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株式会社タス、2011年2月期の1都3県賃貸住宅統計指標を発表〜東京市部の新築賃貸住宅供給トレンド〜

 不動産評価Webサイト「TAS-MAP」を運営する株式会社タス(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:立野 良太郎)は、2011年2月末時点の1都3県の賃貸住宅TVI(タス空室インデックス)、募集期間、更新確率・中途解約確率を発表しました。これらの指標は、アットホーム株式会社の賃貸住宅データを用いて分析されています。

1.賃貸住宅指標概況

<東京都全域>
TVI(ポイント)  :12.50
募集期間(ヶ月) : 3.24
更新確率(%)  :42.76
中途解約確率(%):40.40

<東京都23区>
TVI(ポイント)  :12.27
募集期間(ヶ月) : 3.25
更新確率(%)  :42.50
中途解約確率(%):40.74

<東京市部>
TVI(ポイント)  :15.57
募集期間(ヶ月) : 3.17
更新確率(%)  :42.50
中途解約確率(%):40.74

<神奈川県>
TVI(ポイント)  :12.79
募集期間(ヶ月) : 3.51
更新確率(%)  :42.08
中途解約確率(%):41.26

<埼玉県>
TVI(ポイント)  :15.37
募集期間(ヶ月) : 3.54
更新確率(%)  :43.35
中途解約確率(%):42.19

<千葉県>
TVI(ポイント)  :13.55
募集期間(ヶ月) : 3.78
更新確率(%)  :44.08
中途解約確率(%):43.00

※これらの指標は、アットホーム株式会社の賃貸住宅データを用いて分析されています。


■東京都
・東京23区の募集戸数が多いため、東京都全域の動きは、東京23区にほぼ連動しています。
・TVIは東京都全域、東京23区が微減傾向、東京市部は横ばい傾向となっています。
マンション系(S造、RC造、SRC造)、アパート系(木造・軽量鉄骨造)別の長期TVI推移では、東京23区のマンション系が微減傾向、アパート系は横ばい傾向となっています。東京市部については、マンション系・アパート系共に上昇幅が拡大していましたが、ここ2か月は横ばいで推移しています。なお、統計に使用した全データに占めるアパート系(木造、軽量鉄骨造)の割合であるアパート率は、東京都全域:22.22%、東京23区:17.27%、東京市部:40.89%です。
 ・募集期間は23区、市部共に横ばい傾向にあります。若干の増減はありますが3.2ヶ月前後で推移しています。
 ・東京23区、東京市部とも中途解約確率が減少、更新確率が増加しています。両地域とも更新確率が中途解約確率を大きく上回っており、テナントの入れ替わりが安定する方向にあることが伺えます。

※より詳細な情報として、広域市場レポート(東京都マクロレポート)、地域市場レポート(東京23区 各区マクロレポート)およびインデックスレポート(統計指標)、周辺市場レポート(賃料査定サービス、指定場所から半径400m)をTAS-MAP( http://www.tas-japan.com/ )から提供しております。
※2011年5月初旬に、サービス範囲を1都3県に拡大予定です。
 
■神奈川県
・神奈川県のTVIは2010年4月より横ばい傾向です。マンション系、アパート系別の長期TVI推移からは、どちらの分類においても神奈川県が最も低い値を示しています。なお、神奈川県のアパート率は44.08%で、アパート率の高さが全体のTVIを引き上げています。
・募集期間は3.5ヶ月近辺で落ち着きつつあります。
・神奈川県も更新確率が中途解約確率を上回っています。引き続きテナントの入れ替わりが安定する傾向にあります。

■埼玉県
・埼玉県のTVIは高い水準で微増傾向です。マンション系、アパート系別の長期TVI推移で、アパート系TVIは微減傾向、マンション系は微増傾向となってきました。アパート系TVIが1都3県で最も高く、全体のTVIを引き上げています。埼玉県のアパート率は43.68%です。
・募集期間については、過去2年間は3.4〜3.5ヶ月で推移しています。
・ここ1年の傾向としては、中途解約確率が微減傾向、更新確率が微増傾向であり、テナントの入れ替わりが安定する傾向にあることが読み取れます。

