ABBグループ、決算発表堅調な受注残の遂行とポートフォリオの弾力性を示した第4四半期
[10/02/19]
提供元:@Press
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・迅速な経費削減により、通期金利税引前利益率はターゲット内を確保 - 2年にわたる経費削減プログラムの目標値を30億米ドルへと引き上げ
・第4四半期の基本受注の減少は、前年同期比では緩和され、2009年第3四半期と比較しても安定化
・リストラ関連経費約3億5千万米ドルを差し引いた第4四半期の当期純利益は、5億4千万米ドル
・第4四半期営業キャッシュフローは過去最高の18億米ドル
・配当を昨年度実績比で6パーセント増額し、1株あたり0/51スイスフランとすることを提案
(チューリッヒ、2月18日発表) ABBは、リストラ関連経費約3億5千万米ドルを計上したものの、その2009年第4四半期の金利税引前利益(EBIT)が約8億米ドルであると発表しました。迅速な経費削減と、安定的な事業遂行の相乗効果により、通期の利益水準も、同社の金利税引前利益率の目標レンジである11パーセントから16パーセントを確保しました。
営業キャッシュフローが過去最高レベルに達したことと、新興市場からの受注が2桁の伸びを示したことで、決算は「ABBが厳しい市場環境でも堅実に事業を遂行していけることのみならず、ABBの事業ポートフォリオと地域的活動範囲の弾力性をも示しました。」と、ABBのCEO、ジョー・ホーガンは述べています。
主に成熟市場における需要の低下が、新興市場での電力インフラと産業装置双方での継続的な成長を上回り、受注は75億米ドル、現地通貨換算で5パーセント低下しました。受注環境は、2009年第3四半期と比較すると、安定化しています。
第4四半期の収益は88億米ドルで、現地通貨ベースで12パーセントの減少でしたが、単一四半期の収益としては、過去2番目に高い数字でした。第4四半期の経費削減額は、5億米ドル以上にのぼりました。
当期純利益は、5億4千万米ドルで、営業キャッシュフローは過去最高の18億米ドルに達しました。主な要因としては、在庫レベルが低かったことと、お客さまからの回収が順調であったという点が挙げられます。
「素早く、断固とした行動を取ることで、ABBは2009年の決算を、記憶の中で最悪の不況下にもかかわらず、我々の収益目標レンジ内に収めることができました。今日の我々は1年前よりもさらに強固な地位を得、経済の回復に伴って成長できる態勢を整えています。」と、CEOのジョー・ホーガンは述べています。
ホーガンはまた、「第4四半期に受注の減少のペースが緩和され、基本受注が2009年第3四半期を若干上回ったことは、大変心強いことです。新興市場での成長を積極的に追及し続け、世界中で、工業生産性の向上、エネルギー消費の低減、気候変動への取組みなどの機会を模索します。同時に、経費削減にも注力し続けます。従って、利益水準目標をクリアし続けるため、経費削減プログラムの目標値を、30億米ドルに引き上げます。」と述べています。
【2009年度第4四半期および通期決算ハイライト】
※下記資料をご参照くださいませ。
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/13816/1_5.pdf
【第4四半期決算サマリー】
■受注と収益
ABBの携わるほとんどの産業における市場での需要の低迷が送電システムおよび装置に対する投資を相殺し、第4四半期の受注は前年同期比に比べ、5パーセントの減少(米ドルベースで4パーセントの増加)でした。受注は、61パーセントの伸びを見せ、14億米ドル(米ドルベースでは79パーセント増)となった大規模受注(1千500万米ドル以上の案件)が下支えしました。大規模受注は全体の受注の19パーセント(前年同期は11パーセント)を占めました。基本受注(1千500万米ドル以下の案件)は、第2、第3四半期連続で20パーセント以上の減少幅でしたが、第4四半期では13パーセントの減少(米ドルベースで5パーセント減)にとどまりました。基本受注は、2009年第3四半期と比較すると、現地通貨ベースでは2パーセント(米ドルベースでは5パーセント)増加しました。
地域的には、アジアおよび中東、アフリカにおいて、新興市場での電力網の拡大への投資が引続き行われ、現地通貨ベースでの受注は、2008年第4四半期よりも増加しました。この2つの地域ではまた、工業製品への需要が高まりを見せました。ヨーロッパと南北アメリカでは、ほとんどの企業のエンドマーケットで需用の低迷が続き、電力、オートメーション双方の事業領域において、受注が減少しました。新興市場からの受注が全体の51パーセントを占め、第4四半期には、成熟経済での受注が20パーセント減少したのとは対照的に、15パーセントの伸びを示しました。
