〜更年期世代女性の体調変化と心理状態に関する調査レポート〜40〜50代女性は、がんばりすぎの「がむしゃら世代」「体調不良時には我慢してやりすごす」が4割以上 無理することが習慣化!?
[17/03/27]
提供元:@Press
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女性が活躍できる社会の実現を目指し、医療、美容、栄養、キャリアカウンセリング等の専門家が集い “ホルモンケア” の啓発活動を行う「ホルモンケア推進プロジェクト」(http://hormonecare-pj.net/)は、更年期で体調に変化が生じる女性が多いにも関わらず、対策を講じている割合が少ないことに着目し、更年期にさしかかってくる40〜50代・女性333名を対象に、「更年期世代女性の体調変化と心理状態」調査(2017年3月インターネット調査)を実施いたしました。
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/table_125137_1.jpg
その結果、周囲から「がむしゃらだ」と言われる女性が約7割も存在し、がむしゃらだと言われない女性に比べて、体調変化を感じている割合が高く、ストレスも高いことが明らかになりました。この現象について、トレンド・世代評論家の牛窪恵氏は、40〜50代、特にバブル経験者(46〜54歳)は「がむしゃら世代」であると解説し、男女機会均等法の中で、女性の精神的自立を切り開いてきた強さゆえに、体調不良さえも「自分に負けたくない」と我慢してしまう傾向が高いと分析しています。「がむしゃら世代」の対策として、産婦人科医の吉野一枝氏は、近年の女性たちのライフスタイル変化により、女性ホルモン起因の疾患リスクが高まっている一方で、女性は我慢しがちである。女性たちが健やかに生きていくためには、自身の健康状態を良く知った上で、適切な対処法をしていくのが重要です。最後に、女性ホルモンと大きく影響している「エクオール」について紹介します。
■ 【1】調査レポート
■ 40〜50代女性は頑張りすぎ!?他人から「がむしゃらだ」と言われた経験は67.3%。その中で「もっと頑張らないといけない」と思っている女性は60%にのぼる。
40〜50代女性333名を対象に「他人から『がむしゃらだ』と言われた経験」について聞いたところ、「よく言われる」「たまに言われる」をあわせて全体の67.3%に。〔グラフ1〕約7割近い女性たちが言われた経験があることがわかりました。今回の調査レポートでは、この「がむしゃら女性」たちに注目したいと思います。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_1.png
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_2.png
がむしゃら世代女性の特徴としては以下が挙げられます。
表2: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/table_125137_2.jpg
責任感が強く、自身に対して厳しい傾向がうかがえます。がむしゃら女性は、その責任感の強さやストイックさから、約7割が周囲に助けを求めたり、弱音を吐いたりするのも苦手と回答しました。そして、がむしゃら女性たちは現状に満足せず、半数以上が「今以上頑張らなくてはいけない」(60.3%)と思っていることも明らかになりました。〔グラフ2〕このように、自分に対して厳しく、弱音を吐かず、「もっと頑張らねば」と思ってしまうのが、がむしゃら女性の特徴といえます。なので、体調の変化に対してもストレスに感じながらも、誰にも相談せず自身で抱え込み、我慢していることが推測されます。
■ ここ5年で、身体や体調の変化を感じている40〜50代女性は、77.6%。がむしゃら女性の方が、体調不良の自覚率が高い。
