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日建学院、「2010年度1級建築士学科試験合格発表」から次年度対策を分析!

 建築士と宅建の資格学校「日建学院」を運営する株式会社建築資料研究社(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:馬場 栄一)は、2010年度1級建築士学科試験合格発表について日建学院ホームページにて公開し、次年度の対策を分析いたしました。


【2010年度1級建築士学科試験について】
・合格基準88点に引き下げ。合格率は15.1%!
 9月7日、全国58会場で実施された1級建築士学科試験の合格者が発表されました。
 昨年2009年より新試験制度(5科目、125問、4枝択一試験)に改正され、2度目の学科試験の結果です。受験者38,476名、合格者5,814名、合格率は15.1%で昨年度の合格率19.6%より4.5%も下げました。
 合格基準点は、計画、環境・設備が11/20点、法規、構造が16/30点、施工13/25点、総合88/125点。『合格基準点は、各科目で過半の得点、総得点は概ね90点程度を基本的な水準とする』としていたものの、得点が想定より低かったことから、総得点で2点引き下げられました。なお、昨年は得点が著しく高かったことから、総得点97点に引上げられており、2年続けて補正が入る結果となりました。
※なお、試験元より公表された正答枝は、試験直後の日建学院解答速報の想定どおりでした。

・前年比、受験者9.6%・合格者30.1%減。約11,000名が設計製図の試験へ!
 合格基準点が基本的な水準90点であった場合、2006年(10.0%)、2007年(11.3%)並みの低い合格率になると思われましたが、総得点が引き下げられたため、2008年と同じ15.1%にとどまりました。
 受験者の数は、前年の42,569名から、4,093名(9.6%)減、合格者数は前年の8,323名から2,509名(30.1%)減少しました。
 これにより本年の合格者5,814名と、本年度学科試験免除者5,122名、併せて約11,000名が、10月10日実施の「設計製図の試験」において、今年度設計課題「美術館」の設計力及び記述力(説明能力)を競い合うことになります。
 なお、日建学院では、学科試験後の設計製図講座の受講基準(合格基準)を88点としていました。したがって、学科試験後に設計製図講座を受講されている全ての受講生が10月10日の設計製図の試験を受験できることになりました。
 また、合格者の平均年齢や他の属性については、大きな変化はありませんが、近年の4大学卒受験者の増加傾向、現場管理者の減少傾向は、依然としてみられる結果となりました。

※2010年度1級建築士学科試験結果
http://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/architect/test/1q/results/gakka2010.aspx


《試験傾向と難易度分析》
・応用力・判断力を問う問題の増加が難易度を上げた!
 出題傾向は、実務に携わる上での啓蒙的な出題や社会的な重要性の高い分野からの出題となっており、昨年から大きな変わりはありません。しかし、表現や論点を少し変え、技術者としての判断力(応用力)を問う出題が一層顕著になりました。
 日建学院では、環境・設備、法規、施工で、約2点減、計画で約1点減、構造が微減、合計8点程度は得点が低くなると予想しており、ほぼ予想どおりの結果となりました。

 では、合格基準点を9点も下げた要因はどこにあり、今後の試験対策に必要なものは何でしょうか。

 昨年より「新試験制度」となり、一昔前の「新規問題数や過去問比率の増減」などの分析で、その要因を読み取ることはできません。近年は、約50〜60%の問題それぞれに新規の要素(設問枝)が入っており、画一的な過去問系問題か又は新規問題かの分類、また、その割合から試験の難易度を計ることに全く信憑性はありません。新規問題の数で、試験の難易度を評価するのは、ただ単に受験者の危機感を募らせることにほかならず、試験難易度を計るには、設問枝単位での、きめ細かな分析が必要になります。

 各設問枝をみると、新規の設問枝数は、昨年約23%に対して、本年は約20%で、増加はなく、むしろ過去問系の出題比率が若干増えています。
 特筆すべきは、過去問系の出題の内、応用設問(基本的な知識を基に判断力が問われる設問)数が約13%も増えている点です。応用設問枝とは、過去に出題された内容をより一歩掘り下げ、視点や論点を少し変えた問題で、暗記型の学習では対応できない場合が多く、応用設問枝が各問題に1枝、2枝加わることで、問題の正答率は、約20%〜30%も引き下がります。これが今回の得点を引き下げた大きな要因です。

※新規設問・過去問系設問・応用設問の数値割合
http://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/architect/test/1q/results/gakka2010.aspx


《次年度対策》
・応用問題への対策が合否を分ける!「学習の質」が問われる試験!
 応用問題対策としては、過去の出題内容を単に暗記するのではなく、正しく理解し、その周辺情報まで一歩掘り下げた発展的な学習が求められます。つまり、「新試験制度」となり、学習の量だけでなく「学習の質」が問われる試験になってきていると言えます。
 応用対策において重要なのは、発展的な学習の方向づけです。無作為に学習範囲を広げても、それは非効率であるだけでなく、出題傾向から逸脱してしまうことにもなりかねません。
 例えば、試験制度が改正された一つの要因である「構造計算偽装問題等」から、設計・監理業務の適正化を目的として、実務において求められる内容の啓蒙的な出題が大きな柱になり、5科目横断的に反映されていることに注目しなければなりません。


《今後の学習方針》
 試験の方向性、つまり、発展学習の方向付けを示すテーマとは、主に、下記の5つに集約することができると日建学院は判断しています。今年度出題問題から、少し具体的な例を示します。

1) 設計・工事監理に係る啓蒙的な出題
2) 社会的重要性の高い「既存建築物の改修・活用」
3) 社会的重要性の高い「環境(「CASBEE」でいう品質と環境負荷低減性)」
4) 社会的重要性の高い「最新の法令・基準・規格」
5) 構造の安全性(靱性と耐久性)

今年度出題問題から、[5つのテーマ]のより具体的な例
http://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/architect/test/1q/results/pdf/example.pdf

 これら[5つのテーマ]を意識した発展的な学習の有無が、今後の試験の合否を大きく分けることになるでしょう。建築士試験は専門技術者としての「資格者責任」、「契約者責任」、「社会的責任」が問われる位置付けから、出題内容は多岐にわたります。だからこそ、5科目の内容を横断的に整理した効果的な発展学習が必要であり、そのためには、学習の方向付けを明確にすることが重要です。

 日建学院では、このような試験傾向に合わせ、受験生個々のスタイルに適した「学習の質」を高める講座を提供し、本年度も非常に高い「1級建築士学科試験合格率」を輩出する事ができました。


年度ごとの詳細分析、および各講座については日建学院ホームページまで
http://www.ksknet.co.jp/nikken/


【会社概要】
社名      : 株式会社建築資料研究社
所在地     : 東京都豊島区池袋2-50-1
創立      : 1969年8月(昭和44年)
設立      : 2009年(平成21年)10月
代表者     : 代表取締役社長 馬場 栄一
従業員数    : 1,300名
支店数(営業所数): 62支店(営業所)
URL       : http://www.ksknet.co.jp/nikken/
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