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『2019年9月14日』は円周率π(3.1415…)にまつわる奇跡の誕生日 日本数学検定協会が発表

公益財団法人日本数学検定協会(所在地:東京都台東区、理事長:清水静海)は、生年月日の8桁の数字が円周率π(3.1415…)の小数点以下のどこに存在するかを検索するアプリケーション「誕生日8桁π検索」(小数点以下10億桁まで対応。以下、アプリ)を2018年5月に開発いたしました。
そしてこのたび、当協会は『2019年9月14日』(20190914)の8桁が、円周率πの小数点以下に現れる、現代(西暦1900年1月1日〜)以降の最初の生年月日になることが判明いたしましたので、お知らせいたします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/193264/LL_img_193264_1.png
「誕生日8桁π検索」検索結果画面

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/193264/img_193264_2.jpg
「誕生日8桁π検索」検索画面

■アプリケーション「誕生日8桁π検索」について
このアプリは、当協会が主催するさまざまなイベントで展示しており、参加者の8桁の生年月日が円周率πの小数点以下何桁めに存在するかを実際に体験してもらい、好評を得ています。

またこのアプリには、多くの偉人の8桁の生年月日を登録してあり、以下は、その一例です。
・アインシュタイン 1879年 3月14日(18790314)→小数点以下18,830,020桁め
・徳川家康 1543年 1月31日(15430131)→小数点以下17,128,070桁め
・イチロー 1973年10月22日(19731022)→小数点以下123,417,184桁め

いずれも小数点以下10,000,000桁めを超えるところに存在していることがわかります。


■円周率π(3.1415…)にまつわる奇跡の誕生日『2019年9月14日』
このたび、2019年9月14日を8桁の数字で表した「20190914」で検索したところ、小数点以下244桁めに存在することがわかりました。これは、私たちが生きている現代(西暦1900年1月1日〜)以降の生年月日で検索した場合、円周率πの小数点以下に現れる最初の8桁となります。西暦1年1月1日(00010101)から2200年12月31日(22001231)まで範囲を広げて検索した場合でも、284年10月27日(02841027)が小数点以下159桁めに存在しますが、「20190914」は2番めに早く現れる生年月日となり、まさに円周率πにまつわる奇跡の誕生日と言えます。

この奇跡の誕生日を記念して、サイエンスナビゲーター(R)の桜井進氏に円周率πにまつわる話を寄稿いただきました。桜井氏は自身の講演会などで、円周率πのなかの数列を検索しており、そのアイデアをもとに当協会が開発したアプリにも多くのアドバイスを頂戴しております。円周率πの壮大なストーリーをご覧ください。


■桜井進氏の円周率πにまつわる話 〜「探査される数、円周率π」〜
サイエンスナビゲーター(R)桜井進氏
https://www.atpress.ne.jp/releases/193264/img_193264_3.jpg

探査。それが連想させるのは宇宙や深海はたまた新種の生物の探査そして石油の探査でしょうか。いまも地球や宇宙のどこかで多くの探査が行われています。そしてあまり聞き慣れないかもしれませんが数の探査も行われています。とりわけ長い年月をかけて探査されてきた数が素数と円周率です。両方に共通することが2つ。1つめは、数千年もの間、数の探求が続いていること。円周率πは4千年前の記録が残されています。素数は2千年前の古代ギリシアから歴史が始まりました。2つめは、桁数の巨大さです。現在、素数は1,000万桁オーダー、そして円周率πは小数点以下10兆桁オーダーに到達しています。2千年前、古代ギリシアの数学者たちは手計算を行い、素数と円周率を求めました。
2千年の数学の進歩がもたらした偉業こそがコンピュータの発明です。アルキメデスに始まる数学者たちの頭脳によってコンピュータは誕生しました。手計算の限界をはるかに超えた巨大な数に立ち向かう唯一の道具がコンピュータです。

「3.14」は円周率πとして知られる数。円周率とは、直径と円周の比率のことです。直径1mの円周が約3.14mであることを意味しています。そして、直径と円周の比率は、円の大きさによらずに一定であることが円の基本的な性質です。実際に円を描いて直径と円周の長さを測り算出される比率は約3です。それを3.14であることをつきとめたのが天才アルキメデスでした。それが数学の威力に他なりません。円という曲線の長さを計算することが非常に難しいということです。はたして、人類は数千年をかけて円周率を計算し続け小数点以下31.4兆桁に到達。2019年3月14日にグーグルによって世界中にアナウンスされました。ちなみに、3月14日は日本数学検定協会が「数学の日」、日本パイ協会は「パイの日」と制定しています。
グーグルのチームリーダーは日本出身の女性エンジニア、エマ・ハルカ・イワオ氏です。彼女の大学時代の師が高橋大介氏で2009年に2.57兆桁の世界記録を樹立。さらに彼の師が金田康正氏で、2002年に1.24兆桁の世界記録を樹立。円周率計算記録挑戦は日本の伝統といえます。

