「夏物」家電 販売好調猛暑、エコポイント、買い替えサイクルで好材料揃う
[10/08/03]
提供元:@Press
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ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、エアコン、冷蔵庫など夏季に販売ピークを迎える製品の家電量販店における販売動向を発表した。
【概要】
・冷蔵庫、エアコン、扇風機など夏季に販売ピークを迎える家電が軒並み前年比プラス成長を見せ、暑さが増した7月第4週にはエアコンの前年比2.5倍をはじめ販売が急増した。
・冷蔵庫は大容量化が踊り場を迎える中、猛暑が大容量クラスを一時的に牽引した。
・エアコン販売好調の影響で、一部製品の品薄や取り付け工事の集中なども発生している。
【「夏物」家電の販売状況】
低気温と降雨に見舞われた春先から一転、猛暑となった今夏は、エアコンをはじめ「夏物」とされる家電の販売が好調に推移している。
例年7月に販売のピークを迎える冷蔵庫、エアコン、扇風機(注1)の3品目について、販売数量前年比の週次推移を図1に示した。6月第1週には前年並みでスタートした夏商戦だが、気温が上がるにつれ、大きく前年を上回る週が続いた。6月第1週から、夏商戦終盤に差しかかった7月第5週までの累計の前年比は冷蔵庫10%増、エアコン36%増、扇風機35%増といずれも好調を記録した。
特に祝日「海の日」を含む7月第4週は、冷夏であった昨年との気温差からエアコン、扇風機の販売が倍増し、その翌週(7月第5週)は小容量・低価格エアコンなど一部製品に在庫不足の状況はあるが、前年比では冷蔵庫29%増、エアコン112%増、扇風機61%増の高水準を維持している。
(注1)サーキュレーターを含む
図1:冷蔵庫・エアコン・扇風機週次販売台数前年比推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/16118/1_1.jpg
【冷蔵庫 - クラス別に見られる猛暑効果】
一般的に家電量販店は、土日祝日に家族連れの来店が多いとされる。祝日を含み、また好天に恵まれた7月第4週は、冷蔵庫の家族世帯向けクラス(401L以上)の構成比が前週と比較して3%ポイント高い52%となった。また、猛暑のタイミングと夏ボーナスの支給額回復やエコポイントが重なったことにより、収容量に余裕を持った上位クラスに買い換えるケースが相次ぎ、501L以上の大容量クラスが同じく前週から比較して2%ポイント高い21%へと一時的な増加を見せた。これらを背景に金額前年比も10%増となり、2010年上半期は数年来の大容量化が踊り場を迎えた様子も見られる中、猛暑が一時の好材料となり大容量クラスを牽引した。
【エアコン - 猛暑特需で記録的な週間販売台数】
暑さ対策家電の筆頭、エアコンは販売好調が続いており、家電量販店における7月第4週(7月19日〜25日)のエアコン販売は、一週間当たりの販売として記録的な台数となった。
従来エアコンは、7月が販売のピークであり、過去10年(2000〜2009年)の平均では7月が通年販売台数の3割程度を占めている。週ごとの販売推移は天候や連休の影響を受け、販売ピーク週は図2で示すとおりばらつきが見られる。ちなみに2008年以降各年で「海の日」が含まれるのは第4週であり、暦上の条件は同一といえる。
同じく猛暑だった2008年は、7月全体を通して高い販売水準を保っていたのに対し、2010年7月は第2週・第3週が前年並みに推移し、第4週に大きく販売を伸ばしたことが特徴的だ。第4週の販売数量は前週の約2.3倍、前年同週の約2.5倍、2008年の販売ピーク週(7月第2週)と比較しても約1.5倍に到達した。同週の販売数量が大きく増加したことにより、2010年の1〜7月累積販売台数は、記録的に販売好調であった2008年を約10%上回る結果となった。
図2:セパレート型エアコン週次販売台数推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/16118/2_2.jpg
