【生活意識調査】この1年の日本人の変化(2010年→2011年)
[11/06/08]
提供元:@Press
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ブランド戦略コンサルティングを行う株式会社リスキーブランド(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:田崎 和照)は、一般生活者対象に、ネットリサーチの大手マイボイスコム株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:高井 和久)と共同で実施した生活意識調査(MindVoice(R)2011)のデータから、この1年の日本人の生活意識の変化をまとめました。MindVoice(R)2011の実査時期は、2011年5月、有効回答数は4,028名です。
*PDFデータ: http://www.riskybrand.com/mindvoice/topics/news_mindvoice_2011_jun.pdf
【分析結果の概要】
本分析では、MindVoice(R)2011のデータに含まれる『A.価値観』『B.商品選択マインド』『C.企業への期待値』の3点について、2010年のデータと震災後2011年5月時点のデータとの比較による分析を行いました。
1.価値観について
MindVoice(R)で測定している46の価値観項目の中で興味深い動きを示したのが、「自分探し」という価値観。ふとしたきっかけで自分の考えを見直したり迷ったりする意識のことです。「自分探し」は、若年層女性に多い価値観ですが近年他の年代にも拡大していました。しかし、増加傾向にあった「自分探し」は、この1年で3.2ポイント減少(チャート1参照)。「自分探し」を卒業し、地に足のついた生き方をしようとする価値観が増加しつつあると見ることができます。
特に、団塊ジュニアを含む30〜40代男性の「自分探し」はこの1年で大きく減少(7.8ポイント)。彼らには、この1年の様々な出来ごとを通じて言わば大人の自覚が醸成されたのだと読み取れます。なおこの1年では、46の価値観測定項目のうち上記の「自分探し」以外には目立った動き(3ポイント以上の増減)はありませんでした。
■チャート1.「自分探し」の推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/20811/1_1.png
「自分探し」の減少は、震災による心理的な変化が影響しているかもしれません。「誇りに思うことは?」という質問に対して、日常の身近な人やこと(仲間・友人、家族、自分の経験など)を誇る意識がそれぞれ約2ポイント減少した一方で、「自分が日本人であること」を誇りに思う意識が2.3ポイント増加しています(チャート2参照)。未曾有の震災に遭遇した日本人の誇りの源泉は、日常の身近な人やものから、日本という大きな存在へと移り、いつまでも「自分探し」を続けることができるこれまでの恵まれた環境に対する反省や自戒の念が生まれたのかもしれません。
■チャート2.誇りに感じること
「とても誇りを感じる」「やや誇りを感じる」計
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
自分が日本人であること 52.8 55.0 +2.3
自分がアジア人であること 26.1 28.0 +1.8
自分の故郷生まれ育った地域 44.9 45.1 +0.2
自分の持ち物 24.6 24.9 +0.2
(家・車・宝石・アクセサリーなど)
自分が誰とも無縁の孤独な存在であること 5.6 4.8 ‐0.7
自分が住んでいる地域 38.1 37.3 ‐0.8
自分が勤務している会社 26.6 25.8 ‐0.8
自分の親族・一族 45.8 44.9 ‐0.9
自分がインターネット世界の住人であること 15.2 14.3 ‐0.9
自分の趣味 37.1 36.0 ‐1.1
(スポーツ・読書・音楽・創作活動など)
自分が男性であること女性であること 35.8 34.6 ‐1.2
自分が通っている/卒業した学校 40.8 39.3 ‐1.5
自分がこれまで経験したり学んできたこと 47.2 45.2 ‐2.0
自分の家族 65.6 63.5 ‐2.1
自分の友人・仲間 53.3 51.1 ‐2.2