ここ5年での身体や体調の変化について聞いたところ、「体調変化を非常に感じている」と回答したがむしゃら女性は全体の54.0%。それに対し、がむしゃらだと言われた経験がない女性(=非がむしゃら女性)は39.4%で、がむしゃら女性のほうが1.3倍多い結果に。具体的な体調変化についても、がむしゃら女性のほうが、非がむしゃら女性と比較し、自身の体調変化を実感し、またその体調変化に対してストレスを抱いていることがわかりました。〔グラフ3〕
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_3.png
■ がむしゃら女性は、「体調不良を我慢してやりすごす」が41.5%。病院に行くは26.8%、薬局に行くが18.8%と低い結果。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_4.png
このように自身の不調に対して、ストレスを感じていながらも、約4割のがむしゃら女性たちが「我慢してやりすごす」(41.5%)ことがわかりました。〔グラフ4〕
自分自身に対して、厳しい傾向のあるがむしゃら女性たちは、約3人に1人程度しか「病院へ行く」(26.8%)ことを選択しないのが現状のようです。
がむしゃら女性たちは、現状に満足せず「もっと頑張らなくては」と思いがちなため、自身の不調を二の次にしてしまっていることが推測されます。
■ 【2】インタビュー
■ 世代・トレンド評論家牛窪恵氏が解説
■ 40〜50代女性は、体調不良さえも、自分に甘えたくないと考えてしまう「がむしゃら世代」
現代の40〜50代女性は「がむしゃら」なのか?その背景を世代・トレンド評論家である牛窪恵氏は以下のように解説します。
女性にとって、妊娠・出産以外で訪れる体の大きな変化は、「生理」の始まり(初潮)と終わり(閉経)でしょう。日本産科婦人科学会によると、日本女性の平均閉経年齢は約50歳。私が40〜50代女性に取材しても、50歳前後からは閉経前後のホルモンバランスの乱れによって、少なからず頭痛やめまい、ほてり、イライラなど様々な不調に悩まされています。それにも関わらず、彼女達はその辛さを顔に出したり弱音を吐いたりはしません。なぜならそれは、自分に対する「甘え」だから。多くの40~50代女性は「自分に負けたくない」と考え、がむしゃらに頑張り過ぎてしまう傾向にあります。
理由としては以下が考えられます。
・現在の更年期世代の多くは「バブル世代(47〜58歳)」で、青春時代、右肩上がりの経済を背景に「頑張ればいいことが待っている」と信じ、何事にも失敗を恐れず、ポジティブに挑戦。
・しかし、実は80〜90年代のまだ男女雇用機会均等法が社会に浸透する以前の日本で、旧態依然とした社会と戦って来た。
・入社当時の職場では「女は女らしく」を強いられ、お茶汲みやコピー取りに追われる。
・晩婚・未婚であれば、どんなに仕事ができても「まだ結婚しないの?」と露骨に嫌味を言われる。
・そんな既成概念にも負けず、「女性の精神的自立」という新時代を自ら開拓。→「フロンティアスピリッツ溢れる世代」といえる
私も同世代なので、「自分に負けまい」とする彼女達の思いには強く共感します。ただ、更年期による体調不良は、誰にでも起こり得る生理現象。この事については、がむしゃらに頑張り過ぎることなく、節目節目で立ち止まり、自分の体の声を聞き、時には外部に助けを求めるなど、適切な情報収集や処置に向けて踏み出して欲しいと考えています。そのことが、エイジングによるストレスを軽減してくれるだけでなく、更年期市場にも新たな希望と光をもたらしてくれるはずです。
■ 産婦人科医・吉野一枝氏が解説
■ 近年の女性たちはライフステージの変化によって、健康リスクが増加!我慢せずに、適切な処置を
このような「がむしゃら女性」たちはどうすべきなのでしょうか?産婦人科医の吉野一枝氏は以下の通りに解説します。
