2009年「旅行・観光分野の国別ブランド評価ランキング」発表 日本は総合評価で7位 カテゴリー別では、16分野でトップ10入り。内6分野で1位獲得 総合評価1位は、3年連続首位のオーストラリアを押さえ、アメリカが初めて獲得
旅行・観光分野における国別ブランド評価で日本は総合評価7位
ブランドコンサルティング会社のフューチャーブランド(本社:米国ニューヨーク)とPRコンサルティング会社のウェーバー・シャンドウィック・ワールドワイド(本社:米国ニューヨーク)は、本日11月6日、2009年の 旅行・観光分野における国別ブランド評価「Country Brand Index 2009 (CBI)」を発表しました。本調査は今回で5回目になります。
総合評価1位は、これまで3年連続首位を維持してきたオーストラリアを抑え、アメリカが初めて獲得しました。2位は、昨年に引き続きカナダ、オーストラリアは3位でした。
日本は、昨年の9位から2ポイント順位を上げて7位でした。29のカテゴリー別評価では、16カテゴリーでトップ10に入り、その内、「最先端技術」「製品・サービス」「ナイトライフ」「ビジネスを立ち上げたい国」「会議開催」「独自性」の6つのカテゴリーで1位を獲得しました。また、他の10カテゴリーについても、9カテゴリーで昨年より順位を上げており(他は昨年と同位)、「環境」は初めてトップ10にランクインしました。
CBIは、9カ国(注-1)の約3,000人の海外旅行経験者(注-2)を対象としたインターネット調査と、世界の観光・旅行市場の統計、海外旅行の専門家(注-3)の意見に基づいて、旅行・観光における国のブランド力を包括的に評価するものです。今回は、対象国を78カ国から102カ国に拡大。調査結果は、総合評価、29のカテゴリー別のランキング、旅行の動機づけとなる要因やトレンドに加え、トップ10カ国の強み・弱み分析、次のトップ10入りを狙う国々の動向、経済的・政治的視点から見たカントリー・ブランディングの意義、企業やスポーツイベントとブランディングの関係にも詳細に考察しています。また、You TubeやTwitter、ブログなどのオンラインメディアが旅行者の動機付け、行動に与える影響についても言及しています。
今後の注目される市場トレンドとしては、安価で付加価値の高い旅行や、インターネットの普及による旅行計画の二極化、デスティネーション(旅行先)の独自性に焦点を当て、解説しています。
(注-1) アメリカ、イギリス、中国、オーストラリア、日本、ブラジル、アラブ首長国連邦、ドイツ、ロシア
(注-2)
1年に1回以上海外を旅行する、世界9カ国の21歳から65歳の男女。余暇の旅行者とビジネス旅行者の両方を含む
(注-3)
世界で活躍する47人の旅行・観光産業のライター、編集者、アナリストなど
旅行・観光市場において注目すべきトレンド
旅行商品選択に”お得感”が主導
世界的な景気の停滞は、消費者の旅行の選択行動に、経済的な観点が大きな影響を及ぼす状況を生みだしました。消費者は、旅行のタイプに関係なく、“お得”な商品や“お得感”を求めるようになりました。消費者は金融アナリストのように商品を吟味し・選択するようになっており、旅行商品の購入は、“投資行為”の様相を呈しています。このような傾向は、リセッション以降持続しています。
最新テクノロジーで、消費者の旅行動に変化
旅行期日直前の割引商品が大量に出回り、インターネットの予約サイトの普及により即時予約が可能になりました。このことによって、思い立った時に即座に行ける旅行を好む消費者と、綿密に組み立てられた旅行を好み、事前に吟味・計画した商品を選ぶ消費者の二極化が進んでいます。車での旅の考え方も変化しています。GPSや携帯電話で、時、場所を問わず必要な情報が入手できることから、予約なしの“行き当たりばったり”のドライブ旅行が可能になりました。
今後注目の場所、トレンド
旅行先の独自性が、消費者の旅行の選択行動に、重要な役割を占めていることはよく知られています。 しかし、独自性に対する消費者の評価や受け止め方は一様ではありません。そこに、人気のあるデスティネーションがある一方で、新しい旅の楽しみ方を提案しても、独自性がないと評価されてしまうところがある理由があります。今後の注目すべき要素として、以下の4点が挙げられます。
