Code for Historyの古地図サイトライブラリ「Maplat」、オープンソースライセンスを一時停止し、制限付きライセンスの準オープンソースへ変更
IT技術を歴史研究に応用する任意団体Code for History(代表:大塚恒平、相模原市)は、これまでオープンソースで提供してきた古地図アプリ作成ライブラリ群のMaplatシリーズについて、公開中の最新バージョンより、制限付きの準オープンソースライブラリに変更します。一部の悪質なただ乗り利用者(フリーライダー)へのライブラリ及び特許の利用権を制限するための対応で、そのため厳密な意味でのオープンソースではなくなりますが、新規を含めた名指しされない通常の利用者に対しては、これまでのApache2.0ライセンスに準じた利用権で提供されます。
準オープンソース化の経緯
これまでCode for Historyでは、古地図アプリ作成ライブラリのMaplatとそのエディタであるMaplatEditor、座標変換ライブラリであるMaplatTin、UIがなくAPIのみで動作するMaplatCore、モバイルアプリ開発向けのMaplatiOS、MaplatAndroidなどを、すべてオープンソースで公開してまいりました(https://code4history.dev/index_ja.html)。オープンソースとしました理由は、使いやすいライセンスで提供し、広く多くの方に利用いただくとともに、それ以上に広く様々な方の金銭的、開発参加、間接サポートなどの支援を受け入れ、閉鎖的な開発を行うよりも多面的で開かれ、スピーディな開発を実現するためでした。
2015年の公開以来、いくつかの利用事例をいただくとともに、有形無形の支援もいただきました。結果、競合商用サービスをも上回る性能を実現し、複数の技術賞を受賞するほど、技術として発展できております。しかしまだまだMaplatは技術もコミュニティも発展途上であり、金銭面だけではなく、開発者やドキュメンテーションその他での間接的支援を含む大きな支援がなければ、自発的に開発が回り発展できる状況からはほど遠く、常に開発が止まる危険性とは隣り合わせの状況にあります。言い換えますと、Maplatから大きな利益を得ておきながら、その利益に見合うだけのリターンをコミュニティに返さない、度を越えたただ乗り利用者=フリーライダーを許せるだけの余裕は、まだMaplatコミュニティにはありません。
しかし今回、Maplatの利用者の中に、それを利用し多くの案件を受注している商用サービスを投入済みでありながら、また単に利用しているだけではなくCode for Historyコミュニティに多くの便宜を能動的に要請し、その支援を受けたにもかかわらず、2年にわたりCode for Historyコミュニティに一切のリターンを返さないという、度を越えたフリーライダー行為を行う団体があらわれました。このオープンソース理念への背信的行為を行う主体に対し、如何なる対処を行うかとても悩みましたが、放置すればCode fot Historyの活動モチベーションも低下し、Maplatの開発が止まる危険性に直面するのみならず、Maplatからいまだ利益を得ていないにもかかわらず支援してくださる純粋な善意の支援者様の厚意を、そのフリーライダーに吸い上げられている構図ともなります。よって状況の放置は支援者様への裏切り行為にもなると考え、やむなく問題が解決するまで一時的にオープンソースライセンスでの提供をを取り下げ、名指しでフリーライダーへの一切の権利提供を認めないライセンスに切り替えました。
影響を受けるライブラリ一覧
* Maplat 0.9.0以降
* MaplatCore 0.9.0以降
* MaplatEditor 0.5.0以降
* MaplatTin 0.8.0以降
* MaplatAndroid 0.7.1以降
* MaplatiOS 0.7.1以降
ライセンスの詳細については各リポジトリに付属されるLISENSEファイルをご確認ください。
利用者への影響
利用条件に制限がついたため、オープンソースを名乗れなくなりましたが、名指しで原因となったフリーライダーを指定してライブラリおよび準拠特許の利用権を認める例外としているため、それ以外の一般の利用者に関しましては、これまでと同様にApache 2.0ライセンス相当の利用条件で、ライブラリおよび準拠特許の利用権が認められます。
今回、当該フリーライダーから利用権をはく奪したために、後付けで同様に利用権をはく奪される危険性を感じる利用者もおられるかもしれませんが、当該フリーライダーは
* 他の利用者と比較して、桁違いにMaplatからの利益を得ている
* 単に利用しているだけではなく、能動的にCode for Historyへの助力要請なども行い、それを享受した
* にもかかわらず、コミュニティからの警告なども無視し、2年の長期にわたり一切の貢献をコミュニティに返していない
という度を越えた悪質性ゆえにやむなく対応したものであり、通常の範囲の利用において、仮にコミュニティへの貢献なく利用されたとしても、即座に同様の対応には至り得ません。
その明言を目的として本プレスリリースも行っておりますので、安心して利用いただければと存じます。
オープンソースの理念について
しかしながら一般論として、やはりオープンソースの理念からは、オープンソース的に提供されている成果物は、一方的に無償で搾取し利用するだけでよいものではなく、皆で支援を持ち寄ってともに育てていくものであろうと考えております。
既に利用者も多く不特定多数に幅広く使われており、それゆえにコミュニティもある程度支援が自動的に集まって、自発的に回っている枯れたオープンソースプロジェクトであれば、多少のフリーライダーの存在は許されるでしょうが、特にまだ成長段階のオープンソースプロジェクトでは、度を越えたフリーライダーの存在はプロジェクトへの致命傷となり得ます。
オープンソースにおける支援とは、単に金銭的なものだけではなく、追加開発した機能のコミュニティへのフィードバックや、バグレポート、追加機能のアイデア提供、利用ドキュメントの整備、画像リソースの描画、多言語化のための翻訳、ブログやSNSなどでの記事の採り上げ等々、ありとあらゆる有形無形の協力活動が支援となり得ます。