ここ数四半期の事業環境の停滞を反映し、短期的事業での収益の低迷が、順調な受注残の実行を相殺する形となり、収益は減少しました。サービス事業における収益は、前年同期比2パーセント減(米ドルベースで7パーセント増)でした。
2009年12月末時点での受注残は、248億米ドルで、現地通貨ベースで2008年末の数字から1パーセント減少(米ドルベースで4パーセント増)、2009年第3四半期末と比較すると、現地通貨べース、米ドルベースともに5パーセントの減少でした。
■金利税引前利益(EBIT)
金利税引前利益と金利税引前利益率は、双方とも、2008年第4四半期を上回りました。2009年第4四半期の金利税引前利益は、1年前に発表した、2年間にわたる20億ドルの経費削減プログラム関連のリストラ関連経費、3億5千万米ドルを含んでいます(通期での経費は約5億2千万米ドル)。加えて、2008年第4四半期の金利税引前利益は、8億7千万米ドルのコンプライアンス調査関連、付加価値税関連、リストラ関連の引当てが含まれていました。
リストラ関連経費、ならびにヘッジ取引の時価評価を別にすると、2009年第4四半期の金利税引前利益率は、13.2パーセントで、リストラ関連経費、ヘッジ取引の時価評価、他の既に発表済みの引当てを反映後の2008年第4四半期の数字から1.5パーセントの減少でした。
収益の低下の主な要因には、価格の棄損と設備稼働率の低下が挙げられます。
金利税引前利益、金利税引前利益率は双方とも、第4四半期の5億ドル以上の経費削減による好影響を受けています。通期では、経費削減プログラムにより、15億ドル以上の経費が削減されました。
■当期純利益
第4四半期の当期純利益は、5億4千万米ドルでした。通期での税率は、2009年第3四半期の引当金の調整などでの税効果があり、24パーセントとなりました。
■貸借対照表とキャッシュフロー
第4四半期末のネットキャッシュは、72億米ドルと、第3四半期末の58億米ドルに比べ、増加しました。営業キャッシュフローは、18億と最高記録を更新し、2008年第4四半期より約4億米ドルも高い水準となりました。主な要因として、現金の回収の改善と、在庫レベルの低下など、運転資金管理の改善が挙げられます。
■配当金の増額
ABBの取締役会は、2009年の配当金を昨年度実績比で1株当たり0.03スイスフラン増額し、0.51スイスフラン、6パーセントとすることを株主に提案します。また同時に、1.54スイスフランから1.03スイスフランへの額面価格割引の形で配当を行なうこともあわせて提案しています。この提案は、2010年4月26日に予定されている、年次株主総会での承認を必要とします。株主総会で承認されれば、配当落ち期日、ならびに支払日は、2010年7月末となる予定です。
ABBは、2008年に発表した22億スイスフラン相当の自社株買いプログラム下での新規自社株買いを活発に行なっていません。当該プログラムでは、現在までに、約6億5千万スイスフランの自社株買いを行ないましたが、2008年9月以来は積極的な活動はしておりません。2010年の年次株主総会において、当社は同プログラム下での自社株買いの中止を提案する予定です。
■経費削減
ABBは経費削減プログラムを、第4四半期も引続き継続しました。11パーセントから16パーセントの金利税引前利益率の目標レンジ内に収益を維持するため、ABBは、経費削減目標を引き上げることを決定しました。現在、同プログラムでは、ABBの経費を、販売経費、一般管理費の両側面から、継続的に抑制することを目標としています。2010年末には、2008年の水準から、全体で30億米ドルの削減を目標としています。以前発表した20億米ドルからさらに目標値を上げています。経費削減は、主に、低コストでの調達、一般管理費の削減、内部プロセスの改善、ABBの世界的製造・エンジニアリング拠点の調整などを中心に行われます。2009年通期の経費削減については、計画をはるかに上回り、15億米ドル以上の結果を上げています。このうちの約50パーセントは、世界的規模で調達を最適化することによって得られました(商品の価格変動を除く)。残りは、一般管理費の削減、世界的拠点の調整、オペレーショナルエクセレンスの追求によって達成されました。
■コンプライアンス
以前発表したとおり、ABBは米司法省、ならびに米証券取引委員会に、さまざまな疑わしい支払について公表しています。
