自治体の地球温暖化対策共有・公表制度「地域のカーボンレジストリ」の推進を宣言しました!
イクレイ日本は、2月9日(木)、環境省・英国大使館との共催で「地域のカーボンレジストリ国際セミナー」を開催し、83名(うち、自治体数34)の参加者と共に、自治体が率先して対策や目標を報告・公表する「地域のカーボンレジストリ」制度の推進を宣言しました。
イクレイ日本は、2月9日(木)、環境省・英国大使館との共催で「地域のカーボンレジストリ国際セミナー」を開催し、83名(うち、自治体数34)の参加者と共に、世界の気候行動に向けた自治体の対策を議論しました。気候変動COP交渉で地球温暖化防止策のMRV(測定・報告・検証可能)の必要性が叫ばれる中、自治体が率先して対策や目標を報告・公表する「地域のカーボンレジストリ」制度の推進を宣言しました。
環境省白石順一総合環境政策局長は冒頭挨拶の中で、地域のMRV制度確立は温室効果ガス排出量の地域比較のルール作りに資することに言及、デーヴィッド・フィトン駐日英国臨時代理大使は、「国際的な気候変動活動にはMRVが重要になる中で、イクレイのプロジェクトは大切な取り組みである」と述べました。分科会では、英国ブリストル市、リーズ都市圏のほか、堺市、東京都、旭川市、兵庫県が再生可能エネルギーの導入および更なる省エネの推進に向けた方策について取り組みを発表、気候変動問題に関する市民啓発のアプローチ方法や課題に関する日英の共通点や違いが浮き彫りとなり、国際的な議論が行われました。
最後の全体会議では、低炭素都市を経済の視点から考察した「都市版のミニ・スターンレビュー」の紹介の後、分科会での議論を踏まえ、自治体の先進的な取り組みとリーダーシップ、資源やエネルギーの効率的な利用と再生可能エネルギーの導入の促進などの重要性を確認し、1)温室効果ガスの排出量の把握と分析、2)MRV(測定・報告・検証)可能な行動の促進、3)自治体の経験や成果データを公表し共有する、「地域のカーボンレジストリ推進宣言」が全会一致で承認されました。自治体は今後この宣言に基づき、率先して省エネ・再生可能エネルギーの導入に取り組み、温暖化対策情報の共有・報告制度を構築し、温暖化対策を地域からリードしていきます。宣言文は下記参考欄をご参照下さい。
地域のカーボンレジストリHP
URL:registry-japan.org
<本プレスリリースに関するお問合わせ>
一般社団法人 イクレイ日本
担当:下久保 ・藤居
TEL:03-5464-1906 FAX:03-3797-1906
E-mail:registry-japan@iclei.org
(参考)
地域のカーボンレジストリ推進宣言
2012年2月9日(木)に東京で開催された「地域のカーボンレジストリ国際セミナー」に参加した私たちは、
・ 英国をはじめ世界各地で、多くの自治体がリーダーシップを発揮し、気候変動問題に対して積極的な取組みを行っていること
・ 2010年にメキシコで開催された「気候変動に関する世界首長」サミットでは、気候変動問題に対して、自治体がMRV(測定・報告・検証)可能な取り組みを行うことが決議され、自治体の成果を登録する国際的な仕組みとして、carbonn都市気候レジストリが作られたこと
・ この国際的な仕組みに準拠・連携して、日本の自治体の気候変動対策を収集・広報するための「地域のカーボンレジストリ」事業が2011年に始まったこと
・ 地域のカーボンレジストリが収集したデータは、日本の多くの自治体が、自治体事務事業および区域において温室効果ガス排出削減目標を設定し、行動計画を立て、様々な具体的な施策を実施し、排出量を削減していることを示していること、
・ 気候変動防止枠組条約締約国会議(COPは、既に、気温上昇を2℃以下に抑える目標に合意している。しかし国連環境計画の2011年11月の発表では、IPCC第4次報告書の知見に照らし、新たな研究成果も加味すると、この目標達成のためには、各国が誓約した2020年目標の実施よりもさらに60〜110億トン(CO2換算)の排出削減が必要であるとしていること
・ 昨年のCOP17では、新たに「ダーバン・プラットフォーム」を設けて、各国政府が野心的対策を推進するよう、作業計画を作ることになったこと
