GfK Japan調べ:エコポイント対象商品(グリーン家電)の販売動向
[09/06/23]
提供元:@Press
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ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、エコポイントの対象となるグリーン家電(冷蔵庫、エアコン、地デジ対応薄型テレビ)の家電量販店店頭における販売動向を発表した。
【概要】
・エコポイント制度の発表から開始まで(4月6日週〜5月4日週)の5週間は、対象3カテゴリーとも買い控えが見られた。
・地デジ対応TVは、買い控え期間(5週間)と制度開始後の5週間を合算すると、数量前年比、金額前年比ともに制度発表前の成長率に及ばず、制度開始後の5週間では買い控え分を埋めきるには至らなかった。しかしながら、制度開始後の高い成長率が続けば、地デジ普及促進と経済対策の両面で効果が期待できる。
・冷蔵庫は金額前年比の伸びが大きく、平均価格も上昇。エコポイント対象モデルが選択購入されている傾向が鮮明。
・エアコンは制度開始後も緩やかな反応にとどまるが、対象製品の構成比率は上昇。7月の商戦期の動向に注目。
【薄型TVは数量増、冷蔵庫は数量・金額共に増加】
5月15日にエコポイント制度が開始された影響により、5月11日週はエアコン、冷蔵庫、地デジ対応薄型TVとも数量前年比で前年を大きく上回った。特に地デジ対応薄型TVは、制度開始後5週間の平均成長率は数量前年比で43%増、金額前年比で27%増と好調な滑り出しとなった。しかしながら、買い控え期間5週間(4月6日週〜5月4日週)と制度開始後5週間を合算した10週間では、数量前年比28%増、金額前年比11%増と、それぞれ制度発表前の成長率(数量前年比31%増、金額前年比15%増)には若干及ばず、買い控え分を埋めきるには至らなかった(図1)。但し制度開始後の増加ペースがこのまま続けば、地デジ普及促進と景気対策の両面での効果が期待できそうだ。
また、買換え需要がメインとなる冷蔵庫では、制度開始直後は数量ベースで大きく成長したものの、その後は一時的に前年を下回る場面も見られた。ただ、制度開始後5週間における金額前年比は23%増と、制度発表前(12月29日週〜3月30日週)の平均成長率7%増を大きく上回り、より高価格のエコポイント対象製品が購入されている傾向が鮮明となった。買い控え期間を含めた10週間の成長率でも11%増と、買い控え期間のマイナス分を既に埋めており、今後の更なる市場の伸びが期待される(図2)。
一方、エアコンは制度開始直後は大きく伸びたものの、その後は前年を下回って推移している。ただ例年、エアコンは気温による販売の増減が大きく、更に商戦期は7月であることから、商戦期が本格化する夏商戦での動向が焦点となろう。
図1・2: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/1_1.jpg
【地デジ対応薄型TV】
薄型テレビは液晶テレビ、プラズマテレビともに省エネ化が進んでおり、エコポイント対象製品は、制度発表前から既に数量構成比で約90%を占めていた(図3)。このため、エコポイント制度はほとんどの製品を対象とした実質的な値下げと言え、ポイント還元により8%〜15%程度の価格引下げ効果があると試算される。結果、制度開始後の数量前年比は約4割増と、4月6日週から5月4日週までの買い控えによるマイナス分を埋めつつある。地デジ対応TVの普及促進、という観点からは、エコポイント制度は市場活性化に一定の効果をもたらしていると言えよう。
しかしながら制度開始後の動きを見る限り、依然として主力の32インチが数量構成比で約3分の1を占めており、全体の平均価格を押し上げるには至っていない。メーカー・販売店側としては今後、大型サイズへのシフトを如何に促すか、がポイントとなりそうだ。
図3: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/2_2.jpg
【冷蔵庫】
5月1日の省エネラベルの基準改定に伴い、エコポイント対象となるモデル数は改定前から半減した。にもかかわらず、新基準による対象製品の数量構成比はエコポイント制度発表前から緩やかに増加しており、もともと消費者の省エネ製品志向が高まっていたと言える(図4)。この流れを受け、制度開始直前のGW商戦では販売店が先行値下げした効果もあって、対象製品の数量構成比は55%と過半を超えた。制度開始後は更に増加ペースが速まり、最新週では63%、金額構成比は76%となり、消費者が対象製品を意識して選択購入している傾向が鮮明となった。
また平均価格は制度発表前の約76,000円に対し、制度開始後5週間では約95,000円と25%も上昇した。エコポイント対象製品のなかでも、特に400L以上の大型製品の構成比が伸びたことが、全体的な価格引き上げに繋がった。冷蔵庫は例年8月に商戦期を迎えるだけに、更なる期待が出来そうだ。
図4: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/3_3.jpg
【エアコン】
7月に商戦期を迎えるエアコンは、制度発表後には大きな動きは見られなかった。しかしながら、5月8日に省エネラベル基準が改定され、対象製品が明らかになるに伴い数量構成比は増加傾向を示し、5月18日週には51%と過半数を超えた(図5)。その後も過半数を超えて安定的に推移している。
例年、7月の商戦期においては低価格モデルの構成比が増加するため、一時的に多段階評価3つ星以下のモデルが増加する傾向があるが、今年はエコポイント対象製品が選択され、金額前年比を押し上げると期待される。但しエコポイント対象製品と非対象製品の価格差が懸念され、8畳〜10畳(2.5Kw〜2.8Kw)のモデルでは、価格差が約4〜5万円に対しエコポイントは9,000ポイントにとどまる。対象製品への一層の買換えを促すには、年間の消費電力を含めた総合的な「お得感」の訴求が必要となろう。