ほんのささいなことからで全くかまいませんので、ぜひ今後の利用者の方は、金銭的なものでなくて構いませんので、なにがしかの小さなフィードバックによる貢献をコミュニティにいただければ大変励みになります。
準オープンソース化の経緯
これまでCode for Historyでは、古地図アプリ作成ライブラリのMaplatとそのエディタであるMaplatEditor、座標変換ライブラリであるMaplatTin、UIがなくAPIのみで動作するMaplatCore、モバイルアプリ開発向けのMaplatiOS、MaplatAndroidなどを、すべてオープンソースで公開してまいりました(https://code4history.dev/index_ja.html)。オープンソースとしました理由は、使いやすいライセンスで提供し、広く多くの方に利用いただくとともに、それ以上に広く様々な方の金銭的、開発参加、間接サポートなどの支援を受け入れ、閉鎖的な開発を行うよりも多面的で開かれ、スピーディな開発を実現するためでした。
2015年の公開以来、いくつかの利用事例をいただくとともに、有形無形の支援もいただきました。結果、競合商用サービスをも上回る性能を実現し、複数の技術賞を受賞するほど、技術として発展できております。しかしまだまだMaplatは技術もコミュニティも発展途上であり、金銭面だけではなく、開発者やドキュメンテーションその他での間接的支援を含む大きな支援がなければ、自発的に開発が回り発展できる状況からはほど遠く、常に開発が止まる危険性とは隣り合わせの状況にあります。言い換えますと、Maplatから大きな利益を得ておきながら、その利益に見合うだけのリターンをコミュニティに返さない、度を越えたただ乗り利用者=フリーライダーを許せるだけの余裕は、まだMaplatコミュニティにはありません。
しかし今回、Maplatの利用者の中に、それを利用し多くの案件を受注している商用サービスを投入済みでありながら、また単に利用しているだけではなくCode for Historyコミュニティに多くの便宜を能動的に要請し、その支援を受けたにもかかわらず、2年にわたりCode for Historyコミュニティに一切のリターンを返さないという、度を越えたフリーライダー行為を行う団体があらわれました。このオープンソース理念への背信的行為を行う主体に対し、如何なる対処を行うかとても悩みましたが、放置すればCode fot Historyの活動モチベーションも低下し、Maplatの開発が止まる危険性に直面するのみならず、Maplatからいまだ利益を得ていないにもかかわらず支援してくださる純粋な善意の支援者様の厚意を、そのフリーライダーに吸い上げられている構図ともなります。よって状況の放置は支援者様への裏切り行為にもなると考え、やむなく問題が解決するまで一時的にオープンソースライセンスでの提供をを取り下げ、名指しでフリーライダーへの一切の権利提供を認めないライセンスに切り替えました。
影響を受けるライブラリ一覧
* Maplat 0.9.0以降
* MaplatCore 0.9.0以降
* MaplatEditor 0.5.0以降
* MaplatTin 0.8.0以降
* MaplatAndroid 0.7.1以降
* MaplatiOS 0.7.1以降
ライセンスの詳細については各リポジトリに付属されるLISENSEファイルをご確認ください。
利用者への影響
利用条件に制限がついたため、オープンソースを名乗れなくなりましたが、名指しで原因となったフリーライダーを指定してライブラリおよび準拠特許の利用権を認める例外としているため、それ以外の一般の利用者に関しましては、これまでと同様にApache 2.0ライセンス相当の利用条件で、ライブラリおよび準拠特許の利用権が認められます。
今回、当該フリーライダーから利用権をはく奪したために、後付けで同様に利用権をはく奪される危険性を感じる利用者もおられるかもしれませんが、当該フリーライダーは
* 他の利用者と比較して、桁違いにMaplatからの利益を得ている
* 単に利用しているだけではなく、能動的にCode for Historyへの助力要請なども行い、それを享受した
* にもかかわらず、コミュニティからの警告なども無視し、2年の長期にわたり一切の貢献をコミュニティに返していない
という度を越えた悪質性ゆえにやむなく対応したものであり、通常の範囲の利用において、仮にコミュニティへの貢献なく利用されたとしても、即座に同様の対応には至り得ません。
その明言を目的として本プレスリリースも行っておりますので、安心して利用いただければと存じます。
オープンソースの理念について
しかしながら一般論として、やはりオープンソースの理念からは、オープンソース的に提供されている成果物は、一方的に無償で搾取し利用するだけでよいものではなく、皆で支援を持ち寄ってともに育てていくものであろうと考えております。
既に利用者も多く不特定多数に幅広く使われており、それゆえにコミュニティもある程度支援が自動的に集まって、自発的に回っている枯れたオープンソースプロジェクトであれば、多少のフリーライダーの存在は許されるでしょうが、特にまだ成長段階のオープンソースプロジェクトでは、度を越えたフリーライダーの存在はプロジェクトへの致命傷となり得ます。
オープンソースにおける支援とは、単に金銭的なものだけではなく、追加開発した機能のコミュニティへのフィードバックや、バグレポート、追加機能のアイデア提供、利用ドキュメントの整備、画像リソースの描画、多言語化のための翻訳、ブログやSNSなどでの記事の採り上げ等々、ありとあらゆる有形無形の協力活動が支援となり得ます。
ほんのささいなことからで全くかまいませんので、ぜひ今後の利用者の方は、金銭的なものでなくて構いませんので、なにがしかの小さなフィードバックによる貢献をコミュニティにいただければ大変励みになります。