「入社3年の離職危機」に関する調査 〜なぜ「大卒者の3割が3年以内に退職する」のか〜
JTBモチベーションズは、「大学新卒者の3割が3年以内に離職する」と言われる若年社員の早期離職問題に着目し、「入社3年の離職危機」に関する調査報告書をまとめました。入社3年を超えても意欲の高い社員は「仕事を通じて成長」を感じる内的要因型、意欲の低い社員は「給与」に影響される外的要因型でした。
「入社3年の離職危機」に関する調査
〜なぜ「大卒者の3割が3年以内に退職する」のか〜
【主な分析結果】
●第1志望の会社に入社した人の半数が「今の会社に勤め続けたい」
第1志望でない会社に入社した人の8割が「今の会社に勤め続けたいと思わない」
●モチベーションの高い社員は、「仕事を通じて成長」を感じる内的要因型
モチベーションの低い社員は、「給与」や「仕事環境」に影響される外的要因型
●会社に望む施策は、男女とも「ノー残業デー」
男性は「目標設定と達成度に応じた評価」、女性は「異業種との交流」
【調査の背景】
JTBグループの人事コンサルティング会社、株式会社JTBモチベーションズ(東京都港区 代表取締役社長:市川正資)は、「入社3年の離職危機」に関する調査報告書をまとめました。
本調査は、社会的な問題となっている若年社員の早期離職について、特に「大学新卒者の3割が3年以内に離職する」という内閣府の推計に着目し、設計したものです。入社3年を超えても高いモチベーションを持つ社員の特徴を分析し、そのような社員を育成するために行う施策を考察しました。
※詳しい調査レポートは、JTBモチベーションズのホームページ http://www.jtbm.co.jp/ から問合せいただけます。
<調査結果の概要>
■入社3年を超えてもモチベーションが高い社員約200名、低い社員約200名を徹底比較
入社3年を超え、4年目に入った社員の内、仕事に対するモチベーションが高い男女206人、モチベーションが低い男女206人に対し、受講した新入社員研修、現在の仕事環境、会社に求める施策などを聞き、詳細に分析しました。
■入社3年を超えてもモチベーションが高い理由は、「仕事を通じて成長しているから」
モチベーションが高い社員にその理由を聞いたところ、全体では「仕事を通じて成長しているという実感があるから」(38%)、「職場の人間関係がいいから」(36%)が上位に挙がりました。
またモチベーションが高い社員は、「社内に、尊敬できる社員がいる」(76%)、「自分に合った仕事ができている」(71%)などに対して満足している人が7割を超えています。
モチベーションの高い社員は、「成長の実感」「社内に尊敬できる社員がいる」「適職感」などの内から湧き出る「内発的なモチベーション」が原動力となり、高いモチベーションを保っているといえます。
■モチベーションが低い社員は、給与などの外的要因が大きく影響
モチベーションが低い社員に理由を聞いたところ、「給与やボーナスへの不満」(47%)が最も多く選ばれました。モチベーションの高い社員と違い、自分の成長や適職感を感じないために外的な要因に関心が向き、不満を感じてモチベーションが低下するという「外発的な負のサイクル」に陥っているといえます。ここからの脱却が急務です。
■第1志望でない会社に入社した社員は、8割以上が「今の会社に勤め続けたいと思わない」
しかし、「モチベーションの上げ方を学び」「自分に合った仕事ができている」と、モチベーションが高まる
「今の会社は第1志望の会社でない」と答えた人の内、「今の会社に勤め続けたい」と答えた人はわずか17%で、残りの83%が「今の会社に勤め続けたいと思わない」ことがわかりました。しかし、第1志望でない会社に入社した人でも、モチベーションの上げ方を身につけたり、適職感を持っている場合はモチベーションが高いという結果が得られました。
■会社に希望する施策は、「ノー残業デー」
高モチベーション男性が求めるものは、「目標設定と達成度に応じた評価」
高モチベーション女性が求めるものは、「他社他業種との交流」
仕事へのモチベーションを高めるために、会社に実行してほしい対策は、「ノー残業デー」(49%)が1位でした。また、性別、モチベーションの高さ別に求める施策が違うことがわかりました。
【まとめと提言】?
