地球に優しい海運業をABBのソリューションが実現
[09/08/18]
提供元:@Press
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北海の主要海港であるゴーセンバーグ港は、海洋と海運の浄化活動に対して贈られる国際的な賞を2つ受賞しました。これはABBの開発した温室効果ガス削減および船舶の燃料コスト低減のためのソリューションによるものです。
ABBのソリューションは停泊中の船に対して陸上からケーブルで高圧電力を供給する、世界で初めての方式です。2000年にスウェーデンゴーセンバーグ港のロールオン・ロールオフ船(トラックやトレーラーなどの車両が直接出入りして荷物の積み降ろしができる船舶)ターミナル用に開発されました。
ABBのこの陸上から船舶への電源供給方式の採用により、ゴーゼンバーグ港は2008年の世界的な造船・海運専門誌、ロイズリスト「クリーン・シー・アワード」と、2004年ヨーロッパ共同体「クリーン・マリーン・アワード」の2つの世界的な環境賞を受賞しました。
この方式は、船の機関や補助動力源を停止させている間、港湾に係留中の船舶に陸地から電力を供給します。この方法によって、エンジンを停止しても、船内で必要な冷蔵、空調、照明装置等への電力の供給を、荷積み、荷降ろしの間、継続的に受けることができます。
<コールドアイロニング>
スウェーデン環境研究所(IVL)によると、陸上電源供給によって、スウェーデンの、ゴーセンバーグ、ストックホルム、ヘルシングボルグ、ピエタ港の合計で、毎年約1,900トンの燃料を節約でき、二酸化炭素排出量を6,000トン低減しています。
停泊中に必要な船内電力を発電するために補助ディーゼルエンジンを稼働させて燃料を大量に使い、温室効果ガスと騒音を排出していた従来の方法と、陸上電源供給網に接続する船とは対照的です。
ゴーセンバーグ港では、この設備の設置が大きな成功となり、3基のABBの陸電ソリューションを追加採用しました。これにより、港湾局は陸上電源供給の国際的ベンチマークを築きました。
この陸上電源供給は、コールドアイロニング(Cold ironing)とも呼ばれます。これは、船舶が石炭燃料用の鉄製のエンジンを使っていた時代に港に入った船がエンジンを止め、それを冷ますことに由来しています。
「陸上電源供給は、海運業での健康および環境問題を緩和する大きな可能性を持っています。主な優位性は港湾都市での大気汚染ガスの排出削減です。」と、IVLのエリック・フィデルは2009年5月のノーザンマリタイム大学でおこなわれた陸上電源供給をテーマとした会議で述べています。
世界中の港湾設備は、港に停泊中の船舶からの排ガスを削減し、港湾周辺の空気汚染を改善する手段として、陸上電源供給に関心を寄せ始めています。陸上電源供給は現在、米国ロサンゼルス、ロングビーチ、サンフランシスコ、サンディエゴ、シアトル、ジュノーなどの港湾で使用可能です。カナダのバンクーバー、欧州のドイツ、スウェーデン、フィンランド、およびオランダの港湾に設置されています。
英国では、サザンプトン港が2009年7月に、停泊中のクルーズ船への陸上電源供給を検討中であると発表しました。
<EUの支援>
2009年5月、欧州委員会 漁業・海事担当委員、ジョー・ボルジは、ローマでの欧州クルーズ会社の会議で、陸上電源供給接続がEUの海事政策の一部として推進されている政策のひとつであると述べています。
標準的なエンジン向け高硫黄燃料と比べると、ABBの高圧陸上電源供給方式は、二酸化炭素排出量を50パーセント、その他の温室効果ガスを97パーセント削減できます。欧州の港に入港する船に対して2010年から使用が義務付けられる低硫黄燃料との対比においても、排出量の低減幅は顕著です。
ゴーセンバーグ港は風力、水力や太陽エネルギーで発電した電力の接続を現在検討していますが、停泊中の船舶の温室効果ガス排出を完璧に排除できる可能性もあります。
ABBのHVSC(High Voltage Shore Connection)と呼ばれる高圧陸上電源供給方式は、一体型の、省スペース、モジュラー式で、12漕以上のクルーズ船にこの技術が搭載されています。
多くの国では陸上の配電網の電力は、50ヘルツ(Hz)ですが、大半の船舶は60ヘルツです。このため、ABBの周波数変換器を用いて周波数を変換します。その後、電力はケーブル経由で変圧器へ送られ、6,600ボルト、或いは1万1千ボルトへ変圧され、停泊場所の小さなコンセントから1本のケーブルで送られます。
変電所および周波数変換所は、港湾ターミナルとしての機能を損なわぬよう、停泊場所から離れたところに設置することも可能です。
この方式に使用されている変電所、変圧器、周波数変換器(交流可変速駆動装置)製品は、ABBが世界でマーケットリーダーとしての地位を占めている、ABBの主要技術です。
※添付図の説明文
添付の図は、ABBの典型的な高圧陸上電源供給方式を示します。高い柔軟性と、停泊地での省スペース性を示しています。スペースを取る周波数変換所や変電所は、離れた場所へ設置することが可能です。
■ABBについて ( http://www.abb.com/ )
ABBは、世界のおよそ100カ国に120,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながらお客さまの業務効率を最適化するソリューションの数々を、産業界と公益事業の皆さまに提供しています。
■ABB株式会社について ( http://www.abb.co.jp/ )
ABBの日本法人であるABB株式会社は、国内において電力およびオートメーション事業を、製造、販売、サービス分野にわたって展開しています。
