忘れることは脳の欠点?それとも能力!?慶應義塾大学医学部教授 河瀬斌氏が、脳とコンピュータの違いを脳神経外科医の視点から解説します!
BRBメディカルサロンは10月30日、『「脳」と「コンピュータ」はどちらが上?』をテーマにセミナーを開催致しました。脳とコンピュータの違いからコンピュータにはない脳の機能など、いつもの医療セミナーとは違った切り口で解説頂きました。
■脳とコンピュータの構造の違い
脳には1400億個の神経細胞があり、コンピュータには集積回路(増設可)があります。伝達方法は、脳は、脳の細胞体から電流が軸策へ伝わり、神経細胞から神経細胞へシナプス(神経伝達物質)を介して伝達します。コンピュータは電流のみで伝達されます。基盤は、脳はグリア細胞と血管、コンピュータはシリコンやセラミックで、両者の構造は大きく違います。
情報の処理速度は、コンピュータが速く、脳はコンピュータにはかないません。脳の処理速度が遅いのは、伝達方法の違いからです。脳の場合、神経細胞に色々なところから情報が入り、脳はたくさん伝えることがあるので神経細胞の判断が複雑で、情報処理に時間がかかります。
■脳は、コンピュータより劣っているか?
記憶や計算することは、脳はコンピュータにはかないませんが、形を見分けるといったパターン認識は、脳は非常に発達しています。会話をすることや運動を指令することは脳がコンピュータより上です。運動を施行錯誤しながら、大脳から小脳へ運動パターンを伝送しています。また、脳は繰り返し学習することで、シナプスを増やし、記憶を更新しています。記憶は“海馬”でなされています。
■「忘れる」・・・脳の欠点?
「忘れる」ことはコンピュータにはない脳の特徴です。脳の記憶容量は、10テラバイト(DVD1176枚分)。コンピュータはメモリーがいっぱいになるとダウンしてしまいますが、人間の記憶がいっぱいになると、病気になるか死ぬしかなくなってしまうでしょう。そうなると困るので、人間は忘れる。「脳には忘れる能力がある」のです。
■脳の忘れる能力と若さの秘訣!
脳の記憶には、一時記憶(RAM)と長期記憶(ROM)があります。忘れても良いことは一時記憶にとどめておき、インパクトや利用率が低いとシナプスが減って一時記憶を自動消去し、限られた神経細胞の有用活用をしています。忘れないとうつ病や精神病になるので、つまらないことは忘れることです。忘れることは必ずしも悪いことではありません。忘れない為には、エピソードと一緒に、身体を動かしながら、イメージを作って、声を出しながら・歌いながらなど連合野を活用して覚えるとよいです。
また、若さを保つ秘訣は、運動をする、意欲、興味を持つ、会話、音楽など、頭を良く使い、気持ちのよい脳の使い方をすることが大切です。
■コンピュータにはない機能は?
やる気を起こす、創作することはコンピュータにはない脳に特有の機能です。泣いたり怒ったりするというコンピュータにはない人間の感情が起こるのは、脳内ホルモン(神経伝達物質)があるからです。ドーパミンは快楽、ノルアドレナリンはやる気がおきる・注意が行き届く、反対にセロトニンはリラックスし落着き安定する。幸せと思うのは、海馬の内側(視床下部)から脳内ホルモンがたくさん出るからで、幸せな感情は人間特有のものであり、それは前頭葉が発達しているからです。
■脳とコンピュータはどちらが上?
エネルギー効率、耐久性(脳は90年間使えるように出来ている)、自力修理能力は、脳のほうがコンピュータより優れているので、まだ人間の脳はコンピュータより上です。
■人間の脳とコンピュータはどちらが社会に役立つか?