・人工的な観光都市としての魅力づくり
パリ、ローマ、ロンドンなどの従来の代表的な観光都市は、歴史的な建造物や文化遺産を礎に発展してきました。しかし、今後発展が期待されるのは、観光都市として“意識的”に開発される場所かもしれません。政府や企業は、旅行客や投資家を引き付けるために、インフラの整備や新しいアトラクションの建設、ブランドの確立に着手しており、アラブ首長国連邦のパーム・アイランドや、カタールのイスラム芸術ミュージアムなど、“人工的”につくられた観光名所が、その可能性を示しています。
・“本物らしい”体験、本物と“間接的な触れ合い”体験
手間や費用をかけずに本格的な旅を楽しみたい人々に、本物を模倣した施設やサービスで、疑似体験ができるホテルやツアーが人気です。バハマの「アトランティス・パラダイス・アイランド」に人工的に造られたマヤの神殿や、「ベネチアン・ラスベガス」でのゴンドラの舟遊びなどがその一例です。一方、本物がある現地においては、南アフリカのモロリ・サファリ・ロッジのように、5つ星の設備が整った豪華なテントに泊まり、専門ガイドの野生動物の解説や、移動時の車からの景色を通じて、本物に“間接的”に触れる旅行が支持されています。
・今後注目のデスティネーション
観光地化されていない国や都市は、新しい旅行先を探している消費者には常に注目の的です。クロアチアやタイなどは、以前は未開のスポットの上位にランクされていましたが、アクセスが良くなり、“旅通”の間で人気になりました。今後は、ガーナ、アゼルバイジャン、バルカン諸国などが注目されると考えられます。
・文明の発祥地
世界有数の歴史的スポットの多くは、社会的混乱に直面しており、旅行者にとっては危険な場所になっています。しかし、イラクの肥沃な三日月地帯やパキスタンのインダスバレー、現在のマリ共和国とニジェール共和国にあるマリ・ソンガイ古代王国などは、治安が向上すれば旅行者は激増すると考えられます。
今後注目のデスティネーショントップ3
1位:アラブ首長国連邦、2位:中国、3位:ベトナム
これら3カ国は、今後5年間で飛躍的に観光客が増加すると考えられます。
本リリースについてのお問い合わせ先
野中将司、藤本朋子
ウェーバー・シャンドウィック・ワールドワイド
03-5427-7370/7373
総合評価1位は、これまで3年連続首位を維持してきたオーストラリアを抑え、アメリカが初めて獲得しました。2位は、昨年に引き続きカナダ、オーストラリアは3位でした。
日本は、昨年の9位から2ポイント順位を上げて7位でした。29のカテゴリー別評価では、16カテゴリーでトップ10に入り、その内、「最先端技術」「製品・サービス」「ナイトライフ」「ビジネスを立ち上げたい国」「会議開催」「独自性」の6つのカテゴリーで1位を獲得しました。また、他の10カテゴリーについても、9カテゴリーで昨年より順位を上げており(他は昨年と同位)、「環境」は初めてトップ10にランクインしました。
CBIは、9カ国(注-1)の約3,000人の海外旅行経験者(注-2)を対象としたインターネット調査と、世界の観光・旅行市場の統計、海外旅行の専門家(注-3)の意見に基づいて、旅行・観光における国のブランド力を包括的に評価するものです。今回は、対象国を78カ国から102カ国に拡大。調査結果は、総合評価、29のカテゴリー別のランキング、旅行の動機づけとなる要因やトレンドに加え、トップ10カ国の強み・弱み分析、次のトップ10入りを狙う国々の動向、経済的・政治的視点から見たカントリー・ブランディングの意義、企業やスポーツイベントとブランディングの関係にも詳細に考察しています。また、You TubeやTwitter、ブログなどのオンラインメディアが旅行者の動機付け、行動に与える影響についても言及しています。
今後の注目される市場トレンドとしては、安価で付加価値の高い旅行や、インターネットの普及による旅行計画の二極化、デスティネーション(旅行先)の独自性に焦点を当て、解説しています。
