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ABBのロボットを装備したシンガポールの整備場において、ロールスロイスの航空機エンジンのオーバーホール期間を業界基準とされている65日から、60日以下へと大幅に短縮することに成功しました。ロールスロイスの航空機エンジンは、ボーイングやエアバスなど世界の大手航空機に搭載されています。

ABBロボットによるソリューションによって、シンガポールエンジンサービスプライベートリミテッド社(SAESL)は、ターンタイムと呼ばれる、航空機エンジンのオーバーホールにかかる時間を60日以下へと短縮しました。これは業界基準とされる65日を大幅に削減するものです。

同ソリューションにより、エンジンの圧縮機翼の修理にかかる期間もまた、21日から17日に短縮され、この功績によりSAESLの圧縮機翼ユニットはロールスロイスから表彰されました。

SAESLにとって恩恵はこれにとどまらず、修理工程における約10％の工数削減を達成しました。しかも24時間体制の作業が可能になったうえ、航空機エンジンの重い部品をスタッフではなくロボットが扱うことにより、安全性も向上しました。

【大きな比較優位性】

特筆すべきことは、SAESLが同ソリューションによって、ロールスロイス製トレントエンジンをオーバーホールする極めて複雑なプロセスを自動化したサービスセンターの先駆けとして、大きな比較優位性を得たことです。

この結果として、SAESLでエンジンのオーバーホールをするシンガポール航空、エミレーツ航空、バージンアトランティック航空をはじめとする、多くの航空会社がエアバス機およびボーイング機を以前より5日も早く空へと戻し、収益を生み出すことができるのです。

SAESLは、数種類のABBロボットを、機械加工、切断、プラズマコーティング、ピック＆プレイスなど、ロールスロイスに表彰された圧縮機翼修理ユニットを主とする様々な工程で活用しています。

SAESLには、ロールスロイスが資本参加しており、同社の世界的な補修ネットワークに無くてはならない部門です。シンガポールの整備場は、エアバスとボーイングの航空機分野で市場をリードするトレントエンジンの全範囲に対応しています。

※添付画像「トレント1000」について
ロールスロイストレントシリーズのような広胴型航空機用エンジンは、通常エアバス或いはボーイング社によって、航空機のタイプごとに設計されます。トレント1000は、2009年第2四半期に初フライトが予定されている新型ボーイング787ドリームライナー専用に設計されました。

ABBは、産業用ロボット、モジュール製造システムの主要サプライヤーです。ソリューションに注力し、環境への影響を最小に抑えつつ、お客さまの生産性、品質の向上、従業員の安全の向上を支援します。ABBは全世界で16万台以上のロボットを納入した実績があります。ABB株式会社はABBグループの世界的な塗装機の開発・製造拠点です。自動車産業向け静電塗装機の分野では圧倒的なシェアを占めています。

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