2.商品選択マインドについて
『B.商品選択マインド』は、(1)選択をする上での着眼点、(2)商品を通じて得たい心理、(3)好きなイメージといった3つのレイヤーで測定しています。どのレイヤーでも、この1年で際立った変化は認められませんでしたが、いくつか興味深い傾向を読み取ることができます。
(1)選択をする上での着眼点では「見た目のインパクト」に着眼する傾向がこの1年で2.3ポイント上昇しています(チャート3参照)。
(2)商品を通じて得たい心理では「快適な気分が得られる」が同様に1.2ポイント上昇。僅かな上昇ですが「自分らしさが表現できる」が1.9ポイント下降していることを併せて見れば、自己表現よりも快適性が優先される傾向が読み取れます(チャート4参照)。
(3)好きなイメージでは、「形状が美しい」ことがこの1年で3.4ポイント上昇しています。「安心感のある(+2.5ポイント)」「ナチュラルな(+2.3ポイント)」がそれに続きます(チャート5参照)。商品選択マインドは、見た目、快適、美しさといった領域の重要度が増加しました。商品企画のポイントは、
<1>まず「見た目」、つまりデザインなどの視覚効果・演出の工夫によって生活者に着眼してもらう工夫を凝らすこと、
<2>見た目は、派手さや自己表現のための見た目ではなく、あくまで「快適」という消費者心理を満足させることを目的とすること、
<3>そして、商品は「美しい」ものであることと整理できるでしょう。
■チャート3.(1)選択をする上での着眼点(MA)
Q.あなたは、商品を購入する時、商品のどのようなところに注目して評価していますか?(いくつでも)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
見た目のインパクト 19.3 21.5 +2.3
最新の技術やテクノロジー 18.9 20.6 +1.7
独自性の高い技術やテクノロジー 18.6 19.8 +1.3
原産国/製造国 35.3 36.4 +1.1
色/カラーリング 56.7 57.8 +1.1
商品そのものの存在感 13.9 15.0 +1.1
サイズ感/大きさ/重量感 50.1 51.1 +1.0
使ったときのちょっとした音/光/香り 12.9 13.8 +0.9
形状やスタイル 64.9 65.6 +0.7
シャレや話題性 6.3 6.9 +0.6
常識を超えた機能・性能 9.0 9.5 +0.5
伝統の技 5.5 6.0 +0.5
顧客/ユーザーイメージ 3.7 4.0 +0.3
ブランドイメージそのもの 13.5 13.7 +0.2
見た目のバランスの良さ 32.2 32.2 +0.1
素材/原料 31.8 31.8 +0.1
その商品の歴史や背景 3.9 3.9 +0.0
ロゴマーク/ブランドのロゴ 6.3 6.2 ‐0.1
作り手のこだわりや思い入れ 9.9 9.7 ‐0.2
その商品を支える思想・哲学 4.9 4.6 ‐0.3
模様/絵柄/装飾 33.6 33.3 ‐0.3
細部への配慮やこだわり 22.3 21.1 ‐1.2
希少性/少量生産 5.8 4.6 ‐1.2
肌触り/触感/フィット感 36.0 33.8 ‐2.2
使い心地/操作感 59.1 56.6 ‐2.4
■チャート4.(2)商品を通じて得たい心理(MA)
Q.あなたが、多少値段が高くても買いたいと思う商品とはどんな商品ですか?(いくつでも)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
快適な気分が得られる 33.3 34.5 +1.2
安心感が得られる 26.3 27.2 +0.9
感動を得られる 15.7 16.5 +0.8
夢や勇気をもらえる 13.7 14.3 +0.6
癒(いや)される 21.6 22.2 +0.5
社会や環境に貢献できる 5.7 6.1 +0.5
異性にモテる 4.0 4.3 +0.3
優越感が得られる 12.8 13.1 +0.3
自由や解放感が得られる 8.6 8.8 +0.2
興奮できる/刺激が得られる 12.3 12.5 +0.2
ステータスが感じられる 20.7 20.7 +0.0
自分の世界に浸れる/夢中になれる 19.4 19.3 ‐0.1
自分に自信を与えてくれる 20.4 20.3 ‐0.1
時代を先取りできる 7.3 7.1 ‐0.2
