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春季特別展「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」

MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 館長:熊倉功夫)は、2019年(平成31年)3月21日(木・祝)〜5月19日(日)までの期間、春季特別展「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋(だいとくじりょうこういん こくほう ようへんてんもくとはそうあい)」を開催いたします。
慶長11年(1606)の大徳寺龍光院開創以来、四百年に亘って大切に守られてきた国宝「曜変天目」「密庵墨蹟」や重要文化財「柿・栗図(伝牧谿筆)」「油滴天目」など、寺伝の名宝が初めて一挙公開されます。
また、通常龍光院で行われている学びの会や坐禅の会などが、展覧会の会期中に限りMIHO MUSEUMに場所を移して開催されます。
本展覧会は、開創以来脈々と受け継がれてきた禅の法燈、大徳寺龍光院の歴史と今の姿に触れる千載一遇の機会となることでしょう。 ※会期中一部展示替えあり

■開催主旨
龍寶山大徳寺は、嘉暦元年(1326)大燈国師・宗峰妙超によって京紫野に開かれた臨済禅の大本山です。その塔頭のひとつ龍光院は、黒田長政が父・黒田如水(孝高・官兵衛)の菩提を弔うため、江月宗玩和尚(1574-1643)を開祖として、慶長11年(1606)に建立されました。当時の龍光院は、高松宮好仁親王、小堀遠州、松花堂昭乗ら一流の文化人が集う寛永文化の発信地でした。爾来四百有余年その法燈を守り続け、開祖の教えを今に伝えています。
江月宗玩は大坂堺の豪商、天王寺屋・津田宗及の次男として生まれました。天王寺屋は津田宗柏によってその礎が築かれ、その後、宗達、宗及、宗凡の三代にわたって栄え、堺を代表する豪商名家となりました。宗及は織田信長と豊臣秀吉の茶頭も務めています。しかし江月の兄・宗凡は早逝、やがて風雲急を告げる戦乱を察知した江月和尚は、あらゆる手を尽くして天王寺屋に伝わる名宝を大徳寺山内まで移送避難させました。ほどなく大坂夏の陣が勃発、放たれた火によって堺の町は灰燼に帰し、繁栄を誇った天王寺屋も命運尽きたのでした。
このたび龍光院の全面協力を得て、曜変天目、密庵咸傑や竺仙梵僊の墨蹟といった国宝や、柿栗図(伝牧谿筆)、山水図(伝馬遠筆)、油滴天目などの重要文化財をはじめとする天王寺屋の名宝、また江月和尚所用の品やその禅風を慕って帰依した所縁の人々の品々などが一挙公開されます。あわせて、江月和尚から脈々と受け継がれ、今に生きる禅の法燈、龍光院の現在も紹介いたします。
本展は、龍光院開創以来四百年に亘り、代々の住持が祈りの心で守り抜いてきた桃山から寛永、そして今に続く寺宝の全容が、初めて一挙公開される歴史的な展覧会となります。一般の拝観を受け付けず特別公開の機会もなかった龍光院の奇跡の至宝を、この機会にどうぞご覧ください。

■開催概要
展覧会名:春季特別展「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋」
英語タイトル:Spring Exhibition: March 21ーMay 19
“Living in Zen and the Daitokuji Ryokoin Heritage”
開催期間:2019年(平成31年)3月21日(木・祝)〜 5月19日(日)
会 場:MIHO MUSEUM
〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 TEL.0748-82-3411
主 催:MIHO MUSEUM、日本経済新聞社、京都新聞
特別協力:大徳寺龍光院
後 援:滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、BBCびわ湖放送、
エフエム京都、帝産湖南交通
担当学芸員:畑中章良(MIHO MUSEUM学芸部長)
展示構成:一. 龍光院開祖 江月宗玩
二.天王寺屋・津田家
三.紫野仏法の法脈
四.江月宗玩―その生涯と周辺―
五.龍光院の今
展示総数:約200件(予定・会期中一部展示替えあり)
入館料:一般1100円、高・大生800円、小・中生300円
【20名以上の団体は各200円割引】
開館時間:午前10時〜午後5時 【入館は午後4時まで】
休館日:月曜日、4/30日(火)、5/7日(火)※4/29日(月)、5/6日(月)は開館
次回予告:2019年夏季特別展1
「謎の蒔絵師 永田友治 ― 尾形光琳の後継者を名乗った男」
6月8日(土)〜7月15日(月・祝) ※友治の「友」は右肩に点「`」

