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東京・銀座にあるメタボリズムの名建築『中銀カプセルタワービル』を3次元スキャンで記録に残す3Dデジタルアーカイブプロジェクトが始動!

2022年4月12日より解体着工されるメタボリズムの名建築『中銀カプセルタワービル』を文化的価値の記憶として3Dデータで保存するプロジェクトが始動。3次元計測技術で複雑な形状を正確に記録し、黒川紀章氏が設計した建築の価値を後世へ継承していくことを目指します。プロジェクトのクラウドファンディングもスタートしました。https://motion-gallery.net/projects/3dda-nakagin

◆プロジェクト概要
建築や都市のデジタル化を推進してきたgluon(グルーオン)が中心となって、名建築を3次元データで保存する取り組み「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」が始動。
gluonは、これまでにも建築の3Dデジタルアーカイブや、3Dデータを活用した施策づくりを行っており、本プロジェクトでは、これまで空間のデジタル記述で培ってきた3次元計測技術を活用し、デジタルアーカイブとして新たな保存手法の構築と名建築の価値を継承していくことを目指します。
中銀カプセルタワーの記録には、ミリ単位で正確な距離を計測できるレーザースキャンのデータと、一眼レフカメラやドローンによって撮影した2万枚以上の写真データを組み合わせて、建物全体をスキャンすることで、実空間の情報をまるごと3次元データ化します。平面的な写真や図面だけでは記録しきれない複雑な形状や立体的な構造を記録することで、建築形状を正確に把握し、デジタルアーカイブとして後世へ残していきます。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyOTQyNDYjNjIzMjdfZUluaWtYdWlKdy5wbmc.png ]

◆中銀カプセルタワービルについて
東京・銀座の中銀カプセルタワービルは、日本を代表する建築家の黒川紀章氏の設計で1972年に完成。1960年代に日本の建築家・都市計画家のグループによって展開された建築運動「メタボリズム」の思想を体現する建物として世界的に知られています。
しかし、竣工から50年経った建物は、老朽化が進んでおり、2022年4月12日から解体着工が予定されています。


[動画: https://www.youtube.com/watch?v=1ORiH3G6OnE ]


◆クラウドファンディングもスタート。リターンにはNFTも。
3次元計測の費用やデータの制作費を集めるためクラウドファンディングを8月9日まで実施。クラウドファンディングが成立した際には、3次元点群データをオープンソースとしてウェブサイトで無償で公開し、学術研究や新たな創作活動へ繋がる機会を創出します。
クラウドファンディングのリターンには「中銀カプセルのNFT」も用意。NFTをリターンにすることによって、応援を通して活動が盛り上がることで支援者が所有するリターンの価値が上がる可能性もあり、一方通行ではない新しい応援の仕方に繋がります。

【クラウドファンディングページ】https://motion-gallery.net/projects/3dda-nakagin


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyOTQyNDYjNjIzMjdfa1BNYUdyVE90US5wbmc.png ]
◆建築物の3Dデジタルアーカイブについて
ミリ単位で正確な距離を計測できるレーザースキャンのデータと、一眼レフカメラやドローンによって撮影した写真データとを組み合わせて、建物全体をスキャンすることで、実空間の情報をまるごと3次元データ化します。平面的な写真や図面だけでは記録しきれない複雑な形状や構造の立体的な記録に加えて、住人の方々が工夫して暮らす中で改変した軌跡や経年変化した建物の姿をありのままに記録することで、建築形状を正確に把握し、3Dデータとして後世へ残します。

◆なぜ3Dデータで残すのか?
従来、建物の記録には写真や図面による2次元での記録が一般的であったが、建築は3次元の空間であり、建物内に入った感覚や角度によって変化する佇まいは、写真や図面だけでは伝達しきれないこともあります。これまでは3次元のものを2次元で記録するほかなかったが、コンピューターやインターネットの普及によって、記録するメディア形態の選択肢も広がったため、3次元の空間をそのまま3Dデータとして伝送することも可能になりました。
今後もスマートフォンやデバイスの発達により、3Dデータの活用機会は広がっていくと予想されるため、今ある最大限の技術で記録を残しておくことが大切になってきます。

◆これまでの活動
『旧都城市民会館』の3Dデジタルアーカイブプロジェクト


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyOTQyNDYjNjIzMjdfWGdwRll5bVJHWS5qcGc.jpg ]

建築家の菊竹清訓氏設計による『旧都城市民会館』を解体前に3Dデータで保存・記録。レーザースキャンによる計測と、一眼レフカメラやドローンによって撮影した10,000枚以上の写真を組み合わせ、建物の形状だけでなく質感や空気感も記録し、高精細な3Dデータとして保存しました。取得したデータはARやVRをはじめ、物質性を超えたバーチャルな建築として生まれ変わり、バーチャル空間を活用して様々なアクティビティが行われています。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM2MjMyNyMyOTQyNDYjNjIzMjdfaUJsZ0JZUXhnUi5wbmc.png ]

デジタル技術で生まれ変わった名建築
デジタルデータをして保存することで、xR時代における新たな活用方法も広がっている。スマートフォンをかざすことで市民会館が手元に現れるAR(拡張現実)を公開したところ、建物を懐かしむ声をはじめ、現地を訪れることができなかった人や海外に住む人からも反響が寄せられました。

バーチャル市民会館ならではの楽しみ方
実際の建物を訪れたような体験ができるVR(仮想現実)も公開され、VRゴーグルをつければ、360度あらゆる視点で、旧市民会館の内部を見て周ることができます。バーチャルの旧市民会館には、移動が制限されている状況下においても距離や時間を飛び越え、世界中からアクセスすることができます。仮想性と現実性が融合したバーチャル空間に、インターネットを介してコミュニケーションが生まれ、再び市民会館にヒトが集うようになっています。

◆3Dデジタルアーカイブプロジェクトが目指すこと
中銀カプセルタワービルをはじめ、戦後に建てられた近代建築は、竣工から50年以上が経ち、老朽化などから維持が困難になってくる建物も今後増えてくると予想されます。
現代のテクノロジーを使うことで、オルタナティブな手法を提示し、アーカイブとして建物の価値を保存するだけにとどまらず、建物を生きた存在として、今の時代ならではの生かし方、デジタル空間上での活用・楽しみ方を構築していきたいと考えています。

◆3D Digital Archive プロジェクトメンバー
主宰:gluon

企画・監修:
豊田 啓介(東京大学生産技術研究所特任教授 / gluon / noiz)
金田 充弘(東京藝術大学美術学部建築科教授 / gluon / Arup) 
企画・ディレクション:
瀬賀 未久(gluon)

3次元レーザースキャン:
船越 亮(クモノスコーポレーション)
西鼻 恵之(クモノスコーポレーション)
中井 麻友(クモノスコーポレーション)
堀越 脩仁(クモノスコーポレーション)

フォトグラメトリー:
藤原 龍(ホロラボ)
長坂 匡幸(ホロラボ / フリーランス)
松川 元希(ホロラボ)

ドローン測量:
大隣 昭作(福岡大学工学部社会デザイン工学科)

3次元計測:
秋田 亮平(gluon / 東京藝術大学美術学部建築科非常勤講師)
機材協力:
株式会社構造計画研究所

3Dスキャンデータ一部提供:中銀カプセルタワービルA606プロジェクト(藤田康仁[東京工業大学環境・社会理工学院、日本建築学会関東支部建築歴史・意匠専門研究委員会有志])
協力:中銀カプセルタワービルA606プロジェクト
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