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愛知医科大学研究グループ、MRIで検出された乳がんを超音波で正確にとらえることができる新技術「Real-time virtual Sonography※ (RVS)」の応用開発に成功

愛知医科大学乳腺内分泌外科の中野正吾准教授、福富隆志教授らの研究グループは、株式会社日立メディコと共同で超音波画像に一致したMRI画像を表示することができる「Real-time Virtual Sonography※ (リアルタイムバーチャルソノグラフィ:RVS)」の応用開発に成功しました。フライトシミュレーションなどに用いられているバーチャルリアリティ技術をもとに我が国で開発された画像診断システムであり、これによりMRIでしか検出できない乳がんを超音波で確認することが可能となりました。

MRIは乳がん検出能が高い検査であり、乳房温存手術の適応や切除範囲を決める際に多くの施設で行われています。しかしながらMRIで初めて見つかった病変(偶発造影病変)を超音波で確認することが困難な場合も少なくありません。欧米ではこのような偶発造影病変に対し、MRIガイド下生検が試みられていますが、コストも高く施設も限られています。
中野准教授らは、偶発造影病変23例(悪性12例、良性11例)に対しRVSを行ったところ、超音波単独では30%であった発見率を83%に上昇させることを明らかにしました。
以上の研究成果は、「Japanese Journal of Clinical Oncology 9月号」にて出版予定、オンラインでは本日、4日に公開されます。

乳房温存手術は乳がんの標準術式として確立していますが、切除断端に乳がんが残存した場合、乳房内再発の危険因子となることが知られています。そのため、RVSを用いることで乳房温存手術後の再手術や乳房内再発の危険が回避できることが示されました。中野准教授らは以前、乳がん主病巣に対しRVSを施行し、病変の検出能においてマンモグラフィや超音波より優れ、MRIとほぼ同等の成績を示すことを2007年米国サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表しています。

※「Real-time Virtual Sonography」は、日本における株式会社日立メディコの登録商標です。

この論文は8月4日(GMT時間)にオンライン公開予定です。論文のアブストラクト部分までは無料でお読みいただくことが可能です。


【Japanese Journal of Clinical Oncology について】
「Japanese Journal of Clinical Oncology (JJCO)」はがんの臨床研究を取り扱う日本で始めての英文誌として1971年に創刊されました。年2回の刊行誌として11年間発行した後、投稿数上昇に伴い1983年に季刊誌に、1991年に隔月誌となりました。1998年以降、現在のJJCOは月刊論文誌として発行されています。

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<ホームページ>
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