ウガンダへ進出する日本の中小企業を支援する「East x East」プロジェクトを駐日大使館が発表
[16/05/20]
提供元:@Press
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駐日ウガンダ共和国大使館は、2016年5月、特に次の進出先としてウガンダを視野に入れている日本の中小企業を対象としたキャンペーン「East x East(East by East)プロジェクト」を開始しました。
ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領も、もっと多くの日本の企業家をウガンダに歓迎したいと公式に発表しており(※1)、まさに今こそ、日本の中小企業がウガンダに参入する時だと言えます。
■日本の中小企業のウガンダ進出を支援する「East x Eastプロジェクト」
ベティ・グレース・アケチ=オクロ駐日ウガンダ大使(以下 アケチ=オクロ大使) コメント
「いよいよ今月から、このプロジェクトを始めることができるのを大変嬉しく思います、ウガンダ進出に関心のある日本の中小企業は、渋谷区にある私たちの大使館と直接やり取りをすることができるようになります。私たちは、パートナーであるアイディオロジー・インターナショナル(東京とウガンダに拠点を置くコンサルティング会社)と協力して、戦略や人脈を提供し、地元の専門知識についてアドバイスします」
■トレンドになりつつある、日本からウガンダへの動き
2015年、ウガンダで前代未聞の出来事が起こりました。ウガンダで登記された日本企業の数が、たった1年でそれまでの2倍にまで増えました(※2)。「これから先何年にもわたって、ウガンダに進出する日本企業の数は増え続けていくだろう」とアイディオロジー・インターナショナルの代表取締役社長 塩光 順氏は推測しています。さらに、「第1陣としてウガンダに入った日本企業は、すでに現地で事業を展開し、優れた成果を上げている」と話しました。
■ウガンダで成功を収めた企業事例
<従業員たった4人の大阪企業>
ウガンダに進出した企業の一例に、大阪に拠点を置く家族経営の小企業 株式会社スマイリーアース(代表取締役:奥 龍将)がある(※3)。高品質な100%オーガニック綿をウガンダから仕入れ、バスタオルやベビー用品等を製造している企業です。日本国内では、泉佐野市に工場を持っており、そこで働いている従業員はたったの4人。綿栽培の農場、綿花から種子を取り除くジニング(綿繰り)工場、紡績工場はウガンダ北部のグルー地方にあり、地元住民の大きな収入源となっています。
日本人従業員が4人しかいないにも関わらず、スマイリーアースのウガンダでの存在感は非常に大きく、2015年9月には、公務で日本訪問中のムセベニ大統領が奥氏と面会し、ウガンダへの貢献に対して直接感謝を述べました(※4)。
グルー地方出身であるアケチ=オクロ大使も、「私の受入国である日本と、私の故郷であるグルーの仕事上の関係が素晴らしく成長しているのを大変嬉しく思います」と、スマイリーアースの働きを賞賛。「私はこれまでの経験から、日本とウガンダが仕事上の最高のパートナーになれると知っています。このようなビジネス・パートナーシップがこれからもさらに構築されていくように、East x Eastプロジェクトへの着手を契機に、私たちも大使館を挙げて力を注いでいきます」と決意を述べました。
■ウガンダにおける日本の中小企業のベストパートナー、SACCO
アケチ=オクロ大使官邸での、アイディオロジー・インターナショナルとの独占インタビューにおいて、スマイリーアースの奥氏はウガンダで事業を始めるに至ったきっかけを次のように話しました。
「泉佐野市にある私たちの工場は、設備と技術は持ち合わせていましたが、一つの問題を抱えていました。100%オーガニックの綿から製品を製造することにこだわりを持っている私たちの求める質の綿を、必要なだけの量手に入れるのは非常にコストが掛かる困難なことだったのです。
日本とウガンダ間のビジネスに40年携わり、「ウガンダの父」と呼ばれる柏田 雄一氏が、ウガンダの綿農家のSACCO(Savings and Credit Cooperative Organizations)を紹介してくれことによって、この問題が解決したのです」
SACCOというシステムは、1980年代、ノーベル賞受賞者でマイクロファイナンス(※5)の先駆者であったムハンマド博士によって構築された、ユニークかつ民主的な自助組織です。
