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世帯年収別の中学受験にかかる補助学習費実態調査 〜【前編】世帯年収1,000万円以上の世帯 〜

株式会社ファルボが運営する受験生と保護者の会員サイト「中学図鑑」(https://www.eduzukan.jp/)では、中学受験を経験した2組と現在中学受験を目指している1組の計3組のご家庭に、中学受験にかかる学習費の実情についてインタビューを行いました。学習塾や家庭学習など受験準備にかかる補助学習費の支出状況、家計に占める割合、入学受験料など教育資金の捻出方法など年収1,000万円以上の世帯【前編】、年収1,000万円以下の世帯【後編】と2回にわたり連載の予定です。まず【前編】として世帯年収1,000万円以上の家庭の調査報告です。

株式会社ファルボ(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役:矢野一輝、以下ファルボ)が運営する受験生と保護者の会員サイト「中学図鑑」(https://www.eduzukan.jp/)では、中学受験を経験した2組と現在中学受験を目指している1組の計3組のご家庭に、中学受験にかかる学習費の実情についてインタビューを行いました。
学習塾や家庭学習など受験準備にかかる補助学習費の支出状況、家計に占める割合、入学受験料など教育資金の捻出方法など年収1,000万円以上の世帯【前編】、年収1,000万円以下の世帯【後編】と2回にわたり連載の予定です。家計に関する答えにくい質問から資金の捻出方法まで、「受験に立ち向かう後輩・同志の少しでも力になれたら」と、包み隠しなく快く対応くださった回答者の方々に感謝申し上げます。

中学受験を検討する際に気になるのはその高額な教育費です。「私立の中高一貫校に通うのなら世帯年収1,000万円は必要 」という厳しい声もきかれます。実際に、私立中学に通う家庭の約52%が、世帯年収1,000万円以上という調査結果(平成30年度子供の学習費調査「5世帯の年間収入段階別,項目別経費の金額段階別構成比」文部科学省)※1もあります。
今回は、潤沢な収入があり、塾の「課金システム」に参戦することで受験を有利に進められると言われる家庭(年収1,000万円以上の世帯)と、それ以下の家庭(年収800万円未満の世帯)、これら2つの家庭から世帯年収における教育費の割合、そして「補助学習費」のかけ方の違いを明らかにし、世帯年収の格差がもたらす中学受験における教育格差の実態を調査することにしました。
まず【前編】として世帯年収1,000万円以上の家庭の調査報告となります。

※課金システム :昨今人気を博している中学受験を描いた漫画「二月の勝者」に登場する中学受験塾において、通常授業以外のオプション講座等に次から次へとお金をかけることを「課金ゲー」と呼んでおり、学習塾によるそのような講習費徴収システムを意味する。
※補助学習費 :予習・復習・補習などの学校教育に関係する学習をするために支出した経費 (各家庭での学習机や参考書等の購入費,家庭教師,通信添削等の通信教育,学習塾へ通うために支出した学校外で必要となる経費等)。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjMjYwOTQ0XzkwYmZlMDdhOTY3ZmVlMWU3OGU4OTY3Njc4YWUxODUxLnBuZw.png ]

■世帯年収1,000万円の家庭における中学受験の準備にかかる教育費
・インタビューを実施した各家庭のプロフィール(表1)


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfRExmZmR5YXBwZi5qcGc.jpg ]
・各家庭のマネーデータ(表2)


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfYWNUV2pNbURuay5qcGc.jpg ]
各家庭を比較すると、どの家庭も補助学習費が年々アップし、Kさん、Oさんの家庭における小6時の補助学習費は、いずれも小4時の約2倍前後となっています。下表3の【年収階層別にみた世帯年収に占める在学費用の割合】にあるとおり、一般的には年収が低いほど収入に占める教育費の比率が高くなるため、教育費の負担が家計を圧迫する要因であることがうかがえます。
世帯年収1,000万円以上である今回の家庭をみると、世帯年収のもっとも多いSさんの教育費は6.7%、続いてKさんが16.7%、Oさんが19.2%となっています。しかし、Kさん、Oさんのご家庭は子供が二人おり、かつOさんは受験時に長女が私立中学校に通学されていたということを考えると、19.2%というのは決して高い比率ではありません。そこには受験時の教育費を、他のご家庭と較べて低く抑えられた要因があります。インタビューにおいて詳しくお聞きしておりますのでご参照ください。

表3【(学校種別)世帯の年間収入段階別構成比】


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfTWFLZ0VZcVZQYy5qcGc.jpg ]
■3世帯へのインタビュー公開(一部抜粋)
??? ご家庭の社会経済的背景を教えてください


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfUHZMa2x6c09XZy5wbmc.png ]
??? 教育費以外の費用(食費・被服費)の支出について教えてください


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfZHBQbVdoQnJvby5wbmc.png ]
■株式会社ファルボ調べによる補助学習費(モデルケース)との比較
株式会社ファルボでは2020年8月に、中学図鑑会員の世帯年収を「400万円」、「600万円」、「800万円以上」の3つに分類して、学校外で必要となる塾等の「補助学習費」の独自調査を行いました。
※詳細な調査報告はこちらの「中学受験にかかる費用」実態調査レポートをご覧ください。
https://eduzukan.jp/jhs/484/article/9635