■入社3年の離職を防ぐには、
「外発的な負のサイクル」から脱却し、「内発的なモチベーション」を促進すること
入社3年を超えても高いモチベーションを保つ社員とそうでない社員は、異なるモチベーションのサイクルを持っていることがわかりました。高モチベーションの社員は、成長や適職感などの内発的な要因と満足感が好循環を起こす「内発サイクル」の中でモチベーションを高め、低モチベーションの社員は、給与や条件などの外発的な要因と不満が悪循環を起こす「外発サイクル」の中で、モチベーションを低下させていました。
「外発的なモチベーションの悪循環」から脱却すること、「内発的なモチベーションの好循環」を促進することが、入社3年の離職を防ぐ社員育成のカギとなります。
また、JTBモチベーションズの他の調査と比較すると、入社3年を超えた社員に特有のモチベーション傾向が明らかになりました。これに沿った適切なモチベーション向上策も必要です。
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1.教育の場を、「内発サイクル」促進の場に
(1)「自分のモチベーションをマネジメント」するスキルは必須
第1志望でない会社に入社した社員でも、モチベーションの上げ方をスキルとして身につけたケースでは、モチベーションが高いことがわかりました。入社3年までの社員にモチベーション向上のための教育を受けさせることは有効といえます。
(2)「成長の実感」ができる場の設定
成長の実感と適職感は、入社3年の離職を防ぐカギです。JTBモチベーションズの「2012年モチベーション予想調査結果(18-65歳の社会人の男女対象)」と比較したところ、特にこの年代のモチベーション向上には、成長の実感が重要であることがわかりました。
定期的に、自分の仕事を振り返り、以前の自分からどの程度成長したか、動機を比べてどうか、上司や同僚からはどう評価されているかを棚卸するための場が必要です。さらに、今後どのような成長をすることが必要か、という目標意識を持つことで、仕事の中に達成意欲と適度な緊張が生まれ、適職感の醸成にも役立ちます。
(3)「尊敬できる社員」を見つける場の設定
「尊敬できる社員」を見つける機会を設定することが大切です。日々の業務の中だけでなく、ふだん接触の機会のない他部門の社員が努力して目標達成する様子を映像などで見ることは、「この会社にはすごい人がいるのだ」というインパクトとともに、会社への好感度を上げ、モチベーションを高めます。社内の横断的なプロジェクトなどに参加し、多くの人と出会うことも効果的です。
(4)「他社・異業種交流」で現状を客観的に見つめる
「他社や異業種の社員との交流」が求められる施策の上位に上がりました。特に高モチベーション女性は異業種交流に関心を示しています。他社を知ることで、自社のよさを新ためて認識したり、現状を客観的に見つめることができ、適職感が高まります。
2.入社3年の離職を防ぐマネジメントの実現
(1)日々の業務の中で
上司による若年社員の指導、育成は、入社3年で離職しない社員が育つか否かに影響を与えます。調査でも、「管理職を対象に、「部下・後輩のモチベーションを上げるスキルを高める」研修を開催する」ことが求められる施策の上位に挙がりました。日々の業務で、内発サイクルをいかに効果的にまわすかを理解し、スキルを身につけることが必要です。
(2)社内ネットワークを活用したダイナミックなマネジメント
尊敬できる社員の存在は、入社3年の離職を防ぐカギです。部下にいかに尊敬できる社員=ロールモデルを見つけさせるかが、質の高いマネジメントの重要項目となります。他部門まで視野にいれ、タイムリーに適切な人に関わってもらい、ネットワークを活用したダイナミックなマネジメントを展開する必要があります。
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3.入社3年で離職しない社員を育てる組織風土、制度の整備
(1)ワークライフバランスの実現
入社3年を超えてモチベーションが高い社員もそうでない社員も、最も望んでいたのが、ノー残業デーなどの私生活を大切にする施策でした。仕事の効率化や職場風土の改善で、ワークライフバランスを実現することが求められます。
?(2)目標達成と評価
