コロプラおでかけ研究所レポート#10 4万人来場を実現!「コロプラ物産展2011」の秘密を明かそう
コロプラおでかけ研究所レポート#10
4万人来場を実現!「コロプラ物産展2011」の秘密を明かそう
4万人来場を実現!「コロプラ物産展2011」の秘密を明かそう
おでかけを科学する<コロプラおでかけ研究所(主席研究員:長谷部潤)>は、株式会社コロプラ(代表取締役:馬場功淳)が運営する位置情報サービスプラットフォーム<コロプラ>における月間4,000万回もの位置登録情報を分析。今回は、多くのマスコミに取り上げられ、百貨店業界でも大いに注目の的となった「日本全国すぐれモノ市 ―コロプラ物産展2011―」について分析した。
東急百貨店吉祥寺店とコラボした当企画は、これまでの百貨店ビジネスでは考えられないほど遠方からの来場があったり、閉店時間に近づくほどに売上が増えたりなど、モバイルインターネットサービスが百貨店と組むことで「全く新しい顧客行動」を実現できることがデータで確認できた。当レポートは、小売・流通業界の方であれば、特に興味深くお読みいただけることであろう。
※位置登録データは統計処理をしており、ユーザの皆様個人を特定できるものではありません。
■開場前に300人が行列 〜日本初のモバイル事業者と百貨店とのコラボ〜
6月9日、平日木曜日の午前10時前。吉祥寺駅からほど近い東急百貨店吉祥寺店に300人もの長い行列が出来ていた。開場後も度々入場制限を行うほどの人出であった。人々の目的は、「日本全国すぐれモノ市 ―コロプラ物産展2011―」(以下、コロプラ物産展)である。
物産展それ自体は特に珍しいものではなく、どの百貨店でも頻繁に行われていよう。しかし今回行われたコロプラ物産展には他には見られない特徴がある。それは、携帯電話上でコンテンツサービスを提供するインターネット事業者であるコロプラ社と大手百貨店である東急百貨店がコラボしたと言う点である。
電子商取引(EC)事業者と百貨店のコラボは、楽天と東武百貨店(池袋)、ヤフーと西武百貨店(池袋)など幾つか前例はあるが、モバイルインターネット事業者がこうした企画を行うのは日本初である。
■コロカ事業とは? 〜購入記録がそのままおでかけの思い出に〜
コロプラ社は、自社が提供する位置ゲー「コロニーな生活」と連動するカード――「コロカ」を発行している。コロカには““日本の逸品”がプリントされている。そしてその逸品を取り扱っているお店が「コロカ提携店」だ。その数は100を超えている。いわゆるECモールとは異なり、コロカ店舗になるには単に参加希望をすればOKという訳ではない。毎月300〜400件の問い合わせの中から、コロプラ社社員の匿名現地訪問、社内試飲・試食会など厳しいプロセスを経た上で、月に1〜3件がセレクトされる。今回のコロプラ物産展にはコロカ店舗のうち40店舗が参加。物産展限定コロカがもらえることや、何よりも本来であれば現地にまで行かないと手に入らないコロカ提携店の商品が一同に介し、それぞれ手にとって見ることができるのはユーザにとって魅力的に映ったであろう。
実は、この「現地にまで行かないと…」というのがコロカのポイントなのである。店舗の中にはネット通販も行っている所もあり、商品それ自体は現地に行かなくても手に入るモノもある。しかしながら、コロカは現地でなければ手に入らない。コロカを手に入れるために「おでかけ」までして購入した商品への思い入れはまた一入(ひとしお)となろう。コロカにはシリアル番号が印刷されており、「コロニーな生活」に入力すれば、ゲーム内に購入情報が記録される。つまりは一種のライフログとしても機能するのだ。今回は、この物産展用にスペシャルなコロカを作成した。逸品コロカはあくまでもそのお店におでかけしないと手に入らない。しかし物産展は物産展として、ユーザ皆さんのそこへのおでかけの思い出を特製コロカに込めたのである。
■これまでの商圏の概念を超えたお客様の来場
では、実際にどのエリアからどの程度のお客様が吉祥寺にまで足を運んで頂けたのであろうか。小売・流通関係者であれば、特に気になることであろう。そもそも期間来場者数4万人という数字に我々は驚いていたわけであるが、数字を精査することで更なる驚きの結果を得たのである。それは一都三県以外からの来場者の多さである。