また、こちらも既に発表済みですが、ABBは、電力変圧器事業、電線事業、FACTシステム関連事業において、反競争的行為があったという嫌疑に関する、欧州委員会をふくむ様々な反トラスト関係当局の調査に積極的に協力しています。2009年10月に、欧州委員会は、ABBが電力変圧器事業において、反競争的行為をしたと発表し、約34億ユーロの制裁金をABBに課しました。
これらに関連して、ABBの引当額を超えた結果が出る可能性があります。
■新しい執行役員と組織変更
第4四半期に、ABBはお客さまのニーズに即した事業展開を旨として、オートメーション事業の再編を発表しました。発表された変更により、1月1日付けで、オートメーションプロダクトならびにロボティクスディビジョンが新たな2つのディビジョン、ディスクリートオートメーションアンドモーション、低電圧機器に再編されました。プロセスオートメーションディビジョンは、計測関連事業をオートメーションプロダクトから引き継いだ以外、変更はありません。
再編の一環として、トム・シェークウィストは、オートメーションプロダクトの責任者から新低電圧機器ディビジョンの責任者となり、コーポレートディベロップメントを担当していたウルリッヒ・シューピスホーファーは、ディスクリートオートメーションアンドモーションディビジョンの責任者となりました。
ロボティクスディビジョンを率いたアンダース・ヨンソンは、エグゼクティブコミッティーに留まり、ABBが現在取組んでいる経費削減プログラムと、グローバルフットプリントプログラムを担当することとなりました。ヴェリ-マッティ・レイニッカラはプロセスオートメーションディビジョンの責任者に留まります。
■見通し
ABBの第4四半期は、2009年第3四半期よりもより安定したものとなりました。
ABBは、短期的な事業サイクルの底打ちを見たと考えています。しかしながら、ABBの事業ポートフォリオの長期的特性を考慮すると、経済全体も、ABBの2010年の事業も、その展望は未だはっきりしないものです。
ABBの事業は、主としてエネルギーインフラの建設、アップグレードの必要性、気候変動への対応、そして世界経済における新興市場の重要性の増大などにより、推進されていますが、どれも大変魅力的な成長機会を提供し続けるものです。
より効率的で信頼性の高い送配電、そして再生可能エネルギーの既存電力網への統合は、世界中あらゆるところで必要とされています。エネルギーと商品の価格が上がるにつれ、そしてグローバライゼーションがより過酷な競争を招くにつれ、世界中の産業界のお客さまが新たな生産能力を求めて、あるいは経費の低減のためにオートメーションソリューションを必要とし、従来の生産財の生産性と製品の質の向上を目指すのです。
今般の世界経済の沈滞は、しかしながら、一部のお客さまの事業分野において、設備過剰の状態を生み出し、他の分野への投資に向ける資本を減らす原因となっています。現時点においては、いつ、そしてどのくらい早く、このような分野のお客さまの投資が回復するかについて定かではありません。
このような要因から、ABB経営陣は、2010年の見通しについて、世界経済全体が向かう方向性が明らかになるまで、慎重な姿勢を維持しています。
従って、ABB経営陣は、2010年には、経費の削減、世界的拠点のフル活用、強固なバランスシート、そして最先端を行く技術の両面に注力していきたいと考えています。
■2007年から2011年の中期目標について
ABBはグループの通期金利税引前利益率の目標レンジである11パーセントから16パーセントの枠を達成し続けることについて、引続き自信を持っています。各ディビジョンの金利税引前利益率の目標値についても、変更はありません。
また、フリーキャッシュフローの目標値を、2007年から2011年の平均値で、当期純利益の100パーセントとするという点も変更はありません。
■将来予測に関する注意事項
本プレスリリースに含まれる将来の見通しに関する記述は、現時点で入手可能な情報に基づき、当社経営陣が判断した見通しであり、潜在的なリスクや不確実性を含んでいます。現実の結果は、さまざまな要因の変化により、これら見通しとは大きく異なる結果となる可能性があることをご承知おきくださいますようお願いいたします。
■ABBについて ( http://www.abb.com/ )
ABBは、世界のおよそ100カ国に117,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながらお客さまの業務効率を最適化するソリューションの数々を、産業界と公益事業の皆さまに提供しています。
■ABB株式会社について ( http://www.abb.co.jp/ )
ABBの日本法人であるABB株式会社は、国内において電力およびオートメーション事業を、製造、販売、サービス分野にわたって展開しています。