第二次世界大戦後から現在にかけて、女性のライフスタイルは大きく変化しました。過去、女性たちは生涯において閉経までにおおよそ10回程度出産を経験しましたが、現代女性においてはその回数が減っています。そのため、過去の女性たちは生涯での月経回数が約50回程度だったのが、現代女性は約450回と9倍に。しかし、その一方で女性ホルモンの仕組みは進化していません。「産まなくなった」現代女性たちは、毎月排卵と月経を無駄に繰り返していることになり、排卵月経が増えることで子宮内膜症・子宮体癌・卵巣癌・乳癌などの健康リスクが増加しています。
女性ホルモンは35歳付近からゆっくりと低下していき、40代に突入すると急降下します。そして、閉経後はエストロゲンがほとんど出なくなります。これは男性との大きな違いで、男性ホルモンは40代に突入しても急激に低下することはありません。そのため、男女では健康問題が異なり、女性は女性ならではの健康リスクについてきちんと理解したほうがいいでしょう。
女性ホルモン(エストロゲン)は健康ホルモンであるとも言え、女性の全身の健康を守っています。よって、エストロゲンが低下していくタイミングで、コレステロール・肝機能異常・肥満・高血圧などの生活習慣病リスクが高まることがわかっています。また、エストロゲンの受容体は全身にあるため、皮膚・髪・骨・精神などにも影響があり、「ちょっとした変化」が女性ホルモン減少のサインと覚えておきましょう。
更年期の症状は、女性ホルモン低下以外に、心因的ストレス(夫婦関係、育児、仕事、介護など)と、「ストレス」をどうとらえるかという性格的要因も大きく関係しており、人によっては日常生活に支障をきたしてしまうことも。女性が健やかに生活していくためには、自身の不調に向き合い、我慢せずに適切な処置をすることが重要になります。
更年期症候群の治療法としては、漢方・ホルモン剤(低用量ピル、ホルモン補充療法)、精神安定剤、自律神経用剤などがあります。また、治療効果をより高めるために、毎日できるセルフケアもおすすめです。バランスの取れた食事・サプリメント摂取・十分な睡眠・適度な運動・ストレスマネジメントなどを心がけましょう。サプリメントの一例としては、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンを活性させる「エクオール」などがあります。このように様々なアプローチがあるため、ちょっとした不調を相談できる「かかりつけ医(ホームドクター)」を見つけることも、女性の一生の健康を左右します。ぜひ、信頼のおける「かかりつけ医」をみつけ、自身の健康状態や環境的要因を踏まえて相談してみてください。
【監修者紹介】
牛窪 恵 氏
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_5.jpg
世代・トレンド評論家。マーケティングライター。財務省財政制度等審議会専門委員。1968年東京生まれ。日大芸術学部 映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。フリーライターを経て2001年、マーケティングを中心に行うインフィニティを設立、同代表取締役。現在、日本経済新聞、『日経ビジネス』『婦人公論』ほかに連載中。トレンド、マーケティング関連の著書やテレビ番組のレギュラー出演多数。
吉野 一枝 氏
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_6.jpg
帝京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院産婦人科、長野赤十字病院、藤枝市立総合病院などの産婦人科に勤務後、2003年によしの女性診療所を開院。
2017年には先生が発起人・副代表となり、全国の女性医師・歯科医師・薬剤師が集まって女性の健康推進を提唱する「女性医療者連合(JAMP)」を立ち上げた。
■ 【参考情報】エクオールとは?