・ 人々の社会・経済生活に近い行政単位である自治体は、市民や企業・団体とともに活動の中核になり、低炭素型のまちづくりや生活スタイル確立に大きく踏み出し、目に見える効果を上げることができる。このため自治体の行動は、今後さらに温室効果ガスを削減するための重要なカギになっていること
・ 従来よりもさらに進んだ革新的な施策を遂行するためには、今までにも増して、国内外の自治体間の協力と連携が必要であり、また、中央政府との連携及び政府への提言も行いながら、これらを通して、自治体はグローバルな課題に対して国際的にも貢献することができること
を確認し、以下のような事柄を実行することを宣言します。
1 政府の施策や技術革新等も活用し、省エネと資源やエネルギー利用の効率化に最大限の努力をはらい、また再生可能エネルギーへの代替を促進すること。
2 省エネ・エネルギー利用の効率化については、自治体が住民にもっとも身近な機関であることから、住民の使用エネルギーの見える化や管理についてもきめ細かくかかわり、また、様々なインセンティブの与え方を検討すること。
3 様々な再生可能エネルギーの可能性を視野に入れ、またその推進方法についても適切な支援対象を柔軟に選定するなど、今までの概念にとらわれなく進めること。
4 これらを通して、気候変動防止にも資する緑を増やし、環境負荷が少ないより良い生活環境を次世代に引き継いでいくこと。
5 これらの施策の導入に際しては、少子化・高齢化などの解決にも資するように、様々な政策を融合しながら、すべての人が快適に住むことができるまちづくりを進めること。
6 自治体の責任下にある事務事業分野での温室効果ガス排出削減施策を推進する一方、多様な手法を活用し、市民や企業・団体と協力して区域全体の施策を実施すること。
7 削減目標を確実に達成するために、温室効果ガス排出量を定期的に把握し分析を行なうこと。
8 実効性のある施策を実施し、MRV(測定・報告・検証)可能な行動を促進すること。
9 自治体自身が率先して、自治体の経験や成果データを公表し共有する「地域のカーボンレジストリ」のしくみを作ることによって、自治体施策の効率的推進を図り、他の自治体にも参加を呼び掛けること。
10 carbonn都市気候レジストリとのデータ共有や共同活動・様々な政府や地域の自治体との連携を通して、英国をはじめ、先進の事例を学ぶとともに、日本の自治体の成果と経験を国際的にも伝達し、今世紀の大きな課題である気候変動問題の解決に貢献すること。
2012年2月9日
「地域のカーボンレジストリ国際セミナー」参加者一同
環境省白石順一総合環境政策局長は冒頭挨拶の中で、地域のMRV制度確立は温室効果ガス排出量の地域比較のルール作りに資することに言及、デーヴィッド・フィトン駐日英国臨時代理大使は、「国際的な気候変動活動にはMRVが重要になる中で、イクレイのプロジェクトは大切な取り組みである」と述べました。分科会では、英国ブリストル市、リーズ都市圏のほか、堺市、東京都、旭川市、兵庫県が再生可能エネルギーの導入および更なる省エネの推進に向けた方策について取り組みを発表、気候変動問題に関する市民啓発のアプローチ方法や課題に関する日英の共通点や違いが浮き彫りとなり、国際的な議論が行われました。
最後の全体会議では、低炭素都市を経済の視点から考察した「都市版のミニ・スターンレビュー」の紹介の後、分科会での議論を踏まえ、自治体の先進的な取り組みとリーダーシップ、資源やエネルギーの効率的な利用と再生可能エネルギーの導入の促進などの重要性を確認し、1)温室効果ガスの排出量の把握と分析、2)MRV(測定・報告・検証)可能な行動の促進、3)自治体の経験や成果データを公表し共有する、「地域のカーボンレジストリ推進宣言」が全会一致で承認されました。自治体は今後この宣言に基づき、率先して省エネ・再生可能エネルギーの導入に取り組み、温暖化対策情報の共有・報告制度を構築し、温暖化対策を地域からリードしていきます。宣言文は下記参考欄をご参照下さい。
地域のカーボンレジストリHP
URL:registry-japan.org
<本プレスリリースに関するお問合わせ>
一般社団法人 イクレイ日本
担当:下久保 ・藤居
TEL:03-5464-1906 FAX:03-3797-1906