■講演会
大徳寺龍光院の宝物や建築について、各界の専門家による講演会を開催
下記いずれも
●南レクチャーホール ●14:00〜15:30 ●定員100名
●当日美術館棟受付にて整理券配布 ●参加無料(入館料要)
1. 3月31日(日) 門脇 むつみ(美術史家)
「開祖・江月宗玩と龍光院の宝物」
2. 4月14日(日) 山川 暁(京都国立博物館 企画・工芸室長)
「染織品に見る大航海時代―龍光院所蔵品から―」
3. 4月21日(日) 小林 仁(大阪市立東洋陶磁美術館 学芸課長代理)
「曜変天目の魅力と謎に迫る」
4. 4月29日(月・祝) 朝賀 浩(京都国立博物館 学芸部長)
「龍光院宝物の魅力」
5. 5月12日(日) 池田 俊彦(建築史家)
「密庵席―龍光院の建築」

■龍光院三会
龍光院で定期的に行われている三つの会が、展覧会会期中、MIHO MUSEUMに
会場を移して開催されます。
下記いずれも
●一般の方もご参加いただけます。 ●当日美術館棟受付にて整理券配布
1.【看松会(かんしょうかい)】
茶書講義の会。龍光院の先師、南嶺和尚の仰る「趣味や社交の茶ではなく、
利休本来の禅の生活化としての茶の湯」を実践修行する場としていきたいとの
和尚様の思いから開かれています。
特別講演「龍光院の茶の湯」(仮題)講師:熊倉 功夫(MIHO MUSEUM館長)
●3月23日(土)14:00〜15:30 ●南レクチャーホール ●定員100名
2.【寸松塾(すんしょうじゅく)】
論語の勉強会。通常は龍光院にて親子で作務(お掃除や畑仕事など)、
坐禅ののち、論語の勉強をします。今は一寸の松のように小さなこどもたちが、
心豊かにたくましく育って大樹となり、世のため人のためになってほしいとの
和尚様の願いが込められています。
こどもと大人のための論語塾 講師:安岡 定子(論語塾講師)
●3月24日(日)13:00〜14:00 ●南レクチャーホール ●定員100名
●主に親子対象(小学生以上)
3.【欠伸会(かんしんかい)】
開祖江月宗玩和尚語録の勉強会。芳澤先生の厳しくも温かいご指導のもと、
禅の教えに共鳴する老若男女が集い学んでいます。
特別講演「江月和尚と欠伸稿(かんしんこう)」(仮題)
講師:芳澤 勝弘(禅学・禅宗史研究家、花園大学国際禅学研究所顧問)
●4月7日(日)14:00〜15:30 ●南レクチャーホール ●定員100名

■坐禅の会
龍光院の小堀月浦和尚による坐禅の会
3月28日(木)、30日(土)
4月4日(木)、6日(土)、11日(木)、13日(土)、18日(木)、
20日(土)、25日(木)、27日(土)
5月9日(木)、11日(土)、16日(木)、18日(土)
●会場:南レクチャーホール
●14:00〜14:45、14:45〜15:30(入れ替え制で各日2回)
●定員:各回50名 ●当日整理券配布 ●参加無料(入館料要)
※3月28日(木)は14:45〜の1回のみ
※4月6日(土)は14:00〜西村古珠住職(寶林寺住職)による紙芝居
「大燈国師物語」が加わるため、坐禅の会は1回のみ。

■春の夜間特別開館
「内田輝コンサート Silent Prayer
―ソプラノサックスとクラヴィコードの夕べ―」
内田輝は、CDアルバム「Silent Prayer」を収録したMIHO MUSEUM
地下1階のロータリーを、「魔法のような響きの空間」といいます。
当日はコンサート、サイン会終了後に、最高の音響空間ロータリーにて
1曲披露してくださいます。
5月14日(火)17:00〜夕食 18:30〜コンサート
参加費:一般6,500円 MIHO MUSEUM友の会会員5,000円
料金には美術館入館料、コンサート鑑賞、ご夕食(秀明自然農法食材の
松花堂弁当、MIHOオリジナルワインまたはサワードリンク付き)、
消費税をすべて含みます。
申込方法:※詳細決定次第当館HPにて告知