下図は6月1日(水)の東急百貨店吉祥寺店での<コロプラ>ユーザ位置登録者数を100としたグラフである。物産展の始まった6月9日(木)には約1,300と6月1日比で13倍もの位置登録者数――つまり来場者数を実現している。注目は物産展期間における一都三県以外からの来場者数の多さである。物産展開始直前の週末である6月4日〜5日における「位置登録者数全体」と、期間中の週末である6月11日〜12日の「一都三県以外」のそれとがほぼ近似していることが分かる。位置ゲーとリアルとの連動により、これまでの常識であった「商圏」は一気に外へ――極論すれば日本全体へ――と広がったのである。
■アウトレット・大規模ショッピングモールの商圏
ブームに一巡感が出てきたとはいえ、まだまだ人気のアウトレットや大規模ショッピングモールは、どういった人の動きとなっているのであろうか。二つの例を示してみた。一つは大規模ショッピングモールのイオンレイクタウン。埼玉県越谷市に位置し、外環道のみならずJR武蔵野線でも「越谷レイクタウン駅」を擁する交通至便な施設である。特徴としては来場者のほとんどが一都三県から、ということだろう。週末になると北関東も目立ってくるが、多くは「地元のお客様」が占めている。
一方で御殿場プレミアムアウトレットは、東名道御殿場IC利用が前提ともいえる立地であり、そこがまた強みとなっている。一都三県にも近く平日でさえ地元中部地方からの来場数と一都三県からのそれとは拮抗している。土日には一都三県の来場者は急伸し、更には近畿、北海道・東北からの来場者も確認できる。同施設の商圏の広さがうかがえよう。このように商圏という目線ではアウトレットの強さが目立っているが、土日の集客力(グラフでピンクの丸を付けている部分)という点ではともに強さを見せつけている。この点、百貨店はどうなのであろうか。
■平日にお客を呼び込まねばならぬ百貨店
下図は百貨店とアウトレット・ショッピングモールとの人出の推移を比較したものである。比較しやすいように大型連休明けの5月9日(月)を100とした指数化グラフとなっている。一目瞭然であるが、土日もしくは休日の平日に対する集客力は段違いにアウトレットやショッピングモールの方が勝っている。百貨店の雄である伊勢丹新宿本店でさえ、平日に対する土日の伸びはアウトレットには遠く及ばないのである。
昭和の頃、百貨店に家族ででかけるというのは「ハレ」の時間であった。休日に百貨店に出向くことそれ自体がおでかけの目的であったのである。しかしながら、今やそれはアウトレットに取って代わられている。百貨店は良くも悪くもより「ケ」――つまり日常にある身近なものとなったのである。結果、百貨店は平日における集客により工夫を凝らさねばならなくなった。震災前まで各百貨店で見られた惣菜売り場を中心とした営業時間の延長は、その代表例である。「平日に如何に来場してもらえるか」が、各百貨店の基本戦略であり課題なのだ。今回のコロプラ物産展はその戦略支援に大いに役立ったのではないかと考えている。キーワードは『退社後のサラリーマン』である。
■閉店時間が近づくほどに売上が増加してゆく…
コロプラ物産展における来場時間分布は小売業の常識からすると非常にユニークなものとなった。平日については17時台に底打ちし、その後閉店にかけて一気に売上を伸ばしているのである。閉店前の19時台に至っては、休日の夕方と同等の売上を実現している。更に興味深いのは、レジ単価である。総じて休日よりも平日の方が単価は高く、特に平日18時以降、単価はどんどん切り上がっている。これは18時以降になると会社帰りのサラリーマンやOLが一気に増えてくるためである。購買力はあるものの時間のない彼らは、サクッと来場しサクッと買ってゆく。売上も単価も上がるわけである。
インターネットは「おでかけせずにお買いもの」を可能とさせた。しかしながら、コロプラ社は「インターネットこそがおでかけのきっかけになる」との理念に基づき、コロカ事業などのリアル連携事業を進めている。百貨店の存在意義が改めて問われている今、モバイルインターネットとのコラボが、百貨店の商圏拡大・平日利用促進に少なからぬ貢献をできることを、今回のコロプラ物産展は物語っているのではないだろうか。
― 以 上 ―
【コロプラおでかけ研究所について】
株式会社コロプラ内に設立された「おでかけ」に関するリサーチセンター。位置情報プラットフォーム<コロプラ>におけるユーザからの月間4,000万回にも及ぶ位置登録情報データをベースに「人々の移動」を調査・分析し定期レポートを発表している。
主席研究員: 長谷部潤 ※株式会社コロプラ 取締役CSO(最高戦略責任者)を兼務
【株式会社コロプラ 会社概要】
社名: 株式会社コロプラ http://colopl.co.jp
所在地: 東京都渋谷区恵比寿南1-15-1 JT恵比寿南ビル3F
設立: 2008年10月1日