販売好調の影で、家電量販店には思わぬ負担も出始めている。販売時期の極度な集中により、取り付け工事の順番待ちが長くなっており、一部店舗や製品によっては1〜2週間待ちというケースも発生している。また、週末の店頭混雑も手伝って、高付加価値製品の訴求も手薄になりがちだ。本来であれば消費者の省エネ意識を喚起するような接客に時間を使いたいところだが、極度に販売が集中するとそれもままならない状況となり、平均単価の維持は困難になってくる。また消費者からすると、暑さしのぎでのエアコン購入は、「短い期間しか使わないから」といった理由から低価格製品に流れやすい。7月第4週には、セパレート型よりも低価格の窓用エアコンにまで需要が波及し、前年の約4倍の販売を記録した。窓用エアコンは、住宅事情の変化やセパレート型エアコンのメリット拡充を受け、ここ数年夏場の販売が減退していたが、猛暑の影響で消費者がエアコンダクトのない小部屋などへも暑さ対策でエアコンを導入した結果と考えられる。
【エコポイント制度下の好材料と今後】
今年のエアコン需要の背景には、天候以外にも2001年4月家電リサイクル法施行前に購入したユーザーが買い替えサイクルに入っていること、省エネおよび他技術の進展による買い替え・買い増し需要の喚起、加えてエコポイント制度の恩恵、またエコポイント対象製品の増加など、様々な好材料が挙げられる。2008年の猛暑特需に続き、2010年も数々の好材料により高成長を持続するとなれば、当然ながら2011年からの反動減が警戒される。メーカー各社より、更なる省エネ性能や清潔・衛生機能、気流制御などによる快適機能など様々な付加価値が提供されているが、これらのメリットを十分に訴求し、高機能・高価格帯モデルの販売をどの程度後押しできるのかが重要となろう。今後、暖房需要での購買が集中する冬ボーナスシーズンから年末商戦においてはエコポイント終了に伴う駆け込み需要も見込まれるため、その後の業界動向に引き続き注目が集まるものと考えられる。
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
URL: http://www.gfkjpn.co.jp/
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。
※ご不明な点がありましたら、下記の連絡先までお気軽にお問い合わせ下さい。
【概要】
・冷蔵庫、エアコン、扇風機など夏季に販売ピークを迎える家電が軒並み前年比プラス成長を見せ、暑さが増した7月第4週にはエアコンの前年比2.5倍をはじめ販売が急増した。
・冷蔵庫は大容量化が踊り場を迎える中、猛暑が大容量クラスを一時的に牽引した。
・エアコン販売好調の影響で、一部製品の品薄や取り付け工事の集中なども発生している。
【「夏物」家電の販売状況】
低気温と降雨に見舞われた春先から一転、猛暑となった今夏は、エアコンをはじめ「夏物」とされる家電の販売が好調に推移している。
例年7月に販売のピークを迎える冷蔵庫、エアコン、扇風機(注1)の3品目について、販売数量前年比の週次推移を図1に示した。6月第1週には前年並みでスタートした夏商戦だが、気温が上がるにつれ、大きく前年を上回る週が続いた。6月第1週から、夏商戦終盤に差しかかった7月第5週までの累計の前年比は冷蔵庫10%増、エアコン36%増、扇風機35%増といずれも好調を記録した。
特に祝日「海の日」を含む7月第4週は、冷夏であった昨年との気温差からエアコン、扇風機の販売が倍増し、その翌週(7月第5週)は小容量・低価格エアコンなど一部製品に在庫不足の状況はあるが、前年比では冷蔵庫29%増、エアコン112%増、扇風機61%増の高水準を維持している。
(注1)サーキュレーターを含む
図1:冷蔵庫・エアコン・扇風機週次販売台数前年比推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/16118/1_1.jpg
【冷蔵庫 - クラス別に見られる猛暑効果】
