高電圧直流給電システム用コンセントバーと電源プラグの開発 *地球環境に優しい次世代の直流給電システムの普及促進に向けて*
NTTファシリティーズと富士通コンポーネントは、地球環境に優しい次世代の電力供給方式として期待されている高電圧直流給電システム(DC400V程度)に対応したコンセントバーと電源プラグを開発しました。
株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 森 勇)と富士通コンポーネント株式会社(代表取締役社長 松村 信威)は、地球環境に優しい次世代の電力供給方式として期待されている高電圧直流給電システム(DC400V程度)に対応したコンセントバーと電源プラグを開発しました。
本装置は、高電圧直流給電システムにおけるICT機器の運用作業に必須となる安全性と簡易性を確保したコンセントバーと電源プラグで、実用化への技術的問題であった直流電源回路の開閉路のアーク放電(注1)と人体への安全面を解決するものです。
今後、NTTファシリティーズはNTTグループとして推進している「直流給電推進の取り組み方針」(注2) と歩調をあわせ、高電圧直流給電システムのキーデバイスとして実証試験を踏まえて、2010年までに商品化を進めます。
1.開発の背景
直流給電システムは、交流給電システムと比較して、給電システムの高信頼化、省エネ化を実現するソリューションとして、期待されています。近年、国内外で注目を集めている高電圧直流給電システムは、従来のDC48Vと比較して、高効率性、省スペース性、高信頼性のさらなる向上を図ることができます。
高電圧直流給電システムの普及にあたっては、電源装置からICT装置までトータルのソリューションが必要です。今回開発した高電圧用コンセントバーと電源プラグは、電源とICT機器とを安全にかつ確実に接続する上で重要な装置であり、国内外の企業からの多くの要望を受けていました。
例えば、AC100Vでは、負荷機器の使用/未使用にも関らず常にコンセント両端子間には電圧が印加(注3)されている状態であり、端子間の微少な隙間から湿気や埃が付着し、非常に稀ではありますが、漏電や絶縁破壊などのトラブルを引き起こす原因となっていました。高電圧直流方式では従来のAC100V以上に感電防止等の安全性を確保すること、及びプラグ挿抜時に発生するアーク防止が必須かつ最優先であることから、活線部が露出せず、かつアークをより高速に遮断する構造・機構を検討し、本装置を開発しました。
本装置の開発により、高電圧直流給電システムの普及・標準化の促進が期待できます。
2.高電圧直流給電システム用コンセントバーと電源プラグの特徴
2-1.コンセント挿入時の安全性
機械式接点をコンセントに内蔵しており、不使用状態では、コンセント端子間に電圧が発生しないので安全です。ICT機器などを使用する場合は、電源プラグがコンセントと接続された後、機械的スイッチをON側にスライドさせて接点を内部で閉じる構造であるため、作業者・保守者は完全な無電圧で挿抜作業が可能となり、従来のAC100VやAC200Vに比べても安全性を高めることができます。また、電源プラグにフールプルーフ(注4)(うっかりミスよけ)の構造も有しており、誤挿入の防止やコードの引っ掛けによる不用意な抜け防止を図っています。
2-2.アークの除去
コンセントから電源プラグを引き抜く場合は、機械的スイッチをOFF側にスライドすることで、高密度磁力を応用したアーク遮断モジュールによって強制的にアークを消弧する安全機構を内蔵しています。
2-3.省エネ性・高信頼性
半導体や複雑な機械機構を用いていないため、本コンセント内部での消費電力はほとんど無く極めて省エネであるとともに、少ない部品点数のため安価で、高い信頼性を実現しています。
図1 コンセントバー外観
図2 コンセントバー外観(電源プラグ装着状態時)
図3 電源プラグ外観(機械的スイッチ非動作時)
図4 電源プラグ外観(機械的スイッチ動作時)
3.今後の展開
本装置の実証試験を実施し、安全性、コンセント挿抜の容易性、長期安定性の確認を行います。
NTTファシリティーズと富士通コンポーネントは、ICT分野以外にマイクログリッド、自然エネルギー分野、ビル民生用としての利用拡大の検討、標準化に向けて取り組んでいきます。
さらに、富士通コンポーネントは、リレー、コネクタなどの接続部品、キーボード、サーマルプリンタ、タッチパネルやKVMスイッチなどのシステム部品においても、低消費電力化はもちろんのこと地球温暖化防止やかけがえのない地球環境を後世に残す持続可能型社会にコンポーネントソリューションにて貢献してまいります。