図5: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/4_4.jpg
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。
【概要】
・エコポイント制度の発表から開始まで(4月6日週〜5月4日週)の5週間は、対象3カテゴリーとも買い控えが見られた。
・地デジ対応TVは、買い控え期間(5週間)と制度開始後の5週間を合算すると、数量前年比、金額前年比ともに制度発表前の成長率に及ばず、制度開始後の5週間では買い控え分を埋めきるには至らなかった。しかしながら、制度開始後の高い成長率が続けば、地デジ普及促進と経済対策の両面で効果が期待できる。
・冷蔵庫は金額前年比の伸びが大きく、平均価格も上昇。エコポイント対象モデルが選択購入されている傾向が鮮明。
・エアコンは制度開始後も緩やかな反応にとどまるが、対象製品の構成比率は上昇。7月の商戦期の動向に注目。
【薄型TVは数量増、冷蔵庫は数量・金額共に増加】
5月15日にエコポイント制度が開始された影響により、5月11日週はエアコン、冷蔵庫、地デジ対応薄型TVとも数量前年比で前年を大きく上回った。特に地デジ対応薄型TVは、制度開始後5週間の平均成長率は数量前年比で43%増、金額前年比で27%増と好調な滑り出しとなった。しかしながら、買い控え期間5週間(4月6日週〜5月4日週)と制度開始後5週間を合算した10週間では、数量前年比28%増、金額前年比11%増と、それぞれ制度発表前の成長率(数量前年比31%増、金額前年比15%増)には若干及ばず、買い控え分を埋めきるには至らなかった(図1)。但し制度開始後の増加ペースがこのまま続けば、地デジ普及促進と景気対策の両面での効果が期待できそうだ。
また、買換え需要がメインとなる冷蔵庫では、制度開始直後は数量ベースで大きく成長したものの、その後は一時的に前年を下回る場面も見られた。ただ、制度開始後5週間における金額前年比は23%増と、制度発表前(12月29日週〜3月30日週)の平均成長率7%増を大きく上回り、より高価格のエコポイント対象製品が購入されている傾向が鮮明となった。買い控え期間を含めた10週間の成長率でも11%増と、買い控え期間のマイナス分を既に埋めており、今後の更なる市場の伸びが期待される(図2)。
一方、エアコンは制度開始直後は大きく伸びたものの、その後は前年を下回って推移している。ただ例年、エアコンは気温による販売の増減が大きく、更に商戦期は7月であることから、商戦期が本格化する夏商戦での動向が焦点となろう。
図1・2: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/1_1.jpg
【地デジ対応薄型TV】
薄型テレビは液晶テレビ、プラズマテレビともに省エネ化が進んでおり、エコポイント対象製品は、制度発表前から既に数量構成比で約90%を占めていた(図3)。このため、エコポイント制度はほとんどの製品を対象とした実質的な値下げと言え、ポイント還元により8%〜15%程度の価格引下げ効果があると試算される。結果、制度開始後の数量前年比は約4割増と、4月6日週から5月4日週までの買い控えによるマイナス分を埋めつつある。地デジ対応TVの普及促進、という観点からは、エコポイント制度は市場活性化に一定の効果をもたらしていると言えよう。
しかしながら制度開始後の動きを見る限り、依然として主力の32インチが数量構成比で約3分の1を占めており、全体の平均価格を押し上げるには至っていない。メーカー・販売店側としては今後、大型サイズへのシフトを如何に促すか、がポイントとなりそうだ。
図3: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/2_2.jpg
【冷蔵庫】
5月1日の省エネラベルの基準改定に伴い、エコポイント対象となるモデル数は改定前から半減した。にもかかわらず、新基準による対象製品の数量構成比はエコポイント制度発表前から緩やかに増加しており、もともと消費者の省エネ製品志向が高まっていたと言える(図4)。この流れを受け、制度開始直前のGW商戦では販売店が先行値下げした効果もあって、対象製品の数量構成比は55%と過半を超えた。制度開始後は更に増加ペースが速まり、最新週では63%、金額構成比は76%となり、消費者が対象製品を意識して選択購入している傾向が鮮明となった。
また平均価格は制度発表前の約76,000円に対し、制度開始後5週間では約95,000円と25%も上昇した。エコポイント対象製品のなかでも、特に400L以上の大型製品の構成比が伸びたことが、全体的な価格引き上げに繋がった。冷蔵庫は例年8月に商戦期を迎えるだけに、更なる期待が出来そうだ。
図4: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/3_3.jpg
【エアコン】
7月に商戦期を迎えるエアコンは、制度発表後には大きな動きは見られなかった。しかしながら、5月8日に省エネラベル基準が改定され、対象製品が明らかになるに伴い数量構成比は増加傾向を示し、5月18日週には51%と過半数を超えた(図5)。その後も過半数を超えて安定的に推移している。
例年、7月の商戦期においては低価格モデルの構成比が増加するため、一時的に多段階評価3つ星以下のモデルが増加する傾向があるが、今年はエコポイント対象製品が選択され、金額前年比を押し上げると期待される。但しエコポイント対象製品と非対象製品の価格差が懸念され、8畳〜10畳(2.5Kw〜2.8Kw)のモデルでは、価格差が約4〜5万円に対しエコポイントは9,000ポイントにとどまる。対象製品への一層の買換えを促すには、年間の消費電力を含めた総合的な「お得感」の訴求が必要となろう。
図5: http://www.atpress.ne.jp/releases/11340/4_4.jpg
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。