SACCOに加わるメンバーは、強く結束した共同体を形成し、メンバー同士の仕事になんらかの形で関わり合いを持っています。メンバーの共同出資による基金を設立して、メンバーが成長し、生き残り、持続可能な経営をしていくためのさまざまな場面で活用しています。その管理・運営も、出資するメンバーの手によって行われています(※6)。
「グルーの綿農家のSACCOのメンバーはみんな、私のパートナーです」と、奥氏は東京で、彼のもとを訪れたSACCOのメンバーを笑顔で抱き締めました。「お互いに技術共有ができた今、私はウガンダで1人も雇用することなく信頼のおける安定した素晴らしいパートナーチームを得ることができた」と奥氏は話しました。
アイディオロジー・インターナショナルの塩光氏によると、「SACCOは、タクシー業界、農業界、工芸、鉄鋼業など、ウガンダのさまざまな業界に存在する。行政の監督機関に登記されている組織であるため、日本企業が接触をするのは決して難しいことではない」という。「課題となるのは、適切なパートナーとなるSACCOを見つけること、彼らの信頼を得ること、技術や専門知識を伝えていくことです。スマイリーアースの成功は、ウガンダをよく知る人の仲介によってこれらの課題を乗り越えた好例だと言えるでしょう」
「信頼関係を築くことは何にもまして重要なことです」と奥氏も強調します。「現地の人々の協力を得て、グルー地方の地元行政やSACCOのリーダーに近づくことができたことにより、私は今、彼らの綿製品の生産を助けることができています。ウガンダの綿製品は、日本でもその品質が認められていて、市場での需要も非常に高くなっています」
■なぜ今、ウガンダは歴史的な成長を遂げているのか?
ウガンダの大部分に平和が訪れたのは、1980年以降のことです。2000年代初めまで続いていた、ジョゼフ・コニー率いる反政府勢力軍との悲惨な内戦を思い起こしながら、アケチ=オクロ大使は、「ウガンダの最後の紛争地域だったグルー地方で今日、スマイリーアースのような日本企業が、平和のうちに滞りなく事業を展開できていることは、非常に大きな意味があるのです」と感慨深く話しました。
「かつては争いの中にあったグルーも、今は急成長しているコミュニティーだと見なされるようになりました。今日のウガンダは真に平和な国です、と言えることが私にとって非常に大きな喜びなのです。
悲惨な出来事や時代の後に驚くべき成長を遂げた国、と聞いて思い浮かぶとすれば、それは日本でしょう。
私たちウガンダ人は、戦後、そして東日本大震災後の日本の強さを心から尊敬しています。私たちは今こそ、日本人から学ぶときだと思います。日本人にならって、成長する準備はしっかりと整いました。私たちは、日本人を心から歓迎し、ともに協力していくことができればと願っています」と締めくくりました。
※1 National Resistance Movement Party, Official homepage
https://www.nrm.ug/media/president-museveni-woos-japanese-investors
※2 African Development Bank External Representation Office for Asia Africa Business Partners, 2016 List of Japanese Enterprises Doing Business with African Continent and Countries
http://afdb-org.jp/wp/file/2016/01/201601_EN_List-of-Japanese-Enterprises-Doing-Business-with-African-Coutinent-and-Countries.pdf
※3 Smiley Earth homepage http://www.smileyearth.co.jp/
※4 Japan Times, September 9, 2015 issue
http://classified.japantimes.com/nationalday/pdfs/20150909-Ugandan_president--s_visit.pdf
※5 European Centre for Research Training and Development UK,“International Journal of Community and Cooperative Studies”
http://www.eajournals.org/wp-content/uploads/Savings-And-Credit-Cooperatives-Sacco---s-Services----Terms-and-Members----Economic-Development-in-Rwanda.pdf