また、ABBの日本国内における活動は、ABB株式会社と3つの合弁事業から構成されており、ABBジャパングループとして約700名の従業員、12都市にわたる販売/サービスネットワークを擁しています。
・第4四半期の基本受注の減少は、前年同期比では緩和され、2009年第3四半期と比較しても安定化
・リストラ関連経費約3億5千万米ドルを差し引いた第4四半期の当期純利益は、5億4千万米ドル
・第4四半期営業キャッシュフローは過去最高の18億米ドル
・配当を昨年度実績比で6パーセント増額し、1株あたり0/51スイスフランとすることを提案
(チューリッヒ、2月18日発表) ABBは、リストラ関連経費約3億5千万米ドルを計上したものの、その2009年第4四半期の金利税引前利益(EBIT)が約8億米ドルであると発表しました。迅速な経費削減と、安定的な事業遂行の相乗効果により、通期の利益水準も、同社の金利税引前利益率の目標レンジである11パーセントから16パーセントを確保しました。
営業キャッシュフローが過去最高レベルに達したことと、新興市場からの受注が2桁の伸びを示したことで、決算は「ABBが厳しい市場環境でも堅実に事業を遂行していけることのみならず、ABBの事業ポートフォリオと地域的活動範囲の弾力性をも示しました。」と、ABBのCEO、ジョー・ホーガンは述べています。
主に成熟市場における需要の低下が、新興市場での電力インフラと産業装置双方での継続的な成長を上回り、受注は75億米ドル、現地通貨換算で5パーセント低下しました。受注環境は、2009年第3四半期と比較すると、安定化しています。
第4四半期の収益は88億米ドルで、現地通貨ベースで12パーセントの減少でしたが、単一四半期の収益としては、過去2番目に高い数字でした。第4四半期の経費削減額は、5億米ドル以上にのぼりました。
当期純利益は、5億4千万米ドルで、営業キャッシュフローは過去最高の18億米ドルに達しました。主な要因としては、在庫レベルが低かったことと、お客さまからの回収が順調であったという点が挙げられます。
「素早く、断固とした行動を取ることで、ABBは2009年の決算を、記憶の中で最悪の不況下にもかかわらず、我々の収益目標レンジ内に収めることができました。今日の我々は1年前よりもさらに強固な地位を得、経済の回復に伴って成長できる態勢を整えています。」と、CEOのジョー・ホーガンは述べています。
ホーガンはまた、「第4四半期に受注の減少のペースが緩和され、基本受注が2009年第3四半期を若干上回ったことは、大変心強いことです。新興市場での成長を積極的に追及し続け、世界中で、工業生産性の向上、エネルギー消費の低減、気候変動への取組みなどの機会を模索します。同時に、経費削減にも注力し続けます。従って、利益水準目標をクリアし続けるため、経費削減プログラムの目標値を、30億米ドルに引き上げます。」と述べています。
【2009年度第4四半期および通期決算ハイライト】
※下記資料をご参照くださいませ。
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/13816/1_5.pdf
【第4四半期決算サマリー】
■受注と収益
ABBの携わるほとんどの産業における市場での需要の低迷が送電システムおよび装置に対する投資を相殺し、第4四半期の受注は前年同期比に比べ、5パーセントの減少(米ドルベースで4パーセントの増加)でした。受注は、61パーセントの伸びを見せ、14億米ドル(米ドルベースでは79パーセント増)となった大規模受注(1千500万米ドル以上の案件)が下支えしました。大規模受注は全体の受注の19パーセント(前年同期は11パーセント)を占めました。基本受注(1千500万米ドル以下の案件)は、第2、第3四半期連続で20パーセント以上の減少幅でしたが、第4四半期では13パーセントの減少(米ドルベースで5パーセント減)にとどまりました。基本受注は、2009年第3四半期と比較すると、現地通貨ベースでは2パーセント(米ドルベースでは5パーセント)増加しました。
地域的には、アジアおよび中東、アフリカにおいて、新興市場での電力網の拡大への投資が引続き行われ、現地通貨ベースでの受注は、2008年第4四半期よりも増加しました。この2つの地域ではまた、工業製品への需要が高まりを見せました。ヨーロッパと南北アメリカでは、ほとんどの企業のエンドマーケットで需用の低迷が続き、電力、オートメーション双方の事業領域において、受注が減少しました。新興市場からの受注が全体の51パーセントを占め、第4四半期には、成熟経済での受注が20パーセント減少したのとは対照的に、15パーセントの伸びを示しました。