「一人ひとりが目標設定し相応の評価がされる制度」が求められる施策の上位に上がりました。特に、高モチベーション男性は目標設定に関心を示しています。目標設定と評価の仕組みづくりが求められます。
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名:株式会社JTBモチベーションズ
担当者名:菊入みゆき
TEL:03-5410-9362
Email:info@jtbm.co.jp
URL: http://www.jtbm.co.jp/
「入社3年の離職危機」に関する調査
〜なぜ「大卒者の3割が3年以内に退職する」のか〜
【主な分析結果】
●第1志望の会社に入社した人の半数が「今の会社に勤め続けたい」
第1志望でない会社に入社した人の8割が「今の会社に勤め続けたいと思わない」
●モチベーションの高い社員は、「仕事を通じて成長」を感じる内的要因型
モチベーションの低い社員は、「給与」や「仕事環境」に影響される外的要因型
●会社に望む施策は、男女とも「ノー残業デー」
男性は「目標設定と達成度に応じた評価」、女性は「異業種との交流」
【調査の背景】
JTBグループの人事コンサルティング会社、株式会社JTBモチベーションズ(東京都港区 代表取締役社長:市川正資)は、「入社3年の離職危機」に関する調査報告書をまとめました。
本調査は、社会的な問題となっている若年社員の早期離職について、特に「大学新卒者の3割が3年以内に離職する」という内閣府の推計に着目し、設計したものです。入社3年を超えても高いモチベーションを持つ社員の特徴を分析し、そのような社員を育成するために行う施策を考察しました。
※詳しい調査レポートは、JTBモチベーションズのホームページ http://www.jtbm.co.jp/ から問合せいただけます。
<調査結果の概要>
■入社3年を超えてもモチベーションが高い社員約200名、低い社員約200名を徹底比較
入社3年を超え、4年目に入った社員の内、仕事に対するモチベーションが高い男女206人、モチベーションが低い男女206人に対し、受講した新入社員研修、現在の仕事環境、会社に求める施策などを聞き、詳細に分析しました。
■入社3年を超えてもモチベーションが高い理由は、「仕事を通じて成長しているから」
モチベーションが高い社員にその理由を聞いたところ、全体では「仕事を通じて成長しているという実感があるから」(38%)、「職場の人間関係がいいから」(36%)が上位に挙がりました。
またモチベーションが高い社員は、「社内に、尊敬できる社員がいる」(76%)、「自分に合った仕事ができている」(71%)などに対して満足している人が7割を超えています。
モチベーションの高い社員は、「成長の実感」「社内に尊敬できる社員がいる」「適職感」などの内から湧き出る「内発的なモチベーション」が原動力となり、高いモチベーションを保っているといえます。
■モチベーションが低い社員は、給与などの外的要因が大きく影響
モチベーションが低い社員に理由を聞いたところ、「給与やボーナスへの不満」(47%)が最も多く選ばれました。モチベーションの高い社員と違い、自分の成長や適職感を感じないために外的な要因に関心が向き、不満を感じてモチベーションが低下するという「外発的な負のサイクル」に陥っているといえます。ここからの脱却が急務です。
■第1志望でない会社に入社した社員は、8割以上が「今の会社に勤め続けたいと思わない」
しかし、「モチベーションの上げ方を学び」「自分に合った仕事ができている」と、モチベーションが高まる
「今の会社は第1志望の会社でない」と答えた人の内、「今の会社に勤め続けたい」と答えた人はわずか17%で、残りの83%が「今の会社に勤め続けたいと思わない」ことがわかりました。しかし、第1志望でない会社に入社した人でも、モチベーションの上げ方を身につけたり、適職感を持っている場合はモチベーションが高いという結果が得られました。
■会社に希望する施策は、「ノー残業デー」
高モチベーション男性が求めるものは、「目標設定と達成度に応じた評価」
高モチベーション女性が求めるものは、「他社他業種との交流」
仕事へのモチベーションを高めるために、会社に実行してほしい対策は、「ノー残業デー」(49%)が1位でした。また、性別、モチベーションの高さ別に求める施策が違うことがわかりました。
【まとめと提言】?