※6 Uganda Cooperative Savings And Credit Union Ltd,
“What is a SACCO?” http://www.ucscu.co.ug/data/smenu/36
ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領も、もっと多くの日本の企業家をウガンダに歓迎したいと公式に発表しており(※1)、まさに今こそ、日本の中小企業がウガンダに参入する時だと言えます。
■日本の中小企業のウガンダ進出を支援する「East x Eastプロジェクト」
ベティ・グレース・アケチ=オクロ駐日ウガンダ大使(以下 アケチ=オクロ大使) コメント
「いよいよ今月から、このプロジェクトを始めることができるのを大変嬉しく思います、ウガンダ進出に関心のある日本の中小企業は、渋谷区にある私たちの大使館と直接やり取りをすることができるようになります。私たちは、パートナーであるアイディオロジー・インターナショナル(東京とウガンダに拠点を置くコンサルティング会社)と協力して、戦略や人脈を提供し、地元の専門知識についてアドバイスします」
■トレンドになりつつある、日本からウガンダへの動き
2015年、ウガンダで前代未聞の出来事が起こりました。ウガンダで登記された日本企業の数が、たった1年でそれまでの2倍にまで増えました(※2)。「これから先何年にもわたって、ウガンダに進出する日本企業の数は増え続けていくだろう」とアイディオロジー・インターナショナルの代表取締役社長 塩光 順氏は推測しています。さらに、「第1陣としてウガンダに入った日本企業は、すでに現地で事業を展開し、優れた成果を上げている」と話しました。
■ウガンダで成功を収めた企業事例
<従業員たった4人の大阪企業>
ウガンダに進出した企業の一例に、大阪に拠点を置く家族経営の小企業 株式会社スマイリーアース(代表取締役:奥 龍将)がある(※3)。高品質な100%オーガニック綿をウガンダから仕入れ、バスタオルやベビー用品等を製造している企業です。日本国内では、泉佐野市に工場を持っており、そこで働いている従業員はたったの4人。綿栽培の農場、綿花から種子を取り除くジニング(綿繰り)工場、紡績工場はウガンダ北部のグルー地方にあり、地元住民の大きな収入源となっています。
日本人従業員が4人しかいないにも関わらず、スマイリーアースのウガンダでの存在感は非常に大きく、2015年9月には、公務で日本訪問中のムセベニ大統領が奥氏と面会し、ウガンダへの貢献に対して直接感謝を述べました(※4)。
グルー地方出身であるアケチ=オクロ大使も、「私の受入国である日本と、私の故郷であるグルーの仕事上の関係が素晴らしく成長しているのを大変嬉しく思います」と、スマイリーアースの働きを賞賛。「私はこれまでの経験から、日本とウガンダが仕事上の最高のパートナーになれると知っています。このようなビジネス・パートナーシップがこれからもさらに構築されていくように、East x Eastプロジェクトへの着手を契機に、私たちも大使館を挙げて力を注いでいきます」と決意を述べました。
■ウガンダにおける日本の中小企業のベストパートナー、SACCO
アケチ=オクロ大使官邸での、アイディオロジー・インターナショナルとの独占インタビューにおいて、スマイリーアースの奥氏はウガンダで事業を始めるに至ったきっかけを次のように話しました。
「泉佐野市にある私たちの工場は、設備と技術は持ち合わせていましたが、一つの問題を抱えていました。100%オーガニックの綿から製品を製造することにこだわりを持っている私たちの求める質の綿を、必要なだけの量手に入れるのは非常にコストが掛かる困難なことだったのです。
日本とウガンダ間のビジネスに40年携わり、「ウガンダの父」と呼ばれる柏田 雄一氏が、ウガンダの綿農家のSACCO(Savings and Credit Cooperative Organizations)を紹介してくれことによって、この問題が解決したのです」
SACCOというシステムは、1980年代、ノーベル賞受賞者でマイクロファイナンス(※5)の先駆者であったムハンマド博士によって構築された、ユニークかつ民主的な自助組織です。
SACCOに加わるメンバーは、強く結束した共同体を形成し、メンバー同士の仕事になんらかの形で関わり合いを持っています。メンバーの共同出資による基金を設立して、メンバーが成長し、生き残り、持続可能な経営をしていくためのさまざまな場面で活用しています。その管理・運営も、出資するメンバーの手によって行われています(※6)。