自分が成長できる 16.6 16.3 ‐0.3
自分の知性が表現できる 8.3 7.9 ‐0.4
豊かな気分/充実感が味わえる 32.9 32.5 ‐0.4
時代(流行)を感じることができる 7.1 6.7 ‐0.5
友人からの好感を得られる 5.2 4.6 ‐0.6
気分転換できる/日常を忘れさせてくれる 21.8 21.2 ‐0.6
知的好奇心が満たされる 22.5 21.6 ‐0.8
自分らしさが表現できる 28.9 26.9 ‐1.9
■チャート5.(3)好きなイメージ(MA)
Q.あなたは、どのようなデザインやイメージの商品に魅力を感じますか?(いくつでも)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
形状が美しい 43.9 47.3 +3.4
安心感のある 21.7 24.3 +2.5
ナチュラルな 19.9 22.1 +2.3
エコ・環境への配慮を感じる 11.9 13.3 +1.4
アートを感じる 11.1 12.4 +1.3
簡単・お手軽な 11.5 12.8 +1.3
華麗・豪華な 6.4 7.4 +1.0
スリムな 14.2 15.0 +0.8
清潔感のある 19.0 19.7 +0.8
プロ感覚の 9.8 10.5 +0.7
精巧な細工や施し 16.5 16.9 +0.5
かわいらしい 12.6 13.0 +0.4
歴史を感じる 4.2 4.5 +0.4
頑強な 9.6 9.9 +0.3
色がきれいな 36.9 37.1 +0.3
謎めいた 3.2 3.4 +0.2
際立った個性を感じる 6.5 6.7 +0.2
時代を先取する 5.5 5.7 +0.2
素材感のある 12.6 12.6 ‐0.1
セクシーな 3.1 3.0 ‐0.1
知的な 16.0 15.7 ‐0.3
完成度やバランスがよい 32.2 31.7 ‐0.6
さわやかな 11.8 11.2 ‐0.6
機能性に優れた 58.0 57.4 ‐0.7
時代に左右されない 19.5 18.8 ‐0.7
無難な 5.6 4.8 ‐0.8
シンプルな 35.5 34.6 ‐0.9
3.企業への期待値について
「C.企業への期待値」はこの1年の変化が比較的大きな分野です。24項目の評価軸のうちほとんどの項目で期待が増加していますが、上昇した上位3項目を拾うと、「経営者のリーダーシップが優れた(+4.8ポイント)」「堅実な経営に徹している(+4.2ポイント)」「先見性に優れた(+3.7ポイント)」となっています。「強いブランド力を誇る(+3.3ポイント)」「高潔・公明正大な(+3.0ポイント)」がそれに続きます。(チャート6参照)
この1年、企業にはリーダーシップ、堅実性、先見性といった期待値が増加したことが分かります。このことは、震災後の電力会社の対応や焼き肉店の衛生管理不備による事件、あるいは大量の顧客データ流出事件などに接した生活者の意識の変化が読み取れます。企業の社会的責任の在り方、消費者の過剰な低価格志向の見直しなど、今後の企業と消費者の正しい信頼関係を示して欲しいといった期待の表れなのかもしれません。
なお、このデータでの企業への期待値は、(A)消費者の立場(消費者基準)、(B)就職する立場(リクルート基準)、(C)将来有望な(投資基準)の3つの立場からの評価のうち、(A)消費者の立場(消費者基準)による企業への期待値を指します。
■チャート6.企業への期待値(消費者の立場として)
Q.あなたは、どのような企業を評価しますか?(A)消費者の立場として、商品サービスを購入したい会社(MA)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)経営者のリーダーシップが優れた 11.3 16.1 +4.8
堅実な経営に徹している 24.3 28.6 +4.2
先見性に優れた 14.5 18.2 +3.7
強いブランド力を誇る 17.9 21.2 +3.3
高潔・公明正大な 18.8 21.8 +3.0
日ごろ、目にする機会が多い 35.8 38.7 +2.8
庶民的な 18.2 20.8 +2.6
独創的な 10.9 13.5 +2.5
国際的/グローバルな 10.5 13.0 +2.5
デザインやセンスの良さを誇る 22.7 25.1 +2.4
華やかな 3.9 5.6 +1.7