ここ数四半期の事業環境の停滞を反映し、短期的事業での収益の低迷が、順調な受注残の実行を相殺する形となり、収益は減少しました。サービス事業における収益は、前年同期比2パーセント減(米ドルベースで7パーセント増)でした。
2009年12月末時点での受注残は、248億米ドルで、現地通貨ベースで2008年末の数字から1パーセント減少(米ドルベースで4パーセント増)、2009年第3四半期末と比較すると、現地通貨べース、米ドルベースともに5パーセントの減少でした。
■金利税引前利益(EBIT)
金利税引前利益と金利税引前利益率は、双方とも、2008年第4四半期を上回りました。2009年第4四半期の金利税引前利益は、1年前に発表した、2年間にわたる20億ドルの経費削減プログラム関連のリストラ関連経費、3億5千万米ドルを含んでいます(通期での経費は約5億2千万米ドル)。加えて、2008年第4四半期の金利税引前利益は、8億7千万米ドルのコンプライアンス調査関連、付加価値税関連、リストラ関連の引当てが含まれていました。
リストラ関連経費、ならびにヘッジ取引の時価評価を別にすると、2009年第4四半期の金利税引前利益率は、13.2パーセントで、リストラ関連経費、ヘッジ取引の時価評価、他の既に発表済みの引当てを反映後の2008年第4四半期の数字から1.5パーセントの減少でした。
収益の低下の主な要因には、価格の棄損と設備稼働率の低下が挙げられます。
金利税引前利益、金利税引前利益率は双方とも、第4四半期の5億ドル以上の経費削減による好影響を受けています。通期では、経費削減プログラムにより、15億ドル以上の経費が削減されました。
■当期純利益
第4四半期の当期純利益は、5億4千万米ドルでした。通期での税率は、2009年第3四半期の引当金の調整などでの税効果があり、24パーセントとなりました。
■貸借対照表とキャッシュフロー
第4四半期末のネットキャッシュは、72億米ドルと、第3四半期末の58億米ドルに比べ、増加しました。営業キャッシュフローは、18億と最高記録を更新し、2008年第4四半期より約4億米ドルも高い水準となりました。主な要因として、現金の回収の改善と、在庫レベルの低下など、運転資金管理の改善が挙げられます。
■配当金の増額
ABBの取締役会は、2009年の配当金を昨年度実績比で1株当たり0.03スイスフラン増額し、0.51スイスフラン、6パーセントとすることを株主に提案します。また同時に、1.54スイスフランから1.03スイスフランへの額面価格割引の形で配当を行なうこともあわせて提案しています。この提案は、2010年4月26日に予定されている、年次株主総会での承認を必要とします。株主総会で承認されれば、配当落ち期日、ならびに支払日は、2010年7月末となる予定です。
ABBは、2008年に発表した22億スイスフラン相当の自社株買いプログラム下での新規自社株買いを活発に行なっていません。当該プログラムでは、現在までに、約6億5千万スイスフランの自社株買いを行ないましたが、2008年9月以来は積極的な活動はしておりません。2010年の年次株主総会において、当社は同プログラム下での自社株買いの中止を提案する予定です。
■経費削減
ABBは経費削減プログラムを、第4四半期も引続き継続しました。11パーセントから16パーセントの金利税引前利益率の目標レンジ内に収益を維持するため、ABBは、経費削減目標を引き上げることを決定しました。現在、同プログラムでは、ABBの経費を、販売経費、一般管理費の両側面から、継続的に抑制することを目標としています。2010年末には、2008年の水準から、全体で30億米ドルの削減を目標としています。以前発表した20億米ドルからさらに目標値を上げています。経費削減は、主に、低コストでの調達、一般管理費の削減、内部プロセスの改善、ABBの世界的製造・エンジニアリング拠点の調整などを中心に行われます。2009年通期の経費削減については、計画をはるかに上回り、15億米ドル以上の結果を上げています。このうちの約50パーセントは、世界的規模で調達を最適化することによって得られました(商品の価格変動を除く)。残りは、一般管理費の削減、世界的拠点の調整、オペレーショナルエクセレンスの追求によって達成されました。
■コンプライアンス
以前発表したとおり、ABBは米司法省、ならびに米証券取引委員会に、さまざまな疑わしい支払について公表しています。
また、こちらも既に発表済みですが、ABBは、電力変圧器事業、電線事業、FACTシステム関連事業において、反競争的行為があったという嫌疑に関する、欧州委員会をふくむ様々な反トラスト関係当局の調査に積極的に協力しています。2009年10月に、欧州委員会は、ABBが電力変圧器事業において、反競争的行為をしたと発表し、約34億ユーロの制裁金をABBに課しました。