更年期は、卵巣機能の低下によるエストロゲン(女性ホルモン)のレベルの低下に伴い、月経不順、ホットフラッシュ、脂質代謝異常、骨量減少、皮膚の乾燥萎縮(お肌の衰え)等、さまざまな症状を引き起こし生活の質が低下します。これに対し、更年期障害のほか、骨粗しょう症、動脈硬化、乳がん予防等に大豆中のイソフラボンが有用であると研究成果が出ています。
しかし、大豆イソフラボンのサプリメントを摂取、または大豆を食事でたくさん摂るようにしても、つらい症状が改善しない方がいることが分かってきました。大豆に含まれるイソフラボンには、主にダイゼイン・ゲニステイン・グリシテインの3種類が存在し、さらにその中のダイゼインがある腸内細菌によって代謝されエクオールという成分が産生されます。このエクオールこそが、イソフラボン関連の中ではエストロゲン活性が最も高いといわれています。
つまり、エクオールを産生する腸内細菌が存在するかどうかで、イソフラボンの効き目に差が出てくると考えられています。残念ながら、エクオールの産生能力には個人差があり、日本人の2人に1人は、エクオールを産生できないといわれています。特に20代前後の若い女性では、エクオール産生腸内細菌を持っているのは20%とも言われております。実際に、更年期障害やPMSが軽いグループでは重いグループと比較して、尿中エクオール排泄量が有意に高い、つまり、エクオールを多く産生していることがわかっています。
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/table_125137_1.jpg
その結果、周囲から「がむしゃらだ」と言われる女性が約7割も存在し、がむしゃらだと言われない女性に比べて、体調変化を感じている割合が高く、ストレスも高いことが明らかになりました。この現象について、トレンド・世代評論家の牛窪恵氏は、40〜50代、特にバブル経験者(46〜54歳)は「がむしゃら世代」であると解説し、男女機会均等法の中で、女性の精神的自立を切り開いてきた強さゆえに、体調不良さえも「自分に負けたくない」と我慢してしまう傾向が高いと分析しています。「がむしゃら世代」の対策として、産婦人科医の吉野一枝氏は、近年の女性たちのライフスタイル変化により、女性ホルモン起因の疾患リスクが高まっている一方で、女性は我慢しがちである。女性たちが健やかに生きていくためには、自身の健康状態を良く知った上で、適切な対処法をしていくのが重要です。最後に、女性ホルモンと大きく影響している「エクオール」について紹介します。
■ 【1】調査レポート
■ 40〜50代女性は頑張りすぎ!?他人から「がむしゃらだ」と言われた経験は67.3%。その中で「もっと頑張らないといけない」と思っている女性は60%にのぼる。
40〜50代女性333名を対象に「他人から『がむしゃらだ』と言われた経験」について聞いたところ、「よく言われる」「たまに言われる」をあわせて全体の67.3%に。〔グラフ1〕約7割近い女性たちが言われた経験があることがわかりました。今回の調査レポートでは、この「がむしゃら女性」たちに注目したいと思います。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_1.png
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_2.png
がむしゃら世代女性の特徴としては以下が挙げられます。
表2: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/table_125137_2.jpg
責任感が強く、自身に対して厳しい傾向がうかがえます。がむしゃら女性は、その責任感の強さやストイックさから、約7割が周囲に助けを求めたり、弱音を吐いたりするのも苦手と回答しました。そして、がむしゃら女性たちは現状に満足せず、半数以上が「今以上頑張らなくてはいけない」(60.3%)と思っていることも明らかになりました。〔グラフ2〕このように、自分に対して厳しく、弱音を吐かず、「もっと頑張らねば」と思ってしまうのが、がむしゃら女性の特徴といえます。なので、体調の変化に対してもストレスに感じながらも、誰にも相談せず自身で抱え込み、我慢していることが推測されます。
■ ここ5年で、身体や体調の変化を感じている40〜50代女性は、77.6%。がむしゃら女性の方が、体調不良の自覚率が高い。
