今こそロシア映画は日本で受け入れられる?ニキータ・ミハルコフ監督版『12人の怒れる男』8月23日より公開
『ナイト・ウォッチ』や『モンゴル』、『チェブラーシカ』『牡牛座〜レーニンの肖像』など続々ロシア映画が公開されている。8月23日よりロシア版『12人の怒れる男』が公開。宣伝担当の西嶋氏に話を聞いた。
世界的大ヒットの『ナイト・ウォッチ』や続編『デイ・ウォッチ』。またセルゲイ・ポドロフ監督、浅野忠信主演でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた歴史大作『モンゴル』、さらには『チェブラーシカ』、『牡牛座〜レーニンの肖像』、『ラフマニノフ ある愛の調べ』などなど、日本でもロシア映画が数多く見られるようになってきた。これまでロシア映画のイメージといえば名匠タルコフスキー監督の『惑星ソラリス』や6時間以上にも及ぶ大作『戦争と平和』など、芸術的で格調高い作品や一方、社会主義のプロパガンダ的な政治色の強い作品など、どちらかといえば硬派で、説教くさく、重いといったイメージが強かった。しかし、近年日本をはじめ世界に配信されるロシア映画はそういった過去のイメージを払拭するようなアメリカナイズされたエンターテイメント性に溢れた作品が目に付く。
8月23日に日比谷のシャンテシネで公開されるニキータ・ミハルコフ監督のリメイク版『12人の怒れる男』の配給宣伝を担当するアニープラネットの西嶋氏に最近のロシア映画についてお話を伺った。
【ロシア映画の復活は為されたか】
西嶋「ロシア映画は以前に比べて、注目が集まりやすくなったという感覚はあります。ただ、アメリカ映画と違ってインフォメーションが入りにくい現状は改善されていない。例えば『ナイト・ウォッチ』のようにロシア国内で歴代興行成績を塗り替えるほど爆発的にヒットした作品であれば違いますが、まだまだ我々の知ることの無い素晴らしい作品が海外で陽の目を見ていないと感じています。作品の質よりも話題性が重視される傾向は広報する側から見れば致し方ない。そういう意味では、『ナイト・ウォッチ』のようなエンターテイメント性のある作品が海外で評価され、ロシア映画への注目が高くなるのは、よい傾向だと思います。また御社(TMUコンサルティング)のようなロシア現地の情報収集力のある日本の会社は配給会社にとって心強い味方ですね」
【ロシア映画の今後について】
西嶋「天然資源を背景にした経済復興と、国営テレビ局や政府の後押しを受け、ロシア映画が大変な力をつけています。監督でも、俳優でも、スター性を持った人物が登場することで、状況は一気に変わると思います。また一たび注目が集まれば、社会主義の時代より、ロシア映画界にはそれを一過性のブームにしないだけのしっかりとした教育水準とバックボーンがありますから。特にロシア映画独特の内省的で登場人物の機微を深く描いたような作品は、現代において希少だと思うんですよね」
【ロシアで評価される北野武】
西嶋「北野武のロシアでの人気は日本のTVでも報道されましたから、ご存知かと思います。映画館の上に北野武の顔を描いた大きな看板が取り付けられ、彼がモスクワで行った特別講義には受講希望者が殺到したとのことです。日本映画といえば、ロシアに限らず海外ではチャンバラ映画だったり、アニメだったりと、かなり偏ったイメージがありましたが、彼の出現で、日本映画の新たな魅力に注目が集まるようになった。逆に、ロシア映画でも日本で同じような現象が起きればいいですね」
【『12人の怒れる男』のみどころは?】
西嶋「もともと今回の『12人の怒れる男』はロシア映画だからというよりも、巨匠ニキータ・ミハルコフがあのハリウッドのスタンダードと呼べる『十二人の怒れる男』のリメイクをしたという話題性、またアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた作品ということで、早くから注目が集まりました。被告人役にチェチェンの若者を据えて、ロシアの直面する社会問題に言及するなど、原作とは一線を画した極めてロシア的な映画になっています。ただ、ロシア的なエッセンスといえば、12人の男達のキャラクターに触れるべきでしょう。彼らは議論好きで、話をしながら自分の考えをまとめるタイプで、雄弁に自分を語る。口角泡を飛ばし相手をなじったかと思えば、舌の根が乾かぬうちに自分の意見を変える、これぞロシア人であり、ミハルコフはそうしたロシア人が持つ滑稽さ、生真面目さのようなものを描きたかったのではないか、そう思えてきますね。面白い作品だと思うので、ぜひ劇場にお越しください」