E-mail:registry-japan@iclei.org
(参考)
地域のカーボンレジストリ推進宣言
2012年2月9日(木)に東京で開催された「地域のカーボンレジストリ国際セミナー」に参加した私たちは、
・ 英国をはじめ世界各地で、多くの自治体がリーダーシップを発揮し、気候変動問題に対して積極的な取組みを行っていること
・ 2010年にメキシコで開催された「気候変動に関する世界首長」サミットでは、気候変動問題に対して、自治体がMRV(測定・報告・検証)可能な取り組みを行うことが決議され、自治体の成果を登録する国際的な仕組みとして、carbonn都市気候レジストリが作られたこと
・ この国際的な仕組みに準拠・連携して、日本の自治体の気候変動対策を収集・広報するための「地域のカーボンレジストリ」事業が2011年に始まったこと
・ 地域のカーボンレジストリが収集したデータは、日本の多くの自治体が、自治体事務事業および区域において温室効果ガス排出削減目標を設定し、行動計画を立て、様々な具体的な施策を実施し、排出量を削減していることを示していること、
・ 気候変動防止枠組条約締約国会議(COPは、既に、気温上昇を2℃以下に抑える目標に合意している。しかし国連環境計画の2011年11月の発表では、IPCC第4次報告書の知見に照らし、新たな研究成果も加味すると、この目標達成のためには、各国が誓約した2020年目標の実施よりもさらに60〜110億トン(CO2換算)の排出削減が必要であるとしていること
・ 昨年のCOP17では、新たに「ダーバン・プラットフォーム」を設けて、各国政府が野心的対策を推進するよう、作業計画を作ることになったこと
・ 人々の社会・経済生活に近い行政単位である自治体は、市民や企業・団体とともに活動の中核になり、低炭素型のまちづくりや生活スタイル確立に大きく踏み出し、目に見える効果を上げることができる。このため自治体の行動は、今後さらに温室効果ガスを削減するための重要なカギになっていること
・ 従来よりもさらに進んだ革新的な施策を遂行するためには、今までにも増して、国内外の自治体間の協力と連携が必要であり、また、中央政府との連携及び政府への提言も行いながら、これらを通して、自治体はグローバルな課題に対して国際的にも貢献することができること
を確認し、以下のような事柄を実行することを宣言します。
1 政府の施策や技術革新等も活用し、省エネと資源やエネルギー利用の効率化に最大限の努力をはらい、また再生可能エネルギーへの代替を促進すること。
2 省エネ・エネルギー利用の効率化については、自治体が住民にもっとも身近な機関であることから、住民の使用エネルギーの見える化や管理についてもきめ細かくかかわり、また、様々なインセンティブの与え方を検討すること。
3 様々な再生可能エネルギーの可能性を視野に入れ、またその推進方法についても適切な支援対象を柔軟に選定するなど、今までの概念にとらわれなく進めること。
4 これらを通して、気候変動防止にも資する緑を増やし、環境負荷が少ないより良い生活環境を次世代に引き継いでいくこと。
5 これらの施策の導入に際しては、少子化・高齢化などの解決にも資するように、様々な政策を融合しながら、すべての人が快適に住むことができるまちづくりを進めること。
6 自治体の責任下にある事務事業分野での温室効果ガス排出削減施策を推進する一方、多様な手法を活用し、市民や企業・団体と協力して区域全体の施策を実施すること。
7 削減目標を確実に達成するために、温室効果ガス排出量を定期的に把握し分析を行なうこと。
8 実効性のある施策を実施し、MRV(測定・報告・検証)可能な行動を促進すること。
9 自治体自身が率先して、自治体の経験や成果データを公表し共有する「地域のカーボンレジストリ」のしくみを作ることによって、自治体施策の効率的推進を図り、他の自治体にも参加を呼び掛けること。
10 carbonn都市気候レジストリとのデータ共有や共同活動・様々な政府や地域の自治体との連携を通して、英国をはじめ、先進の事例を学ぶとともに、日本の自治体の成果と経験を国際的にも伝達し、今世紀の大きな課題である気候変動問題の解決に貢献すること。
2012年2月9日
「地域のカーボンレジストリ国際セミナー」参加者一同