日本FP協会調べ 人生100年時代の不安 1位「老後の生活設計」2位「自身の健康」
[18/11/05]
提供元:@Press
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日本FP協会(所在地 東京都港区、理事長 白根壽晴)は、2018年10月19日〜10月22日の4日間、全国の20代〜70代の男女を対象に「世代別比較 くらしとお金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,200名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
[調査結果]
【世代別 「人生100年時代」に対する意識】
◆現在のくらしには満足?不満? 40代では「不満」が半数以上
◆人生100年時代 老後のくらしは安心?不安? 30代では「不安」が8割半
◆人生100年時代の不安 1位「老後の生活設計」2位「自身の健康」 40代の4割強が「介護」に不安
全国の20代〜70代の男女1,200名(全回答者)に対し、くらしやお金に関する各世代の意識を明らかにすべく、質問を行いました。
まず、≪現在のくらし≫に対して満足しているか、不満があるか聞いたところ、『満足(計)』(「満足している」と「どちらかといえば満足している」の合計、以下同様)が63.8%、『不満(計)』(「不満がある」と「どちらかといえば不満がある」の合計、以下同様)が36.2%となり、満足している人のほうが多くなりました。
世代別にみると、『満足(計)』の割合が最も高かったのは70代(80.5%)でした。また、『不満(計)』の割合が最も高かったのは40代(52.5%)で、半数以上が現在のくらしに不満を持っていることがわかりました。
次に、≪老後のくらし≫に対して安心しているか、不安があるか聞いたところ、『安心(計)』(「安心している」と「どちらかといえば安心している」の合計、以下同様)が26.1%、『不安(計)』(「不安がある」と「どちらかといえば不安がある」の合計、以下同様)が73.9%となりました。老後のくらしに対しては不安を感じている人が多いようです。
世代別にみると、すべての世代で『不安(計)』が『安心(計)』を上回りました。なかでも『不安(計)』の割合が最も高かったのは30代(85.0%)でした。
4人に3人が老後に不安を感じているという結果でしたが、年々平均寿命が延び“人生100年時代”とも言われる現在、どのようなことに不安を感じる人が多いのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、人生100年時代を迎えるにあたって不安を感じることを聞いたところ、最多回答は「老後の生活設計」(60.4%)で、次いで、「自身の健康」(57.2%)、「家族の健康」(44.8%)、「年金」(42.3%)、「住まいにかかる費用、住まいのあり方(住む場所や住居形態など)」(41.3%)となりました。
世代別にみると、30代では「住まいにかかる費用、住まいのあり方(住む場所や住居形態など)」(52.0%)、40代では「親などの介護」(41.5%)が、他の世代と比べて高い割合となりました。住宅関連の費用負担が大きい30代では“住まい”、親世代が高齢になる人が多い40代では“介護”の問題が、老後の不安材料となっているようです。また、60代や70代では「自身の健康」(60代76.5%、70代72.0%)が最も高い割合となりました。
◆“資産寿命”を延ばすために必要だと思うこと 「現役で働く期間を延ばす」4割強
30代では「若いうちから少しずつ資産形成」が4割
◆人生100年時代に備えたライフプラン作り
ファイナンシャル・プランナーなどお金の専門家に「相談したい」6割
人生100年時代に、老後の人生をイキイキとした生活にするためには、“健康寿命”だけではなく、自身の資産が底をつくまでの期間を表わす“資産寿命”を延ばすことも大切になってきます。
そこで、全回答者(1,200名)に、資産寿命を延ばすために必要だと思うことを聞いたところ、最多回答は「現役で働く期間を延ばす」(41.3%)で、次いで、「生活費の節約を心がける」(40.9%)、「健康に気を配り医療費を削減する」(31.5%)、「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」(29.2%)、「共働きや副業で収入を増やす」(25.6%)となりました。働く期間を延ばすことで収入を維持することが必要と考える人が多いようです。
世代別にみると、20代では「共働きや副業で収入を増やす」(40.5%)、30代では「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」(39.5%)が他の世代と比べて高くなりました。“若いうちからコツコツ資産形成”が大切だと考える人は30代に多いようです。
続いて、全回答者(1,200名)に、人生100年時代に備えて、ファイナンシャル・プランナーなどのお金の専門家に、“ライフプラン”の作成に際して相談したいことがあるかを聞いたところ、「相談したいことがある」が60.6%となりました。ライフプランの作成について、プロフェッショナルに相談したいという人は多いようです。