現在は、ある面ではコンピュータです。インターネットで世界中のコンピュータが結ばれるようになりました。人間も言語を超えて、国際的に世界中が仲良くなればインターネットと同じになるのではないでしょうか。しかし、人間は戦争や人種差別があるのでインターネットのようにはなりません。人間も仲良くして全体を集め、スーパーコンピュータのようになるのが一番人類にとって良いことだと思います。社会に役立つ脳を作ることがこれからの課題です。
※記事の文責はBRBメディカルサロンにあります。
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《関連URL》
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/ns/
http://www.brb.co.jp/medical
http://www.brb.co.jp/medical/shittoku/digest.html
脳には1400億個の神経細胞があり、コンピュータには集積回路(増設可)があります。伝達方法は、脳は、脳の細胞体から電流が軸策へ伝わり、神経細胞から神経細胞へシナプス(神経伝達物質)を介して伝達します。コンピュータは電流のみで伝達されます。基盤は、脳はグリア細胞と血管、コンピュータはシリコンやセラミックで、両者の構造は大きく違います。
情報の処理速度は、コンピュータが速く、脳はコンピュータにはかないません。脳の処理速度が遅いのは、伝達方法の違いからです。脳の場合、神経細胞に色々なところから情報が入り、脳はたくさん伝えることがあるので神経細胞の判断が複雑で、情報処理に時間がかかります。
■脳は、コンピュータより劣っているか?
記憶や計算することは、脳はコンピュータにはかないませんが、形を見分けるといったパターン認識は、脳は非常に発達しています。会話をすることや運動を指令することは脳がコンピュータより上です。運動を施行錯誤しながら、大脳から小脳へ運動パターンを伝送しています。また、脳は繰り返し学習することで、シナプスを増やし、記憶を更新しています。記憶は“海馬”でなされています。
■「忘れる」・・・脳の欠点?
「忘れる」ことはコンピュータにはない脳の特徴です。脳の記憶容量は、10テラバイト(DVD1176枚分)。コンピュータはメモリーがいっぱいになるとダウンしてしまいますが、人間の記憶がいっぱいになると、病気になるか死ぬしかなくなってしまうでしょう。そうなると困るので、人間は忘れる。「脳には忘れる能力がある」のです。
■脳の忘れる能力と若さの秘訣!
脳の記憶には、一時記憶(RAM)と長期記憶(ROM)があります。忘れても良いことは一時記憶にとどめておき、インパクトや利用率が低いとシナプスが減って一時記憶を自動消去し、限られた神経細胞の有用活用をしています。忘れないとうつ病や精神病になるので、つまらないことは忘れることです。忘れることは必ずしも悪いことではありません。忘れない為には、エピソードと一緒に、身体を動かしながら、イメージを作って、声を出しながら・歌いながらなど連合野を活用して覚えるとよいです。
また、若さを保つ秘訣は、運動をする、意欲、興味を持つ、会話、音楽など、頭を良く使い、気持ちのよい脳の使い方をすることが大切です。
■コンピュータにはない機能は?
やる気を起こす、創作することはコンピュータにはない脳に特有の機能です。泣いたり怒ったりするというコンピュータにはない人間の感情が起こるのは、脳内ホルモン(神経伝達物質)があるからです。ドーパミンは快楽、ノルアドレナリンはやる気がおきる・注意が行き届く、反対にセロトニンはリラックスし落着き安定する。幸せと思うのは、海馬の内側(視床下部)から脳内ホルモンがたくさん出るからで、幸せな感情は人間特有のものであり、それは前頭葉が発達しているからです。
■脳とコンピュータはどちらが上?
エネルギー効率、耐久性(脳は90年間使えるように出来ている)、自力修理能力は、脳のほうがコンピュータより優れているので、まだ人間の脳はコンピュータより上です。
■人間の脳とコンピュータはどちらが社会に役立つか?
現在は、ある面ではコンピュータです。インターネットで世界中のコンピュータが結ばれるようになりました。人間も言語を超えて、国際的に世界中が仲良くなればインターネットと同じになるのではないでしょうか。しかし、人間は戦争や人種差別があるのでインターネットのようにはなりません。人間も仲良くして全体を集め、スーパーコンピュータのようになるのが一番人類にとって良いことだと思います。社会に役立つ脳を作ることがこれからの課題です。
※記事の文責はBRBメディカルサロンにあります。
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