUzMyMyNjAzNzcjNjg1MzNfREFKQ3VGSHdyci5QTkc.PNG ]
マネジメント職のゴールは一つではなく複雑な事情が絡まり合うため、PERCEPTIONが正しく行われないと致命的な判断ミスを犯す可能性があると考えられる。逆に営業スペシャリスト職は、受注という明確なゴールに向かって猪突猛進する熱量と行動力が必要になり、PERCEPTIONの能力を凌ぐEMOTION・ACTIONの能力が必要であると考えられる。
これらは、数値(定量データ)ではなく、機微力相互作用モデルが、企業ごとの、プロジェクトごとの、登用人材および抜擢人材の経験や勘からくる人事評価と合致していることを意味しており、この型の評価・指標を活用することで、パフォーマンスや組織環境適応能力を精度良く把握することができることを示唆している。
なお、これらは企業側からの目線において、スクリーニングのため、というよりも、入社後や配置後の、エンゲージメント向上および組織・チームへの好影響波及、といったことが一義的な目的であると言える。
当該企業におけるコンピテンシーモデル策定に、機微力相互作用モデルを用いた本事例は、今後他企業や他組織においても、同様に利活用できる可能性が示唆されたと言える。なお、当該調査結果およびアプローチ手法については、査読付き学会論文として2021年、発表されることが予定されている。
機微力研究所:https://kibi-lab.or.jp/
機微力検定:https://kibi-lab.or.jp/kibiabilitytest/
一般社団法人機微力研究所(東京都千代田区・代表理事森義之)と株式会社KIBI(東京都千代田区・代表山本洋平)は、2020年11月、ある企業(都内人材系営業会社)での機微力検定の実施と現在の人事データを元に、適切な人材配置の検証を実施した。
?モデル人材および受入企業へのインタビューから取得した「定性情報」
?機微力検定受検データ分析によって導き出した「定量情報」
中でも、上記?および?の合致に着目し、分析を実行。今回、スコアの絶対値・大きさではなく、相対的な、機微力検定において取得できる能力領域A〜F(機微力、グローバル人材:知的資本、グローバル人材:心理的資本、グローバル人材:社会的資本、異文化理解領域、多文化共生領域)を、二クラス・ルーマンの提唱する”送り手と受け手が情報をやりとりする相互作用システム”に照らし合わせた。(以後、機微力相互作用モデルと呼ぶ)コミュニケーションにおいて、人は様々な情報をまず認識・知覚し(PERCEPTION)→その知覚した情報に感情を持ち(EMOTION)→次の行動に移す(ACTION)という一連の流れの中で、各段階の能力の数値的順位に着目。PERCEPTION(知覚)が最上位にきている受検者の特性に着目した。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2ODUzMyMyNjAzNzcjNjg1MzNfQlZVSkxEbmNDQS5QTkc.PNG ]
この企業では営業の将来のキャリアプランとしてマネジャー職と営業スペシャリスト職が準備されている。適職を判断する明確な指標がないため、キャリアチェンジは本人の意向と上司であるマネジャーの見極め頼みとなっており、実際にマネジャー職に向かない人材がマネジャー職につき、退職者を増やしてしまうなどの問題が起こっていた。そこで、客観的な指標を持つことを目的に、企業の社長・役員・現場社員へのインタビューを行うと、マネジャー職に必要なのは的確な状況認識能力であるという仮説が導かれた。
機微力検定の結果を見てみると、マネジャー職のコンピテンシーモデルとなる社員(被験者2020_No.1および2020_No.2とおく)は共に、PERCEPTIONの能力がEMOTION・ACTIONよりも高い値が出ていた。
また、営業スペシャリスト職のコンピテンシーモデルである2名の社員(被験者2020_No.3および2020_No.4とおく)は、PERCEPTION値が最も低く出ていた。
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2ODUzMyMyNjAzNzcjNjg1MzNfREFKQ3VGSHdyci5QTkc.PNG ]
マネジメント職のゴールは一つではなく複雑な事情が絡まり合うため、PERCEPTIONが正しく行われないと致命的な判断ミスを犯す可能性があると考えられる。逆に営業スペシャリスト職は、受注という明確なゴールに向かって猪突猛進する熱量と行動力が必要になり、PERCEPTIONの能力を凌ぐEMOTION・ACTIONの能力が必要であると考えられる。
これらは、数値(定量データ)ではなく、機微力相互作用モデルが、企業ごとの、プロジェクトごとの、登用人材および抜擢人材の経験や勘からくる人事評価と合致していることを意味しており、この型の評価・指標を活用することで、パフォーマンスや組織環境適応能力を精度良く把握することができることを示唆している。
なお、これらは企業側からの目線において、スクリーニングのため、というよりも、入社後や配置後の、エンゲージメント向上および組織・チームへの好影響波及、といったことが一義的な目的であると言える。
当該企業におけるコンピテンシーモデル策定に、機微力相互作用モデルを用いた本事例は、今後他企業や他組織においても、同様に利活用できる可能性が示唆されたと言える。なお、当該調査結果およびアプローチ手法については、査読付き学会論文として2021年、発表されることが予定されている。
機微力研究所:https://kibi-lab.or.jp/
機微力検定:https://kibi-lab.or.jp/kibiabilitytest/