ここ5年での身体や体調の変化について聞いたところ、「体調変化を非常に感じている」と回答したがむしゃら女性は全体の54.0%。それに対し、がむしゃらだと言われた経験がない女性(=非がむしゃら女性)は39.4%で、がむしゃら女性のほうが1.3倍多い結果に。具体的な体調変化についても、がむしゃら女性のほうが、非がむしゃら女性と比較し、自身の体調変化を実感し、またその体調変化に対してストレスを抱いていることがわかりました。〔グラフ3〕
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_3.png
■ がむしゃら女性は、「体調不良を我慢してやりすごす」が41.5%。病院に行くは26.8%、薬局に行くが18.8%と低い結果。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_4.png
このように自身の不調に対して、ストレスを感じていながらも、約4割のがむしゃら女性たちが「我慢してやりすごす」(41.5%)ことがわかりました。〔グラフ4〕
自分自身に対して、厳しい傾向のあるがむしゃら女性たちは、約3人に1人程度しか「病院へ行く」(26.8%)ことを選択しないのが現状のようです。
がむしゃら女性たちは、現状に満足せず「もっと頑張らなくては」と思いがちなため、自身の不調を二の次にしてしまっていることが推測されます。
■ 【2】インタビュー
■ 世代・トレンド評論家牛窪恵氏が解説
■ 40〜50代女性は、体調不良さえも、自分に甘えたくないと考えてしまう「がむしゃら世代」
現代の40〜50代女性は「がむしゃら」なのか?その背景を世代・トレンド評論家である牛窪恵氏は以下のように解説します。
女性にとって、妊娠・出産以外で訪れる体の大きな変化は、「生理」の始まり(初潮)と終わり(閉経)でしょう。日本産科婦人科学会によると、日本女性の平均閉経年齢は約50歳。私が40〜50代女性に取材しても、50歳前後からは閉経前後のホルモンバランスの乱れによって、少なからず頭痛やめまい、ほてり、イライラなど様々な不調に悩まされています。それにも関わらず、彼女達はその辛さを顔に出したり弱音を吐いたりはしません。なぜならそれは、自分に対する「甘え」だから。多くの40~50代女性は「自分に負けたくない」と考え、がむしゃらに頑張り過ぎてしまう傾向にあります。
理由としては以下が考えられます。
・現在の更年期世代の多くは「バブル世代(47〜58歳)」で、青春時代、右肩上がりの経済を背景に「頑張ればいいことが待っている」と信じ、何事にも失敗を恐れず、ポジティブに挑戦。
・しかし、実は80〜90年代のまだ男女雇用機会均等法が社会に浸透する以前の日本で、旧態依然とした社会と戦って来た。
・入社当時の職場では「女は女らしく」を強いられ、お茶汲みやコピー取りに追われる。
・晩婚・未婚であれば、どんなに仕事ができても「まだ結婚しないの?」と露骨に嫌味を言われる。
・そんな既成概念にも負けず、「女性の精神的自立」という新時代を自ら開拓。→「フロンティアスピリッツ溢れる世代」といえる
私も同世代なので、「自分に負けまい」とする彼女達の思いには強く共感します。ただ、更年期による体調不良は、誰にでも起こり得る生理現象。この事については、がむしゃらに頑張り過ぎることなく、節目節目で立ち止まり、自分の体の声を聞き、時には外部に助けを求めるなど、適切な情報収集や処置に向けて踏み出して欲しいと考えています。そのことが、エイジングによるストレスを軽減してくれるだけでなく、更年期市場にも新たな希望と光をもたらしてくれるはずです。
■ 産婦人科医・吉野一枝氏が解説
■ 近年の女性たちはライフステージの変化によって、健康リスクが増加!我慢せずに、適切な処置を
このような「がむしゃら女性」たちはどうすべきなのでしょうか?産婦人科医の吉野一枝氏は以下の通りに解説します。
第二次世界大戦後から現在にかけて、女性のライフスタイルは大きく変化しました。過去、女性たちは生涯において閉経までにおおよそ10回程度出産を経験しましたが、現代女性においてはその回数が減っています。そのため、過去の女性たちは生涯での月経回数が約50回程度だったのが、現代女性は約450回と9倍に。しかし、その一方で女性ホルモンの仕組みは進化していません。「産まなくなった」現代女性たちは、毎月排卵と月経を無駄に繰り返していることになり、排卵月経が増えることで子宮内膜症・子宮体癌・卵巣癌・乳癌などの健康リスクが増加しています。
女性ホルモンは35歳付近からゆっくりと低下していき、40代に突入すると急降下します。そして、閉経後はエストロゲンがほとんど出なくなります。これは男性との大きな違いで、男性ホルモンは40代に突入しても急激に低下することはありません。そのため、男女では健康問題が異なり、女性は女性ならではの健康リスクについてきちんと理解したほうがいいでしょう。