■千葉県
・千葉県のTVIは横ばい傾向が継続しています。マンション系、アパート系別の長期TVI推移では、アパート系が埼玉県に次いでTVIが高くなっており、微増傾向にあります。マンション系は神奈川県に次いでTVIが低くなっていますが、アパート率が46.01%と高いため全体のTVIも高くなっています。
・前回大幅に増加した千葉県の募集期間は今回も高い水準で推移しています。
・ここ1年の傾向としては、中途解約確率が微減傾向、更新確率が増加傾向であり、テナントの入れ替わりが安定する傾向にあることが読み取れますが、中途解約確率は1都3県で1番高いレベルにあります。


■TVI(タス空室インデックス)(過去2年推移)
http://www.atpress.ne.jp/releases/20022/1_1.JPG

■1都3県アパート(木造、軽量鉄骨)TVI
http://www.atpress.ne.jp/releases/20022/2_2.JPG

■1都3県マンション(S造、RC造、SRC造)TVI
http://www.atpress.ne.jp/releases/20022/3_3.JPG


2.東京市部の新築賃貸住宅供給のトレンド

 以下に、アットホーム株式会社の賃貸住宅賃料データを用いて分析した、東京市部の部屋タイプ別の新築賃貸住宅供給推移(1970年〜2010年)、および国勢調査から作成した東京市部の民間借家に居住する単独世帯数・非単独世帯数の推移を示します。

 東京市部の部屋タイプ別の新築賃貸住宅供給推移は各年の新築戸数にしめる各部屋タイプの割合を示したものです。
 傾向としては東京23区と同様(※参照 http://www.tas-japan.com/pdf/news/residential/Vol14_residential20110331.pdf )に、バブル景気時、および2000年以降に単身者向け新築物件が多く提供されており、バブル景気が始まる直前の1980年代前半までと1990年から2000年にかけてはDINKS世帯向け、家族向けの新築物件が多く供給されていました。
 ただし、東京市部においては東京23区よりも変動幅が大きくなっています。特に2000年以降の単身者向け新築物件の増加が大きくなっているのが特徴です。

 東京市部の民間借家に居住する単独世帯数・非単独世帯数の推移をみると、単独世帯数は1980年から2005年まで約2.3倍に増加しています。
 同じ期間東京23区では約1.6倍ですので、東京市部における単身者世帯の増加幅の大きさがわかります。
 単独世帯数の全世帯数に占める割合では1985年までは55%程度、1990年から1995年には60%程度で推移していましたが、2000年から上昇幅が増え、2005年には66%となっています。非単独世帯数は1995年までは増加傾向にありました。特に1995年は1980年の1.5倍まで急増しましたがその後減少傾向となっています。
 これは核家族世帯の増減に起因しています。持ち家を含む世帯数でみると核家族世帯が最も多く、東京市部においては一貫して増加傾向にありますが、こちらは1995年から増加幅が大きくなっています。つまり民間借家の核家族世帯が1995年に大幅増し、それが持ち家の核家族に移行していることが読み取れます。
 東京23区と同様に、この変化は団塊ジュニア世代に起因していると思われます。1995年は団塊ジュニア世代が20代中頃であり、彼らが結婚をして賃貸住宅に入居したため、核家族世帯数が大幅増したものと思われます。
 その後、団塊ジュニアが持ち家を取得し賃貸住宅から退去していったため、2000年以降は核家族世帯数が減少しているものと考えられます。新築物件供給の動きは、これらの世帯数の推移による市場変化を受け調整されている様子が伺えます。