日常の着実な成果を大切にする 12.0 13.6 +1.5
リスクを恐れない 5.3 6.8 +1.5
信頼できる 68.5 69.9 +1.4
環境・社会貢献に注力している 14.4 15.7 +1.3
不可能を可能に変える力がある 6.9 8.2 +1.3
研究開発や技術力を誇る 28.5 29.8 +1.3
誠実・真面目な 34.8 36.0 +1.2
実力主義の 6.4 7.6 +1.1
手厚い福利厚生が整っている 5.2 6.2 +1.0
洒落っ気・遊び心がある 14.9 15.8 +0.8
サービスの良さを誇る 38.1 38.3 +0.2
夢・理想を大切にする 9.4 9.1 ‐0.3
安心できる毎日を提供してくれる 38.2 36.1 ‐2.1
【MindVoice(R)について】
MindVoice(R)は、生活者の感性価値を定量化、商品企画・ブランド戦略の仮説構築を支援するデータバンク。ブランド戦略コンサルティングのスペシャリスト株式会社リスキーブランドと、オンラインリサーチの老舗マイボイスコム株式会社のコラボによって誕生したリサーチ&コンサルティング・サービスです。
<調査概要>
調査方法 : オンライン・アンケート調査
調査時期 : 2011年5月
標本数 : 4,028標本(有効回答)
母集団 : 15〜64歳の男女個人(世帯年収300万円以上)
割付 : 性・年齢による均等割付
調査パネル : リサーチコミュニティ「MyVoice」の登録メンバー
ホームページ: http://www.riskybrand.com/mindvoice
■株式会社リスキーブランドについて
株式会社リスキーブランドは、マーケティング、マネジメント、デザインを通じて、企業のブランド戦略や商品企画/マーケティングを支援するコンサルティング会社です。消費者の感性価値を切り口に、自動車、IT&AV機器、化粧品、食品、衣料、住宅業界等様々なクライアント企業に対してサービスを提供しています。MindVoice(R)は、リスキーブランドのブランドコンサルティングに活用されます。
ホームページ: http://www.riskybrand.com
■マイボイスコム株式会社について
マイボイスコム株式会社は、ネットリサーチ、広告評価、Webサイト評価、行動付随分析、顧客満足度調査、リサーチレポート販売等、企業の皆さまにインターネット調査を、企画設計から集計、レポート作成、ご報告までトータルサポートしている『ネットリサーチ会社』です。本テーマ以外に約1,100件の自主調査結果をホームページにて公表しています。
ホームページ: http://www.myvoice.co.jp
*PDFデータ: http://www.riskybrand.com/mindvoice/topics/news_mindvoice_2011_jun.pdf
【分析結果の概要】
本分析では、MindVoice(R)2011のデータに含まれる『A.価値観』『B.商品選択マインド』『C.企業への期待値』の3点について、2010年のデータと震災後2011年5月時点のデータとの比較による分析を行いました。
1.価値観について
MindVoice(R)で測定している46の価値観項目の中で興味深い動きを示したのが、「自分探し」という価値観。ふとしたきっかけで自分の考えを見直したり迷ったりする意識のことです。「自分探し」は、若年層女性に多い価値観ですが近年他の年代にも拡大していました。しかし、増加傾向にあった「自分探し」は、この1年で3.2ポイント減少(チャート1参照)。「自分探し」を卒業し、地に足のついた生き方をしようとする価値観が増加しつつあると見ることができます。
特に、団塊ジュニアを含む30〜40代男性の「自分探し」はこの1年で大きく減少(7.8ポイント)。彼らには、この1年の様々な出来ごとを通じて言わば大人の自覚が醸成されたのだと読み取れます。なおこの1年では、46の価値観測定項目のうち上記の「自分探し」以外には目立った動き(3ポイント以上の増減)はありませんでした。
■チャート1.「自分探し」の推移
http://www.atpress.ne.jp/releases/20811/1_1.png