■国宝「曜変天目」三碗同時期公開!
中国南宋時代(12-13世紀)に、福建省の建窯で焼かれた天目茶碗を建盞と呼びます。曜変天目(耀変天目とも表記)は、大量に焼かれた建盞のうち、窯内で偶然に美しい結晶が生じたものを指します。唐物全盛の室町時代には、茶碗の中で最高峰に位置付けられました。
日本にのみ伝世する曜変天目のうち、大徳寺龍光院のほか、静嘉堂文庫美術館と藤田美術館に所蔵される計三碗が国宝に指定されています。2019年春に開催される下記展覧会において、ほぼ同時期に三碗がそれぞれ展示されます。
MIHO MUSEUMでは、会期中当館所蔵の耀変天目(重要文化財)も特別陳列(中国・西域展示室)いたします。
MIHO MUSEUM 3月21日〜5月19日「大徳寺龍光院 国宝曜変天目と破草鞋」
静嘉堂文庫美術館 4月13日〜6月2日「日本刀の華 備前刀」
奈良国立博物館 4月13日〜6月9日「国宝の殿堂 藤田美術館展
―曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき―」
3館を巡ると、2・3館目の入館料が割引されます。
●いずれか1館の入館券の半券をご提示ください。
●2・3館目の入館料200円割引 ●1枚1名のみ ●他の割引との併用不可

■作品画像
1.国宝 曜変天目 南宋時代 12-13世紀
2.唐物丸壺茶入(宗及丸壺) 附 菱形内黒外屈輪文盆 南宋時代 12-13世紀 津田宗及・江月宗玩 所持
3.重要文化財 油滴天目 附 螺鈿菊花唐草文天目台 天字印・分銅形印 伝津田宗及・江月宗玩 所持 茶碗/南宋時代 12-13世紀 天目台/琉球 16-17世紀

■MIHO MUSEUMについて
MIHO MUSEUMは1997年11月に、琵琶湖の南、自然豊かで風光明媚な湖南アルプスの山中に誕生しました。建築設計は、フランス・ルーヴル美術館のガラスのピラミッド、ワシントンのナショナルギャラリー東館、北京、香港の中国銀行ビル等で世界的に知られるI.M.Pei氏によるものです。設計のテーマは「桃源郷」。東晋の詩人、陶 淵明の「桃花源記」にある仙境の楽園ー桃源郷の物語を、構想・設計・建設に6年の歳月をかけて、信楽の地に実現したのです。
所蔵品は、エジプト、ギリシア・ローマ、西アジア、中央アジア、南アジア、中国、朝鮮、古代アメリカなどの古代美術と、仏教美術や、茶道美術をはじめ、絵画、漆工、陶磁器などの日本古美術をあわせて、約3,000件からなり、季節により国内外からの出陳を加えて、常時250〜500点を展示しています。
その質の高いコレクションは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、オーストリア・ウィーン美術史美術館、オランダ・ライデン国立古代博物館などで公開され、海外からも高く評価されています。
美術館棟は「自然と建物と美術品」「伝統と現代」「東洋と西洋」の融合をテーマに、建築容積の80%以上を地中に埋設し、建物の上にも自然を復元しています。幾何学模様が織りなすガラス屋根からは、明るい太陽の光が降り注ぎ、訪れる人をやさしく包み込んでくれます。
施設としては、2つのホール、オリジナルグッズをそろえた3つのショップ、無肥料・無農薬の厳選食材を使用したレストラン、喫茶各1店舗があります。レストラン別室では、団体様用の昼食も提供しています。
MIHO MUSEUMは30万坪の敷地に、信楽の大自然、建築、美術品、すべてが融合した感動の空間です。

【一般の方のお問い合わせ先】
MIHO MUSEUM TEL.0748-82-3411 URL. http://miho.jp

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