下記の表4はその時の調査結果で、今回インタビューを行った3家庭と同様の「世帯年収800万円以上」のご家庭における「補助学習費」を示しています。表5は、3家庭のうち、すでに中学受験を終了した2家庭の「補助学習費」です。

表4【中学受験のために必要となる補助学習費】 (学習塾・家庭教師・通信教育)


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfb0Nad2RIT1ZDQS5wbmc.png ]

表5【今回インタビューを行った、中学受験終を了した2家庭】


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfRFBQRXd1d21kRy5qcGc.jpg ]
※学習塾は集団学習塾の入会金・授業料・教材費・施設費・季節講習料・特別講習料・交通費・家庭学習教材費等 ??
?※家庭教師は入会金・授業料(4年生:週1・1時間  5・6年生:週1・2時間)・交通費等 ?※通信教育は入会金・受講料・購読費等

表12【小6私立受験コースの学習塾費】  通常授業 3日/週 17:00-21:30(税込み)


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfUWlacHVHRmdFeS5qcGc.jpg ]
【 「補助学習費」支出における各家庭の工夫 】


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2NzgwNCMyNjA5NDQjNjc4MDRfRUJWS0NrS0RPaC5wbmc.png ]
どの家庭も受験準備開始時期(小4頃)と受験本番時期(小6頃)を比較すると、かかる費用には2倍以上の開きがあります(表5)。
小4で学習塾にかかる費用は通常の授業料と、春・夏・冬の季節講習料のみですが、小6になると更に様々な特別講習費が追加されます。
基本的には特別講習の受講は任意とされていますが、Kさん、Oさんのご家庭のような超難関校をめざす生徒は、「志望校別の特別講習」を受講する傾向が強く見られます。

これらデータから見えるのは、中学受験にかかる費用を考える場合には、入塾時の授業料で試算するのではなく、小5・小6の授業料や、季節講習・特別講習の費用を含めたトータルの金額で試算・検討をする必要があるということです。

世帯年収によっては、通常授業以外の特別講習を受講する金銭的余裕がない家庭もありますが、Oさんのように特待生に選ばれることで、「補助学習費」を少しでも節約しながら外部の志望校別講習を受講できる可能性もあります。成績によってどこまで免除されるのかを、希望する塾にあらかじめ確認し、受講したい講習の特待生制度に挑戦するのも教育費をおさえる一つの手立てとなるでしょう。

■まとめ
教育費に大きな金額をかけられる家庭は、同じように中学受験を目指す子供の集まる充実した環境(学習塾等)で、情報・受験スキルを習得し、有利に受験に臨めます。しかし、その他にも重要なポイントとして、本人のモチベーション維持や、最適かつ効率的な学習、両親のサポートなどがあり、これらは、お金で買えるものではありません。そのため潤沢な教育費を投資することだけが、受験生にとって理想的であるとは必ずしも言えないのは明確です。今回インタビューした家庭は、いずれも資金力に頼り学習塾に任せっきりにするのではなく、親子で最適な学習方法を模索し、両親そろって積極的に子供の受験をサポートする姿勢がうかがえました。それが、世帯年収では計ることのできない、中学受験の最強の武器となるのではないでしょうか。

ファルボでは、各家庭の経済状況に合わせた受験対策を応援する、学習プラットフォームの構築を進めております。塾に行かなくても自宅での家庭学習を自分で進められる学習管理ツールをはじめ、中学受験において子供一人ひとりの個性にあった学校選びを支援するさまざまなコンテンツによる情報提供を行っています。また、中学受験を目指す家庭に役立つ情報・サービスを展開していく予定です。

中学受験が可能かどうかは、世帯年収で判断するのではなく、資金面以外の部分を家族でサポートできるのか、また子供の将来の目標にどんな学校が合うのかを考え相談し、選択していくことが大切だと考えます。
教育図鑑ブログU R L:https://eduzukan.jp/jhs/484

≪参照資料≫
・ 平成30年度子供の学習費調査(文部科学省)           
・ 平成29年度(2017年)国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)   
・令和2年度(2020年)教育費負担の実態調査結果(日本政策金融公庫)  
≪調査概要 (自社調べ) ≫
・調査タイトル:小中学生の保護者の教育費負担に関する調査
・調査対象:「中学図鑑」の会員の保護者
・調査期間:2020年8月1日〜8月31日
・調査方法:インターネット調査(地域:首都圏)
・有効回答数:410サンプル(内訳)父親131名 母親279名

■会社概要
会社名???????? :?? 株式会社ファルボ(旧社名 教育図鑑株式会社)
代表取締役?? :?? 矢野一輝
設立年月????? :?? 2014年9月
資本金???????? :?? 190,700,000円 (準備金含む)
本社所在地?? :?? 東京都中央区日本橋富沢町10-20
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