(注-1) アメリカ、イギリス、中国、オーストラリア、日本、ブラジル、アラブ首長国連邦、ドイツ、ロシア
(注-2)
1年に1回以上海外を旅行する、世界9カ国の21歳から65歳の男女。余暇の旅行者とビジネス旅行者の両方を含む
(注-3)
世界で活躍する47人の旅行・観光産業のライター、編集者、アナリストなど
旅行・観光市場において注目すべきトレンド
旅行商品選択に”お得感”が主導
世界的な景気の停滞は、消費者の旅行の選択行動に、経済的な観点が大きな影響を及ぼす状況を生みだしました。消費者は、旅行のタイプに関係なく、“お得”な商品や“お得感”を求めるようになりました。消費者は金融アナリストのように商品を吟味し・選択するようになっており、旅行商品の購入は、“投資行為”の様相を呈しています。このような傾向は、リセッション以降持続しています。
最新テクノロジーで、消費者の旅行動に変化
旅行期日直前の割引商品が大量に出回り、インターネットの予約サイトの普及により即時予約が可能になりました。このことによって、思い立った時に即座に行ける旅行を好む消費者と、綿密に組み立てられた旅行を好み、事前に吟味・計画した商品を選ぶ消費者の二極化が進んでいます。車での旅の考え方も変化しています。GPSや携帯電話で、時、場所を問わず必要な情報が入手できることから、予約なしの“行き当たりばったり”のドライブ旅行が可能になりました。
今後注目の場所、トレンド
旅行先の独自性が、消費者の旅行の選択行動に、重要な役割を占めていることはよく知られています。 しかし、独自性に対する消費者の評価や受け止め方は一様ではありません。そこに、人気のあるデスティネーションがある一方で、新しい旅の楽しみ方を提案しても、独自性がないと評価されてしまうところがある理由があります。今後の注目すべき要素として、以下の4点が挙げられます。
・人工的な観光都市としての魅力づくり
パリ、ローマ、ロンドンなどの従来の代表的な観光都市は、歴史的な建造物や文化遺産を礎に発展してきました。しかし、今後発展が期待されるのは、観光都市として“意識的”に開発される場所かもしれません。政府や企業は、旅行客や投資家を引き付けるために、インフラの整備や新しいアトラクションの建設、ブランドの確立に着手しており、アラブ首長国連邦のパーム・アイランドや、カタールのイスラム芸術ミュージアムなど、“人工的”につくられた観光名所が、その可能性を示しています。
・“本物らしい”体験、本物と“間接的な触れ合い”体験
手間や費用をかけずに本格的な旅を楽しみたい人々に、本物を模倣した施設やサービスで、疑似体験ができるホテルやツアーが人気です。バハマの「アトランティス・パラダイス・アイランド」に人工的に造られたマヤの神殿や、「ベネチアン・ラスベガス」でのゴンドラの舟遊びなどがその一例です。一方、本物がある現地においては、南アフリカのモロリ・サファリ・ロッジのように、5つ星の設備が整った豪華なテントに泊まり、専門ガイドの野生動物の解説や、移動時の車からの景色を通じて、本物に“間接的”に触れる旅行が支持されています。
・今後注目のデスティネーション
観光地化されていない国や都市は、新しい旅行先を探している消費者には常に注目の的です。クロアチアやタイなどは、以前は未開のスポットの上位にランクされていましたが、アクセスが良くなり、“旅通”の間で人気になりました。今後は、ガーナ、アゼルバイジャン、バルカン諸国などが注目されると考えられます。
・文明の発祥地
世界有数の歴史的スポットの多くは、社会的混乱に直面しており、旅行者にとっては危険な場所になっています。しかし、イラクの肥沃な三日月地帯やパキスタンのインダスバレー、現在のマリ共和国とニジェール共和国にあるマリ・ソンガイ古代王国などは、治安が向上すれば旅行者は激増すると考えられます。
今後注目のデスティネーショントップ3
1位:アラブ首長国連邦、2位:中国、3位:ベトナム
これら3カ国は、今後5年間で飛躍的に観光客が増加すると考えられます。
本リリースについてのお問い合わせ先
野中将司、藤本朋子
ウェーバー・シャンドウィック・ワールドワイド
03-5427-7370/7373