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連合『ワーキングプア(年収200万円以下)層の生活・意識調査』を発表

連合(日本労働組合総連合会)は、社会的に最低賃金の在り方を考える契機となるよう、モバイルリサーチにより、2011年06月28日〜07月08日の11日間において実施し、1000名(調査対象者:個人年収が200万円以下で、家計の1割以上を負担している20歳〜59歳の男女)の有効サンプルを集計しました。
「ワーキングプア(年収200万円以下)層の生活・意識調査」

◆仕事の大変さ『大変』が8割、仕事の満足度『不満』が4割

 個人年収が200万円以下で、家計の1割以上を負担している20歳〜59歳の男女(男性500名、女性500名、計1,000名)に、日頃の勤務状況として1週間の勤務日数、1日の勤務時間を聞いたところ、1週間の勤務日数では「週6日」19.7%、「週5日」56.6%、「週4日」11.1%となり、平均は週4.8日となり、1日の勤務時間では「5時間」11.9%、「6時間」12.8%、「7時間」14.0%、「8時間」34.5%となり、平均は7.0時間となりました。

 また、仕事に対する気持ちとして、仕事の大変さ、仕事に対する満足度を聞いたところ、仕事の大変さでは『大変(計)』は79.6%(「大変である」26.2%と「どちらかといえば大変」53.4%の合計)と8割となり、『楽(計)』は20.4%(「楽である」2.1%と「どちらかといえば楽」18.3%の合計)と2割となりました。仕事の満足度では『満足(計)』は59.4%(「満足」13.0%と「どちらかといえば満足」46.4%の合計)と6割となり、『不満(計)』は40.6%(「不満」8.4%と「どちらかといえば不満」32.2%の合計)と4割となりました。


◆自身に該当する最低賃金額を知っている 2割強

 全回答者(1,000名)に、「最低賃金制度」という制度を知っているか聞いたところ、「自身が勤める会社が守るべき最低賃金額まで知っている」は22.3%と自身に該当する最低賃金額まで知っていたのは2割強にとどまり、「自身が勤める会社が守るべき最低賃金額までは知らないが、制度があることは知っている」は61.4%で、それらを合わせた『最低賃金制度の認知率』は83.7%、「知らなかった」は16.3%となりました。
 そして、自身が勤める会社が守るべき最低賃金を知っている223名に、自分の給与を最低賃金と比較したことがあるか聞いたところ、「ある」は70.0%、「ない」は30.0%となりました。
 また、全回答者(1,000名)に、日本の最低賃金の水準「時給730円(全国平均)」についてどう思うか聞いたところ、「高い」2.4%、「妥当」25.0%、「低い」72.6%と、7割強が低いと感じていることが分かりました。


◆我慢や節約しているもの「レジャー」54.7%、「通院(診察・治療)」も20.6%
◆東日本大震災による影響 「全体的に生活が苦しくなった」17.0%

 全回答者(1,000名)に、現在の生活で我慢や節約しているものを聞いたところ、「レジャー(旅行含む)」54.7%が最も多く、次いで「外食」50.2%、「衣料品」47.0%、「家電」42.3%、「食品・飲料品」41.3%、「お洒落着」40.0%が続きました。また、医療に関わることを我慢や節約しているとの回答もあり、「通院(診察・治療)」は20.6%と2割、「医薬品」11.7%、「入院」3.9%となりました。
 男女別に見ると、「化粧品・美容用品」では男性28.0%、女性44.4%と16.4ポイント差で女性が高く、「レジャー(旅行含む)」(男性49.4%、女性60.0%)や「お洒落着」(男性35.0%、女性45.0%)でも女性の方が10ポイント以上高くなりました。
 次に、食事について聞いたところ、1日の食費(3食分)では、平均金額(加重平均)は768.2円となりました。また、普段よく食事をとる(買う)場所を聞いたところ、「自炊」が最も多く68.3%、次いで「スーパー」53.0%、「コンビニエンスストア」25.9%となりました。
 そして、東日本大震災以降、生活や仕事にどのような影響があったか聞いたところ、「全体的に生活が苦しくなった」17.0%、「労働時間を短くされた」10.3%、「自宅待機・出勤停止にされた」8.4%となりました。「とくに影響は感じない」は62.9%と6割強となりました。


◆「生活が苦しくて、ホームレスになる可能性がある」
 自分の収入のみで家計を支えている層では2割
◆現在の生活に『不満』6割弱、約4人に3人は「何とかしたいと思う」
◆ワーキングプアであると感じた経験がある 6割

 全回答者(1,000名)に、現在の生活についての実態や実感を聞いたところ、『あてはまる(計)』(「非常にあてはまる」と「ある程度あてはまる」の合計)の値を見ると、生活に関する項目では、「世の中はやはりお金だと感じている」80.1%が最も高く、次いで「収入アップは無理だと感じている」78.8%、「貯蓄は無理だと感じている」67.3%、「自分の将来に希望が持てない」63.5%が続きました。
 家計負担割合別に見ると、『自分の収入のみで家計を支えている』層では、「生活が苦しくて、ホームレスになる可能性がある」が19.7%となっており、2割があてはまると回答しました。

 社会に関する項目では、「貧困層は増加していると感じている」80.9%が最も高く、次いで「貧富格差社会の中にいると実感している」79.8%、「社会が衰退していると感じている」76.2%、「世の中の厳しさや薄情さを感じている」74.0%が続きました。また、仕事・企業に関する項目では、「仕事を失うことが怖い」71.8%が最も高く、「企業は終身雇用を目指すべきと感じている」60.0%が続きました。
 現在の生活についての実態や実感からは、仕事やお金に対する危機感を感じている様子が窺えます。

 次に、現在の生活について満足度を聞いたところ、『満足(計)』(「満足」3.7%と「どちらかといえば満足」38.4%の合計)は42.1%と4割強となり、『不満(計)』(「不満」15.2%と「どちらかといえば不満」42.7%の合計)は57.9%と6割弱となり、『不満(計)』が『満足(計)』を上回りました。
 また、現在の生活に不満(「不満」もしくは「どちらかといえば不満」)と答えた579名に、現状についてどう思うか聞いたところ、「何とかしたいと思う」74.4%、「仕方ないと思う」25.6%と、現在の生活に不満のある人の約4人に3人は何とかしたいと思っていることが分かりました。

 全回答者(1,000名)に『「ワーキングプア」とは「働く貧困層」の意味で、正社員並みに働いているが、年収200万円以下の人たちなどのことを言います。』との説明後に、自分自身がワーキングプアであると感じたことがあるか聞いたところ、「ある」は60.2%、「ない」は39.8%となり、回答者の6割がワーキングプアであると感じた経験があるという結果となりました。


◆政治に期待しているもの「景気対策」43.0%

 次に、政治に期待しているものを聞いたところ、「景気対策」が最も多く43.0%、次いで「社会保障の充実」31.3%、「減税」31.2%、「雇用の維持・拡大」30.7%、「子育て支援」18.2%が続きました。また、「政治には何も期待できない」は27.1%となりました。
年代別に見ると、50代では「景気対策」が53.3%、「社会保障の充実」が45.7%で他の年代よりも高くなっており、30代では「子育て支援」が24.3%で他の年代より高くなりました。


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代表者名:会長 古賀 伸明
発足:1989年11月
所在地:東京都千代田区神田駿河台3-2-11総評会館内 3F-8F
業務内容:すべての働く人たちのために、希望と安心の社会をつくる
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