これらに関連して、ABBの引当額を超えた結果が出る可能性があります。
■新しい執行役員と組織変更
第4四半期に、ABBはお客さまのニーズに即した事業展開を旨として、オートメーション事業の再編を発表しました。発表された変更により、1月1日付けで、オートメーションプロダクトならびにロボティクスディビジョンが新たな2つのディビジョン、ディスクリートオートメーションアンドモーション、低電圧機器に再編されました。プロセスオートメーションディビジョンは、計測関連事業をオートメーションプロダクトから引き継いだ以外、変更はありません。
再編の一環として、トム・シェークウィストは、オートメーションプロダクトの責任者から新低電圧機器ディビジョンの責任者となり、コーポレートディベロップメントを担当していたウルリッヒ・シューピスホーファーは、ディスクリートオートメーションアンドモーションディビジョンの責任者となりました。
ロボティクスディビジョンを率いたアンダース・ヨンソンは、エグゼクティブコミッティーに留まり、ABBが現在取組んでいる経費削減プログラムと、グローバルフットプリントプログラムを担当することとなりました。ヴェリ-マッティ・レイニッカラはプロセスオートメーションディビジョンの責任者に留まります。
■見通し
ABBの第4四半期は、2009年第3四半期よりもより安定したものとなりました。
ABBは、短期的な事業サイクルの底打ちを見たと考えています。しかしながら、ABBの事業ポートフォリオの長期的特性を考慮すると、経済全体も、ABBの2010年の事業も、その展望は未だはっきりしないものです。
ABBの事業は、主としてエネルギーインフラの建設、アップグレードの必要性、気候変動への対応、そして世界経済における新興市場の重要性の増大などにより、推進されていますが、どれも大変魅力的な成長機会を提供し続けるものです。
より効率的で信頼性の高い送配電、そして再生可能エネルギーの既存電力網への統合は、世界中あらゆるところで必要とされています。エネルギーと商品の価格が上がるにつれ、そしてグローバライゼーションがより過酷な競争を招くにつれ、世界中の産業界のお客さまが新たな生産能力を求めて、あるいは経費の低減のためにオートメーションソリューションを必要とし、従来の生産財の生産性と製品の質の向上を目指すのです。
今般の世界経済の沈滞は、しかしながら、一部のお客さまの事業分野において、設備過剰の状態を生み出し、他の分野への投資に向ける資本を減らす原因となっています。現時点においては、いつ、そしてどのくらい早く、このような分野のお客さまの投資が回復するかについて定かではありません。
このような要因から、ABB経営陣は、2010年の見通しについて、世界経済全体が向かう方向性が明らかになるまで、慎重な姿勢を維持しています。
従って、ABB経営陣は、2010年には、経費の削減、世界的拠点のフル活用、強固なバランスシート、そして最先端を行く技術の両面に注力していきたいと考えています。
■2007年から2011年の中期目標について
ABBはグループの通期金利税引前利益率の目標レンジである11パーセントから16パーセントの枠を達成し続けることについて、引続き自信を持っています。各ディビジョンの金利税引前利益率の目標値についても、変更はありません。
また、フリーキャッシュフローの目標値を、2007年から2011年の平均値で、当期純利益の100パーセントとするという点も変更はありません。
■将来予測に関する注意事項
本プレスリリースに含まれる将来の見通しに関する記述は、現時点で入手可能な情報に基づき、当社経営陣が判断した見通しであり、潜在的なリスクや不確実性を含んでいます。現実の結果は、さまざまな要因の変化により、これら見通しとは大きく異なる結果となる可能性があることをご承知おきくださいますようお願いいたします。
■ABBについて ( http://www.abb.com/ )
ABBは、世界のおよそ100カ国に117,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながらお客さまの業務効率を最適化するソリューションの数々を、産業界と公益事業の皆さまに提供しています。
■ABB株式会社について ( http://www.abb.co.jp/ )
ABBの日本法人であるABB株式会社は、国内において電力およびオートメーション事業を、製造、販売、サービス分野にわたって展開しています。
また、ABBの日本国内における活動は、ABB株式会社と3つの合弁事業から構成されており、ABBジャパングループとして約700名の従業員、12都市にわたる販売/サービスネットワークを擁しています。