「自分探し」の減少は、震災による心理的な変化が影響しているかもしれません。「誇りに思うことは?」という質問に対して、日常の身近な人やこと(仲間・友人、家族、自分の経験など)を誇る意識がそれぞれ約2ポイント減少した一方で、「自分が日本人であること」を誇りに思う意識が2.3ポイント増加しています(チャート2参照)。未曾有の震災に遭遇した日本人の誇りの源泉は、日常の身近な人やものから、日本という大きな存在へと移り、いつまでも「自分探し」を続けることができるこれまでの恵まれた環境に対する反省や自戒の念が生まれたのかもしれません。
■チャート2.誇りに感じること
「とても誇りを感じる」「やや誇りを感じる」計
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
自分が日本人であること 52.8 55.0 +2.3
自分がアジア人であること 26.1 28.0 +1.8
自分の故郷生まれ育った地域 44.9 45.1 +0.2
自分の持ち物 24.6 24.9 +0.2
(家・車・宝石・アクセサリーなど)
自分が誰とも無縁の孤独な存在であること 5.6 4.8 ‐0.7
自分が住んでいる地域 38.1 37.3 ‐0.8
自分が勤務している会社 26.6 25.8 ‐0.8
自分の親族・一族 45.8 44.9 ‐0.9
自分がインターネット世界の住人であること 15.2 14.3 ‐0.9
自分の趣味 37.1 36.0 ‐1.1
(スポーツ・読書・音楽・創作活動など)
自分が男性であること女性であること 35.8 34.6 ‐1.2
自分が通っている/卒業した学校 40.8 39.3 ‐1.5
自分がこれまで経験したり学んできたこと 47.2 45.2 ‐2.0
自分の家族 65.6 63.5 ‐2.1
自分の友人・仲間 53.3 51.1 ‐2.2
2.商品選択マインドについて
『B.商品選択マインド』は、(1)選択をする上での着眼点、(2)商品を通じて得たい心理、(3)好きなイメージといった3つのレイヤーで測定しています。どのレイヤーでも、この1年で際立った変化は認められませんでしたが、いくつか興味深い傾向を読み取ることができます。
(1)選択をする上での着眼点では「見た目のインパクト」に着眼する傾向がこの1年で2.3ポイント上昇しています(チャート3参照)。
(2)商品を通じて得たい心理では「快適な気分が得られる」が同様に1.2ポイント上昇。僅かな上昇ですが「自分らしさが表現できる」が1.9ポイント下降していることを併せて見れば、自己表現よりも快適性が優先される傾向が読み取れます(チャート4参照)。
(3)好きなイメージでは、「形状が美しい」ことがこの1年で3.4ポイント上昇しています。「安心感のある(+2.5ポイント)」「ナチュラルな(+2.3ポイント)」がそれに続きます(チャート5参照)。商品選択マインドは、見た目、快適、美しさといった領域の重要度が増加しました。商品企画のポイントは、
<1>まず「見た目」、つまりデザインなどの視覚効果・演出の工夫によって生活者に着眼してもらう工夫を凝らすこと、
<2>見た目は、派手さや自己表現のための見た目ではなく、あくまで「快適」という消費者心理を満足させることを目的とすること、
<3>そして、商品は「美しい」ものであることと整理できるでしょう。
■チャート3.(1)選択をする上での着眼点(MA)
Q.あなたは、商品を購入する時、商品のどのようなところに注目して評価していますか?(いくつでも)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
見た目のインパクト 19.3 21.5 +2.3
最新の技術やテクノロジー 18.9 20.6 +1.7
独自性の高い技術やテクノロジー 18.6 19.8 +1.3
原産国/製造国 35.3 36.4 +1.1
色/カラーリング 56.7 57.8 +1.1
商品そのものの存在感 13.9 15.0 +1.1
サイズ感/大きさ/重量感 50.1 51.1 +1.0
使ったときのちょっとした音/光/香り 12.9 13.8 +0.9
形状やスタイル 64.9 65.6 +0.7
シャレや話題性 6.3 6.9 +0.6
常識を超えた機能・性能 9.0 9.5 +0.5
伝統の技 5.5 6.0 +0.5
顧客/ユーザーイメージ 3.7 4.0 +0.3
ブランドイメージそのもの 13.5 13.7 +0.2