お金の専門家に相談したいことがある人(727名)に、どのようなことを相談したいか聞いたところ、1位「老後の生活設計」(62.7%)、2位「家計管理や貯蓄方法」(36.3%)、3位「年金」(31.2%)、4位「資産運用」(28.2%)、5位「介護費用」(25.6%)となりました。
世代別にみると、30代では「家計管理や貯蓄方法」(50.8%)や「子ども・孫の教育費」(21.2%)、70代では「介護費用」(39.0%)が他の世代より高くなりました。
◆老後の資産形成で有効だと思うもの 1位「公的年金」
30代男性では約4人に1人が「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と回答
全回答者(1,200名)に、老後のための資産形成において、どのような制度が有効だと思うかを聞いたところ、最多回答は「公的年金」(52.2%)で、次いで、「私的年金(民間の個人年金、企業年金など)」(42.9%)、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」(13.0%)、「NISA(少額投資非課税制度)」(11.3%)、「つみたてNISA」(10.1%)となりました。
男女・世代別にみると、30代男性では「iDeCo(個人型確定拠出年金)」(23.0%)や「NISA(少額投資非課税制度)」(22.0%)がどちらも2割を超え、他の世代と比べて高い結果となりました。
◆希望する働き方とは? 20代の6割強が「副業・兼業を持つ働き方」、3割弱が「独立・起業」を志向
社会に出た後に学び直しと就労を繰り返す「リカレント教育」 40代男性と20代女性の意向率は4割強
人生100年時代には現役で働く期間がこれまでより長くなるといわれており、長期的な視点でのキャリアプランが必要になってきます。
そこで、全回答者(1,200名)に、≪副業・兼業を持つ働き方≫≪独立・起業≫≪仕事と学び直しを繰り返す働き方≫の3つの働き方を提示し、それぞれどの程度したいと思うか聞きました。
まず、≪副業・兼業を持つ働き方≫については、『したい(計)』(「とてもしたい」と「まあしたい」の合計、以下同様)が43.6%となりました。
世代別に『したい(計)』の割合をみると、20代では63.0%、30代では52.5%と、半数以上となりました。また、最も割合が低かった70代(23.5%)でも、4人に1人近くの人が副業・兼業の意向を持っていることがわかりました。
≪独立・起業≫については、『したい(計)』が18.5%となりました。
世代別に『したい(計)』の割合をみると、最も高かったのは20代(28.0%)でした。雇用されて働くのではなく、自ら事業を興したいと考える20代が少なくないようです。
また、≪仕事と学び直しを繰り返す働き方≫(社会に出た後に学び直し、また働くということを繰り返す働き方)については、『したい(計)』が30.1%となりました。社会人になってから学び直しを行ってスキルアップし、再び就労するというサイクルを繰り返す“リカレント教育”が注目されていますが、こうした働き方に関心を持っている人が少なくないことがわかりました。
男女・世代別に『したい(計)』の割合をみると、男性では40代、女性では20代(ともに41.0%)が最も高くなりました。
◆老後の生きがいとして楽しみにしていること 1位「旅行・レジャー」
70代の4人に1人が「インターネット・SNS」を老後の楽しみにしていると回答
老後も充実した生活を送るために、どのようなことを生きがいにしたいと考える人が多いのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、老後の生きがいとして楽しみにしていることを聞いたところ、1位「旅行・レジャー」(46.2%)、2位「パートナー(配偶者・恋人)と過ごす時間」(31.7%)、3位「子ども・孫や親との交流」(27.3%)、4位「友人との交流」(26.4%)、5位「読書」「映画鑑賞」(ともに23.7%)となりました。旅行やレジャーを楽しみにしている人のほか、身近な人と過ごすことを楽しみにしている人も多いようです。
世代別にみると、20代では「パートナー(配偶者・恋人)と過ごす時間」(42.0%)、30代では「仕事(再就職、独立・起業など)」(26.5%)、60代では「映画鑑賞」(36.0%)、70代では「読書」(35.0%)や「運動・スポーツ」(34.5%)、「インターネット・SNS」(25.5%)が他の世代より高くなりました。
【世代別 くらしとお金の実態】
◆既婚者の初婚年齢は平均28歳
◆マイホームは何歳で購入?購入年齢の平均は36歳
◆50代が保有する金融資産の平均は1,533万円、40代平均の約2.5倍に
結婚やマイホーム購入といったライフイベントに関する意識・実態や、現在保有している資産の実態について質問を行いました。
まず、結婚年齢について、既婚者(793名)に、初婚年齢を聞いたところ、「23歳〜25歳」(29.6%)や「26歳〜28歳」(22.2%)などに回答が集まり、平均は27.9歳となりました。
未婚者(407名)に、この歳までに結婚したいという年齢を聞いたところ、「結婚したくない」(47.2%)が最も多くなったほか、結婚の意向がある人(結婚したい年齢を回答した人)では「29歳〜31歳」(11.5%)や「40歳〜49歳」(10.1%)に回答が集まり、平均は34.9歳となりました。
