日本メディアアナリシス業協会、設立記念講演会レポート
[09/11/05]
提供元:@Press
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「日本の広告業界の生産性、効率、そして透明性の高い取引を目指した、メディアパフォーマンスの『評価サービス』を浸透させる」ことを使命とし、2009年7月に設立した一般社団法人日本メディアアナリシス業協会(所在地:東京都港区、代表理事:村山 朗(株式会社truestar代表取締役、URL: http://j-maa.or.jp/ 、以下 JMAA)は、その設立を記念して特別講演会を10月28日に開催しました。広告主、広告会社から約100名が参加し、「日本の広告メディアにおけるグローバリゼーション」と日本の広告業界の今後について、基調講演と業界の識者によるディスカッションが行われました。
■協会設立の挨拶
冒頭でJMAA代表理事 村山 朗氏が「協会は今後、広告主と広告代理店との第三極として、各企業にとって主要な投資案件であるメディア取引の透明化、効果評価、資源配分の最適化を第三者の立場でコンサルテーションすることの重要性の周知と、技術の向上を図る。」と宣言しました。
この宣言にもあるように、JMAAは、日本の広告取引も、グローバル化は避けられないことから、第三者による客観的な評価への期待は今後増えていくと自信を深めています。また、旧態依然のメディア取引の変化のニーズを感じているプレイヤーは多く、改革への起爆剤の役割を果たすことが、JMAAに期待されています。
■基調講演
協会の設立の背景でもある「グローバリゼーションが加速する現在、今後の日本の広告業界」として、小泉 秀昭 立命館大学教授が、米国の事例と日本の現状を様々な調査結果を交えて紹介。
米国では相次ぐ企業の不祥事や景気後退から、監査を行う企業がここ3年で増加し、半数を超える53%に上っているのに対し、日本は広告主の満足度は高くないにも関わらず、広告主の監査導入は、「驚くべきほど浸透していない。」という調査結果を発表しました。
広告主による監査の位置づけについても、企業ガバナンスや説明責任(アカウンタビリティ)、コスト管理という経営視点を目的とする米企業に対し、日本ではまず、広告業務における監査自体されていないことに加えて、投資効率の改善というよりは調達コストダウンにとどまっている点を指摘、協会が提唱する「第三極」の役割は必然の流れであることを明言しました。
一方、広告会社に対しても現状を打破する必要性を説き、「コーポレートガバナンスや監査の必要性が認識されている米国では、他市場で70%のメディア監査をカバーする実績を持つ大手コンサルティングファームが、メディア監査業務に参入。計量モデル分析も進んでおり、メディアエージェンシーよりも優れた分析を始め、新しい役割を確立しつつある。また、こうしたプレイヤーは、米国に続いて、今後中国市場にビジネスを拡大すると予測されている。こうした外的要因の動きを鑑みると、日本の広告業界の商習慣が説明しにくく複雑で、透明性が確保できずにいれば、日本の広告業界の生産性、効率、透明性の高い取引を促進する妨げになるだけでなく、日本そのものが取り残される可能性もある。」とし、グローバル化の進む広告業界の今後において大きな役割を果たすのは、マーケティング活動の投資効果(ROI)の『評価サービス』の拡充であると、協会の推進する新基軸を支持する議論を展開しました。
■パネルディスカッション
基調講演に続き、広告主と広告会社によるパネルディッスカッションが行われました。
まず、20世紀フォックス映画 マーケティング本部部長 富松 敬一朗氏は、現状の広告主のメディア購入に対する効果査定の努力は一定の功を奏しており、「現状のテレビメディアやオンラインメディアについては、データもある程度整備されており、グローバル監査基準上からも概ね悪くないと評価している。」と評価。その一方で、イー・モバイル株式会社 執行役員 社長室広告宣伝部長 花岡 隆春氏による「取引自体の不透明性や、メディアデータの整備にはまだ改善の余地がある。」という指摘もありました。「(広告メディア費は)大きな投資」(小泉教授)であるため、協会が更なる改善に寄与しようとするメディアの「取引の透明性を高める」という広告主が持っている要望に加えて、「今はテレビを軸とした考えを超え、顧客のオールタッチポイントを重視している」(前掲:富松氏、花岡氏)ことからも、統合的マーケティング指標や、「生産性、効率の向上」に貢献するコンサルティング機能の強化が求められました。
スターコム・ワールドワイド・ジャパン ディレクター 張 替且久氏は「業界内にも取引の透明性向上の機運は高まっている。」とした上で、「メディア最適化のコンサルティングにはクライアントの参加も不可欠。」という、マーケティング評価指標の標準化プロセス確立には、クライアントと広告会社の協業を示す方向性が提示されました。
■総括
本講演会では、「日本は米国に比べて広告取引での監査業務はおおいに遅れている」(小泉教授)という指摘に加えて、業界識者のディスカッションからも、「第三者評価に求められる機能は、(1)購買関与の深い監査と、(2)投資効果を最適化する監査、の二つの潮流がある。」(JMAA理事 秋葉 祐輔氏)ことが明確になりました。さらに、各ステークホルダーが業界全体で、協会が使命とする「生産性、効率、取引の透明性向上」を目指し、今後の企業の存続に不可欠なCSRを推進する『評価サービス』への期待が共有されました。
■日本メディアアナリシス業協会(JMAA)について: http://j-maa.or.jp/