 東京市部の部屋タイプ別の新築賃貸住宅供給推移による、賃貸住宅に対するトレンドの変化を観測すると、バブル景気前は東京23区に比較して2K、2DK、3DKが多く供給されていたことがわかります。
 バブル時には単独世帯向けが急増しましたが、1995年の団塊ジュニア家族の増加に従い家族向けの部屋の供給量が増加しました。バブル前に多く供給されていた2Kタイプはバブル後には供給量が減少し、トレンドが2DK、2LDK中心にシフトしている様子が伺えます。またこの時期3LDKタイプも多く供給されていました。

 2000年以降は単独世帯の急増に合わせて、1Kタイプ、1LDKタイプの供給が増加していきます。2LDKタイプの供給割合は2000年以降変化がありませんが、2DKタイプ、3LDKタイプの供給は減少しています。核家族世帯数の減少に対する調整がこの2つのタイプで行われたことがわかります。

※東京23区の新築賃貸住宅供給のトレンドで使用した国勢調査の数値に一部誤りがあったため、図表および解説文を一部修正いたしました。


■東京23区 間取り別新築パーセンテージの推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/20022/4_4.JPG

■東京23区 民間借家に居住する単独世帯数・非単独世帯数の推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/20022/5_5.JPG


■用語説明
<TVI(TAS Vacancy Index:タス空室インデックス)>
 タスが開発した賃貸住宅の空室の指標です。
 TVIはアットホーム株式会社の賃貸住宅募集データを空室のサンプリング、募集建物の総戸数をストックのサンプリングとして下式で算出を行います。
 なお、募集建物の総戸数は、(1)募集建物を階層別に分類、(2)国勢調査、住宅土地統計調査を用いて階層別の都道府県毎の平均戸数を算出し、両者を乗じることにより算出しています。

 TVI = 空室のサンプリング ÷ ストックのサンプリング
= Σ募集戸数 ÷ Σ募集建物の総戸数

<募集期間(Downtime)>
 成約した物件の平均募集期間を示します。アットホーム株式会社の賃貸住宅の賃料データを用いて、下記の計算式で求められます。

 募集期間 = Average(成約日 - 募集開始日)

<更新確率・中途解約確率>
 更新確率は契約期間が2年として入居したテナントが契約更新を行う確率、中途解約確率は契約期間が2年として契約満了前にテナントが退去する確率を示します。アットホーム株式会社の賃貸住宅の賃料データを用いて算出しています。
 成約した部屋が再び市場に現れる(募集が開始される)までの月数をカウントし、7〜48ヶ月目を総数とし、7〜22ヶ月目までに市場に現れた件数を中途解約した件数、27〜48ヶ月目に現れた件数を契約更新をした件数としてそれぞれの確率を計算しています。

 注1:データ上7ヶ月未満で募集されているデータも存在していますが、入力ミスの可能性も否定できないため、算出から省いています。
 注2:49ヶ月以上で募集されているデータは全体の10%未満であること、また注1で省いた部分に含まれる可能性のある正規データ(6ヶ月以内に中途解約したデータ)とのバランスを考慮して、算出から省いています。

※各指標の詳細は、 http://www.tas-japan.com/pdf/market/marketreport_yogo.pdf もご参照ください。
※株式会社タスではこれらの指標を使用した、賃貸住宅市場賃料査定サービス、賃貸住宅市場レポートサービスを提供しています。
 詳細はTAS-MAPホームページ( http://www.tas-japan.com/menu/menu_market.html )をご覧ください。


■株式会社タスについて
 インターネットによる不動産評価、及び不動産情報サービス等を提供する不動産評価Webサイト「TAS-MAP」を運営するトヨタグループ会社のアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)です。

会社名  : 株式会社タス(英語名 TAS Corp.)
所在地  : 東京都中央区八丁堀2-25-9
       トヨタ八丁堀ビル7F
設立年月日: 2000年8月28日
資本金  : 1億8千万円
出資   : トヨタ自動車株式会社
       朝日航洋株式会社
       株式会社三友システムアプレイザル
       豊田通商株式会社
Web    : http://www.tas-japan.com/
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