次に、マイホーム購入の意識や実態について質問を行いました。
現在の住まいが持ち家の人(575名)に、自身(または配偶者)がマイホームを購入した年齢を聞いたところ、「30歳〜34歳」や「35歳〜39歳」(ともに23.5%)に回答が集まり、平均は36.3歳となりました。
現在の住まいが持ち家ではない人(625名)に、この歳までにマイホームを購入したいという年齢を聞いたところ、「購入したいと思わない」(68.0%)が最も多くなったほか、購入意向がある人(購入したい年齢を回答した人)では「35歳〜39歳」(6.7%)や「40歳〜44歳」(7.8%)に回答が集まり、平均は40.5歳となりました。
全回答者(1,200名)に、現在の金融資産(総額)を聞いたところ、平均額は1,141万円となりました。
世代別に平均額をみると、20代405万円、30代556万円、40代604万円、50代1,533万円、60代1,969万円と、60代までは、世代が上がるにつれて資産額も高くなる傾向がみられました。50代は40代の約2.5倍の金額となっており、資産が増える時期といえるのではないでしょうか。
◆何歳まで働きたい?「ずっと働きたい」は6人に1人
◆何歳まで働く必要がある?「ずっと働く必要がある」5人に1人
続いて、仕事と年齢について質問を行いました。
現在働いている人(697名)に、今後、ずっと働きたいと思うか聞いたところ、「ずっと働きたいと思う」が15.8%、「ずっと働きたいとは思わない」が84.2%となりました。ある程度のところで仕事をリタイアしたいと考えている人が多数派のようです。
では、何歳くらいまで働きたいと考えているのでしょうか。ずっと働きたいとは思わないという人(587名)に、何歳まで働きたいと思うか聞いたところ、平均は62.2歳でした。
世代別に平均をみると、20代(54.9歳)や30代(59.0歳)は60歳以下の年齢を希望し、40代以上(40代62.9歳、50代65.0歳、60代69.0歳)は60歳超の年齢を希望する結果となりました。
また、今後、ずっと働く必要があると思うか聞いたところ、「ずっと働く必要があると思う」が20.2%、「ずっと働く必要があるとは思わない」が79.8%となりました。
ずっと働く必要があるとは思わないという人(556名)に、何歳まで働く必要があると思うか聞いたところ、平均は64.7歳でした。
世代別に平均をみると、全ての世代で60歳以上となっており、20代から50代では働きたいと思う年齢の平均よりも高くなりました。
◆自分が受け取る公的年金の金額 40代以下は「把握していない」が多数派
◆「退職金を受け取る予定がある」4割弱 受け取る予定がある40代の7割強が「金額を把握していない」
次に、退職後の年金や退職金について聞きました。
全回答者(1,200名)に、自身が受け取る公的年金の金額をどのくらい知っているか聞いたところ、『把握している(計)』(「把握している」と「おおよそ把握している」の合計、以下同様)が51.0%、『把握していない(計)』(「全く把握していない」と「あまり把握していない」の合計、以下同様)が49.0%となりました。
世代別にみると、20代から40代では『把握していない(計)』のほうが高くなり(20代81.5%、30代76.0%、40代70.5%)、50代以上では『把握している(計)』のほうが高い割合でした(50代54.0%、60代87.0%、70代93.0%)。
また、私的年金(企業年金や民間の個人年金など)を受け取る予定があるか聞いたところ、「受け取る予定がある」は44.4%、「受け取る予定はない」は55.6%となりました。
私的年金を受け取る予定がある人(533名)に、自身が受け取る私的年金の金額をどのくらい知っているかを聞いたところ、『把握している(計)』は49.5%、『把握していない(計)』は50.5%となり、両者が拮抗する結果となりました。
世代別にみると、20代から40代では『把握していない(計)』のほうが高く(20代77.8%、30代76.2%、40代65.6%)、50代以上では『把握している(計)』のほうが高い割合でした(50代53.2%、60代85.4%、70代94.9%)。50代になったのを境に、自身が受け取る年金額を意識し始める人が多いのではないでしょうか。
さらに、退職金を受け取る予定があるか聞いたところ、「受け取る予定がある」は36.8%、「受け取る予定はない」は63.3%で、退職金の受け取り予定がないという人が多数派となりました。
退職金を受け取る予定がある人(441名)に、自身が受け取る退職金の金額をどのくらい知っているかを聞いたところ、『把握している(計)』は47.6%、『把握していない(計)』は52.3%となり、把握していない人のほうが多いことがわかりました。
世代別にみると、20代から40代では『把握していない(計)』のほうが高く(20代72.3%、30代70.2%、40代71.6%)、50代以上では『把握している(計)』のほうが高くなりました(50代60.2%、60代94.0%、70代94.8%)。
◆退職金の運用や使いみち 20代の4割強が「ファイナンシャル・プランナー」に相談したいと回答
◆夫婦二人のセカンドライフの生活費 最低限必要だと思う金額は平均21万円、希望額や予想収入額は?