【参考】
(株)NTTファシリティーズ
100年に及ぶわが国の電気通信の歩みをサポートした経験と実績をもとに、「IT」「エネルギー・電力」「環境・建築」の3つの分野を融合した総合エンジニアリング・サービスを提供しています。本分野でのリーディングカンパニー。
http://www.ntt-f.co.jp/
富士通コンポーネント(株)
リレー、コネクタなどの接続部品、キーボード等の入出力部品並びに各種電子部品、電気応用機器等の製造販売を行っています。本分野でのリーディングカンパニー。
http://www.fcl.fujitsu.com/
【用語解説】
注1 アーク放電について
一定以上の電圧がかかることにより、電極間に持続的に発生する放電の一種
注2 NTTグループの「直流給電推進の取組み方針」について
地球温暖化防止活動の一環として、NTTグループは省エネルギーに貢献できる直流給電の導入・普及に向けた施策を推進するとともに、新規技術(高電圧直流給電技術)の開発着手することを内容とする報道発表。
(関連HPのURL:http://www.ntt.co.jp/news/news08/0806/080605a.html)
注3 印加について
電圧を与えることの意味。
注4 フールプルーフ(Fool Proof)について
使用者が誤った操作をしても危険な状況を招かないように、もしくは誤った操作をさせないように、配慮して設計されていることの意味。
【本件に関するお問い合わせ先】
(株)NTTファシリティーズ
研究開発部 パワーシステム部門 TEL : 03-5907-6328
営業本部 ソリューション営業部 TEL : 03-5444-5214
総務部 広報室 TEL : 03-5444-5112
富士通コンポーネント(株)
マーケティング本部 マーコム課 TEL:03-5449-7018
《関連URL》
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei19/h19-1220_02.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei20/h20-0416.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei21/h21-0122.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei21/h21-0126.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei21/h21-0128.html
本装置は、高電圧直流給電システムにおけるICT機器の運用作業に必須となる安全性と簡易性を確保したコンセントバーと電源プラグで、実用化への技術的問題であった直流電源回路の開閉路のアーク放電(注1)と人体への安全面を解決するものです。
今後、NTTファシリティーズはNTTグループとして推進している「直流給電推進の取り組み方針」(注2) と歩調をあわせ、高電圧直流給電システムのキーデバイスとして実証試験を踏まえて、2010年までに商品化を進めます。
1.開発の背景
直流給電システムは、交流給電システムと比較して、給電システムの高信頼化、省エネ化を実現するソリューションとして、期待されています。近年、国内外で注目を集めている高電圧直流給電システムは、従来のDC48Vと比較して、高効率性、省スペース性、高信頼性のさらなる向上を図ることができます。
高電圧直流給電システムの普及にあたっては、電源装置からICT装置までトータルのソリューションが必要です。今回開発した高電圧用コンセントバーと電源プラグは、電源とICT機器とを安全にかつ確実に接続する上で重要な装置であり、国内外の企業からの多くの要望を受けていました。
例えば、AC100Vでは、負荷機器の使用/未使用にも関らず常にコンセント両端子間には電圧が印加(注3)されている状態であり、端子間の微少な隙間から湿気や埃が付着し、非常に稀ではありますが、漏電や絶縁破壊などのトラブルを引き起こす原因となっていました。高電圧直流方式では従来のAC100V以上に感電防止等の安全性を確保すること、及びプラグ挿抜時に発生するアーク防止が必須かつ最優先であることから、活線部が露出せず、かつアークをより高速に遮断する構造・機構を検討し、本装置を開発しました。
本装置の開発により、高電圧直流給電システムの普及・標準化の促進が期待できます。
2.高電圧直流給電システム用コンセントバーと電源プラグの特徴
2-1.コンセント挿入時の安全性