資本金: 256,385,000円
代表者: 代表取締役社長 馬場功淳
事業内容: 「コロニーな生活」など位置情報ゲーム、位置情報サービスプラットフォーム「コロプラ」の開発・運営
【本リリースに関するお問い合わせ】
株式会社コロプラ 経営企画部 天野、斉藤(久) press@colopl.co.jp
東急百貨店吉祥寺店とコラボした当企画は、これまでの百貨店ビジネスでは考えられないほど遠方からの来場があったり、閉店時間に近づくほどに売上が増えたりなど、モバイルインターネットサービスが百貨店と組むことで「全く新しい顧客行動」を実現できることがデータで確認できた。当レポートは、小売・流通業界の方であれば、特に興味深くお読みいただけることであろう。
※位置登録データは統計処理をしており、ユーザの皆様個人を特定できるものではありません。
■開場前に300人が行列 〜日本初のモバイル事業者と百貨店とのコラボ〜
6月9日、平日木曜日の午前10時前。吉祥寺駅からほど近い東急百貨店吉祥寺店に300人もの長い行列が出来ていた。開場後も度々入場制限を行うほどの人出であった。人々の目的は、「日本全国すぐれモノ市 ―コロプラ物産展2011―」(以下、コロプラ物産展)である。
物産展それ自体は特に珍しいものではなく、どの百貨店でも頻繁に行われていよう。しかし今回行われたコロプラ物産展には他には見られない特徴がある。それは、携帯電話上でコンテンツサービスを提供するインターネット事業者であるコロプラ社と大手百貨店である東急百貨店がコラボしたと言う点である。
電子商取引(EC)事業者と百貨店のコラボは、楽天と東武百貨店(池袋)、ヤフーと西武百貨店(池袋)など幾つか前例はあるが、モバイルインターネット事業者がこうした企画を行うのは日本初である。
■コロカ事業とは? 〜購入記録がそのままおでかけの思い出に〜
コロプラ社は、自社が提供する位置ゲー「コロニーな生活」と連動するカード――「コロカ」を発行している。コロカには““日本の逸品”がプリントされている。そしてその逸品を取り扱っているお店が「コロカ提携店」だ。その数は100を超えている。いわゆるECモールとは異なり、コロカ店舗になるには単に参加希望をすればOKという訳ではない。毎月300〜400件の問い合わせの中から、コロプラ社社員の匿名現地訪問、社内試飲・試食会など厳しいプロセスを経た上で、月に1〜3件がセレクトされる。今回のコロプラ物産展にはコロカ店舗のうち40店舗が参加。物産展限定コロカがもらえることや、何よりも本来であれば現地にまで行かないと手に入らないコロカ提携店の商品が一同に介し、それぞれ手にとって見ることができるのはユーザにとって魅力的に映ったであろう。
実は、この「現地にまで行かないと…」というのがコロカのポイントなのである。店舗の中にはネット通販も行っている所もあり、商品それ自体は現地に行かなくても手に入るモノもある。しかしながら、コロカは現地でなければ手に入らない。コロカを手に入れるために「おでかけ」までして購入した商品への思い入れはまた一入(ひとしお)となろう。コロカにはシリアル番号が印刷されており、「コロニーな生活」に入力すれば、ゲーム内に購入情報が記録される。つまりは一種のライフログとしても機能するのだ。今回は、この物産展用にスペシャルなコロカを作成した。逸品コロカはあくまでもそのお店におでかけしないと手に入らない。しかし物産展は物産展として、ユーザ皆さんのそこへのおでかけの思い出を特製コロカに込めたのである。
■これまでの商圏の概念を超えたお客様の来場
では、実際にどのエリアからどの程度のお客様が吉祥寺にまで足を運んで頂けたのであろうか。小売・流通関係者であれば、特に気になることであろう。そもそも期間来場者数4万人という数字に我々は驚いていたわけであるが、数字を精査することで更なる驚きの結果を得たのである。それは一都三県以外からの来場者の多さである。
下図は6月1日(水)の東急百貨店吉祥寺店での<コロプラ>ユーザ位置登録者数を100としたグラフである。物産展の始まった6月9日(木)には約1,300と6月1日比で13倍もの位置登録者数――つまり来場者数を実現している。注目は物産展期間における一都三県以外からの来場者数の多さである。物産展開始直前の週末である6月4日〜5日における「位置登録者数全体」と、期間中の週末である6月11日〜12日の「一都三県以外」のそれとがほぼ近似していることが分かる。位置ゲーとリアルとの連動により、これまでの常識であった「商圏」は一気に外へ――極論すれば日本全体へ――と広がったのである。