一般的に家電量販店は、土日祝日に家族連れの来店が多いとされる。祝日を含み、また好天に恵まれた7月第4週は、冷蔵庫の家族世帯向けクラス(401L以上)の構成比が前週と比較して3%ポイント高い52%となった。また、猛暑のタイミングと夏ボーナスの支給額回復やエコポイントが重なったことにより、収容量に余裕を持った上位クラスに買い換えるケースが相次ぎ、501L以上の大容量クラスが同じく前週から比較して2%ポイント高い21%へと一時的な増加を見せた。これらを背景に金額前年比も10%増となり、2010年上半期は数年来の大容量化が踊り場を迎えた様子も見られる中、猛暑が一時の好材料となり大容量クラスを牽引した。
【エアコン - 猛暑特需で記録的な週間販売台数】
暑さ対策家電の筆頭、エアコンは販売好調が続いており、家電量販店における7月第4週(7月19日〜25日)のエアコン販売は、一週間当たりの販売として記録的な台数となった。
従来エアコンは、7月が販売のピークであり、過去10年(2000〜2009年)の平均では7月が通年販売台数の3割程度を占めている。週ごとの販売推移は天候や連休の影響を受け、販売ピーク週は図2で示すとおりばらつきが見られる。ちなみに2008年以降各年で「海の日」が含まれるのは第4週であり、暦上の条件は同一といえる。
同じく猛暑だった2008年は、7月全体を通して高い販売水準を保っていたのに対し、2010年7月は第2週・第3週が前年並みに推移し、第4週に大きく販売を伸ばしたことが特徴的だ。第4週の販売数量は前週の約2.3倍、前年同週の約2.5倍、2008年の販売ピーク週(7月第2週)と比較しても約1.5倍に到達した。同週の販売数量が大きく増加したことにより、2010年の1〜7月累積販売台数は、記録的に販売好調であった2008年を約10%上回る結果となった。
図2:セパレート型エアコン週次販売台数推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/16118/2_2.jpg
販売好調の影で、家電量販店には思わぬ負担も出始めている。販売時期の極度な集中により、取り付け工事の順番待ちが長くなっており、一部店舗や製品によっては1〜2週間待ちというケースも発生している。また、週末の店頭混雑も手伝って、高付加価値製品の訴求も手薄になりがちだ。本来であれば消費者の省エネ意識を喚起するような接客に時間を使いたいところだが、極度に販売が集中するとそれもままならない状況となり、平均単価の維持は困難になってくる。また消費者からすると、暑さしのぎでのエアコン購入は、「短い期間しか使わないから」といった理由から低価格製品に流れやすい。7月第4週には、セパレート型よりも低価格の窓用エアコンにまで需要が波及し、前年の約4倍の販売を記録した。窓用エアコンは、住宅事情の変化やセパレート型エアコンのメリット拡充を受け、ここ数年夏場の販売が減退していたが、猛暑の影響で消費者がエアコンダクトのない小部屋などへも暑さ対策でエアコンを導入した結果と考えられる。
【エコポイント制度下の好材料と今後】
今年のエアコン需要の背景には、天候以外にも2001年4月家電リサイクル法施行前に購入したユーザーが買い替えサイクルに入っていること、省エネおよび他技術の進展による買い替え・買い増し需要の喚起、加えてエコポイント制度の恩恵、またエコポイント対象製品の増加など、様々な好材料が挙げられる。2008年の猛暑特需に続き、2010年も数々の好材料により高成長を持続するとなれば、当然ながら2011年からの反動減が警戒される。メーカー各社より、更なる省エネ性能や清潔・衛生機能、気流制御などによる快適機能など様々な付加価値が提供されているが、これらのメリットを十分に訴求し、高機能・高価格帯モデルの販売をどの程度後押しできるのかが重要となろう。今後、暖房需要での購買が集中する冬ボーナスシーズンから年末商戦においてはエコポイント終了に伴う駆け込み需要も見込まれるため、その後の業界動向に引き続き注目が集まるものと考えられる。
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
URL: http://www.gfkjpn.co.jp/
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。
※ご不明な点がありましたら、下記の連絡先までお気軽にお問い合わせ下さい。