機械式接点をコンセントに内蔵しており、不使用状態では、コンセント端子間に電圧が発生しないので安全です。ICT機器などを使用する場合は、電源プラグがコンセントと接続された後、機械的スイッチをON側にスライドさせて接点を内部で閉じる構造であるため、作業者・保守者は完全な無電圧で挿抜作業が可能となり、従来のAC100VやAC200Vに比べても安全性を高めることができます。また、電源プラグにフールプルーフ(注4)(うっかりミスよけ)の構造も有しており、誤挿入の防止やコードの引っ掛けによる不用意な抜け防止を図っています。
2-2.アークの除去
コンセントから電源プラグを引き抜く場合は、機械的スイッチをOFF側にスライドすることで、高密度磁力を応用したアーク遮断モジュールによって強制的にアークを消弧する安全機構を内蔵しています。
2-3.省エネ性・高信頼性
半導体や複雑な機械機構を用いていないため、本コンセント内部での消費電力はほとんど無く極めて省エネであるとともに、少ない部品点数のため安価で、高い信頼性を実現しています。
図1 コンセントバー外観
図2 コンセントバー外観(電源プラグ装着状態時)
図3 電源プラグ外観(機械的スイッチ非動作時)
図4 電源プラグ外観(機械的スイッチ動作時)
3.今後の展開
本装置の実証試験を実施し、安全性、コンセント挿抜の容易性、長期安定性の確認を行います。
NTTファシリティーズと富士通コンポーネントは、ICT分野以外にマイクログリッド、自然エネルギー分野、ビル民生用としての利用拡大の検討、標準化に向けて取り組んでいきます。
さらに、富士通コンポーネントは、リレー、コネクタなどの接続部品、キーボード、サーマルプリンタ、タッチパネルやKVMスイッチなどのシステム部品においても、低消費電力化はもちろんのこと地球温暖化防止やかけがえのない地球環境を後世に残す持続可能型社会にコンポーネントソリューションにて貢献してまいります。
【参考】
(株)NTTファシリティーズ
100年に及ぶわが国の電気通信の歩みをサポートした経験と実績をもとに、「IT」「エネルギー・電力」「環境・建築」の3つの分野を融合した総合エンジニアリング・サービスを提供しています。本分野でのリーディングカンパニー。
http://www.ntt-f.co.jp/
富士通コンポーネント(株)
リレー、コネクタなどの接続部品、キーボード等の入出力部品並びに各種電子部品、電気応用機器等の製造販売を行っています。本分野でのリーディングカンパニー。
http://www.fcl.fujitsu.com/
【用語解説】
注1 アーク放電について
一定以上の電圧がかかることにより、電極間に持続的に発生する放電の一種
注2 NTTグループの「直流給電推進の取組み方針」について
地球温暖化防止活動の一環として、NTTグループは省エネルギーに貢献できる直流給電の導入・普及に向けた施策を推進するとともに、新規技術(高電圧直流給電技術)の開発着手することを内容とする報道発表。
(関連HPのURL:http://www.ntt.co.jp/news/news08/0806/080605a.html)
注3 印加について
電圧を与えることの意味。
注4 フールプルーフ(Fool Proof)について
使用者が誤った操作をしても危険な状況を招かないように、もしくは誤った操作をさせないように、配慮して設計されていることの意味。
【本件に関するお問い合わせ先】
(株)NTTファシリティーズ
研究開発部 パワーシステム部門 TEL : 03-5907-6328
営業本部 ソリューション営業部 TEL : 03-5444-5214
総務部 広報室 TEL : 03-5444-5112
富士通コンポーネント(株)
マーケティング本部 マーコム課 TEL:03-5449-7018
《関連URL》
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei19/h19-1220_02.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei20/h20-0416.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei21/h21-0122.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei21/h21-0126.html
http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei21/h21-0128.html