円周率πの桁数が大きくなるにつれ、πの正体も明らかになっていきました。πは小数点以下の数字が繰り返すことなく無限に続く数──無理数であることが証明されたのは1761年のことです。1882年、πは超越数であることが証明され、数学者たちを驚嘆させました。簡単に言うと、πはいかなる方程式の解にならないということです。20世紀後半にコンピュータによってπの桁数が飛躍的に大きくなったことで分かってきたことがあります。πの小数点以下の数字列がランダムなのではないか?ランダムに選ばれた無限の数字列にはあらゆる有限の数字列が遅かれ早かれ現れます。10進小数展開がこのような性質を持つ数は10進万能数と呼ばれます。
πは万能数なのではないか?この予想が正しいとすれば、πの小数部のどこかに誕生日(西暦4桁、月日4桁の8桁)が必ず見つかることになります。それは誕生日でなくても、学籍番号、電話番号、宝くじの当選番号、カードの暗唱番号、…数列であれば何でもいいのです。私はこれまで1億桁から1,000億桁のπを使って実際に数列検索の実験(以下、π検索)を行い、そのことを確かめてきました。

このたび、日本数学検定協会が00010101(西暦1年1月1日)を誕生日8桁の1番めとして22001231(西暦2200年12月31日)までのすべての誕生日のπ検索を行いました。その結果、20190914(西暦2019年9月14日)は小数点以下244桁めに現れることがわかりました。これは02841027(小数点以下159桁め)の次に円周率πで検索される生年月日です。

3.14159265358979323846264338327950288419716939937510582097494459230781640628620899862803482534211706798214808651328230664709384460955058223172535940812848111745028410270193852110555964462294895493038196442881097566593344612847564823378678316527120190914…

つまり、現在生きている人の中では一番早く円周率π検索できる誕生日ということで、世界中の2019年9月14日生まれの人には伝えてあげたくなります。π万能数予想をはじめ、小数点以下が無限に続くπは多くの謎を秘めておりその多くは証明されていません。コンピュータという強力な道具を手にした私たちにπはその正体を現し始めたばかりといえるでしょう。πの神秘を解き明かすため、πの探査は続いていきます。

<プロフィール>
桜井 進(サイエンスナビゲーター(R))
1968年生まれ。東京工業大学理学部数学科卒業。同大学大学院社会理工学研究科博士課程中退。株式会社sakurAi Science Factory 代表取締役。2000年にサイエンスナビゲーター(R)を名乗り、数学の驚きと感動を伝える講演活動をスタート。東京工業大学世界文明センターフェローを経て現在に至る。子どもから大人までを対象とした講演会は年間70回以上。全国で反響を呼び、テレビ・新聞・雑誌などさまざまなメディアに出演。著書に『感動する!数学』『面白くて眠れなくなる数学』(ともにPHP研究所)『わくわく数の世界の大冒険』(日本図書センター)など50冊以上。
※サイエンスナビゲーターは株式会社sakurAi Science Factoryの登録商標です。


【実用数学技能検定について】
「実用数学技能検定」(後援=文部科学省)は、数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測る記述式の検定で、公益財団法人日本数学検定協会が実施している全国レベルの実力・絶対評価システムです。おもに、数学領域である1級から5級までを「数学検定」と呼び、算数領域である6級から11級、かず・かたち検定までを「算数検定」と呼びます。第1回を実施した1992年には5,500人だった年間志願者数は、2015年以降は35万人を超え、また、2016年以降は実用数学技能検定を実施する学校や教育機関も17,000団体を超えました。以来、累計志願者数は600万人を突破しており、いまや数学・算数に関する検定のスタンダードとして進学・就職に必須の検定となっています。
日本国内はもちろん、フィリピンやカンボジア、インドネシア、タイなどでも実施され(累計志願者数は30,000人以上)、海外でも高い評価を得ています。※志願者数・実施校数はのべ数です。


【ビジネス数学検定について】(当協会の行うその他のおもな公益事業)
「ビジネス数学検定」は、ビジネスの現場で必要となる実用的な数学力・数学技能を測定する検定です。実務に即した数学力を5つの力(把握力・分析力・選択力・予測力・表現力)に分類し、ビジネスのシチュエーションを想定した問題で、これらの力の習熟度を測定します。インターネット上で受検できるWBT(Web Based Testing)方式を採用。2006年に第1回を実施し、現在では企業の採用試験や新人研修、管理職登用試験などに活用する事例も増加しています。


【法人概要】
法人名 : 公益財団法人 日本数学検定協会
所在地 : 〒110-0005 東京都台東区上野5-1-1 文昌堂ビル6階
理事長 : 清水静海(帝京大学大学院 教職研究科長・教授、公益社団法人日本数学教育学会名誉会長)
会長 : 甘利俊一(理化学研究所 栄誉研究員、東京大学名誉教授)
設立 : 1999年7月15日
事業内容: (1)数学に関する技能検定の実施、技能度の顕彰及びその証明書の発行
(2)ビジネスにおける数学の検定及び研修等の実施
(3)数学に関する出版物の刊行及び情報の提供
(4)数学の普及啓発に関する事業
(5)数学や学習数学に関する学術研究
(6)その他この法人の目的を達成するために必要な事業
URL : https://www.su-gaku.net/

※「数検」「数検/数学検定」「数検/Suken」は当協会に専用使用権が認められています。
※「ビジネス数学検定」は当協会の登録商標です。
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