細胞培養に必要な培地の事業成長を加速 培地のリーディングカンパニー「Irvine Scientific Sales Company」「アイエスジャパン」を買収
[18/03/29]
提供元:@Press
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富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、JXTGホールディングス株式会社(社長:内田 幸雄、以下JXTG HD)のグループ会社で、細胞培養に必要な培地のリーディングカンパニーであるIrvine Scientific Sales Company, Inc.(アーバイン サイエンティフィック セールス カンパニー、以下 ISUS社)および株式会社アイエスジャパン(以下ISJ社)の発行済全株式(*1)を取得する株式売買契約を、本日締結しました。なお、ISUS社およびISJ社の全株式取得に要する資金総額は、約800百万米ドルです。
◆詳細はWebページをご覧下さい。
⇒ http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1274.html?link=atp
培地は、細胞の生育・増殖のための栄養分を含んだ液状や粉末の物質で、バイオ医薬品や再生医療製品などの研究開発や製造における細胞培養に必要不可欠なものです。また、培地の品質によって細胞培養の品質や効率が左右されるといわれており、近年、培地に対する注目がますます高まっています。現在、抗体医薬品を中心としたバイオ医薬品の需要増加、細胞を用いた治療ニーズの急拡大に伴い、培地市場は拡大しており、今後も年率約10%の伸長が見込まれています。
ISUS社・ISJ社は、バイオ医薬品製造向けの培地や体外受精・細胞治療用途の培地などを幅広く取り扱う、培地のリーディングカンパニーです。高い研究開発力や品質管理力、長年蓄積してきた実績やノウハウなどを活かして、顧客ニーズにあわせた最適なカスタム培地を開発することが可能。cGMP(*2)基準に準拠した生産拠点で製造し、高品質な製品をタイムリーに供給することができます。ISUS社が欧米、ISJ社が日本・アジアを中心に販売展開し、全世界の製薬企業やバイオベンチャー、アカデミアなどに培地を提供しています。
富士フイルムは、ヘルスケア領域の成長戦略を推進する中、バイオ医薬品の開発・製造受託や再生医療などの分野に積極的に経営資源を投入し、事業拡大を進めています。これまでに、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(以下、FDB社)における抗体医薬品向けの生産設備増強、世界トップのiPS細胞関連技術・ノウハウを持つCellular Dynamics International, Inc.(以下 CDI社)の完全子会社化を行うとともに、総合試薬メーカーの和光純薬工業(以下、和光純薬)を買収し、培地事業にも参入しました。今回、ISUS社・ISJ社の買収により、バイオ医薬品から体外受精・細胞治療の領域にわたり幅広い製品ラインアップをそろえることができるとともに、海外展開も強化することができます。
また、写真フィルムで培った高度な化学合成力・設計力、グループのジャパン・ティッシュ・エンジニリアング(以下、J-TEC社)やCDI社、FDB社が持つ、細胞の作製・培養技術などを活かして、競争力の高い培地の開発を加速させ、培地事業のさらなる成長を図っていきます。
さらに、富士フイルムグループのバイオ医療関連技術・製品と、ISUS社・ISJ社の培地技術・製品などを組み合わせて、培地事業以外でもシナジーを最大化させていきます。具体的なシナジーとしては (1)バイオ医薬品の開発・製造受託事業のさらなる拡大、(2)再生医療分野の研究開発の加速、(3)試薬ビジネスのさらなる拡大、を見込んでいます。
(1)バイオ医薬品の開発・製造受託事業のさらなる拡大
・FDB社が受託する、バイオ医薬品の開発・製造に、ISUS社・ISJ社が持つ、顧客ニーズにあわせた最適なカスタム培地を開発できる培地技術を取り入れることで、生産効率のさらなる向上を実現していきます。バイオ医薬品の中でも特に市場が拡大している抗体医薬品に必要な抗体を、より高品質かつタイムリーに顧客へ提供することで、顧客満足度をより一層向上させるとともに、事業のさらなる拡大を図ります。
(2)再生医療分野の研究開発の加速
・CDI社のiPS細胞作製技術、J-TEC社が持つ、体性幹細胞の細胞培養技術、ISUS社・ISJ社が有する、顧客ニーズにあわせた最適なカスタム培地を開発できる培地技術を組み合わせて、高品質な治療用細胞を効率的に作製し、再生医療製品に応用していきます。なかでも、急速に拡大しつつあるCAR-T療法(*3)や幹細胞治療などの分野をターゲットに、高機能培地の開発を進めながら、再生医療分野の研究開発を加速させます。