見た目のバランスの良さ 32.2 32.2 +0.1
素材/原料 31.8 31.8 +0.1
その商品の歴史や背景 3.9 3.9 +0.0
ロゴマーク/ブランドのロゴ 6.3 6.2 ‐0.1
作り手のこだわりや思い入れ 9.9 9.7 ‐0.2
その商品を支える思想・哲学 4.9 4.6 ‐0.3
模様/絵柄/装飾 33.6 33.3 ‐0.3
細部への配慮やこだわり 22.3 21.1 ‐1.2
希少性/少量生産 5.8 4.6 ‐1.2
肌触り/触感/フィット感 36.0 33.8 ‐2.2
使い心地/操作感 59.1 56.6 ‐2.4
■チャート4.(2)商品を通じて得たい心理(MA)
Q.あなたが、多少値段が高くても買いたいと思う商品とはどんな商品ですか?(いくつでも)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
快適な気分が得られる 33.3 34.5 +1.2
安心感が得られる 26.3 27.2 +0.9
感動を得られる 15.7 16.5 +0.8
夢や勇気をもらえる 13.7 14.3 +0.6
癒(いや)される 21.6 22.2 +0.5
社会や環境に貢献できる 5.7 6.1 +0.5
異性にモテる 4.0 4.3 +0.3
優越感が得られる 12.8 13.1 +0.3
自由や解放感が得られる 8.6 8.8 +0.2
興奮できる/刺激が得られる 12.3 12.5 +0.2
ステータスが感じられる 20.7 20.7 +0.0
自分の世界に浸れる/夢中になれる 19.4 19.3 ‐0.1
自分に自信を与えてくれる 20.4 20.3 ‐0.1
時代を先取りできる 7.3 7.1 ‐0.2
自分が成長できる 16.6 16.3 ‐0.3
自分の知性が表現できる 8.3 7.9 ‐0.4
豊かな気分/充実感が味わえる 32.9 32.5 ‐0.4
時代(流行)を感じることができる 7.1 6.7 ‐0.5
友人からの好感を得られる 5.2 4.6 ‐0.6
気分転換できる/日常を忘れさせてくれる 21.8 21.2 ‐0.6
知的好奇心が満たされる 22.5 21.6 ‐0.8
自分らしさが表現できる 28.9 26.9 ‐1.9
■チャート5.(3)好きなイメージ(MA)
Q.あなたは、どのようなデザインやイメージの商品に魅力を感じますか?(いくつでも)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)
形状が美しい 43.9 47.3 +3.4
安心感のある 21.7 24.3 +2.5
ナチュラルな 19.9 22.1 +2.3
エコ・環境への配慮を感じる 11.9 13.3 +1.4
アートを感じる 11.1 12.4 +1.3
簡単・お手軽な 11.5 12.8 +1.3
華麗・豪華な 6.4 7.4 +1.0
スリムな 14.2 15.0 +0.8
清潔感のある 19.0 19.7 +0.8
プロ感覚の 9.8 10.5 +0.7
精巧な細工や施し 16.5 16.9 +0.5
かわいらしい 12.6 13.0 +0.4
歴史を感じる 4.2 4.5 +0.4
頑強な 9.6 9.9 +0.3
色がきれいな 36.9 37.1 +0.3
謎めいた 3.2 3.4 +0.2
際立った個性を感じる 6.5 6.7 +0.2
時代を先取する 5.5 5.7 +0.2
素材感のある 12.6 12.6 ‐0.1
セクシーな 3.1 3.0 ‐0.1
知的な 16.0 15.7 ‐0.3
完成度やバランスがよい 32.2 31.7 ‐0.6
さわやかな 11.8 11.2 ‐0.6
機能性に優れた 58.0 57.4 ‐0.7
時代に左右されない 19.5 18.8 ‐0.7
無難な 5.6 4.8 ‐0.8
シンプルな 35.5 34.6 ‐0.9
3.企業への期待値について
「C.企業への期待値」はこの1年の変化が比較的大きな分野です。24項目の評価軸のうちほとんどの項目で期待が増加していますが、上昇した上位3項目を拾うと、「経営者のリーダーシップが優れた(+4.8ポイント)」「堅実な経営に徹している(+4.2ポイント)」「先見性に優れた(+3.7ポイント)」となっています。「強いブランド力を誇る(+3.3ポイント)」「高潔・公明正大な(+3.0ポイント)」がそれに続きます。(チャート6参照)