4割近くの人が退職金を受け取る予定があることがわかりましたが、退職金の運用方法や使いみちについては、どのようにすればよいのかわからないという人も少なくないのではないでしょうか。
そこで、退職金を受け取る予定がある人(441名)に、退職金の運用や使いみちについて、誰にどのくらい相談したいかを聞きました。
『相談したい(計)』(「とても相談したい」「まあ相談したい」の合計、以下同様)の割合をみると、【親や近親者】は32.0%、【配偶者】(対象:配偶者がいる人)は58.9%、【知人・友人】は20.0%となりました。また、【金融機関】は24.3%、【ファイナンシャル・プランナー】は31.7%でした。
世代別に『相談したい(計)』をみると、20代では【金融機関】や【ファイナンシャル・プランナー】に相談したい人の割合が他の世代より高く、【金融機関】が33.9%、【ファイナンシャル・プランナー】が41.1%となりました。
続いて、全回答者(1,200名)に、配偶者とセカンドライフを送ると想定した場合の生活費について聞きました。
最低限必要な生活費(月額)はどの程度だと思うか聞いたところ、「15万円〜20万円未満」(24.9%)や「20万円〜25万円未満」(23.5%)に回答が集まり、平均は20.6万円となりました。
世代別に平均額をみると、最も高かったのは70代(23.1万円)、最も低かったのは40代(19.0万円)でした。
次に、希望する生活費(月額)はどの程度だと思うか聞いたところ、「25万円〜30万円未満」(22.4%)や「20万円〜25万円未満」(21.8%)に回答が集まり、平均は25.7万円でした。
世代別に平均額をみると、最も高かったのは70代(27.3万円)、最も低かったのは40代(24.1万円)でした。
また、自身が得られると思う収入額(月額・税込)はどの程度だと思うか聞いたところ、「10万円未満」(26.8%)や「15万円〜20万円未満」(19.7%)などに回答が集まり、平均は17.6万円となりました。希望する生活費の平均額と比較すると8.1万円低い金額となり、セカンドライフにおける生活費の理想と現実に、大きなギャップがあることがわかりました。
【世代別 理想の社会と理想のシニア】
◆30年後の理想の社会 1位「老後の生活に不安がない社会」
20代が望むのは「子育てしやすい社会」、70代は「高齢者が活躍しやすい社会」になることも期待
◆輝いている80代 1位「黒柳徹子さん」
20代の回答では「北島三郎さん」が2位、40代の回答では「野沢雅子さん」が2位にランクイン
将来の日本がどのような社会になっていることを期待する人が多いのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、30年後の日本社会がどのような社会になっているとよいと思うかを聞いたところ、「老後の生活に不安がない社会」(43.3%)が最も高く、次いで、「福祉が充実した社会」(35.6%)、「自然災害に強い社会」(34.9%)、「子どもがイキイキとしている社会」「犯罪の少ない社会」(ともに32.1%)となりました。老後の生活や福祉の面で、安心して過ごせる社会を希望する人が多いようです。
世代別にみると、20代では「子育てがしやすい社会」(40.5%)が最も高くなりました。また、70代では「自然災害に強い社会」(45.5%)や「高齢者が活躍しやすい社会」(42.0%)が、他の世代と比べて高くなりました。
最後に、全回答者(1,200名)に、「輝いている80代」だと思う有名人を聞いたところ、1位「黒柳徹子さん」(37.8%)、2位「加山雄三さん」(31.2%)、3位「美輪明宏さん」(23.0%)、4位「伊東四朗さん」(21.3%)、5位「北島三郎さん」(20.2%)となりました。テレビ番組や舞台などで活躍し、SNSでも精力的に発信を続けている黒柳さんが多くの支持を集めました。
世代別にみると、20代の回答では「北島三郎さん」(26.5%)が2位にランクインしました。今なお現役で歌い続けている“演歌界の大御所”北島さんを輝いていると感じる20代が多いようです。また、30代の回答では3位、40代の回答では2位には「野沢雅子さん」(30代23.0%、40代29.5%)がランクインしました。ドラゴンボールの孫悟空などでおなじみの声を今もアニメやCMで披露する野沢さんに、輝きを感じている人が多いのではないでしょうか。そのほか、60代と70代の回答では「加山雄三さん」(60代43.5%、70代45.5%)が1位となりました。
[調査結果]
【世代別 「人生100年時代」に対する意識】
◆現在のくらしには満足?不満? 40代では「不満」が半数以上
◆人生100年時代 老後のくらしは安心?不安? 30代では「不安」が8割半
◆人生100年時代の不安 1位「老後の生活設計」2位「自身の健康」 40代の4割強が「介護」に不安
全国の20代〜70代の男女1,200名(全回答者)に対し、くらしやお金に関する各世代の意識を明らかにすべく、質問を行いました。
