【全国発売開始】日本僑報社の最新刊『ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望』
【日本僑報社発】日本僑報社の最新刊『ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望』は、3月下旬〜全国発売された。3月25日、同社は販促の一環として、日本日中関係学会会長で、「宮本賞」審査委員長宮本雄二・元中国大使の「まえがき」を配信した。
【全国発売開始】日本僑報社の最新刊『ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望』
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【日本僑報社発】日本僑報社の最新刊『ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望』は、3月下旬〜全国発売された。3月25日、同社は販促の一環として、日本日中関係学会会長で、「宮本賞」審査委員長宮本雄二・元中国大使の「まえがき」を配信した。
「まえがき」全文は下記の通り。
日本日中関係学会は、2012年から毎年、「宮本賞(学生懸賞論文)」を募集してきました。本書では、2021年度に募集した第10回宮本賞の受賞論文13本中、12本を全文掲載し、皆様にお送りします。
第10回宮本賞では、「学部生の部」で43本、「大学院生の部」で25本、合計68本の応募があり、第9回の69本とほぼ同程度の応募本数となりました。過去最多の87本の応募があった第8回と比べ、応募数は減少傾向を示していますが、一昨年来、収束の兆しを見せないコロナ禍にあっても、宮本賞に応募してくださった皆さんのチャレンジ精神に敬意を表したいと思います。
宮本賞は、「若い世代の皆さんが、日本と中国ないし東アジアの関係に強い関心を持ち、よりよい関係の構築のために大きな力を発揮していただきたい。また日中関係学会の諸活動に積極的にご参加いただき、この地域の世論をリードしていってもらいたい」。そのための「人材発掘・育成」を目的として2012年に設立され、今年、10回目の節目の年を迎えます。論文集の刊行も8冊目となります。
この間を振り返りますと、論文応募総数は543本、受賞作品総数は127本に及びます。論文はチームで作成する場合もありますから、宮本賞の応募者総数は優に600名を超えるでしょう。募集要項では、「論文の最後の部分で、論文内容がこれからの日中関係にどのような意味を持つか、提言も含めて必ず書き入れること」と定めています。よって、これはこの10年間、600名以上の若者たちが、自らの論文作成を通じて真剣に両国の関係を考え、提言を行ってきたということに他なりません。
米中対立の激化などにより、国際情勢はここ数年来、かつて例を見ないほど混迷し、不安定化の様相を呈しています。日中関係も例外ではありません。経済的には互いに大きく依存し合う関係でありながら、1970年代〜80年代の単純な「日中友好ムード」は影を潜めて久しく、軍事面のみならず、経済的な安全保障や、人権などの要素も加わり、事態はますます複雑化していると言ってよいでしょう。
このような時代に、わたしたちはいかにしてより良い両国関係を築いていくことができるのでしょうか。ともすれば、忙しい日常生活の中で、巷にあふれるメディアなどの論調に流され、引っ越しできない大切な隣国同士である日中関係について、深く考える人は残念ながらそう多くはないのではないでしょうか。そのような方たちに、是非、この論文集を手に取っていただきたいと思います。若い世代が、よりよい両国関係構築のために知恵を絞った数々の提言の中に、必ずや貴重な手がかりを発見されることと思います。それと同時に、宮本賞が、若い皆さんに対して、日中関係を真剣に考えるきっかけの一つとなったことに、大きな喜びを感じるものです。
10年間の歩みを別の角度から振り返ってみますと、宮本賞はいわば時代の鏡であり、その時々の若者の目から見た数々の事象を映し出しています。それは、時にはアニメなどの日本文化であったり、また、近年、悪化の傾向を示し続けている対中世論改善に関してであったり、そして、最近では、急速に発展を遂げる中国のシェアリングエコノミーや、ドローンなどの最新テクノロジーなど、様々な分野に亘ります。今回の最優秀作品も、「ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望〜日本からの示唆〜」と、長引くコロナ禍により、旅行業界で新たに普及し始めた「オンラインツアー」が取り上げられています。この意味で、宮本賞は、その時代の日中間のできごとを忠実に映し出す、歴史的価値を持った資料としての役割を担いつつあるのかもしれません。少なくとも、そのような気概を持ちつつ、次回以降の宮本賞へと繋げていきたいと思っております。
募集に際しては、今回も日中の大学の多くの先生方から応募学生のご推薦・ご指導をいただきました。とりわけ日本大学の高久保豊先生、明治大学の郝燕書先生には、ゼミ活動の一環として今回も多くのゼミ生に応募いただきました。上海財経大学の張厚泉先生には、上海を中心とした多くの大学に、応募の働きかけをしていただきました。このほか、日本華人教授会議、NPO中国留学生交流支援・立志会、日中交流研究所などの諸団体からも心強いご支援をいただきました。宮本賞が今日あるのも、皆さまのご協力の賜物であると、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。