・自社生産のみならず、受託ビジネスでも、ISUS社・ISJ社の培地や技術を活用し、再生医療製品の生産効率のさらなる向上を目指していきます。
(3)試薬ビジネスのさらなる拡大
・和光純薬が展開する試薬に、ISUS社・ISJ社の培地を加えることで、企業やアカデミアが取り組む、ライフサイエンスの研究ニーズにきめ細かく対応することが可能。試薬ビジネスのさらなる拡大を図ります。
また、富士フイルムは、今後ますます高まるバイオ医療の顧客ニーズに迅速に対応するため、米国に拠点を有するFDB社、CDI社、和光純薬、ISUS社に加えて、新薬の研究開発・製造を支援する製品・サービスのマーケティング拠点を2018年度上期に米国ボストンに新設する予定です。本拠点を活用することで、グループの総合力を発揮し、製薬メーカー・バイオベンチャー・アカデミアなどの進化するニーズに対応していきます。そして、バイオ医療業界における顧客満足度・認知度のさらなる向上を図ります。 なお、2018年4月1日より、CDI社は「FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc. 」に、和光純薬は「富士フイルム和光純薬株式会社」 に社名を変更します。
富士フイルムグループは、グループの技術を結集して革新的な製品・サービスを開発・提供するなど、事業を通じた社会課題の解決に積極的に取り組むことで、ヘルスケアの事業成長を加速させ、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
*1 JXTG HDの100%子会社であるJX Holdings (U.S.A) Inc.がIrvine Scientific Sales Company, Inc.の株式を100%保有。JXTG HDの100%子会社であるJXTGエネルギー株式会社が株式会社アイエスジャパンの株式を100%保有(2018年3月29日現在)。
*2 current Good Manufacturing Practiceの略。米国FDA(食品医薬品局)が定めた医薬品および医薬部外品の最新の製造管理および品質管理規則のこと。
*3 患者から採取したT細胞にがんの抗原を認識するキメラ抗原受容体(CAR)の遺伝子を組み込んで、T細胞によるがん細胞への攻撃力を高める治療法。
富士フイルムニュースリリース一覧
⇒ http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/index.html?link=atp
富士フイルム株式会社
⇒ http://fujifilm.jp/?link=atp
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培地は、細胞の生育・増殖のための栄養分を含んだ液状や粉末の物質で、バイオ医薬品や再生医療製品などの研究開発や製造における細胞培養に必要不可欠なものです。また、培地の品質によって細胞培養の品質や効率が左右されるといわれており、近年、培地に対する注目がますます高まっています。現在、抗体医薬品を中心としたバイオ医薬品の需要増加、細胞を用いた治療ニーズの急拡大に伴い、培地市場は拡大しており、今後も年率約10%の伸長が見込まれています。
ISUS社・ISJ社は、バイオ医薬品製造向けの培地や体外受精・細胞治療用途の培地などを幅広く取り扱う、培地のリーディングカンパニーです。高い研究開発力や品質管理力、長年蓄積してきた実績やノウハウなどを活かして、顧客ニーズにあわせた最適なカスタム培地を開発することが可能。cGMP(*2)基準に準拠した生産拠点で製造し、高品質な製品をタイムリーに供給することができます。ISUS社が欧米、ISJ社が日本・アジアを中心に販売展開し、全世界の製薬企業やバイオベンチャー、アカデミアなどに培地を提供しています。
富士フイルムは、ヘルスケア領域の成長戦略を推進する中、バイオ医薬品の開発・製造受託や再生医療などの分野に積極的に経営資源を投入し、事業拡大を進めています。これまでに、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(以下、FDB社)における抗体医薬品向けの生産設備増強、世界トップのiPS細胞関連技術・ノウハウを持つCellular Dynamics International, Inc.(以下 CDI社)の完全子会社化を行うとともに、総合試薬メーカーの和光純薬工業(以下、和光純薬)を買収し、培地事業にも参入しました。今回、ISUS社・ISJ社の買収により、バイオ医薬品から体外受精・細胞治療の領域にわたり幅広い製品ラインアップをそろえることができるとともに、海外展開も強化することができます。