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社TMUコンサルティング
TEL:03-5545-4564 FAX:03-5545-4563
E-mail info@tmu.co.jp
担当:相馬、堀川、目黒
《関連URL》
http://www.12-movie.com/
http://www.annieplanet.co.jp/
http://www.tmu.co.jp/
8月23日に日比谷のシャンテシネで公開されるニキータ・ミハルコフ監督のリメイク版『12人の怒れる男』の配給宣伝を担当するアニープラネットの西嶋氏に最近のロシア映画についてお話を伺った。
【ロシア映画の復活は為されたか】
西嶋「ロシア映画は以前に比べて、注目が集まりやすくなったという感覚はあります。ただ、アメリカ映画と違ってインフォメーションが入りにくい現状は改善されていない。例えば『ナイト・ウォッチ』のようにロシア国内で歴代興行成績を塗り替えるほど爆発的にヒットした作品であれば違いますが、まだまだ我々の知ることの無い素晴らしい作品が海外で陽の目を見ていないと感じています。作品の質よりも話題性が重視される傾向は広報する側から見れば致し方ない。そういう意味では、『ナイト・ウォッチ』のようなエンターテイメント性のある作品が海外で評価され、ロシア映画への注目が高くなるのは、よい傾向だと思います。また御社(TMUコンサルティング)のようなロシア現地の情報収集力のある日本の会社は配給会社にとって心強い味方ですね」
【ロシア映画の今後について】
西嶋「天然資源を背景にした経済復興と、国営テレビ局や政府の後押しを受け、ロシア映画が大変な力をつけています。監督でも、俳優でも、スター性を持った人物が登場することで、状況は一気に変わると思います。また一たび注目が集まれば、社会主義の時代より、ロシア映画界にはそれを一過性のブームにしないだけのしっかりとした教育水準とバックボーンがありますから。特にロシア映画独特の内省的で登場人物の機微を深く描いたような作品は、現代において希少だと思うんですよね」
【ロシアで評価される北野武】
西嶋「北野武のロシアでの人気は日本のTVでも報道されましたから、ご存知かと思います。映画館の上に北野武の顔を描いた大きな看板が取り付けられ、彼がモスクワで行った特別講義には受講希望者が殺到したとのことです。日本映画といえば、ロシアに限らず海外ではチャンバラ映画だったり、アニメだったりと、かなり偏ったイメージがありましたが、彼の出現で、日本映画の新たな魅力に注目が集まるようになった。逆に、ロシア映画でも日本で同じような現象が起きればいいですね」
【『12人の怒れる男』のみどころは?】
西嶋「もともと今回の『12人の怒れる男』はロシア映画だからというよりも、巨匠ニキータ・ミハルコフがあのハリウッドのスタンダードと呼べる『十二人の怒れる男』のリメイクをしたという話題性、またアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた作品ということで、早くから注目が集まりました。被告人役にチェチェンの若者を据えて、ロシアの直面する社会問題に言及するなど、原作とは一線を画した極めてロシア的な映画になっています。ただ、ロシア的なエッセンスといえば、12人の男達のキャラクターに触れるべきでしょう。彼らは議論好きで、話をしながら自分の考えをまとめるタイプで、雄弁に自分を語る。口角泡を飛ばし相手をなじったかと思えば、舌の根が乾かぬうちに自分の意見を変える、これぞロシア人であり、ミハルコフはそうしたロシア人が持つ滑稽さ、生真面目さのようなものを描きたかったのではないか、そう思えてきますね。面白い作品だと思うので、ぜひ劇場にお越しください」
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社TMUコンサルティング
TEL:03-5545-4564 FAX:03-5545-4563
E-mail info@tmu.co.jp
担当:相馬、堀川、目黒
《関連URL》
http://www.12-movie.com/
http://www.annieplanet.co.jp/
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