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2022年第3四半期の主要東南アジア諸国におけるスマートフォン市場出荷量を発表〜高価格帯スマートフォンの出荷が前年同期比29%増加に〜

カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、高価格帯スマートフォン(400米ドル、日本円で約5.5万円を超える価格帯)の主要東南アジア諸国(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム)への出荷は、2022年第3四半期に前年同期比29%成長したという調査結果を含むSoutheast Asia Monthly Smartphone Channel Share Trackerによる最新調査を発表致しました。

一方で、スマートフォン出荷全体はこの四半期に前年同期比10%減少しています。東南アジアは未だマクロ経済の逆風にさらされており、そのため、企業の景況感も消費者心理も冷えている状況です。また、投資も減速し、一部の国ではFDI(Foreign Direct Investment 海外直接投資)の金額も下がっていることもあり、その結果、主要なスマートフォンメーカーは2022年第4四半期に入る前に必要以上の在庫を抱えるといった状況になった一方で、対照的な存在である高価格帯スマートフォン出荷の前年同期比の急拡大は、このセグメントのターゲット顧客が世間の困難な状況にさほど影響されていないことを示しています。

図1: 主要東南アジア諸国スマートフォン市場出荷・2022年第3四半期、価格帯別


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMDkwOTYjNzc3NDVfWVJRclhmZ1FVcy5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社 Southeast Asia Monthly Smartphone Channel Share Tracker, November 2022

例年なら9月はこの地域で出荷が伸びる月ですが、2022年は消費者心理が冷え込んだままであり、この伸びが限定的なものとなりました。低所得層が経済的な不透明さに未だ引きずられており、結果として低迷する出荷と高止まる在庫とを招いています。

企業ごとに明暗が分かれた2022年第3四半期でもあり、Samsungの出荷は前年同期比で13%減少したものの、Appleの出荷は主要東南アジア諸国の全てで伸び、前年同期比で63%増加しています。特にベトナムでは、周辺の国より速いペースでiPhoneが売れている状況です。

5Gスマートフォンの需要はインドネシアやベトナムなど一部の国ではなかなか伸びていませんが、ネットワークが整備された、ハイテク好きの消費者が多いタイやフィリピンでは普及が速く、通信キャリア各社も、利幅に影響があることは承知の上で、販促パッケージの提供を続けています。

フィリピンのキャリアGlobeなどは5Gインフラを都市部以外にも広げることに意欲的であり、その一方、インドネシアでは5Gのユースケースが鉱山など一部の産業で見いだされ始めたところです。200〜400米ドル(約2.8〜5.5万円)の価格帯が前年同期比73%成長したことは、5Gがほとんどのメーカーにとって基本必須機能になりつつあることを示しています。

図2: 5Gスマートフォン出荷数並びに普及台数・2022年第3四半期


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMDkwOTYjNzc3NDVfcXFqcnZsaU5rWS5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社Southeast Asia Monthly Smartphone Channel Share Tracker, November 2022

東南アジア諸国の経済状況に関して、カウンターポイント社シニアアナリストGlen Cardoza氏は次の通り述べています。
「インドネシア、タイ、フィリピンをはじめ、ほとんどの東南アジアの国々は、生活必需品の物価高騰を抑えるため、2022年第3四半期に金利を上げた。この四半期におけるインフレ率は東南アジア各国の平均5%で、危機的というほどではないものの消費者は肌で痛みを感じている。燃料、輸送、生活必需品の価格が上昇したため消費者の財布の紐は締まり、スマートフォンのような大出費は先延ばしにされている。そんな消費者の大部分は比較的所得の低いブルーカラーである。タイをはじめ多くの国で観光客が減り、コロナ前の経済状況に戻すのに苦戦する中、ベトナムは第3四半期にGDPが13%成長した。各国の状況の差は、そのまま、ここ数か月のスマートフォン出荷数量に表れている。」

メーカー各社は今でも必要以上の旧機種の在庫を抱えており、オフラインとオンラインの両方のチャンネルであらゆる販促ツールを駆使してその在庫を販売しようとしています。8月以降に発売された新機種は、ほとんどが5G対応機種で埋め尽くされ続ける可能性があり、また、オフラインの店舗では、体験型店舗や、決済の利便性向上、下取りキャンペーン、アフターサービスをより充実をさせるなど、様々な施策を推進されると予測しています。SamsungのGalaxy A04やvivoのY02sのようなモデルは、低価格帯スマートフォンの出荷を再び増やす先導役となる必要があり、市場全体が正常に戻るには、この価格帯の回復が必須となるだろうと私たちは考えています。

本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/CountryReport/3485

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2022年7月1日〜2022年9月30日)

【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト:?https://www.counterpointresearch.com/
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