まず、≪現在のくらし≫に対して満足しているか、不満があるか聞いたところ、『満足(計)』(「満足している」と「どちらかといえば満足している」の合計、以下同様)が63.8%、『不満(計)』(「不満がある」と「どちらかといえば不満がある」の合計、以下同様)が36.2%となり、満足している人のほうが多くなりました。
世代別にみると、『満足(計)』の割合が最も高かったのは70代(80.5%)でした。また、『不満(計)』の割合が最も高かったのは40代(52.5%)で、半数以上が現在のくらしに不満を持っていることがわかりました。
次に、≪老後のくらし≫に対して安心しているか、不安があるか聞いたところ、『安心(計)』(「安心している」と「どちらかといえば安心している」の合計、以下同様)が26.1%、『不安(計)』(「不安がある」と「どちらかといえば不安がある」の合計、以下同様)が73.9%となりました。老後のくらしに対しては不安を感じている人が多いようです。
世代別にみると、すべての世代で『不安(計)』が『安心(計)』を上回りました。なかでも『不安(計)』の割合が最も高かったのは30代(85.0%)でした。
4人に3人が老後に不安を感じているという結果でしたが、年々平均寿命が延び“人生100年時代”とも言われる現在、どのようなことに不安を感じる人が多いのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、人生100年時代を迎えるにあたって不安を感じることを聞いたところ、最多回答は「老後の生活設計」(60.4%)で、次いで、「自身の健康」(57.2%)、「家族の健康」(44.8%)、「年金」(42.3%)、「住まいにかかる費用、住まいのあり方(住む場所や住居形態など)」(41.3%)となりました。
世代別にみると、30代では「住まいにかかる費用、住まいのあり方(住む場所や住居形態など)」(52.0%)、40代では「親などの介護」(41.5%)が、他の世代と比べて高い割合となりました。住宅関連の費用負担が大きい30代では“住まい”、親世代が高齢になる人が多い40代では“介護”の問題が、老後の不安材料となっているようです。また、60代や70代では「自身の健康」(60代76.5%、70代72.0%)が最も高い割合となりました。
◆“資産寿命”を延ばすために必要だと思うこと 「現役で働く期間を延ばす」4割強
30代では「若いうちから少しずつ資産形成」が4割
◆人生100年時代に備えたライフプラン作り
ファイナンシャル・プランナーなどお金の専門家に「相談したい」6割
人生100年時代に、老後の人生をイキイキとした生活にするためには、“健康寿命”だけではなく、自身の資産が底をつくまでの期間を表わす“資産寿命”を延ばすことも大切になってきます。
そこで、全回答者(1,200名)に、資産寿命を延ばすために必要だと思うことを聞いたところ、最多回答は「現役で働く期間を延ばす」(41.3%)で、次いで、「生活費の節約を心がける」(40.9%)、「健康に気を配り医療費を削減する」(31.5%)、「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」(29.2%)、「共働きや副業で収入を増やす」(25.6%)となりました。働く期間を延ばすことで収入を維持することが必要と考える人が多いようです。
世代別にみると、20代では「共働きや副業で収入を増やす」(40.5%)、30代では「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」(39.5%)が他の世代と比べて高くなりました。“若いうちからコツコツ資産形成”が大切だと考える人は30代に多いようです。
続いて、全回答者(1,200名)に、人生100年時代に備えて、ファイナンシャル・プランナーなどのお金の専門家に、“ライフプラン”の作成に際して相談したいことがあるかを聞いたところ、「相談したいことがある」が60.6%となりました。ライフプランの作成について、プロフェッショナルに相談したいという人は多いようです。
お金の専門家に相談したいことがある人(727名)に、どのようなことを相談したいか聞いたところ、1位「老後の生活設計」(62.7%)、2位「家計管理や貯蓄方法」(36.3%)、3位「年金」(31.2%)、4位「資産運用」(28.2%)、5位「介護費用」(25.6%)となりました。
世代別にみると、30代では「家計管理や貯蓄方法」(50.8%)や「子ども・孫の教育費」(21.2%)、70代では「介護費用」(39.0%)が他の世代より高くなりました。
◆老後の資産形成で有効だと思うもの 1位「公的年金」
30代男性では約4人に1人が「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と回答