女性ホルモン(エストロゲン)は健康ホルモンであるとも言え、女性の全身の健康を守っています。よって、エストロゲンが低下していくタイミングで、コレステロール・肝機能異常・肥満・高血圧などの生活習慣病リスクが高まることがわかっています。また、エストロゲンの受容体は全身にあるため、皮膚・髪・骨・精神などにも影響があり、「ちょっとした変化」が女性ホルモン減少のサインと覚えておきましょう。
更年期の症状は、女性ホルモン低下以外に、心因的ストレス(夫婦関係、育児、仕事、介護など)と、「ストレス」をどうとらえるかという性格的要因も大きく関係しており、人によっては日常生活に支障をきたしてしまうことも。女性が健やかに生活していくためには、自身の不調に向き合い、我慢せずに適切な処置をすることが重要になります。
更年期症候群の治療法としては、漢方・ホルモン剤(低用量ピル、ホルモン補充療法)、精神安定剤、自律神経用剤などがあります。また、治療効果をより高めるために、毎日できるセルフケアもおすすめです。バランスの取れた食事・サプリメント摂取・十分な睡眠・適度な運動・ストレスマネジメントなどを心がけましょう。サプリメントの一例としては、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンを活性させる「エクオール」などがあります。このように様々なアプローチがあるため、ちょっとした不調を相談できる「かかりつけ医(ホームドクター)」を見つけることも、女性の一生の健康を左右します。ぜひ、信頼のおける「かかりつけ医」をみつけ、自身の健康状態や環境的要因を踏まえて相談してみてください。
【監修者紹介】
牛窪 恵 氏
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_5.jpg
世代・トレンド評論家。マーケティングライター。財務省財政制度等審議会専門委員。1968年東京生まれ。日大芸術学部 映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。フリーライターを経て2001年、マーケティングを中心に行うインフィニティを設立、同代表取締役。現在、日本経済新聞、『日経ビジネス』『婦人公論』ほかに連載中。トレンド、マーケティング関連の著書やテレビ番組のレギュラー出演多数。
吉野 一枝 氏
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/125137/img_125137_6.jpg
帝京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院産婦人科、長野赤十字病院、藤枝市立総合病院などの産婦人科に勤務後、2003年によしの女性診療所を開院。
2017年には先生が発起人・副代表となり、全国の女性医師・歯科医師・薬剤師が集まって女性の健康推進を提唱する「女性医療者連合(JAMP)」を立ち上げた。
■ 【参考情報】エクオールとは?
更年期は、卵巣機能の低下によるエストロゲン(女性ホルモン)のレベルの低下に伴い、月経不順、ホットフラッシュ、脂質代謝異常、骨量減少、皮膚の乾燥萎縮(お肌の衰え)等、さまざまな症状を引き起こし生活の質が低下します。これに対し、更年期障害のほか、骨粗しょう症、動脈硬化、乳がん予防等に大豆中のイソフラボンが有用であると研究成果が出ています。
しかし、大豆イソフラボンのサプリメントを摂取、または大豆を食事でたくさん摂るようにしても、つらい症状が改善しない方がいることが分かってきました。大豆に含まれるイソフラボンには、主にダイゼイン・ゲニステイン・グリシテインの3種類が存在し、さらにその中のダイゼインがある腸内細菌によって代謝されエクオールという成分が産生されます。このエクオールこそが、イソフラボン関連の中ではエストロゲン活性が最も高いといわれています。
つまり、エクオールを産生する腸内細菌が存在するかどうかで、イソフラボンの効き目に差が出てくると考えられています。残念ながら、エクオールの産生能力には個人差があり、日本人の2人に1人は、エクオールを産生できないといわれています。特に20代前後の若い女性では、エクオール産生腸内細菌を持っているのは20%とも言われております。実際に、更年期障害やPMSが軽いグループでは重いグループと比較して、尿中エクオール排泄量が有意に高い、つまり、エクオールを多く産生していることがわかっています。