また、写真フィルムで培った高度な化学合成力・設計力、グループのジャパン・ティッシュ・エンジニリアング(以下、J-TEC社)やCDI社、FDB社が持つ、細胞の作製・培養技術などを活かして、競争力の高い培地の開発を加速させ、培地事業のさらなる成長を図っていきます。
さらに、富士フイルムグループのバイオ医療関連技術・製品と、ISUS社・ISJ社の培地技術・製品などを組み合わせて、培地事業以外でもシナジーを最大化させていきます。具体的なシナジーとしては (1)バイオ医薬品の開発・製造受託事業のさらなる拡大、(2)再生医療分野の研究開発の加速、(3)試薬ビジネスのさらなる拡大、を見込んでいます。
(1)バイオ医薬品の開発・製造受託事業のさらなる拡大
・FDB社が受託する、バイオ医薬品の開発・製造に、ISUS社・ISJ社が持つ、顧客ニーズにあわせた最適なカスタム培地を開発できる培地技術を取り入れることで、生産効率のさらなる向上を実現していきます。バイオ医薬品の中でも特に市場が拡大している抗体医薬品に必要な抗体を、より高品質かつタイムリーに顧客へ提供することで、顧客満足度をより一層向上させるとともに、事業のさらなる拡大を図ります。
(2)再生医療分野の研究開発の加速
・CDI社のiPS細胞作製技術、J-TEC社が持つ、体性幹細胞の細胞培養技術、ISUS社・ISJ社が有する、顧客ニーズにあわせた最適なカスタム培地を開発できる培地技術を組み合わせて、高品質な治療用細胞を効率的に作製し、再生医療製品に応用していきます。なかでも、急速に拡大しつつあるCAR-T療法(*3)や幹細胞治療などの分野をターゲットに、高機能培地の開発を進めながら、再生医療分野の研究開発を加速させます。
・自社生産のみならず、受託ビジネスでも、ISUS社・ISJ社の培地や技術を活用し、再生医療製品の生産効率のさらなる向上を目指していきます。
(3)試薬ビジネスのさらなる拡大
・和光純薬が展開する試薬に、ISUS社・ISJ社の培地を加えることで、企業やアカデミアが取り組む、ライフサイエンスの研究ニーズにきめ細かく対応することが可能。試薬ビジネスのさらなる拡大を図ります。
また、富士フイルムは、今後ますます高まるバイオ医療の顧客ニーズに迅速に対応するため、米国に拠点を有するFDB社、CDI社、和光純薬、ISUS社に加えて、新薬の研究開発・製造を支援する製品・サービスのマーケティング拠点を2018年度上期に米国ボストンに新設する予定です。本拠点を活用することで、グループの総合力を発揮し、製薬メーカー・バイオベンチャー・アカデミアなどの進化するニーズに対応していきます。そして、バイオ医療業界における顧客満足度・認知度のさらなる向上を図ります。 なお、2018年4月1日より、CDI社は「FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc. 」に、和光純薬は「富士フイルム和光純薬株式会社」 に社名を変更します。
富士フイルムグループは、グループの技術を結集して革新的な製品・サービスを開発・提供するなど、事業を通じた社会課題の解決に積極的に取り組むことで、ヘルスケアの事業成長を加速させ、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
*1 JXTG HDの100%子会社であるJX Holdings (U.S.A) Inc.がIrvine Scientific Sales Company, Inc.の株式を100%保有。JXTG HDの100%子会社であるJXTGエネルギー株式会社が株式会社アイエスジャパンの株式を100%保有(2018年3月29日現在)。
*2 current Good Manufacturing Practiceの略。米国FDA(食品医薬品局)が定めた医薬品および医薬部外品の最新の製造管理および品質管理規則のこと。
*3 患者から採取したT細胞にがんの抗原を認識するキメラ抗原受容体(CAR)の遺伝子を組み込んで、T細胞によるがん細胞への攻撃力を高める治療法。
富士フイルムニュースリリース一覧
⇒ http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/index.html?link=atp
富士フイルム株式会社
⇒ http://fujifilm.jp/?link=atp
※リンク先は本件掲載時点の情報であり、予告なく変更になる場合があります。
※本ページに記載している地名・人名など一部の文字で表示できない旧字体は新字体または平仮名に置き換えている場合があります。
※本ページに記載している個々の文章、図形、デザイン、画像、商標・ロゴマーク・商品名称などに関する著作権その他の権利は富士フイルムまたは原著作権者その他の権利者が有しています。