全回答者(1,200名)に、老後のための資産形成において、どのような制度が有効だと思うかを聞いたところ、最多回答は「公的年金」(52.2%)で、次いで、「私的年金(民間の個人年金、企業年金など)」(42.9%)、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」(13.0%)、「NISA(少額投資非課税制度)」(11.3%)、「つみたてNISA」(10.1%)となりました。
男女・世代別にみると、30代男性では「iDeCo(個人型確定拠出年金)」(23.0%)や「NISA(少額投資非課税制度)」(22.0%)がどちらも2割を超え、他の世代と比べて高い結果となりました。
◆希望する働き方とは? 20代の6割強が「副業・兼業を持つ働き方」、3割弱が「独立・起業」を志向
社会に出た後に学び直しと就労を繰り返す「リカレント教育」 40代男性と20代女性の意向率は4割強
人生100年時代には現役で働く期間がこれまでより長くなるといわれており、長期的な視点でのキャリアプランが必要になってきます。
そこで、全回答者(1,200名)に、≪副業・兼業を持つ働き方≫≪独立・起業≫≪仕事と学び直しを繰り返す働き方≫の3つの働き方を提示し、それぞれどの程度したいと思うか聞きました。
まず、≪副業・兼業を持つ働き方≫については、『したい(計)』(「とてもしたい」と「まあしたい」の合計、以下同様)が43.6%となりました。
世代別に『したい(計)』の割合をみると、20代では63.0%、30代では52.5%と、半数以上となりました。また、最も割合が低かった70代(23.5%)でも、4人に1人近くの人が副業・兼業の意向を持っていることがわかりました。
≪独立・起業≫については、『したい(計)』が18.5%となりました。
世代別に『したい(計)』の割合をみると、最も高かったのは20代(28.0%)でした。雇用されて働くのではなく、自ら事業を興したいと考える20代が少なくないようです。
また、≪仕事と学び直しを繰り返す働き方≫(社会に出た後に学び直し、また働くということを繰り返す働き方)については、『したい(計)』が30.1%となりました。社会人になってから学び直しを行ってスキルアップし、再び就労するというサイクルを繰り返す“リカレント教育”が注目されていますが、こうした働き方に関心を持っている人が少なくないことがわかりました。
男女・世代別に『したい(計)』の割合をみると、男性では40代、女性では20代(ともに41.0%)が最も高くなりました。
◆老後の生きがいとして楽しみにしていること 1位「旅行・レジャー」
70代の4人に1人が「インターネット・SNS」を老後の楽しみにしていると回答
老後も充実した生活を送るために、どのようなことを生きがいにしたいと考える人が多いのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、老後の生きがいとして楽しみにしていることを聞いたところ、1位「旅行・レジャー」(46.2%)、2位「パートナー(配偶者・恋人)と過ごす時間」(31.7%)、3位「子ども・孫や親との交流」(27.3%)、4位「友人との交流」(26.4%)、5位「読書」「映画鑑賞」(ともに23.7%)となりました。旅行やレジャーを楽しみにしている人のほか、身近な人と過ごすことを楽しみにしている人も多いようです。
世代別にみると、20代では「パートナー(配偶者・恋人)と過ごす時間」(42.0%)、30代では「仕事(再就職、独立・起業など)」(26.5%)、60代では「映画鑑賞」(36.0%)、70代では「読書」(35.0%)や「運動・スポーツ」(34.5%)、「インターネット・SNS」(25.5%)が他の世代より高くなりました。
【世代別 くらしとお金の実態】
◆既婚者の初婚年齢は平均28歳
◆マイホームは何歳で購入?購入年齢の平均は36歳
◆50代が保有する金融資産の平均は1,533万円、40代平均の約2.5倍に
結婚やマイホーム購入といったライフイベントに関する意識・実態や、現在保有している資産の実態について質問を行いました。
まず、結婚年齢について、既婚者(793名)に、初婚年齢を聞いたところ、「23歳〜25歳」(29.6%)や「26歳〜28歳」(22.2%)などに回答が集まり、平均は27.9歳となりました。
未婚者(407名)に、この歳までに結婚したいという年齢を聞いたところ、「結婚したくない」(47.2%)が最も多くなったほか、結婚の意向がある人(結婚したい年齢を回答した人)では「29歳〜31歳」(11.5%)や「40歳〜49歳」(10.1%)に回答が集まり、平均は34.9歳となりました。
次に、マイホーム購入の意識や実態について質問を行いました。
現在の住まいが持ち家の人(575名)に、自身(または配偶者)がマイホームを購入した年齢を聞いたところ、「30歳〜34歳」や「35歳〜39歳」(ともに23.5%)に回答が集まり、平均は36.3歳となりました。