■入社3年の離職を防ぐには、
「外発的な負のサイクル」から脱却し、「内発的なモチベーション」を促進すること
入社3年を超えても高いモチベーションを保つ社員とそうでない社員は、異なるモチベーションのサイクルを持っていることがわかりました。高モチベーションの社員は、成長や適職感などの内発的な要因と満足感が好循環を起こす「内発サイクル」の中でモチベーションを高め、低モチベーションの社員は、給与や条件などの外発的な要因と不満が悪循環を起こす「外発サイクル」の中で、モチベーションを低下させていました。
「外発的なモチベーションの悪循環」から脱却すること、「内発的なモチベーションの好循環」を促進することが、入社3年の離職を防ぐ社員育成のカギとなります。
また、JTBモチベーションズの他の調査と比較すると、入社3年を超えた社員に特有のモチベーション傾向が明らかになりました。これに沿った適切なモチベーション向上策も必要です。
??
1.教育の場を、「内発サイクル」促進の場に
(1)「自分のモチベーションをマネジメント」するスキルは必須
第1志望でない会社に入社した社員でも、モチベーションの上げ方をスキルとして身につけたケースでは、モチベーションが高いことがわかりました。入社3年までの社員にモチベーション向上のための教育を受けさせることは有効といえます。
(2)「成長の実感」ができる場の設定
成長の実感と適職感は、入社3年の離職を防ぐカギです。JTBモチベーションズの「2012年モチベーション予想調査結果(18-65歳の社会人の男女対象)」と比較したところ、特にこの年代のモチベーション向上には、成長の実感が重要であることがわかりました。
定期的に、自分の仕事を振り返り、以前の自分からどの程度成長したか、動機を比べてどうか、上司や同僚からはどう評価されているかを棚卸するための場が必要です。さらに、今後どのような成長をすることが必要か、という目標意識を持つことで、仕事の中に達成意欲と適度な緊張が生まれ、適職感の醸成にも役立ちます。
(3)「尊敬できる社員」を見つける場の設定
「尊敬できる社員」を見つける機会を設定することが大切です。日々の業務の中だけでなく、ふだん接触の機会のない他部門の社員が努力して目標達成する様子を映像などで見ることは、「この会社にはすごい人がいるのだ」というインパクトとともに、会社への好感度を上げ、モチベーションを高めます。社内の横断的なプロジェクトなどに参加し、多くの人と出会うことも効果的です。
(4)「他社・異業種交流」で現状を客観的に見つめる
「他社や異業種の社員との交流」が求められる施策の上位に上がりました。特に高モチベーション女性は異業種交流に関心を示しています。他社を知ることで、自社のよさを新ためて認識したり、現状を客観的に見つめることができ、適職感が高まります。
2.入社3年の離職を防ぐマネジメントの実現
(1)日々の業務の中で
上司による若年社員の指導、育成は、入社3年で離職しない社員が育つか否かに影響を与えます。調査でも、「管理職を対象に、「部下・後輩のモチベーションを上げるスキルを高める」研修を開催する」ことが求められる施策の上位に挙がりました。日々の業務で、内発サイクルをいかに効果的にまわすかを理解し、スキルを身につけることが必要です。
(2)社内ネットワークを活用したダイナミックなマネジメント
尊敬できる社員の存在は、入社3年の離職を防ぐカギです。部下にいかに尊敬できる社員=ロールモデルを見つけさせるかが、質の高いマネジメントの重要項目となります。他部門まで視野にいれ、タイムリーに適切な人に関わってもらい、ネットワークを活用したダイナミックなマネジメントを展開する必要があります。
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3.入社3年で離職しない社員を育てる組織風土、制度の整備
(1)ワークライフバランスの実現
入社3年を超えてモチベーションが高い社員もそうでない社員も、最も望んでいたのが、ノー残業デーなどの私生活を大切にする施策でした。仕事の効率化や職場風土の改善で、ワークライフバランスを実現することが求められます。
?(2)目標達成と評価
「一人ひとりが目標設定し相応の評価がされる制度」が求められる施策の上位に上がりました。特に、高モチベーション男性は目標設定に関心を示しています。目標設定と評価の仕組みづくりが求められます。
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名:株式会社JTBモチベーションズ
担当者名:菊入みゆき
TEL:03-5410-9362
Email:info@jtbm.co.jp
URL: http://www.jtbm.co.jp/