「グルーの綿農家のSACCOのメンバーはみんな、私のパートナーです」と、奥氏は東京で、彼のもとを訪れたSACCOのメンバーを笑顔で抱き締めました。「お互いに技術共有ができた今、私はウガンダで1人も雇用することなく信頼のおける安定した素晴らしいパートナーチームを得ることができた」と奥氏は話しました。
アイディオロジー・インターナショナルの塩光氏によると、「SACCOは、タクシー業界、農業界、工芸、鉄鋼業など、ウガンダのさまざまな業界に存在する。行政の監督機関に登記されている組織であるため、日本企業が接触をするのは決して難しいことではない」という。「課題となるのは、適切なパートナーとなるSACCOを見つけること、彼らの信頼を得ること、技術や専門知識を伝えていくことです。スマイリーアースの成功は、ウガンダをよく知る人の仲介によってこれらの課題を乗り越えた好例だと言えるでしょう」
「信頼関係を築くことは何にもまして重要なことです」と奥氏も強調します。「現地の人々の協力を得て、グルー地方の地元行政やSACCOのリーダーに近づくことができたことにより、私は今、彼らの綿製品の生産を助けることができています。ウガンダの綿製品は、日本でもその品質が認められていて、市場での需要も非常に高くなっています」
■なぜ今、ウガンダは歴史的な成長を遂げているのか?
ウガンダの大部分に平和が訪れたのは、1980年以降のことです。2000年代初めまで続いていた、ジョゼフ・コニー率いる反政府勢力軍との悲惨な内戦を思い起こしながら、アケチ=オクロ大使は、「ウガンダの最後の紛争地域だったグルー地方で今日、スマイリーアースのような日本企業が、平和のうちに滞りなく事業を展開できていることは、非常に大きな意味があるのです」と感慨深く話しました。
「かつては争いの中にあったグルーも、今は急成長しているコミュニティーだと見なされるようになりました。今日のウガンダは真に平和な国です、と言えることが私にとって非常に大きな喜びなのです。
悲惨な出来事や時代の後に驚くべき成長を遂げた国、と聞いて思い浮かぶとすれば、それは日本でしょう。
私たちウガンダ人は、戦後、そして東日本大震災後の日本の強さを心から尊敬しています。私たちは今こそ、日本人から学ぶときだと思います。日本人にならって、成長する準備はしっかりと整いました。私たちは、日本人を心から歓迎し、ともに協力していくことができればと願っています」と締めくくりました。
※1 National Resistance Movement Party, Official homepage
https://www.nrm.ug/media/president-museveni-woos-japanese-investors
※2 African Development Bank External Representation Office for Asia Africa Business Partners, 2016 List of Japanese Enterprises Doing Business with African Continent and Countries
http://afdb-org.jp/wp/file/2016/01/201601_EN_List-of-Japanese-Enterprises-Doing-Business-with-African-Coutinent-and-Countries.pdf
※3 Smiley Earth homepage http://www.smileyearth.co.jp/
※4 Japan Times, September 9, 2015 issue
http://classified.japantimes.com/nationalday/pdfs/20150909-Ugandan_president--s_visit.pdf
※5 European Centre for Research Training and Development UK,“International Journal of Community and Cooperative Studies”
http://www.eajournals.org/wp-content/uploads/Savings-And-Credit-Cooperatives-Sacco---s-Services----Terms-and-Members----Economic-Development-in-Rwanda.pdf
※6 Uganda Cooperative Savings And Credit Union Ltd,
“What is a SACCO?” http://www.ucscu.co.ug/data/smenu/36