■アウトレット・大規模ショッピングモールの商圏
ブームに一巡感が出てきたとはいえ、まだまだ人気のアウトレットや大規模ショッピングモールは、どういった人の動きとなっているのであろうか。二つの例を示してみた。一つは大規模ショッピングモールのイオンレイクタウン。埼玉県越谷市に位置し、外環道のみならずJR武蔵野線でも「越谷レイクタウン駅」を擁する交通至便な施設である。特徴としては来場者のほとんどが一都三県から、ということだろう。週末になると北関東も目立ってくるが、多くは「地元のお客様」が占めている。
一方で御殿場プレミアムアウトレットは、東名道御殿場IC利用が前提ともいえる立地であり、そこがまた強みとなっている。一都三県にも近く平日でさえ地元中部地方からの来場数と一都三県からのそれとは拮抗している。土日には一都三県の来場者は急伸し、更には近畿、北海道・東北からの来場者も確認できる。同施設の商圏の広さがうかがえよう。このように商圏という目線ではアウトレットの強さが目立っているが、土日の集客力(グラフでピンクの丸を付けている部分)という点ではともに強さを見せつけている。この点、百貨店はどうなのであろうか。
■平日にお客を呼び込まねばならぬ百貨店
下図は百貨店とアウトレット・ショッピングモールとの人出の推移を比較したものである。比較しやすいように大型連休明けの5月9日(月)を100とした指数化グラフとなっている。一目瞭然であるが、土日もしくは休日の平日に対する集客力は段違いにアウトレットやショッピングモールの方が勝っている。百貨店の雄である伊勢丹新宿本店でさえ、平日に対する土日の伸びはアウトレットには遠く及ばないのである。
昭和の頃、百貨店に家族ででかけるというのは「ハレ」の時間であった。休日に百貨店に出向くことそれ自体がおでかけの目的であったのである。しかしながら、今やそれはアウトレットに取って代わられている。百貨店は良くも悪くもより「ケ」――つまり日常にある身近なものとなったのである。結果、百貨店は平日における集客により工夫を凝らさねばならなくなった。震災前まで各百貨店で見られた惣菜売り場を中心とした営業時間の延長は、その代表例である。「平日に如何に来場してもらえるか」が、各百貨店の基本戦略であり課題なのだ。今回のコロプラ物産展はその戦略支援に大いに役立ったのではないかと考えている。キーワードは『退社後のサラリーマン』である。
■閉店時間が近づくほどに売上が増加してゆく…
コロプラ物産展における来場時間分布は小売業の常識からすると非常にユニークなものとなった。平日については17時台に底打ちし、その後閉店にかけて一気に売上を伸ばしているのである。閉店前の19時台に至っては、休日の夕方と同等の売上を実現している。更に興味深いのは、レジ単価である。総じて休日よりも平日の方が単価は高く、特に平日18時以降、単価はどんどん切り上がっている。これは18時以降になると会社帰りのサラリーマンやOLが一気に増えてくるためである。購買力はあるものの時間のない彼らは、サクッと来場しサクッと買ってゆく。売上も単価も上がるわけである。
インターネットは「おでかけせずにお買いもの」を可能とさせた。しかしながら、コロプラ社は「インターネットこそがおでかけのきっかけになる」との理念に基づき、コロカ事業などのリアル連携事業を進めている。百貨店の存在意義が改めて問われている今、モバイルインターネットとのコラボが、百貨店の商圏拡大・平日利用促進に少なからぬ貢献をできることを、今回のコロプラ物産展は物語っているのではないだろうか。
― 以 上 ―
【コロプラおでかけ研究所について】
株式会社コロプラ内に設立された「おでかけ」に関するリサーチセンター。位置情報プラットフォーム<コロプラ>におけるユーザからの月間4,000万回にも及ぶ位置登録情報データをベースに「人々の移動」を調査・分析し定期レポートを発表している。
主席研究員: 長谷部潤 ※株式会社コロプラ 取締役CSO(最高戦略責任者)を兼務
【株式会社コロプラ 会社概要】
社名: 株式会社コロプラ http://colopl.co.jp
所在地: 東京都渋谷区恵比寿南1-15-1 JT恵比寿南ビル3F
設立: 2008年10月1日
資本金: 256,385,000円
代表者: 代表取締役社長 馬場功淳
事業内容: 「コロニーな生活」など位置情報ゲーム、位置情報サービスプラットフォーム「コロプラ」の開発・運営
【本リリースに関するお問い合わせ】
株式会社コロプラ 経営企画部 天野、斉藤(久) press@colopl.co.jp