現在の住まいが持ち家ではない人(625名)に、この歳までにマイホームを購入したいという年齢を聞いたところ、「購入したいと思わない」(68.0%)が最も多くなったほか、購入意向がある人(購入したい年齢を回答した人)では「35歳〜39歳」(6.7%)や「40歳〜44歳」(7.8%)に回答が集まり、平均は40.5歳となりました。
全回答者(1,200名)に、現在の金融資産(総額)を聞いたところ、平均額は1,141万円となりました。
世代別に平均額をみると、20代405万円、30代556万円、40代604万円、50代1,533万円、60代1,969万円と、60代までは、世代が上がるにつれて資産額も高くなる傾向がみられました。50代は40代の約2.5倍の金額となっており、資産が増える時期といえるのではないでしょうか。
◆何歳まで働きたい?「ずっと働きたい」は6人に1人
◆何歳まで働く必要がある?「ずっと働く必要がある」5人に1人
続いて、仕事と年齢について質問を行いました。
現在働いている人(697名)に、今後、ずっと働きたいと思うか聞いたところ、「ずっと働きたいと思う」が15.8%、「ずっと働きたいとは思わない」が84.2%となりました。ある程度のところで仕事をリタイアしたいと考えている人が多数派のようです。
では、何歳くらいまで働きたいと考えているのでしょうか。ずっと働きたいとは思わないという人(587名)に、何歳まで働きたいと思うか聞いたところ、平均は62.2歳でした。
世代別に平均をみると、20代(54.9歳)や30代(59.0歳)は60歳以下の年齢を希望し、40代以上(40代62.9歳、50代65.0歳、60代69.0歳)は60歳超の年齢を希望する結果となりました。
また、今後、ずっと働く必要があると思うか聞いたところ、「ずっと働く必要があると思う」が20.2%、「ずっと働く必要があるとは思わない」が79.8%となりました。
ずっと働く必要があるとは思わないという人(556名)に、何歳まで働く必要があると思うか聞いたところ、平均は64.7歳でした。
世代別に平均をみると、全ての世代で60歳以上となっており、20代から50代では働きたいと思う年齢の平均よりも高くなりました。
◆自分が受け取る公的年金の金額 40代以下は「把握していない」が多数派
◆「退職金を受け取る予定がある」4割弱 受け取る予定がある40代の7割強が「金額を把握していない」
次に、退職後の年金や退職金について聞きました。
全回答者(1,200名)に、自身が受け取る公的年金の金額をどのくらい知っているか聞いたところ、『把握している(計)』(「把握している」と「おおよそ把握している」の合計、以下同様)が51.0%、『把握していない(計)』(「全く把握していない」と「あまり把握していない」の合計、以下同様)が49.0%となりました。
世代別にみると、20代から40代では『把握していない(計)』のほうが高くなり(20代81.5%、30代76.0%、40代70.5%)、50代以上では『把握している(計)』のほうが高い割合でした(50代54.0%、60代87.0%、70代93.0%)。
また、私的年金(企業年金や民間の個人年金など)を受け取る予定があるか聞いたところ、「受け取る予定がある」は44.4%、「受け取る予定はない」は55.6%となりました。
私的年金を受け取る予定がある人(533名)に、自身が受け取る私的年金の金額をどのくらい知っているかを聞いたところ、『把握している(計)』は49.5%、『把握していない(計)』は50.5%となり、両者が拮抗する結果となりました。
世代別にみると、20代から40代では『把握していない(計)』のほうが高く(20代77.8%、30代76.2%、40代65.6%)、50代以上では『把握している(計)』のほうが高い割合でした(50代53.2%、60代85.4%、70代94.9%)。50代になったのを境に、自身が受け取る年金額を意識し始める人が多いのではないでしょうか。
さらに、退職金を受け取る予定があるか聞いたところ、「受け取る予定がある」は36.8%、「受け取る予定はない」は63.3%で、退職金の受け取り予定がないという人が多数派となりました。
退職金を受け取る予定がある人(441名)に、自身が受け取る退職金の金額をどのくらい知っているかを聞いたところ、『把握している(計)』は47.6%、『把握していない(計)』は52.3%となり、把握していない人のほうが多いことがわかりました。
世代別にみると、20代から40代では『把握していない(計)』のほうが高く(20代72.3%、30代70.2%、40代71.6%)、50代以上では『把握している(計)』のほうが高くなりました(50代60.2%、60代94.0%、70代94.8%)。
◆退職金の運用や使いみち 20代の4割強が「ファイナンシャル・プランナー」に相談したいと回答
◆夫婦二人のセカンドライフの生活費 最低限必要だと思う金額は平均21万円、希望額や予想収入額は?