「日本の広告業界の生産性、効率、そして透明性の高い取引を目指した、メディアパフォーマンスの『評価サービス』を浸透させる」ことを使命とし、2009年7月に設立。
代表理事: 村山 朗(株式会社truestar 代表取締役)
理事 : 秋葉 祐輔(株式会社エスピーアイ 代表取締役社長)
所在地 : 東京都港区虎ノ門二丁目7番16号(株式会社truestar内)
TEL : 03-6273-3640
E-mail : info@i-maa.or.jp
■協会設立の挨拶
冒頭でJMAA代表理事 村山 朗氏が「協会は今後、広告主と広告代理店との第三極として、各企業にとって主要な投資案件であるメディア取引の透明化、効果評価、資源配分の最適化を第三者の立場でコンサルテーションすることの重要性の周知と、技術の向上を図る。」と宣言しました。
この宣言にもあるように、JMAAは、日本の広告取引も、グローバル化は避けられないことから、第三者による客観的な評価への期待は今後増えていくと自信を深めています。また、旧態依然のメディア取引の変化のニーズを感じているプレイヤーは多く、改革への起爆剤の役割を果たすことが、JMAAに期待されています。
■基調講演
協会の設立の背景でもある「グローバリゼーションが加速する現在、今後の日本の広告業界」として、小泉 秀昭 立命館大学教授が、米国の事例と日本の現状を様々な調査結果を交えて紹介。
米国では相次ぐ企業の不祥事や景気後退から、監査を行う企業がここ3年で増加し、半数を超える53%に上っているのに対し、日本は広告主の満足度は高くないにも関わらず、広告主の監査導入は、「驚くべきほど浸透していない。」という調査結果を発表しました。
広告主による監査の位置づけについても、企業ガバナンスや説明責任(アカウンタビリティ)、コスト管理という経営視点を目的とする米企業に対し、日本ではまず、広告業務における監査自体されていないことに加えて、投資効率の改善というよりは調達コストダウンにとどまっている点を指摘、協会が提唱する「第三極」の役割は必然の流れであることを明言しました。
一方、広告会社に対しても現状を打破する必要性を説き、「コーポレートガバナンスや監査の必要性が認識されている米国では、他市場で70%のメディア監査をカバーする実績を持つ大手コンサルティングファームが、メディア監査業務に参入。計量モデル分析も進んでおり、メディアエージェンシーよりも優れた分析を始め、新しい役割を確立しつつある。また、こうしたプレイヤーは、米国に続いて、今後中国市場にビジネスを拡大すると予測されている。こうした外的要因の動きを鑑みると、日本の広告業界の商習慣が説明しにくく複雑で、透明性が確保できずにいれば、日本の広告業界の生産性、効率、透明性の高い取引を促進する妨げになるだけでなく、日本そのものが取り残される可能性もある。」とし、グローバル化の進む広告業界の今後において大きな役割を果たすのは、マーケティング活動の投資効果(ROI)の『評価サービス』の拡充であると、協会の推進する新基軸を支持する議論を展開しました。
■パネルディスカッション
基調講演に続き、広告主と広告会社によるパネルディッスカッションが行われました。
まず、20世紀フォックス映画 マーケティング本部部長 富松 敬一朗氏は、現状の広告主のメディア購入に対する効果査定の努力は一定の功を奏しており、「現状のテレビメディアやオンラインメディアについては、データもある程度整備されており、グローバル監査基準上からも概ね悪くないと評価している。」と評価。その一方で、イー・モバイル株式会社 執行役員 社長室広告宣伝部長 花岡 隆春氏による「取引自体の不透明性や、メディアデータの整備にはまだ改善の余地がある。」という指摘もありました。「(広告メディア費は)大きな投資」(小泉教授)であるため、協会が更なる改善に寄与しようとするメディアの「取引の透明性を高める」という広告主が持っている要望に加えて、「今はテレビを軸とした考えを超え、顧客のオールタッチポイントを重視している」(前掲:富松氏、花岡氏)ことからも、統合的マーケティング指標や、「生産性、効率の向上」に貢献するコンサルティング機能の強化が求められました。
スターコム・ワールドワイド・ジャパン ディレクター 張 替且久氏は「業界内にも取引の透明性向上の機運は高まっている。」とした上で、「メディア最適化のコンサルティングにはクライアントの参加も不可欠。」という、マーケティング評価指標の標準化プロセス確立には、クライアントと広告会社の協業を示す方向性が提示されました。
■総括
本講演会では、「日本は米国に比べて広告取引での監査業務はおおいに遅れている」(小泉教授)という指摘に加えて、業界識者のディスカッションからも、「第三者評価に求められる機能は、(1)購買関与の深い監査と、(2)投資効果を最適化する監査、の二つの潮流がある。」(JMAA理事 秋葉 祐輔氏)ことが明確になりました。さらに、各ステークホルダーが業界全体で、協会が使命とする「生産性、効率、取引の透明性向上」を目指し、今後の企業の存続に不可欠なCSRを推進する『評価サービス』への期待が共有されました。
■日本メディアアナリシス業協会(JMAA)について: http://j-maa.or.jp/
「日本の広告業界の生産性、効率、そして透明性の高い取引を目指した、メディアパフォーマンスの『評価サービス』を浸透させる」ことを使命とし、2009年7月に設立。
代表理事: 村山 朗(株式会社truestar 代表取締役)
理事 : 秋葉 祐輔(株式会社エスピーアイ 代表取締役社長)
所在地 : 東京都港区虎ノ門二丁目7番16号(株式会社truestar内)
TEL : 03-6273-3640
E-mail : info@i-maa.or.jp