この1年、企業にはリーダーシップ、堅実性、先見性といった期待値が増加したことが分かります。このことは、震災後の電力会社の対応や焼き肉店の衛生管理不備による事件、あるいは大量の顧客データ流出事件などに接した生活者の意識の変化が読み取れます。企業の社会的責任の在り方、消費者の過剰な低価格志向の見直しなど、今後の企業と消費者の正しい信頼関係を示して欲しいといった期待の表れなのかもしれません。
なお、このデータでの企業への期待値は、(A)消費者の立場(消費者基準)、(B)就職する立場(リクルート基準)、(C)将来有望な(投資基準)の3つの立場からの評価のうち、(A)消費者の立場(消費者基準)による企業への期待値を指します。
■チャート6.企業への期待値(消費者の立場として)
Q.あなたは、どのような企業を評価しますか?(A)消費者の立場として、商品サービスを購入したい会社(MA)
2010年(%) 2011年(%) 増減(pt.)経営者のリーダーシップが優れた 11.3 16.1 +4.8
堅実な経営に徹している 24.3 28.6 +4.2
先見性に優れた 14.5 18.2 +3.7
強いブランド力を誇る 17.9 21.2 +3.3
高潔・公明正大な 18.8 21.8 +3.0
日ごろ、目にする機会が多い 35.8 38.7 +2.8
庶民的な 18.2 20.8 +2.6
独創的な 10.9 13.5 +2.5
国際的/グローバルな 10.5 13.0 +2.5
デザインやセンスの良さを誇る 22.7 25.1 +2.4
華やかな 3.9 5.6 +1.7
日常の着実な成果を大切にする 12.0 13.6 +1.5
リスクを恐れない 5.3 6.8 +1.5
信頼できる 68.5 69.9 +1.4
環境・社会貢献に注力している 14.4 15.7 +1.3
不可能を可能に変える力がある 6.9 8.2 +1.3
研究開発や技術力を誇る 28.5 29.8 +1.3
誠実・真面目な 34.8 36.0 +1.2
実力主義の 6.4 7.6 +1.1
手厚い福利厚生が整っている 5.2 6.2 +1.0
洒落っ気・遊び心がある 14.9 15.8 +0.8
サービスの良さを誇る 38.1 38.3 +0.2
夢・理想を大切にする 9.4 9.1 ‐0.3
安心できる毎日を提供してくれる 38.2 36.1 ‐2.1
【MindVoice(R)について】
MindVoice(R)は、生活者の感性価値を定量化、商品企画・ブランド戦略の仮説構築を支援するデータバンク。ブランド戦略コンサルティングのスペシャリスト株式会社リスキーブランドと、オンラインリサーチの老舗マイボイスコム株式会社のコラボによって誕生したリサーチ&コンサルティング・サービスです。
<調査概要>
調査方法 : オンライン・アンケート調査
調査時期 : 2011年5月
標本数 : 4,028標本(有効回答)
母集団 : 15〜64歳の男女個人(世帯年収300万円以上)
割付 : 性・年齢による均等割付
調査パネル : リサーチコミュニティ「MyVoice」の登録メンバー
ホームページ: http://www.riskybrand.com/mindvoice
■株式会社リスキーブランドについて
株式会社リスキーブランドは、マーケティング、マネジメント、デザインを通じて、企業のブランド戦略や商品企画/マーケティングを支援するコンサルティング会社です。消費者の感性価値を切り口に、自動車、IT&AV機器、化粧品、食品、衣料、住宅業界等様々なクライアント企業に対してサービスを提供しています。MindVoice(R)は、リスキーブランドのブランドコンサルティングに活用されます。
ホームページ: http://www.riskybrand.com
■マイボイスコム株式会社について
マイボイスコム株式会社は、ネットリサーチ、広告評価、Webサイト評価、行動付随分析、顧客満足度調査、リサーチレポート販売等、企業の皆さまにインターネット調査を、企画設計から集計、レポート作成、ご報告までトータルサポートしている『ネットリサーチ会社』です。本テーマ以外に約1,100件の自主調査結果をホームページにて公表しています。
ホームページ: http://www.myvoice.co.jp