4割近くの人が退職金を受け取る予定があることがわかりましたが、退職金の運用方法や使いみちについては、どのようにすればよいのかわからないという人も少なくないのではないでしょうか。
そこで、退職金を受け取る予定がある人(441名)に、退職金の運用や使いみちについて、誰にどのくらい相談したいかを聞きました。
『相談したい(計)』(「とても相談したい」「まあ相談したい」の合計、以下同様)の割合をみると、【親や近親者】は32.0%、【配偶者】(対象:配偶者がいる人)は58.9%、【知人・友人】は20.0%となりました。また、【金融機関】は24.3%、【ファイナンシャル・プランナー】は31.7%でした。
世代別に『相談したい(計)』をみると、20代では【金融機関】や【ファイナンシャル・プランナー】に相談したい人の割合が他の世代より高く、【金融機関】が33.9%、【ファイナンシャル・プランナー】が41.1%となりました。
続いて、全回答者(1,200名)に、配偶者とセカンドライフを送ると想定した場合の生活費について聞きました。
最低限必要な生活費(月額)はどの程度だと思うか聞いたところ、「15万円〜20万円未満」(24.9%)や「20万円〜25万円未満」(23.5%)に回答が集まり、平均は20.6万円となりました。
世代別に平均額をみると、最も高かったのは70代(23.1万円)、最も低かったのは40代(19.0万円)でした。
次に、希望する生活費(月額)はどの程度だと思うか聞いたところ、「25万円〜30万円未満」(22.4%)や「20万円〜25万円未満」(21.8%)に回答が集まり、平均は25.7万円でした。
世代別に平均額をみると、最も高かったのは70代(27.3万円)、最も低かったのは40代(24.1万円)でした。
また、自身が得られると思う収入額(月額・税込)はどの程度だと思うか聞いたところ、「10万円未満」(26.8%)や「15万円〜20万円未満」(19.7%)などに回答が集まり、平均は17.6万円となりました。希望する生活費の平均額と比較すると8.1万円低い金額となり、セカンドライフにおける生活費の理想と現実に、大きなギャップがあることがわかりました。
【世代別 理想の社会と理想のシニア】
◆30年後の理想の社会 1位「老後の生活に不安がない社会」
20代が望むのは「子育てしやすい社会」、70代は「高齢者が活躍しやすい社会」になることも期待
◆輝いている80代 1位「黒柳徹子さん」
20代の回答では「北島三郎さん」が2位、40代の回答では「野沢雅子さん」が2位にランクイン
将来の日本がどのような社会になっていることを期待する人が多いのでしょうか。
全回答者(1,200名)に、30年後の日本社会がどのような社会になっているとよいと思うかを聞いたところ、「老後の生活に不安がない社会」(43.3%)が最も高く、次いで、「福祉が充実した社会」(35.6%)、「自然災害に強い社会」(34.9%)、「子どもがイキイキとしている社会」「犯罪の少ない社会」(ともに32.1%)となりました。老後の生活や福祉の面で、安心して過ごせる社会を希望する人が多いようです。
世代別にみると、20代では「子育てがしやすい社会」(40.5%)が最も高くなりました。また、70代では「自然災害に強い社会」(45.5%)や「高齢者が活躍しやすい社会」(42.0%)が、他の世代と比べて高くなりました。
最後に、全回答者(1,200名)に、「輝いている80代」だと思う有名人を聞いたところ、1位「黒柳徹子さん」(37.8%)、2位「加山雄三さん」(31.2%)、3位「美輪明宏さん」(23.0%)、4位「伊東四朗さん」(21.3%)、5位「北島三郎さん」(20.2%)となりました。テレビ番組や舞台などで活躍し、SNSでも精力的に発信を続けている黒柳さんが多くの支持を集めました。
世代別にみると、20代の回答では「北島三郎さん」(26.5%)が2位にランクインしました。今なお現役で歌い続けている“演歌界の大御所”北島さんを輝いていると感じる20代が多いようです。また、30代の回答では3位、40代の回答では2位には「野沢雅子さん」(30代23.0%、40代29.5%)がランクインしました。ドラゴンボールの孫悟空などでおなじみの声を今もアニメやCMで披露する野沢さんに、輝きを感じている人が多いのではないでしょうか。そのほか、60代と70代の回答では「加山雄三さん」(60代43.5%、70代45.5%)が1位となりました。