次回以降も、皆様方のご協力を得て、よりすばらしい「宮本賞」に発展させていければと願っております。
日本日中関係学会会長・「宮本賞」審査委員長
宮本雄二
【全国発売開始】日本僑報社の最新刊『ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望』
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【日本僑報社発】日本僑報社の最新刊『ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望』は、3月下旬〜全国発売された。3月25日、同社は販促の一環として、日本日中関係学会会長で、「宮本賞」審査委員長宮本雄二・元中国大使の「まえがき」を配信した。
「まえがき」全文は下記の通り。
日本日中関係学会は、2012年から毎年、「宮本賞(学生懸賞論文)」を募集してきました。本書では、2021年度に募集した第10回宮本賞の受賞論文13本中、12本を全文掲載し、皆様にお送りします。
第10回宮本賞では、「学部生の部」で43本、「大学院生の部」で25本、合計68本の応募があり、第9回の69本とほぼ同程度の応募本数となりました。過去最多の87本の応募があった第8回と比べ、応募数は減少傾向を示していますが、一昨年来、収束の兆しを見せないコロナ禍にあっても、宮本賞に応募してくださった皆さんのチャレンジ精神に敬意を表したいと思います。
宮本賞は、「若い世代の皆さんが、日本と中国ないし東アジアの関係に強い関心を持ち、よりよい関係の構築のために大きな力を発揮していただきたい。また日中関係学会の諸活動に積極的にご参加いただき、この地域の世論をリードしていってもらいたい」。そのための「人材発掘・育成」を目的として2012年に設立され、今年、10回目の節目の年を迎えます。論文集の刊行も8冊目となります。
この間を振り返りますと、論文応募総数は543本、受賞作品総数は127本に及びます。論文はチームで作成する場合もありますから、宮本賞の応募者総数は優に600名を超えるでしょう。募集要項では、「論文の最後の部分で、論文内容がこれからの日中関係にどのような意味を持つか、提言も含めて必ず書き入れること」と定めています。よって、これはこの10年間、600名以上の若者たちが、自らの論文作成を通じて真剣に両国の関係を考え、提言を行ってきたということに他なりません。
米中対立の激化などにより、国際情勢はここ数年来、かつて例を見ないほど混迷し、不安定化の様相を呈しています。日中関係も例外ではありません。経済的には互いに大きく依存し合う関係でありながら、1970年代〜80年代の単純な「日中友好ムード」は影を潜めて久しく、軍事面のみならず、経済的な安全保障や、人権などの要素も加わり、事態はますます複雑化していると言ってよいでしょう。
このような時代に、わたしたちはいかにしてより良い両国関係を築いていくことができるのでしょうか。ともすれば、忙しい日常生活の中で、巷にあふれるメディアなどの論調に流され、引っ越しできない大切な隣国同士である日中関係について、深く考える人は残念ながらそう多くはないのではないでしょうか。そのような方たちに、是非、この論文集を手に取っていただきたいと思います。若い世代が、よりよい両国関係構築のために知恵を絞った数々の提言の中に、必ずや貴重な手がかりを発見されることと思います。それと同時に、宮本賞が、若い皆さんに対して、日中関係を真剣に考えるきっかけの一つとなったことに、大きな喜びを感じるものです。
10年間の歩みを別の角度から振り返ってみますと、宮本賞はいわば時代の鏡であり、その時々の若者の目から見た数々の事象を映し出しています。それは、時にはアニメなどの日本文化であったり、また、近年、悪化の傾向を示し続けている対中世論改善に関してであったり、そして、最近では、急速に発展を遂げる中国のシェアリングエコノミーや、ドローンなどの最新テクノロジーなど、様々な分野に亘ります。今回の最優秀作品も、「ポストコロナ時代における中国オンラインツアー産業の現状と展望〜日本からの示唆〜」と、長引くコロナ禍により、旅行業界で新たに普及し始めた「オンラインツアー」が取り上げられています。この意味で、宮本賞は、その時代の日中間のできごとを忠実に映し出す、歴史的価値を持った資料としての役割を担いつつあるのかもしれません。少なくとも、そのような気概を持ちつつ、次回以降の宮本賞へと繋げていきたいと思っております。
募集に際しては、今回も日中の大学の多くの先生方から応募学生のご推薦・ご指導をいただきました。とりわけ日本大学の高久保豊先生、明治大学の郝燕書先生には、ゼミ活動の一環として今回も多くのゼミ生に応募いただきました。上海財経大学の張厚泉先生には、上海を中心とした多くの大学に、応募の働きかけをしていただきました。このほか、日本華人教授会議、NPO中国留学生交流支援・立志会、日中交流研究所などの諸団体からも心強いご支援をいただきました。宮本賞が今日あるのも、皆さまのご協力の賜物であると、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。
次回以降も、皆様方のご協力を得て、よりすばらしい「宮本賞」に発展させていければと願っております。
日本日中関係学会会長・「宮本賞」審査委員長
宮本雄二