また、ABBの日本国内における活動は、ABB株式会社と3つの合弁事業から構成されており、ABBジャパングループとして約700名の従業員、12都市にわたる販売/サービスネットワークを擁しています。
ABBのソリューションは停泊中の船に対して陸上からケーブルで高圧電力を供給する、世界で初めての方式です。2000年にスウェーデンゴーセンバーグ港のロールオン・ロールオフ船(トラックやトレーラーなどの車両が直接出入りして荷物の積み降ろしができる船舶)ターミナル用に開発されました。
ABBのこの陸上から船舶への電源供給方式の採用により、ゴーゼンバーグ港は2008年の世界的な造船・海運専門誌、ロイズリスト「クリーン・シー・アワード」と、2004年ヨーロッパ共同体「クリーン・マリーン・アワード」の2つの世界的な環境賞を受賞しました。
この方式は、船の機関や補助動力源を停止させている間、港湾に係留中の船舶に陸地から電力を供給します。この方法によって、エンジンを停止しても、船内で必要な冷蔵、空調、照明装置等への電力の供給を、荷積み、荷降ろしの間、継続的に受けることができます。
<コールドアイロニング>
スウェーデン環境研究所(IVL)によると、陸上電源供給によって、スウェーデンの、ゴーセンバーグ、ストックホルム、ヘルシングボルグ、ピエタ港の合計で、毎年約1,900トンの燃料を節約でき、二酸化炭素排出量を6,000トン低減しています。
停泊中に必要な船内電力を発電するために補助ディーゼルエンジンを稼働させて燃料を大量に使い、温室効果ガスと騒音を排出していた従来の方法と、陸上電源供給網に接続する船とは対照的です。
ゴーセンバーグ港では、この設備の設置が大きな成功となり、3基のABBの陸電ソリューションを追加採用しました。これにより、港湾局は陸上電源供給の国際的ベンチマークを築きました。
この陸上電源供給は、コールドアイロニング(Cold ironing)とも呼ばれます。これは、船舶が石炭燃料用の鉄製のエンジンを使っていた時代に港に入った船がエンジンを止め、それを冷ますことに由来しています。
「陸上電源供給は、海運業での健康および環境問題を緩和する大きな可能性を持っています。主な優位性は港湾都市での大気汚染ガスの排出削減です。」と、IVLのエリック・フィデルは2009年5月のノーザンマリタイム大学でおこなわれた陸上電源供給をテーマとした会議で述べています。
世界中の港湾設備は、港に停泊中の船舶からの排ガスを削減し、港湾周辺の空気汚染を改善する手段として、陸上電源供給に関心を寄せ始めています。陸上電源供給は現在、米国ロサンゼルス、ロングビーチ、サンフランシスコ、サンディエゴ、シアトル、ジュノーなどの港湾で使用可能です。カナダのバンクーバー、欧州のドイツ、スウェーデン、フィンランド、およびオランダの港湾に設置されています。
英国では、サザンプトン港が2009年7月に、停泊中のクルーズ船への陸上電源供給を検討中であると発表しました。
<EUの支援>
2009年5月、欧州委員会 漁業・海事担当委員、ジョー・ボルジは、ローマでの欧州クルーズ会社の会議で、陸上電源供給接続がEUの海事政策の一部として推進されている政策のひとつであると述べています。
標準的なエンジン向け高硫黄燃料と比べると、ABBの高圧陸上電源供給方式は、二酸化炭素排出量を50パーセント、その他の温室効果ガスを97パーセント削減できます。欧州の港に入港する船に対して2010年から使用が義務付けられる低硫黄燃料との対比においても、排出量の低減幅は顕著です。
ゴーセンバーグ港は風力、水力や太陽エネルギーで発電した電力の接続を現在検討していますが、停泊中の船舶の温室効果ガス排出を完璧に排除できる可能性もあります。
ABBのHVSC(High Voltage Shore Connection)と呼ばれる高圧陸上電源供給方式は、一体型の、省スペース、モジュラー式で、12漕以上のクルーズ船にこの技術が搭載されています。
多くの国では陸上の配電網の電力は、50ヘルツ(Hz)ですが、大半の船舶は60ヘルツです。このため、ABBの周波数変換器を用いて周波数を変換します。その後、電力はケーブル経由で変圧器へ送られ、6,600ボルト、或いは1万1千ボルトへ変圧され、停泊場所の小さなコンセントから1本のケーブルで送られます。
変電所および周波数変換所は、港湾ターミナルとしての機能を損なわぬよう、停泊場所から離れたところに設置することも可能です。
この方式に使用されている変電所、変圧器、周波数変換器(交流可変速駆動装置)製品は、ABBが世界でマーケットリーダーとしての地位を占めている、ABBの主要技術です。
※添付図の説明文
添付の図は、ABBの典型的な高圧陸上電源供給方式を示します。高い柔軟性と、停泊地での省スペース性を示しています。スペースを取る周波数変換所や変電所は、離れた場所へ設置することが可能です。
■ABBについて ( http://www.abb.com/ )
ABBは、世界のおよそ100カ国に120,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながらお客さまの業務効率を最適化するソリューションの数々を、産業界と公益事業の皆さまに提供しています。
■ABB株式会社について ( http://www.abb.co.jp/ )
ABBの日本法人であるABB株式会社は、国内において電力およびオートメーション事業を、製造、販売、サービス分野にわたって展開しています。
また、ABBの日本国内における活動は、ABB株式会社と3つの合弁事業から構成されており、ABBジャパングループとして約700名の従業員、12都市にわたる販売/サービスネットワークを擁しています。